劇場公開日 2021年2月26日

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あのこは貴族のレビュー・感想・評価

全229件中、181~200件目を表示

4.0小津安二郎的な佇まいの映画

2021年3月1日
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鑑賞方法:映画館

声高ではない。しかし、的確な、見てる側に響くエピソードの積み重ねで、自身の常識から解き放たれて自立していく様子が、女友達を介してのことなのも魅力的。
なんといっても門脇麦のイノセントな女性像が画面での説得力を持つ。
取り立てて新しい題材ではないが、丁寧な組立で、様々な問題が見える作り。(どちらの世界も、いやなところがあるという描写が、きまじめなほど平等に描かれる。どちらも自分で歩きたい女の子には不愉快な場所)
出会うはずのないCLASSの人が出会えるのが「学校」という場所なのだけれど、それも今後はかなわぬ場所となりそうな今の日本は、果たして広い世界に気づく若い人が育つのだろうか、とふと心配になった。

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ユウコ

4.0#18 魚津の家の再現度が凄い⛰

2021年3月1日
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鑑賞方法:映画館

ウチは魚津じゃないけど、あの富山の田舎の実家の再現度が凄かった。

転がってる一升瓶も北洋だし。

私もよく弟に魚津駅に迎えに来てもらったなあ。いつも夜だったけど。

コロナのせいでもう1年以上魚津駅からの山の風景を見てないから懐かしくてありがたかったです。

細かいこと言うなら山方面の家なら銀座商店街を通るのは不自然だよね。

肝心の映画は東京の金持ち層と、田舎から上京した一般人あるある。

確かに東京は自分と違う層の人と会わないように出来てるけど、たまに遭遇したときのビックリ感はハンパない。

松濤がご実家なんて人見たことないもん。

田舎にいても都会にいても家に縛られる人は同じって考え方が凄い。

自分の心の赴くままに自由に生きられる人はこの世には少ないんだろうか?

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chicarica

4.0ふわっとした作品

2021年3月1日
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鑑賞方法:映画館

上品で丁寧な作品

門脇麦の表情が見事

階層や違いの感じさせ方が見事

出来事を適度に飛ばしながら、説明口調ながら、違和感の無い作りに拍手

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Daiki Sugiyama

4.0本物の上流階級の方々って何処に?

2021年3月1日
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鑑賞方法:映画館

なんとか姉妹とか靴下嫌いなおっちゃんみたいなセレブ(?)しか見たことがない。
この映画、特に大きな事件が起きるわけでもなくストーリーは進んでいく。
(結婚、離婚などは自分たちにとっては大きな出来事だけど)

山内マリコ作品では出身地の富山は刺激がない場所、都会に憧れる人物がたくさん出てくる。今作も同様。
おっさんも大学時代、東京にいたので憧れの気持ちはよくわかる。
でも、結局、松濤に住む人って出会わなかったなあ。
あの方々には、何処に行けば会えるのだろう。まあ死ぬまで縁もないけどね。

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にいやん

1.0見るべき人のために作られていない映画

2021年3月1日
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単純

難しい

「はちどり」、「82年生まれ、キム・ジヨン」ときて出るべくして出た映画。テーマ設定だけでも褒めるだろう人だけが褒めるであろう映画だが役者がとにかく素晴らしい。が、それを収める構図が拙い。役者と原作に監督が追いついていない。

そしてなによりこういうテーマを孕む映画は「マッドマックス 怒りのデスロード」や「花束みたいな恋をした」、「ジョーカー」クラスに広まるべきとまでは言わないが、マジョリティに少しでも広まるよう本気で狙わなければただ賞レースのために社会問題を消費し、このテーマに対して元々教養や問題意識のある富裕層リベラルの内輪で再生産し続けるだけの消耗品にしかならない。この手のテーマありきで中心へ向かう意思のかけらもない映画を評価しても社会が全く良くならないことを映画における日本の評価機構はそろそろ学ぶべき。

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むす子

3.5息苦しいときは深呼吸

2021年3月1日
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好感が持てる丁寧な作り方。市川準監督が亡くなってぽっかり空いていた心の穴を彼女が埋めてくれそうな気がする。

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アマチュア

4.0日本はまだまだ不自由な国なのだ

2021年3月1日
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鑑賞方法:映画館

 女たちの群像劇である。21世紀に入っても未だに封建的な精神性が色濃く残るふたつの世界に住む若い女性たち。ひとつは名家、良家と言われる代々の大金持ちの女性たちで、もうひとつは地方都市の女性たちだ。前者を門脇麦が、後者を水原希子がそれぞれ演じる。
 門脇麦は達者な女優だ。彼女が演じた役の中では尾崎将也監督の「世界は今日から君のもの」で演じた主人公小沼真実の役が一番よかったと思う。流行やパラダイムから一歩引いた役柄で、台詞が極端に少なくて、台詞よりも表情や身体の動きで気持ちを表現していた。役者にとって台詞で役を表現するのは常に難しいことだが、それ以上に難しいのは台詞なしでその役を表現することである。
 本作品でも他の役者に比べると台詞は少ない方で、それだけに難しい演技が要求されたと思う。演じた主人公榛原華子という役の、如何にも良家のお嬢様といった立ち居振る舞いは、それ自体がかなりの訓練が必要だっただろうが、そういう立ち居振る舞いを自然に行ないつつも、自分を取り囲む封建的な精神性に対する違和感のようなものを抱いていて、しかしそれをなかなか言葉に出来ない華子という女性の気持ちがひしひしと伝わってきた。見事な演技である。
 一方、地方出身だが東京で暮らすことで地方の封建的な精神性から一歩離れることの出来た女性を演じた水原希子は、本作品では自然体で演じているようですっと感情移入できた。特に石橋静河演じるバイオリニスト相良逸子と対峙するシーンの表情は秀逸だったと思う。緊張と弛緩、警戒と安心、共感と思いやりといった感情が、短いシーンでころころ変わるのを上手に演じている。岨手由貴子監督は女性の表情を引き出すのが上手い。

 普通が一番大変だというのが前半のキーワードで、結婚相手はどんな人がいいのと聞かれた華子は普通の人と答える。それに対する姉の言葉が普通がいちばん大変なのよという言葉だ。その後は暫く、普通でない男たちが華子の相手候補として入れ代わり立ち代わり、テンポよく現れる。よくもこれほど普通でない男ばかりを描いたものだと笑った。
 後半は女の幸せとは何かということを、お金の話も含めた現実的な側面も踏まえて追求しようとする。そういう中で華子は知らなかった世界と出逢い、新しい価値観を得る。箱の中のお嬢様から一歩脱却するのだ。狭苦しい場所に閉じ込められていた精神を解放して自由に生きる。ずっと俯いていた華子がやっと顔を上げて世界を見渡す。その晴れ晴れとした表情は演技派女優としての門脇麦の面目躍如である。
 女性が精神的な自由を得るには女性自身も変わる必要があるという作品だが、描かれていた、女性を取り囲む封建的な精神性は、実際に2021年の現在でも存在し続けている。本作品ではそういう精神性が世襲の政治家たちとその政治家に投票する地方都市に存在していることを描くが、同じ精神性が、先日辞任した森喜朗や彼を守ろうとした二階をはじめとする政治家たちの精神性に色濃く現れていたことを思い出した。日本はまだまだ不自由な国なのだ。

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耶馬英彦

4.5自らの置かれている階層から脱すること

2021年3月1日
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4年前「愚行録」を観て慶応大学の「内部・外部の現実」を知り、同じキャンパスで学ぶ学生の中でも、そういった出自にかかわることで覆せない「現実」が今日でもあることを思い出しました  本作ではそういった現実をその後の年齢・アラサーの女性の生き方として描いていました  みなさんおっしゃる通り水原さんと門脇さんの配役の意外性も納得でき、これまでの水原さん門脇さんの印象を裏切る素晴らしい配役であったと思います   「寝ても覚めても」の暖かみのある山下リオさん目的で観ましたが、水原さんを支えながらも起業をして前に進もうとする姿もよくあっていました  石橋さんは「夜空はいつでも…」の鮮烈な印象以来、脇でも着実にいつも印象に残る作品を重ねられています
私も田舎で暮らす身であり、「あのような人々」とは縁のない暮らしですが、選ぶことのできない階層・出自から、自らの力で自分の可能性を切り拓くことのできる人生の可能性を、今一度原作を読んで考えてみたいと思います
蛇足ですがコロナ渦で難関大学に入っても親の仕送りが途絶え、自ら「身を削って働いて」も退学せざるを得なかった、この作品の水原さんのような境遇の方も多かったでしょうね (3年2月28日 イオンシネマ和歌山にて鑑賞)

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chikuhou

3.5日本には、インドみたいな「カースト制度」はないにしても、階級はあります。そのことをはっきり言う人はすくないけれど。

2021年2月28日
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インドには、生まれによって身分が決まるカースト制度があります。酷い差別が残っているそうです。
日本にも、カースト制度こそありませんが、階級はあります。異なる階級間で交わることはそれほど多くはありません。
そのことをはっきり言う人は少ないけれど何故でしょうか、憲法の平等主義に反するからでしょうかね。

この映画は、異なる階級に属する女性2人の物語です。本来出会わないはずの2人が、さらなる上流階級に属する男性を介して出会い、影響を与え合います。片方はその後、自ら前向きに動くことを選びます。
階級社会の打破!とか仰々しいことは起こらず、身近なところに変化が現れるだけです。
頑張ろうする女性をちょっとだけ勇気づける作品と言えるでしょうね。

階級をテーマにした作品は一般受けしないためか、客入りは良くありませんでした。出来は悪くないと思いますが早めに上映終了となりそうなので、興味のある人は早めに劇場へどうぞ。

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お抹茶

3.0妙典で松屋に行ってから観る映画ではなかった

2021年2月28日
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紅茶王子のおかげで茶葉は解るが

午後ティーしか飲んだことねぇ・・・!

という私みたいな人間にはつまらない世界に見えてしまう高貴な世界

そりゃあ「多少」のことには目をつむってこられた方からすればビンタの1つもしたいでしょうね

女性同士で対立構造を作るなんて馬鹿馬鹿しいって華子や美紀が解ってくれてればその後に続く社会はそう悪くないんじゃないかな

高良健吾で議員秘書って、シン・ゴジラの世界だったら面白いなとか全然関係ない妄想したりして

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ラハル

3.0時間の使い方も貴族

2021年2月28日
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原作見ずに鑑賞。

物語自体丁寧に作られており、1つ1つの描写にきちんと時間が割かれている映画。
キャストは全員マッチしており、特に水原希子、石橋静香はドンピシャな配役で他の候補が思い当たらないくらいドンピシャ。年齢も意識して作られており、とても見やすかった。

水原希子は素だったのかな、と。多分彼女が持ってる側面の一部な気がする。演技というより、そのままという感じだった。

なのに評価が低いのは、物語として、手数不足、展開不足だったから。まぁ、そういった意味でも貴族でした。

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TM

4.0渋谷区松濤は別世界です

2021年2月28日
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悲しい

萌える

女優の皆さんの演技力が光る秀作。
メインの二人は普段とは違うイメージの役柄を見事に好演。石橋静河・山下リオさんもイイ味出してます。
水原希子ちゃんはとにかくスタイル抜群で綺麗な足は絶品です。

アフタヌーンティー4,200円、多分一生行く事はないと思います。貴族の皆様の突き抜け感がハンパない。

さてエンディングですが
あーそうですか?というか、それで何か?と言われているような気がしました。

美しい女優の皆さんを鑑賞するつもりでどうぞ。
是非映画館で🎦

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タイガー力石

2.5すごくダメってわけでもないけど良くもない

2021年2月28日
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女性誌の真ん中ページくらいに特集されてる「上京女子vs東京女子 悩みあるある!」って感じの物語だった。
山内マリコの小説が、その辺の気持ちを絶妙に掬い取っていることは想像に難くないのだけども、映画として観るには物足りない。
二人が出会ってドラマが生まれるのが見たかったかな。少なくともミキはハナコの影響を受けてないわけだし。

だからなのか、観客として、特に持ち帰るもののない映画だった。
耳障りの良い苦言と現実と肯定感は、いい映画を見た気にさせるけどすぐに忘れてしまう。
その〝消費”感は本作のテーマとも似てなくはない皮肉。

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hirocor

3.0住む世界が違うって

2021年2月28日
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こういう事を意味するんだね。

自分らしさを追求しようと最後の最後に動き出す華子も、やっぱりこれまでの貴族の立場からの見方に
しかならないので、いくら女性同士が気を合わせようとしてもそこに限界があるのが、痛々しいほど
分かります。(マグカップ)

見たことのない旧華族の立居振る舞いが、ある意味、新鮮な雰囲気でした。

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Miya-n

4.0あなたにはあなたの

2021年2月28日
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地方出身者としてはどうしても華子よりも美紀の方に感情移入して観てしまうのだけど、華子にも幸一郎にもそれぞれの生き辛さがあることが上手く描かれている。(「あなたにはあなたの、私には私の地獄がある」by 宇垣美里)
演出としては、丁寧な描写とすっぱりとした場面転換が心地良い。ロジカルに積み上げる部分と飛躍が良いバランスになっている。
門脇麦はどうもいまひとつ萌えないんだが、素晴らしい役者ですね。幸一郎への恋に落ちる瞬間と解放された後の表情が素晴らしい。
また、最近の邦画はそうなんだけど、脇の役者が素晴らしい。本作は、逸子役の石橋静河がとても印象的だし、山下リオがいつもの良さを出している。そして、カメレオン役者 山中崇が華子に理解を示しながら、彼らの「クラス」のあり方を上手く表現する役回りを演じている。スゴい…

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ぱんちょ

4.0自分として生きる

Nさん
2021年2月28日
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お茶すると聞いて想像する価格が500円の人もいれば、2000円の人もいれば5000円の人もいる。それは階級であり、同じ階級の人以外とは基本的には出会わない、少なくとも仲良くならないように世の中はできているんだろう。私も5000円な人にはお目にかかってないと思う、笑。

階級と言っても世間で言われる上の階級が幸せかと言われればそうとは限らない。上にいけばいくほどおそらくこの階級なんだからこうあるべきというものに縛られるのだろう。それと引き換えに得られる階級なのかもしれない。結婚はやはり家と家でするもんだなと改めて思うし、相手の家族の考え方が好きって思えないと結婚って苦しいだろうなと思う。。

上の上の高良健吾との関係に葛藤する上の下の門脇麦、地方から出てきて都会で一生懸命頑張る水原希子、1人強く生きる石橋静河、どの女性も素敵。演じている感すら感じないほどにみな自然だった。門脇麦はいいところの子にみえるし、水原希子のジャージや方言もかわいい。いつでも別れられる自分でいたいっていう石橋静河のキャラ素敵だった。

どんなところに生きていても、幸せな日もあればどん底な日もある。それを聞いてくれる家族や恋人、友達がいるだけでも幸せ。幸せかどうかを決めるのは自分だし、自分がどう生きたいかだ、と力強く生きていく姿に背中を押された気分。

ちなみに、うちはいい家でもなんでもないけど、出てきた雛壇は実家のと全く一緒だった、笑。懐かしい。

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N

4.0麦ちゃんは、愛の渦の印象が強いんだけど(あとは大河?)、受動的な役...

2021年2月28日
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麦ちゃんは、愛の渦の印象が強いんだけど(あとは大河?)、受動的な役をうまく演じていた。水原も、周辺に追い出されて、少し社会を斜めに見てる感じ、よかった。高良も、空っぽの役が多い。とてもよかった。
谷崎の細雪的な切なさも感じる。育ちのいい女性の不安やファンタジーみたいなもの。女性の連帯の話でもある。

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えみり

5.0これまでになかった日本青春群像劇の傑作

2021年2月28日
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驚いた。『グッドストライプス』の岨手由貴子監督の新作。手を出すと危険と言われる日本の上流階級もの(門脇麦と石橋静河)に、高良健吾を挟んで、上京組の女子(水原希子と山下リオ)をぶつけ、描かれるのは現代日本を舞台にした「青春の終焉と新たなる旅立ちwith東京論」格差も落差もある日本社会の構造の中でまさに今、頭の痛いことになってる親世代(昭和)の価値観に縛られているジェネレーションの群像劇。

驚いたのは、あらゆるものがハイレベルに成功していること。脚本、撮影、照明、ロケーション、衣装、音楽もだけど、まずは隅から隅までこれ以上ないキャスティングがピタッと決まっている。肝心なことは言葉ではなく芝居をみせ、展開は観客の想像に任せ、気の利いたダイアローグも不自然なことなくピタッとはまる。そうそう、海外の作品で見たことのある、リアルでセンスのある、ダサくない、自分たちのカルチャーの物語。ロマンティック、いやファンタスティックな絵面もあるが、描かれてるのはドライでハードボイルド、でもヒューマンに溢れていて、すべてのパートが融合していて美しいことこの上ない。
門脇麦演じる箱入り娘が水原希子に出会ったことで、世界を知り魂に火が灯って自ら歩きだす。これだけ成熟した現代女性映画って世界的にもどれだけあるだろう。それが実現できる才能が生まれ、集結した。こんな日本映画が観たかった、という2021年の青春群像劇の傑作。

よくよく考えたら交わらなくても認め合う、というのは『グッドストライプス』から続いてるテーマだったんだな、と。叩き合わない、無闇にひとつにならない、ってもの凄く今風のメッセージだと思う。

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ONI

3.5紅茶と珈琲のパラレルワールド

2021年2月28日
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華子の育ちの良さがわかる所作や服装や、装飾品といった細やかな描写と東京が全面に出ているところが気に入った。

華子の階級で驚いてしまうなかれ、真のこの国を動かすさらに上流階級の生活に驚くとともに、狭くて限られた選択肢のない人生が、地方に暮らすそれと似ているという点は面白い。
そしてそれらは決して交わらない平行世界であるのも事実を突きつけてくる。

しかしかながら、これは東京と言ってもごく一部の世界。
23区内、しかもその中でも富裕層が住む世界の一部。
この映画で描く必要はないから出てこないけど、東京にはそれ以外の面もたくさん持っているわけで。
ごちゃまぜな東京が好きだ、と東京生まれ東京育ち、出てくる建物や道路が知ってる場所だと嬉しくなっちゃう自分は改めて思った。

ただ、それでも、狭い世界に憧れる自分も否定できなかった。
そのなんとも言えない跳ね返ってくる感情に負けた。

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本まぐろトロ子

3.0線路は続くよどこまでも

2021年2月28日
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悲しい

楽しい

幸せ

松濤に邸宅を構える開業医の三女として生まれ育った27歳の縁談話と、大学進学に伴い富山から上京した30第前半の女性がすれ違う話。

第一章は上流階級の華子の物語。
2016年の元日、家族集っての会食前に婚約者と別れた華子が、見合いに始まり次々に紹介された男と会い、更に上の階級の運命の人と出会うストーリー。

第二章は富山の庶民美紀の物語。
同じく2016年の元日に帰郷したミキティが同窓会に参加したり、大学生になってから大学を辞めて現在に至るストーリー。

第三章以降は前述の2人が代わる代わる登場し、それぞれのエピソードをみせたり、2人が知り合ったり…。

違う階級の常識は自分の階級の非常識?
華子と出会った美紀は開き直り悟ったかの様に歩き始め、華子は自由に生きる友人や下の階級に憧れたのかな。

ドロドロとしたものをみせていくのかと思っていたけれど、少し惚けた様なコミカルな描写を交えつつ、どちらかというと余所余所しい様な、ピンと来ない様な、生きている実感の無さそうなところを彷徨う虚しさを感じ、道を見つめ直し生を感じる様になる、それぞれの成長物語という感じ。

少々外された様な笑いと、友情の温かさ、そして立ち上がる爽やかさが交じり合い、中々面白かった。

ちなみに、個人的にはホーマーのシーンが一番好み。

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Bacchus