プロミシング・ヤング・ウーマンのレビュー・感想・評価
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パーフェクトじゃないアンバランスさが魅力
「酔っていたから」「ガキだったから」
とかの言い訳、反吐がでるわ。
「傍観者」という逃げ道は、現実世界でも卑怯者の常套句。
こんな輩は、成敗してくれる!という気持ちは、痛いほど解るのですが…。
キャシーの正義への執着と制裁の仕方、怖さと滑稽さが入り交じっていて、
監督のコメントに
「ふと笑ってから、笑うところじゃなかった気がして笑いを引っ込める」
まさにそうで、
「あっ、笑っちゃった…」って、周りを伺う部分が多々ありました。
そんなパーフェクトじゃない彼女のアンバランスさが、とても魅力なのです。
決して、女の代表とかでもないし、
ニーナとの前途有望な未来を奪われたことが、大きな闇となって彼女を包んでしまった感。
キャシーは、ニーナにちょい依存気味だったのかな…。
しかし、この復讐劇のラストは称賛すべきなのか?!
この犠牲があっての復讐の幕に、何とも言えないモヤモヤが残りました。
彼女が描く最終的なハッピーエンドは、どんなだったんだろうなぁ…。
そこはそれとして、
映画としての題材、脚本、衣装、音楽、ポップさとダークさ、全てがセンス良く、記憶に残る作品でした。
「ゾッ」とするくらい面白かった
チラシにも書いてある通り、痛快復讐エンターテインメントでした。
正直、主役を演じたキャリー・マリガンの年齢設定には無理があるかなと思いましたが、序盤からの無敵さは充分楽しめました。
まるで”ハーレイ・クイン”のようなルックでの登場シーンは、制作陣にマーゴットロビーがいるのを考えるとうなずけます。
男たちを騙しながら誘い、打ちのめす展開に共感できないという感想もあるようですが、それだけ「やり場のない怒り」があるということだと思います。
僕は共感できました。
制作陣の多くを女性で固めながら、社会派的表現ではなく、エンタメ的表で”この”テーマを描き切ることの意味は大きいと感じました。
アカデミー賞の脚本賞を受賞とのことで影響を受けているかもしれませんが、本当に最後の最後まで良くできた作品です。
この二人が浮かばれる世界になってほしい
こういうこという人(男)、そういえばたくさんいるな〜と現実と照らし合わせながら見ていた。
「冗談だよ」「若かった」「ちょっとからかってみただけ」そんな言い訳を並べるばかりで謝ることはしない、それからも他の女性に同じようにハラスメントを続ける、あーこういう人いるいる!!
自分が当事者として言われている時(容姿のことや、化粧のこと、服装のこと)は何も思わないでスルーが多いが、映画で主人公が言われているのを客観的に見ると、時代遅れでださい価値観の持ち主がたくさんいて、それを言われることを良しとしている(慣れてしまった、麻痺している)自分自身のことが嫌になった。
最後は、あ、そっちか、、と復讐成功?
成功が明らかになるまで、事件に関わった男性たちは一様に以前の事件のときと同じく、見て見ぬふりをして、隠して、無かったことにした。痛快!というよりは、もやもやとむかむかが残る終わりだった。
明るめに描いてる重い映画
男たち最低!周りの対応も最低!でもこれってどこかで見たり聞いたりした事なのでは?
下手したらここまでの事件じゃなくて、身近な何かで、映画に出てくる最低な周りの人たちに気がつかないうちになっているのでは?
見終わったあと全然スッキリしなくて重い気持ちになるんだけど、最後のトントンと進んでいく展開は上手い!
後味の悪さが良い!
親友が受けた性被害の復讐のために、将来を捨てて復讐にひた走る…
加害者の男たちの情け無い泣き顔・見苦しい言い訳の醜いことと言ったら…
(ほぼ巻き添えで)彼女のミニ復讐に合う男たちの気の毒なことと言ったら…苦笑
復讐劇と言えば、正義が悪を打ち負かす爽快感が醍醐味だけど、この作品ではそんな爽快な気分は味わえない。
ハッピーエンドでないのは間違いないがバッドエンドでもない、僅かに残る〝後味が悪さ〟が今作が評価を受ける理由なのだと思う。
キャリー
はシェイムのやさぐれ妹ですね。確かに脚本が良くできている。
今まで見てきた偏執狂主人公の中では群を抜いてまとも(笑)
キービジュアルで喰わず嫌いがあるかもですがアカデミーは伊達じゃないです。見たほうが良い映画です
世界中のバカ男ども、大学入る前に見るべし!
バブルの頃、日本の大学でも、全く同じバカ大生がいたんだよ!
いや、今も同じか?
悪 だよね。辛い映画です。
優秀な学生、青年は、許されるのか!
勉強ができる、成績がいいは、許されるのかい?
社会は、許さない!
キャシーが赤いピンヒールで向かった先には…
前途有望なキャシーと親友ニーナにおこった悲劇。
加害者は口を揃えて、若かったから、良くわからなかったから、どうする事もできなかったと言い訳を並べる。そして、加害者たちは無かった事として封印してしまう。
キャシーは、街で会う男たちに復讐をするようなサイコパス。必ず白のシャツで感情を消し狂気的でたる。しかし、昼の服は大人の女性のキャシーが少女の様なパステルカラーで小花柄やフルーツ柄の服をまとい、そして髪にはリボン。時間がニーナといた楽しかったあの少女時代で時が止まったままなのである。1人ずつ、1人ずつ追いつめていくキャシーが赤いピンヒールで向かう先は、最後の仕上げなのか…と思う色彩効果がピッタリハマる映画でした。
絶対に腑に落とさない決意
辛口であり、一筋縄では終わらせない、それ程の作家性に富んでいる作品である
男は、最後のターゲット以外は一切暴力を振るわない、その違和感自体も、感じてしまった自分に突きつけ、反撃を喰らってしまう、観客にビシビシ猛省を促すメッセージ性の塊のような内容である
そしてヒロインの死に依ってのみこの計画は成就するというアイデアも又苦々しい程のリアリティを表現している
こんな犠牲を払わなければならないこの社会は間違いなく間違っている
ネタバレ厳禁!!だけど…
翻訳物ミステリ好きなら気づくんじゃないかな?
自身ももしやと思いながらの鑑賞。そう数年前、年末恒例ミステリランキングを席巻した『その女アレックス』。オチも含めあれが元ネタなんじゃないかと思えるほど。
ただ、劇中の音楽や印象的な色使い(特に赤)など映画としての楽しさや、男に突きつけてくる問題意識は流石。
最後に自身の恥を告白。
ラストのワンショット、あれを涙だと思い違いして、ヒロインは彼を愛していたんだと涙した私。
すぐここに書き込んで余韻に浸っていたんだけど、調べてみたらあれはウインクらしい。
それだと全く違う意味ですね。
速攻で最初のを削除してこれに書き直し。
無知って怖いなぁ、と再認識させられた(恥)。
最後の逆転がこの作品のテーマを薄めてしまっていると思います
米アカデミー賞で脚本賞を受賞ということで、楽しみにしてました。だから期待度MAX。自分の中でハードルを上げて観に行きました。
う〜ん、思ったより並の作品でした。悪い映画ではないですが、もひとつ心に響きませんでした。
欠点らしい欠点はないんですよね。けど「これはスゲェ!」とか「思いつかなかった!」とか「めちゃくちゃ感動した!」と心を動かされるほどではありません。痛快でもないし、すごく切ないわけでもない。
映画館を出た後、何なんだろう、この腑に落ちない感じは……ってずっとモヤモヤしてました。
で、メモを見ながらストーリーを思い返してみてだんだん分かってきたんですけど、まず思ったのは、主人公にいまいち感情移入ができないという点です。
主人公のキャシーは、毎週、バーやクラブに行っては立てないほど酔ったふりをします。すると大抵、男性が声をかけてきて、一線を越えようとします。その瞬間、彼女は正気に戻り、女性が酔っているのにつけ込んで一発ヤッてやろうとする卑劣な男を懲らしめるのです。
キャシーが何故そんなことをしているのかというと、大学時代、親友のニーナがコンパでベロベロに酔わされて、アルという男にレイプをされてしまったからです。しかもその時、その場には何人もの学生がいて、動画まで撮られてしまいました。ニーナは、その事件を苦に心を病み、自殺に追い込まれます。
だから、酔った女性を引っかけてヤッちゃおうとする男たちを憎むのは分かります。でもニーナの事件と関係のない男を懲らしめるのはちょっと違う気がします。酔ったふりして騙すのも良いやり方と思えないですし、毎週そんなことをしているということにも付いていけません。彼女が毎週、クラブで酔ったふりをするに至った経緯とか理由が欲しいです。
あるいはキャシーがブッ飛んだ人物に設定されていたら気にならなかったのかもしれません。スーパーヒーローかサイコかどちらかだったら、そもそも感情移入できないものとして観るので。でもキャシーって男に媚びない強い女性に見えて、意外に普通なんですよね。
彼女は成績優秀な医大生でしたが、ニーナとともに大学を辞め、今はおそらくフリーターとしてカフェで働いています。彼氏もおらず、30歳の誕生日には両親から「実家を出ていってほしい」という意味でスーツケースをプレゼントされます。
そんなイケてないアラサーの彼女の前に大学の同期であるライアンが現れ、二人は恋に落ちます。
一方でキャシーは、ニーナの事件の関係者に、ニーナと同様の苦しみを与えていきます。ただ、当時アルを弁護したグリーン弁護士だけは「過去のおこないのせいで自分が許せない」と告白したため、許します。
こうしてキャシーの復讐は、アルを残すのみとなりますが、ここでニーナの事件の現場に、ライアンがいたことが判明します。ニーナはライアンに別れを告げ、アルへの復讐に向かいます。
そしてこの後、彼女はピンチに陥り、最後に逆転劇があるのですが、これこそがこの映画の最大の欠点だと思います。このラストシーンのせいで観客はちょっと救われた気になってしまうんですよね。
救われることの何が悪いんだと思われるかもしれませんが、この映画の場合、テーマをぼやかしてしまっているんです。よくよく考えると誰も救われていなくて、ただただ観客をちょっとホッとさせるためのラストになっていました。
日本では近年、テレビでコンプライアンスという言葉をよく耳にするようになり、表現がどんどんソフトになってきていますが、きっとアメリカもそうなんだろうなと思いました。
これがアメリカンニューシネマの頃とかだったら、おそらく最後の逆転劇はなかったんじゃないかなぁ。観客に、モヤモヤを残したまま劇場を後にすることを強いたと思います。
設定とかアイディア自体は面白いので、ここから本当に描きたい部分を尖らせたら良い作品になった気がしますが、何か色々忖度したのかなという印象が強いです。だってキャシーが男を懲らしめるようになった経緯や理由をまともに描くとしたら、たぶん吐き気がするようなシーンを描かなきゃならないじゃないですか。ラストも救いのないまま終わったらなかなかハードです。そんな描き方をしたら今時、クレームがめっちゃ来そうですもん。
それでも覚悟を決めてトラウマになるような映画を作ってほしいと切に願います。Netflixとかクラウドファンディングとかなら、可能性あると信じたいです。
人間模様
復讐劇だけど、主人公が幼少期から優秀で輝いているニーナに依存し生きてきたが、そのニーナを自殺に追いやられ、自分の存在も空虚になってしまった事への自分の為の復讐であるように思えた。そうなるには親の過干渉があると言いますが、キャシーの母親がそんな感じなのかなと。
ニーナの死により大学を中退、30歳になるまでずっと自分の人生を歩む事も出来ず、服装も部屋の内装も時が止まったまま。
そういった主人公自身の問題を凄く感じました。
それと他の人物の人間性。
結局保身にはしるライアン。平然とキャシーを焼いたジョー。
ジョーは自分を取り巻く相関も含めて我が人生において傷がつく事は有り得ないのだなと。そういったものはジョーにとって小さなゴミであり簡単に取り除くのだなと。
色々な人間性も観て取れる作品でした。
復讐するより医者になれ
復讐方法にただただガッカリ。
てっきり体の一部分を切り取ると思って
楽しみにしていたのに、脅すだけ、、、?
銃社会でこんなショボイやり方してたら
まず自分が殺されそう。
過去のことを引きずる人って人生損してるなぁ、と
改めて実感。
さっさと優秀な医者になって、
医療事故に見せかけて半身不随にさせるとか
色々方法はあっただろうに、、、
「ラストに驚く」の謳い文句も
これだけネタが出尽くした時代では
「あーこういう感じね」となってしまい
期待を超えるものになかなか出会えず残念。
復讐劇、重いテーマをポップに描いた良作
大学時代にレイプされた上に自殺をしてしまった友人の復習の為に、酔った女性をお持ち帰りしようとする男にワザと引っかかるような罠をしかけ、それにかかった男たちに制裁を加えていく。という内容なのでもっと見ていられないような凄惨な復習を繰り広げる映画なのかな…と身構えていたがそんな事はなかった(こう思った一因に本作のジャンルがクライム、スリラーとなっていたから。ホラー映画ではない)いやぁ…男の自分がいうのもなんだけど、酔ってる女性を見つけて泥酔状態と分かったらお持ち帰り、意識がはっきりしない間にセックスをしようとしたりして、女性が酔ってないと分かった途端、行為を止めたり言い訳をする。全ての男がこうとは言わないがこれでもか、これでもかと男の気持ち悪い部分、汚い部分、バカな行為を観せられる。男の自分から観てもムカつく男のオンパレード。性犯罪、性差別が一向に減らないのって、何も加害者が男性ってだけでなくて周りの女性すら被害者の女性の敵になるところに原因があるんじゃないでしょうか?事務長の女性は訴えられたらレイプ加害者の前途有望な男性がどうなってもいいのか?となんと加害者をかばうが、自分の娘がその立場になりそうになると急にうろたえ、怒りを爆発させる。所詮他人事だから、被害者の身になって考えられない人が多いんでしょうね…映画自体は音楽や服装のカッコよさ、復讐劇と恋愛シーンのバランスのよさなど復讐劇や重いテーマの内容の割にポップに作られていて良作。衝撃のラスト含めて映画館で観るべき作品
愛する人を失ったキャシーの心は枯渇しきって満たされることはなかった...
愛する人を失ったキャシーの心は枯渇しきって満たされることはなかった。
キャシーはニーナを愛していたのだと思う。復讐だけが現実につなぎとめる鎖だったのか。
どこかに死場所を求めていたようにも見えた。
昼はコーヒーショップの定員、夜は復讐魔とPVやキャッチから想像通りのPOPな復讐劇かと思いきや、そのまま終わるわけもなくまさかの展開に言葉を失う。
グリーン弁護士を許した?(ニーナの名前を憶えていた)のは彼女なりの慈悲なのか。
だれもがあのドラッグストアーでの甘美な世界に浸りたいはずだったのに。
衣装、音楽は最高にあっていたと感じだ。It's Raining Menくらいしかわからないけど。
知らない、関係ないでは済まされない傍観者の罪の意識を考えさせられ、身をつまされる思い。
背負い続ける十字架のような映画
予想だにしなかった衝撃のラストが待ち受けている。最後に本当の復讐劇が完成する。
これだけ後に重く引きずる映画もなかなかない。
フェミニストでなくても、自分に身に覚えのない人も、世の男性は全員観た方がいい作品。
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