あのこは貴族のレビュー・感想・評価
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貴族と庶民
元々お嬢様の華子と地方から大学進学で東京に出てきた普通の女の子の美紀。2人の対比がハンパない。確かにお茶しない?と誘われて行ったら,午後のお茶で4200円。感覚違いすぎます。親のお金で進学しおぼっちゃまの幸一郎がノート貸してと言われて貸した美紀。美紀は親の仕事の都合で自分でバイトしながらの生活の中、きちんとノートをまじめに取っているのに。不公平だなあ〜後の2人の会話からそのノートは返さなかったようだし。幸一郎、とんでもないヤツです。
美紀と幸一郎は少しの間付き合っていたが、幸一郎は美紀の育ちをおそらくわかっていたのだろう、下にみて,本気ではなかったのだろう。華子の友達の逸子が華子と美紀を合わせなければ、美紀は何も知らず、幸一郎は上手く二股かけたんだろう。あの逸子の行動はなかなか男前で素敵でした。
幸一郎と結婚しても、すれ違いを徐々に感じる華子は結局離婚を切り出す。おそらく初めての自分の決断なのでは?おそらく、一人で暮らし、自分の物、自分の好きな物に囲まれて暮らしているんだろう。もし、実家に帰っていたのならちょっとずっこけます。
人間を幸福に導くもの
本作は、格差社会の頂点である富裕層で生まれ育った女性の成長記である。格差社会の底辺で苦悩する人々を描いた作品が多い中、本作は、格差社会の頂点である富裕層で生きる女性を描いている。自分の気持ちに向き合い目覚めていく女性の姿を丁寧に描いている。緩やかなテンポで物語は進行するが、格差社会や人間の幸福についての核心を突いた台詞を散りばめて、なかなか見応えのある作品に仕上がっている。
本作の主人公は、東京で暮らす裕福な家庭で育った20代女性・榛原華子(門脇麦)。彼女は恋人に振られる。同期生が結婚していく中で、彼女は婚活に躍起になり、良家出身の弁護士・青木幸一郎(高良健吾)と出会い結婚する。一方、地方都市で暮らす時岡美紀(水原希子)は、東京の有名私立大学に合格し上京したが、学費捻出もままならず、中退して将来の自分探しに苦闘していた。そんな、境遇が全く異なる二人は、意外な形で出会うことになる・・・。
物語は、格差社会の異なる階層で生きる二人の女性の姿を追っていく。作り手は境遇の違いが二人の生き方、考え方に色濃く反映していることを見せつける。富裕層のなかにいる主人公、外にいる美紀の視点で見せつけていく。
現代が格差社会であることもキッチリ描いている。美紀の通っている大学での内部生、外部生の違い、内部生と外部性が混じった時の違和感が端的に格差社会での序列を現わしている。
物質的な豊かさを享受している主人公が幸福かどうかは、その表情が示している。どんな時でも感情の起伏は穏やかであり、激高したり大喜びすることはない。美紀とは対照的である。周りに配慮して自分を出せない。出さない。
そんな主人公が変化していく。失恋、婚活、結婚を通して、次第に、自分の本心と向き合い、自分の意志で行動し、人を強く想うこと、人に強く想われることの大切さに目覚めていく。
本作は、意志ある行動、人との絆が人間を幸福に導くことを再認識させられる良作である。
特に大きな盛り上がりはなく、淡々と話が進んで行く。 良家のお嬢様と...
特に大きな盛り上がりはなく、淡々と話が進んで行く。
良家のお嬢様と、家が貧乏で大学を中退した女性のダブル主人公。
別に二人が深く交わるというわけでもなく、それぞれの人生を歩んでいくだけ。
それなりに楽しむことはできる。
お嬢様の突然の離婚には驚いたが。
最後はみんな好きになる
地方住まいのおっさんから見れば、今どきの若者たちの感性は最初どれも感情移入できない。
でも、少しずつそれぞれの人生に触れるにつれ、それぞれの感情が理解できるようになる。
そして、ステレオタイプと言いたがる人に向けての敢えての設定だと気づかされる。
簡単に言えば、時間はかかったけれども自分らしく生きる選択をした女性たちの話だ。
悲しいのは、自分を含めて男はなかなかそうはいかないと気づかされた今。
女性をたいへんうらやましく感じた映画でした。
そして、見終わった今、演じた四人の女優さん(門脇麦,水原希子,石橋静河,山下リオ)みんな大好きになりました。
知らない貴族の世界
貴族の中でも階級があって、あの人は一つ上の階級とか、そんなことを気にしながら生きているのね。田舎から頑張って華やかな都会に、一流の大学に進んだ彼女との対比。肩書きを捨てて自分の好きなことをやる友達との対比。今まで当たり前と思っていた世界が何か違うと気付く。幸せの考え方。離婚してからの彼女は顔つきが違った。そして三輪車で戯れ合う二人が、手を振ってくれた自転車で戯れ合う二人とリンクする。身分関係なしにまた新たに恋が始まるのかな。麦ちゃんが逸子ちゃんと言ってくれたのは光栄。石橋静河が逸子役をやってくれたのも光栄。勝手な自己満笑
資本主義が生んだ格差社会を描く
本作は貴族の女性と貧困の女性の2人を対比して描かれる。主人公は貴族の子だった。
貴族の女性は、今まで意識せずに上流階級を生きていたが結婚を機に違和感に気づく。財産分与、男尊女卑、結婚に対する価値観等々お金持ち特有の考え方に生きづらさを感じたが、気づいたタイミングが少し遅かったのかもしれない。ヴァイオリニストの友人のように早めに気づいていれば。
一方、貧困層の女性は高校時代に努力の末慶応義塾大学に入学した。しかし、父親の失業を機に生活費や学費の確保に困窮して水商売を始めた末に中退をしてしまう。彼女は在学時もランチに平気で5000円をかける内部生を見て、住む世界の違いを感じて惨めな気持ちになっていた。
この作品から得た教訓は、階級の違う人とは相性が合わない、幸せと自由は自分から行動を起こさないと手に入れることはできないということを学んだ。とはいえ、教育を受けるためにはお金が必須でありお金がないと学ぶ余裕もないので注意をしないといけない。
みんなの憧れで作られていく、幻の東京
映画「あのこは貴族」(岨手由貴子監督)から。
映画なのに「章」分けされていて、ちょっと違和感。
せっかくだから「章」ごとの気になる一言をピックアップ。
■一章 東京(とりわけその中心の、とある階層)
「東京って棲み分けされてるから。
違う階層の人とは出会わないようになっているんだよ」
■二章 外部(ある地方都市と、女子の運命)
「あんな馬鹿が今や土建屋の3代目だよ」
「えっ・・」「田舎って闇、深すぎ」
■三章 邂逅
「日本って、女を分離する価値観がまかり通っているじゃないですか。
おばさんや独身女性を笑ったり、ママ友怖いって煽ったり、
女同士で対するように仕向けられるでしょ。
私、そういうの嫌なんです。本当は女同士が叩き合ったり、
自尊心をすり減らす必要ないんじゃないですか」
■四章 結婚
「でも家にいたら、旦那さん嫌がらない?」
「うち、子供ができるまで、
しょっちゅう『ちょっと働けば?』って言われてた」
「周りに奥さん遊ばせてるって思われたくないんだよ」
「でも、しっかり働くのは嫌なんでしょ?」
「そうそうそう、家のことできる程度に働けってことなんだよね」
■五章 彷徨
(東京タワー観ながら)「こういう景色初めて見ました。
ずっと東京で生きてきたのに」
「みんな決まった場所で生きてるから。
うちの地元だって町から出ないで、
親の人生トレースしてる人ばっかりだよ。
そっちの世界とうちの地元ってなんか似てるね」
■「一章から五章まで」書き出してみたけど、選んだのは、
ラストシーンでの会話のワンフレーズ。
「田舎から出てくるとさ、こういうわかりやすい
東京っぽい場所ってやっぱり楽しいよね。
外から来た人がイメージする東京だけどねぇ。
そう、みんなの憧れで作られていく、幻の東京」
東京の人たちの生活って、私たちにはわからないことばかりだな。
身に染みる一本
内部生、外部生のあの感じ 身に染みるなぁ
知らない世界を覗き見る面白さもシンプルにあり、水原希子がかけるあの言葉 人生最高なときもどん底なときもあるけど、それを話せる人が一人いるだけでも十分だと思う にふっと救われる感覚があった
貴族でも庶民でも人間である
貴族の生活ってどんな感じだろうって、一種の金持ちYouTuberの生活を覗き見したい様な気持ちを抱き鑑賞。
全然違った… そんな豪遊シーンは無し。
たしかに階級が違う感は伝わる描写は満載だが、そこにいる人物と自分に壁がある印象を受けない。居るよなこういう人。あるよねこういう場面。
とても感情移入しやすい人物の描き方。
どちらかといえば水原希子側に属している方が圧倒的に多いはずなのに、ここまで支持を集めるんだから凄い映画だなと思う。
なぜなら主役は貴族側だから。
金持ちの描き方でここまで親近感や共感を得れる映画は無かったなぁ。
ニケツしてるチャリに向かって手を振る門脇麦の顔が忘れられない。
良い日も悪い日も平等に訪れる。
いい作品だった。
静かな空気感の中にある境界
「あのこは貴族」
どのこからどのこを見て、どこに引かれた境界線であるのか。明確な説明はされないが、映像と演技で引かれている境界線を感じさせる妙。
大きな出来事や山場があるわけではないですが、引き込まれ、最後まで引っ張られました。
女性の境遇を繊細に上品に逞しく描く
2021年劇場(配信)鑑賞51本目 秀作 66点
ずっと気になっていた作品。
わたくしが女性ではないのでより深く共感できなかったり、些細なジャンルの問題で個人的には特別評価が高くはないですが、本当は全然もっと評価高いです。
これは恋愛映画ではなく人間ドラマで、わたくしが一番好きな生きづらい立場の人間がもがく人間ドラマなのですが、なんか少しだけハマらなかった。
主要キャラクター4人それぞれとても良かった、特に門脇麦でチワワちゃんくらいしか彼女の作品も見てこなかったし、その作品が聞き手に回るあまりキャラクターが出ずらい役なので、裏腹に今作で印象がガラッと変わった。
まず声がこんなに可愛らしい人で、表情や所作よりももっと内側から出ているような上品さを持った人だとは。
高良健吾は最初から最後までイメージを崩さない役でそれをちゃんと演じていて良かったし、水原希子が今作においていい味を出していると思った。
周りがいいとこ育ちなとこもあって、それ故一層普通さが顕著に垣間見れて今作の評価に大きく影響したと思う。
高良健吾が門脇麦の婚約者とわかってから、潔く関係を切った点や擦れてきたんだけど、本質というか根っこがちゃんとあって、普通という正義を忘れずに備わっていた彼女のキャラクターとても良かったです。
是非。
意外性のある結末
住む世界が誓うけど、最高の日もあれば憂鬱な日もある。
ないものねだりだけど、誰もが頑張っているんだなと思った。
最後、華子と水原希子ちゃんが東京タワーを見た帰り、幸一郎と話し合って、お互いのいい方向性に人生を進めていく、その中で離婚したけど、お互いに頑張って行く姿をみて、いい出逢いをする。
ドラマや映画の世界で、実際はそんな思いきれないし、そんな出会いがあるとは限らない。
あくまで映画の世界だなと思った。
他人事で感動した。
睡眠導入にはぴったり
原作未読なので何とも言えないが、終始単調で超スローペースな。ハラハラドキドキもドロドロ展開も何もなく、眠れないときに見ると自然に眠くなり睡眠導入にはぴったり!
スマホゲーしながら何とか横目で最後まで見たけど、主人公の上級国民は終始ウジウジちゃんで結局何がしたいのかさっぱりわからなく、共感も何もできない。よく映画化したもんだなと逆に褒めたいレベル。
冒頭のタクシー運転手の描き方は職業差別である
日本で女性映画を作りたい。
志は立派です。
ただステレオタイプはいけません。
おそらくは無関心だからこんな描き方になったのでしょう。
冒頭タクシー運転手が女性に嫌味を言う。その不可解さ。全部が"あえて"の発言に見えてしまう。言いたいことありきというか。映画である必然性がないんですよね。思想書でもブログでもTwitterでもできそうなことを映画でやろうとしている。
タクシー運転手ならこういうこと言うよね、をあるあるとして使ってしまう浅ましさ。
この点を指摘しないのは、それがあなたの生きる世界でそれが当たり前とされているからです。
この映画を絶賛する、ということはこの日本という国で当たり前とされている価値観に取り込まれていると考えた方がいいと思います。
男性に対する偏見も酷いです。
男性を悪く描けば女性が持ち上げられるわけではありません。
女性を称賛する映画は素晴らしいと思います。
ただこの映画に出てくる女性には主体性が感じられません。
ただただ男性の気色悪さを強調します。
これでは説得力が皆無です。
皆思想性が現代的、"ちょうどいい"と思ってそうに思う。それではダメなのだ。
価値観を破壊しなければ傑作にはならない。
きっと冒頭のタクシー運転手のシーンも、女子高生が手を振るシーンも、自転車で街を走るシーンも脚本がよくて物語の中で意味をもち明確に機能すれば素晴らしいシーンになったのかも。脚本を重視する私のようなタイプの映画好きはイライラすると思う。
全体的に女性を無理して称賛しようとして男性を下げたところ女性も一緒に下がってしまったように見えた。とにかくがっかりした。観てて元気がなくなった。いかにも"日本的な"女性映画なのだ。すべてが枠の中で、村社会的でそれぞれの集団が分断されている。そうではないものを私は観たい。このような社会は現実でも嫌でも直面する。改めて映画の中で確認する蓋然性を見出せない。中立的な立場を強調するが、言い換えれば日和見主義者である。何も変化しない。嘘でも良いから変化して欲しいですよね。現実は変化しないのだから。
これを絶賛されてるのを見るのもうんざりなのだ。だから社会は、良くならないんだよな、とひとりごちてしまう。悲しい現実の反映。
違う階層同じ東京
映画の中の台詞で言うと、
全く交じり合う事のない世界の話だけど、
違う階層でも階層ごとに息苦しさがあって、
金持ちは金持ちでまたしんどい生活なのだなと
妙に近く感じた。
門脇麦さんの演技が素晴らしかったと思う、
世間を知らない箱入り娘を体現してて、
とてもか弱く心配になるほどだった。
対称となる水原希子さんもまた素晴らしく、
力強くとても美しい女性だった。
バラエティーなどで観る彼女に少し苦手意識があったけど、
良い演技で可愛らしく見えて女優さんって、
色んな顔があるんだなと感心しました。
苦手だったはずなのに水原希子さんと僕もニケツしてぇと
思ってるほどでした。
関係のない話と一蹴してしまいそうな題材だけど、
章が区切られてて、
彼女たち2人のキャラと生い立ち環境を見せて、
2人が出会い、お互いの道を行き、結末に向かう、
起承転結がはっきりしてて見やすかった。
楽になりたいがために、すぐ金持ちの子に生まれてたらなぁ
と弱音を吐くけど、これを見てたら今が1番気楽で良いやと
思えました。
貴族感は無いし、貧富の差も微妙❓‼️いい感じの女性の友情‼️❓
金持ちの演出で高い鞄ですが家の家電製品や家具がチープです。
みんな性格の良い女の子たちの交流がほのぼのとして爽やかです。
私は山下リオが一番好き。
石橋静河も良いです、楽器が手についてないけど。
門脇麦は何故か貧乏くさい感じ、素朴で世馴れないような雰囲気だけど。
水原希子はホステスがよく似合う。
何も無いけど、楽しい映画です。
貴族の中の貴族
代々医院を営む裕福な家庭の華子の人生の選択を、秋篠宮家の眞子内親王の生きざまと重ねてしまうのは私だけだろうか。ただし、華子の場合、眞子内親王のように日本のトップクラスの家柄から「降嫁」することとは逆に、自分の家柄よりもハイクラスに属する男性との結婚により、ますます自身の人生への疑問が深まっていくのであるが。
彼女が美紀の部屋を訪れた時に、この部屋のものはすべて美紀さんのものなのだというセリフが頭に残った。自分の稼いだ金で借りた部屋、買った生活雑貨。これらに囲まれた美紀の生活こそ、自分自身の人生を生きている者の生活なのだと嘆息している華子は強い決心をする。
きっと眞子内親王も同じような思いでこれまでの人生を歩んできたのではないだろうか。すべてが税によって賄われる人生。それはまぎれもなく特権であり、その裏返しに義務も伴ってくる。そのことを窮屈に思われたのか、物足りなく思われたのか、それは我々が知る由もない。ただ、学生時代に出会った、決して恵まれた家庭に生まれたとは言えない同級生が進もうとするその先に、希望の光を見出し、その人生を共に歩もうとされたのだろう。
誹謗中傷、無理解、批判は言うに及ばず、罵詈雑言、人格否定など、ひとかどの報道機関ですらそこへ加わる異常なバッシングに耐え、志を貫かれた内親王殿下(このようにお呼びすることもあとわずかであるが)を私は心から尊敬する。
実家の経済的な支援などほとんどない小室圭氏が、アメリカ留学の資金を工面し、大学を卒業、現地の法律事務所への就職も内定するということも、なみの日本人男性にはなかなか実現できることではない。全国民に注視されるプレッシャーの中で目的を達成した彼も、すごい青年ではないか。
眞子さまのご両親にはぜひお嬢さんのことを誇りに思って頂きたい。いや、内心そのように思われているのではなかろうか、あっぱれよくやった、と。ただ、お立場上、表に出せないだけなのではなかろうか。
本日、まさに我が国の正真正銘の貴族たる秋篠宮家の眞子内親王の結婚が正式に発表された。日本の社会に何の未練もなく米国へ行ってしまわれるのかも知れないが、このように思う市井の存在があることもぜひ知っておいてもらいたいものだ。
映画の話に戻ろう。
独身にもどり、イベントの仕事をする華子が、元夫の孤独をいちばん理解しているということがよく伝わってくるラストだった。彼女は階段の下から元夫を見上げている。しかし、門脇麦の演技は、この人物が、見上げている相手を羨んだり、尊敬したりはしておらず、温かく労わるように見つめていることをしっかりと観客に伝えている。
俳優と演技指導者に喝さい。
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