君の名前で僕を呼んでのレビュー・感想・評価
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ただのゲイの話じゃなかった
セクシャルマイノリティーがテーマの映画はもうすでに数多くあるし、
まして今時映画にゲイが出てきたところで誰も驚かない。
それなのにどうしてこの映画がこんなに注目されているんだろうと不思議だったのですが、
観てみたらいわゆる社会的な同性愛の話ではないのですね。
なんというか、もっと普遍的な恋の美しさを描いた作品でした。
特別なドラマがある訳ではないけれど、
なぜかずっと魅入ってしまう作品でした。
こういうテーマの作品は湿っぽくなりがちですが、この映画はなんだかずっとカラッとしていて明るく開放的で観ていて気持ちが良かった。
主人公の少年の魅力でしょうか。
お互いを自分の名前で呼び合うという愛情表現が興味深かった。
タイトルを観たときはピンとこなかったが、観ているとそういうことか、と妙に納得してしまった。
美しい、けど物足りないのと me too・・・
美男子と2枚目のオッサンとの間の一夏の経験物語。美しい。けど、悪く言えば美しいだけ。影、闇、苦しみ、葛藤、後ろめたさ、といったような、負の部分の表現が無いか不足している。だから、美しいけど、物足りない。
これが、男女の物語だったらなんの変鉄もないだろう。同じように美男子同士でやってもなんの変鉄もない。
BLであろうがなかろうが、人間とその関係性はもっと複雑なものだが、そこんところを徹底的にスルーしている。
それと、BLにして綺麗にしてるとはいえ、17歳とオッサンとの間のポルノである。他方でme too だなんだで盛り上がっておきながら、この事実が直視されないのははなはだ不自然なことだ。BLで美しければそれでよいのか? 確かに二人の関係性に「強制性」みたいなものはないが、お互いの合意があればいいのかというと、そういうものでもないだろう。製作サイドも聴衆も時と場合で身勝手にしか思えないという点で、美しいですねという以外にこの作品を認めるわけにはいかないのである。
夏を待つ季節
観終わった感想は、これはわたしの映画じゃないんだなぁ、と。
アセクシャルな自分には、体を求める恋愛が生々しく思えてしまった。
理解出来ない人間であることが悲しくすら思えてくる程に、美しい作品だった。
エリオ少年の心の美しさよ、北イタリアの自然の美しさよ……わたしのものでない映画がこんなにも愛おしく感じたことはない。
長回しのラストシーンにすべてを吸い込まれた。
わたしの映画でなくたっていい、これは特別な作品だ。
この作品の冬は、時間の淀みのような、さみしさを感じずにはいられない季節だった。
あり得ない世界観で普遍的な愛を叫ぶ、みたいな。
まず、鮮烈に始まるオープニング、余計な詮索なしに一気に「イタリアのどこかでの物語」の世界に入り込める。
一般市民からは想像し難い主人公一家の裕福そうで、とても文化的なバックグラウンド。多くの方々が指摘する美しいイタリアの風景。淡々としつつもクラシックから現代音楽、80年代当時のヨーロピアンディスコナンバーとスフィアン・スティーブンスの書き下ろしを含む楽曲が絡む…と美しい要素だらけなのだ。名と暗の画の対比、効果的なピンボケ使い、音楽は含めた世界観の構築…ルカ監督、これまでノーチェックでありました。
ここで描かれることは、決して浮世離れしていない共感性の高い物語。思春期特有のアンビバレントな感情であり、性の目覚めや恋愛感情を知ることであり、両親からの愛情だったり…(まあ、自分的には実現できなかった理想的世界観なんですが)。同性への思いを異性への性衝動に転化させちゃおうとする事、ようやく想いが遂げられたあとの抑えられない身体の反応、だとかは、当事者の端くれ、ちょっと理解できます。そこは流石、脚色をされたジェイムス・アイボリー巨匠です。生々しさと下品にならないさじ加減といいましょうか。
二時間以上、観る方によっては冗長と思われるかもしれませんが、僕自身数シーンを除いて、むしろこのテーマを各エピソードを丹念に重ねることで、全キャラクターをないがしろにすることなく、事の始まりから終わりまでをきっちり描ききったと思いました。それはきっちり尻尾まであんがつまった鯛焼きがごとく、エンドタイトルまでがみっちりストーリーになっている、濃厚な作品でした。
そして勿論、これを演じきったティモシー・シャラメは素晴らしい役者さんだな、と。この年代でこのキャラクターの非凡さと感情の揺らぎを演じきったのは永遠ものだな、と。これからどんな成長を遂げるのか楽しみです。
あと、横浜ブルクのような大手シネコンですらゲット出来なかったパンフレット増刷を切に願います。
4.7
ティモシーとアーミーの美しい共演
いやらしい絡みもまったく気にならないのはその美貌ゆえだろうか
ムーンライトなどこの手の作品は少なからず存在しているが、最後の最後まで心を掴まれた作品は今作が初めてだ
長回しのカットを多用し無駄なカットを極力入れない撮影方法は作品に集中させるとても大切な要素だ
通り沿いのカフェで車の音がうるさい中お互いに声を張って話す、単純なことだがこれが出来ていない映画が多いが、この作品はそれをしている
細かいところまで気を使われている作品だ
男女の友情もこの作品の一種のテーマであるが、お互いがお互いを通して成長している姿が受け取れる
大切な家族、友人、そして恋人を思い出し、見終わってからもジワジワとその良さを感じることができた
おすすめ
自然体から生まれる共感
前半はイタリアの美しい自然を肌で感じた。
ふたりにあまり感情移入できず、たんたんと進む生活。
しかし想いが通じ合ってからは、今まで遠くにあった生身の感情が直に伝わってくるようでみずみずしい。
意図的だろうが、アーミー・ハマー演じるオリバーの表情も後半にやっとクローズアップされるかんじ。
しかしこの作品がなぜこんなに心に残るのかというと
ラストあたりのティモシー君があまりにも自然体で、それでいてなにもかもを演技で表現してしまうから。
『インターステラー』でも思っていたけれど、ティモシー君の演技は自然すぎてこわい。すごい人だ。
とにもかくにも、ティモシー君がこの映画をより身近に、そして普及的にしているんじゃなかろうか。
つまらなかった
多くの高評価レビューに胸を踊らせ、また都内の映画館の予約の埋まり方に並々ならぬ期待を寄せ、
いや、それ以上にタイトルの付け方に心を打たれたからかもしれません。とにかく楽しみにしていました。
GWのなか、満を持して鑑賞しました。
映像美は確かに賛同します。異様にハエが多かったが。また、音楽とアートの知識的または描写的な表現方法は良かったです。
ただ肝心な人物の心理的な変化の表現が薄く、不自然さを感じました。加えて性的描写が強く表現されており、悪い意味で印象のすり替え塗り替えが行われてしまいました。
もっと心の変化、機微を、それこそ音楽・美術的表現にて演出していただきたかった。
さらに言うと、物語の単調さにも驚かされた。同じような「特には意味のない」シーンが多くある。そう言う意味で無駄が多かった。その分心の変化を表現してほしかったと強く思う。
うれし切なし美しき初恋模様
年上の魅力的な青年が
いきなり同じ屋根の下に暮らし
憧れはいつしか一線を越えていく
これは夏に浮かれた錯覚なのか。
瑞々しさが弾け滴る。
イタリアの片田舎の風景や
ピアノの音色と相まって
せつない恋物語は
ひたすら詩的で美しい。
そして確かにそこにある恋を
絵空事にしない生々しい描写が
潔くて共鳴するほど官能的。
キスをせがみ
じゃれるときの無邪気さと
煙草をくわえたときに
ふとのぞかせる大人っぽさ
そんなエリオの危うさに
目も心も釘付けにされた。
ラストシーンが圧巻。
思いの外、性描写がだ・い・た・んだったww桃がね‥桃が‥🍑 咬ませ...
思いの外、性描写がだ・い・た・んだったww桃がね‥桃が‥🍑
咬ませ犬要員の女子達の被害者の会を作ってもいいんじゃないのかと思います。
later.
音楽と映像の使い方がとても上手くて、エリオの心情をよりストレートに肌で感じることができた。
些細なやり取りもテンポ良く面白く、だんだん盛り上がっていく二人に引っぱられるように物語にのめり込んでいった。
周りが誰も邪魔をしないのが良かった。
特に両親が絶妙な距離感で暖かく見守ってくれていたので本当に安心できたし、そんな家族の前でエリオは泣くことができて幸せだなとも思った。
父親の言葉、「辛さを忘れるために心を削らずに」「喜びも悲しみも蔑ろにせずに」「心は衰えていく」細かく正確に再現できないけど、現在過去未来のすべての自分の人生に於いて必要な言葉として受け取った。
無理に振り切らなくて良い。
例え傷付く結末になったとしても一時でも得られた幸せや喜びは本物でかけがえのないものだし、悲しい感情だって逃げずに思い切り悲しんでしまえば良いと。
あの時の父親の言葉があったからこその最後のエリオの表情なんだと思う。
オリヴァーからの知らせに傷付き堪えるように泣く彼の姿が胸に刺さりすぎて辛い。
私も大泣きしながら絶対に目を逸らさず観ないと、と凝視してしまった。
そのせいで未だにあの表情が瞼に焼き付いて離れない。特にあの振り返った時の一瞬の顔…
桃のシーンが好き。
結構最低なんだけどドキドキして堪らなかった。
オリヴァーが期待通りの行動をしていて笑えた。
二人とも何しても美しいしかっこよくて羨ましいな。
切ない一夏の恋を描いた作品として非常に面白かったんだけど、だからこそ本音を言ってしまえば納得いかないことも正直ある。
昇華し切れないわだかまりを発散する手段として近かったとはいえマルシアと寝ちゃうのか〜と。
マルシアは結構本気でエリオが好きだったみたいだし可哀想だったかな。しょうがないけど。
そしてオリヴァー。
列車での別れの際に「後で」って言わなかったな…と思っていたら。
どうして結婚しちゃうの…そこは急に会いに行って目が合って笑い合うところでしょう…とラブストーリーにはハッピーエンドを求める単細胞脳はどうしても思ってしまう。
彼の中での優先順位としてはそれが正解だったんだろうな。
たぶん、エリオの父親も程度に差はあれどきっと同じような選択をしていたんだろうな。
まさか終盤でエリオの父親とオリヴァーを重ねることになるとは思ってもみなかった。
北イタリアの何処かで繰り広げられる青春模様、切なくて切なくて泣きながら帰ったけど本当に面白い映画だった。観て良かった。
同性同士の恋愛をメインに描いた作品って、過剰にアーティスティックだったり逆に静かに静かに進んで暗くなったりしがちな気がしていて、それも好きなんだけど、今作品はちょうど良い日常感と非日常感のバランスがあり、リアルだけどポップでとても観やすく伝わりやすいつくりで好き。
やっぱり現実で恋愛をしたいもんだなあと思った。
思ってること全て書き残したくて長々と連ねてしまった。アプリコットジュース飲みたい。
それなりに面白かった
映像表現が美しくて、感情移入ができたので、全体的には楽しめた。結構笑えたし、泣けた。
LGBTの形を取っているけれど、テーマはそれとは違うと思えた。それ故に、不必要な性描写など目につき、多少の嫌悪感を覚えた。
「キャロル」の男性版にような印象を覚えて、なんだか新鮮味が欠けた。最近の流行を追っている観をどうしてもぬぐい去ることができず、それほど評価することができない。ただ、作品が意図しようとしていることはよく理解できる。
2度の感動
恋愛には多少の覚悟が必要。
その壁が高ければ高いほど強い覚悟が必要
である。
10代にして強い覚悟を強いられてしまう
のは酷ではあるが、唯一の救いはその環境
だった。
北イタリアの自然の中でゆっくりと流れる
時間とお互いが惹かれ合う時間の速度。
このコントラストが素晴らしい。
感動のまま映画館を出て、ふと斜め前に
あるRUSHの店頭のコルトンがレインボ
ーカラーになっているのが目に留まった。
そこには、こう書いてあった。
「全ての恋愛は素晴らしい。」
二度感動させられた。
「君の名前で僕を呼んで」で僕を呼んでほしくなかった・・
15:00から上映開始のため、シアターの前に準備態勢は万全だった。
14:50、前の上映が終了し、客が出始めた。
出てきた客は、女性・女性・女性・・?あれ、また女性?またまた女性???今日はレディースデーだったか・・いや違う、自分もきているではないか。そう、目を凝らして見ていたら、そう、全員が女性だった!そんなことあるか!この後に知ったのだが、それはこの映画の吹き替え版が終わったことを知らせるものだった。
しかし、この回、字幕版は少なくとも男性が自分を含めて4人はいる。。まずは安心か。
ということで、本編が始まる・・・。
正直なところ、色々な解説やレビューで、これでもかと褒めまくっているのがあるけど・・・つまらない。基本的にBLじゃん。
途中出てきたハイデガーの言葉も、ヘラクレイトスの言葉も、最後のパパの言葉に回収されてるやん。もう少し、レトリカルなことはできなかったかな。
二人の関係も、まぁ、音を絡ませてはいけるけど単調。景色も単色(イタ車はよかったし、シトロエンのDSもほっこり)。
昔観た『ブロークバック・マウンテン』や去年の『 ムーンライト』の方が深さがあった。どう頑張っても、相当怒られそうだけど、腐女子枠を超えられていないような気がするのだが・・。
マイケル・スタールバーグをこの2ヶ月で3本は観たことになるのかな?。これが今日の成果でした。
彼が帰っていった世界
北イタリアの「どこか」に設定された明るく美しい風景が、映画の最後にくると、実はその外部の世界と鋭く対立する、まるで非現実のような世界としてあることがわかります。
彼はどんな世界に帰っていったのか。
それを読み取れない人には、確かに理解不能な映画でしょうね。
新星ティモシー・シャラメは息を呑むほど美しい
新星ティモシー・シャラメは息を呑むほど美しく、繊細。アーミー・ハマーとの掛け合いも瑞々しく、官能的。スクリーンに映るもの全てが美しく、流麗な音楽、シーンからシーンへ飛び跳ねるような編集も見事。紛れもない傑作だろう。でもこれは「俺の映画」じゃないよなあ…
どこまでもおとぎ話のようにしか思えず、トム・ヨークじゃないのに"I don't belong here"と歌ってしまいそうだった。とか言いながら、ラストカットのティモシー・シャラメの演技というか表情があまりにも凄過ぎて、最終的には素晴らしい以外の感想は出てこないというのが正直なところ。これは必見
劇中何度も登場するハエ。最初はティモシー・シャラメのチンコに留まり、ラストカットにさえ登場する。しかもしっかり羽音を立てながら。あれはどういう演出なんだろう?プロの評論家さん、早く教えてください!
マイケル・スタールバーグの長ゼリフが本作のテーマを全て語っていた。これ多分、原作者と脚本家の心の叫びなんだろうなと思った。「心のままに生きろ」と
「君の名前で僕を呼んで/僕の名前で君を呼ぶ」とはやっぱり『太陽がいっぱい』がルーツなんだろうか?つまりアラン・ドロンがモーリス・ロネの服を着て鏡の中に映る自分にキスをしたような、「手に入らないものを自分のものにしたい」「愛するものに成り代わりたい」という願望の表れ?
こんなに美しい恋人たちがいるだろうか
ティモシー君の演技が素晴らしい!
アーミーハマーが魅力的で、エリオの気持ちになって恋してたので、映画を見終わったあとはしばらく立ち直れなかった。父親の言葉がほんとうに響いた。
とても美しい映画
風景もストーリーも音楽もとても美しい映画でした。ラブストーリーがあんまり得意ではないのですがずっと集中してみることが出来ました。ご両親が素敵です。お父さんの台詞も素敵でした。あとお父さんがシェイプオブウォーターのあの博士だと後でわかってびっくりしました。
主人公を見てると恋をするとあーいう行動してしまうよねあるあるのオンパレードで初々しい気持ちになりました。
後日、吹替版も鑑賞してきました。映像が美しいので絵をちゃんと見たい時には吹替もオススメ。声優さん達の声も合ってて素晴らしかったです。
全てが美しい、桃さえも。
世の中が汚いものばかりなので、余計にキラキラして見えました。
人を好きになる気持ちを、パパさんが息子に諭している姿も胸を打ちます。
でも、そこまでが長い。環境ビデオっぽくて気持ちよく寝られました。
あと、腐女子が期待するほど濡れ場は無いです。
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