バジュランギおじさんと、小さな迷子のレビュー・感想・評価
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インド的な感動ロードムービー
インドで迷子になったパキスタンの子どもを親のもとに戻してあげようとする主人公を描いたロードムービー。
宗教と国家間の対立を背景してて、そういう事情をわかっていないから笑えないシーンもいくつかあった。でも笑えないところがいくつかあってもまったく問題ないくらいに楽しんでしまった。
宗教をベースにすると、生真面目で嘘がつけないというイカれてるヤツを描くことができるんだな。そのイカれ具合を困難と笑いと感動にうまく活用した脚本にうなってしまった。いろんな人と出会い、やさしさに触れることでパワンが徐々に変わっていくというロードムービーの王道とも言うべき展開がいい。最後もこうなるんでしょ!って感じなんだけど、まんまと心を揺り動かされてしまった。いやー、大泣きしたな。いい映画だった!
愛に溢れてる
国同士の対立、宗教の対立というヘビーな問題を描いてるのに、温かくて愛でいっぱいの映画。いや、現実が重いからこそ、せいいっぱいの祈りを込めて作られたファンタジーなんだろうか。
おじさんと迷子の女の子との交流を描いたヒューマンドラマでもあり、コメディでもあり、手に汗にぎる冒険活劇でもあり、ロードムービーでもあり…くるくると変化していくから、約3時間飽きることがない。
そしてロケーションもすばらしい!インドとパキスタンに行きたくなる。
迷子の女の子の故郷は、「アルプスの少女ハイジか?」と思うような雄大な自然に囲まれた村。それに対しておじさんの住むデリーは明るい色や音楽に溢れててエネルギッシュ。どちらもすごく魅力的。
懐かしくほっとするような映画
ストーリーがシンプルで小賢しい面倒な展開が無く
「三丁目の夕日」のような懐かしい感じがして良かった。
助けようとしている迷子が人身売買されようとしていることに気付き、超善人の主人公が大暴れして救出する。正義や平和は唱えているだけでは実現しない。
隣接する二国間で憎悪の連鎖をしていても何も生まれないというがその通りだ。
しかし一方的に憎悪を生み出している国や民族や人とは一線を画さないとそれこそ何も生まれない。
最後に迷子が両親のもとに帰れたのは良かった。それに迷子役の子が本当にかわいい。
160分があっという間の作品!
ラストシーンが凄い!
そこはマイベストかも!
盛り沢山な展開と良質な音楽と歌詞。
全てのテンポが良い!
言葉の喋れない子供のシャヒーダー。
表情で語る演技がとても良い。
ストーリー
展開
テンポ
風景
曲
詞
全てが良かった!
ラストの号泣度。
かなり高め。
大満足( ´∀`)
国家間の対立という非常にシリアスな問題を扱いながら、内容はあくまでエンターテインメント。映画のあるべき姿を示してくれる大傑作!
迷子になったパキスタン人の少女を、家族の元へ還す為に行動するインド人の青年の奮闘を描くマサラ・ロードムービー。
恥ずかしながら、インドとパキスタンの情勢について全く知らず、この映画の観賞後に勉強させていただきました。
まさかこんなに複雑で深刻な対立構造を成していたとは…。
この映画を観なければ絶対に調べることはなかったと思うので、それだけでもこの映画を観る価値がありました!
さて、この映画の扱っているテーマは宗教と国家の対立。
ヒンドゥー教とイスラム教の対立により二分されてしまったインドとパキスタン。今日に至るまで幾度も戦争を繰り返し、果ては両国の核兵器開発にまで発展してしまいました。
両国間の溝は非常に大きく、その間に横たわる憎悪については想像に難くありません。
恐ろしくナイーブでシリアスな問題を扱っておきながら、映画の内容は涙あり笑いありダンスありバトルありの完全なるエンターテインメント!
このバランス感覚が素晴らしい!
難しい問題をシリアスに撮っている映画は数々あれど、重いテーマを娯楽映画に完全に落とし込んでいる作品は稀有でしょう。
シリアス、なのに楽しい。この作品は矛盾している2つの要素を一つの映画のなかで完全に表現している。
こんなに完成度の高い映画は滅多に存在しないでしょう。まさに映画としての完成形を示していると言えます。
映画の内容は夢想的すぎるかも知れません。特に後半、パキスタンに入国してからの展開はあまりに現実味が無さすぎるとも感じました。
しかし、映画の中でくらい、国境と宗教を超えた人間同士の交流を見てみたいではないですか!
映画のテーマ性だけでなく、ビジュアル面でも非常に優れていると感じました。
国境に広がる砂丘の雄大さや、カシミールに広がる山々の美しさには息を呑みます。
そして何より、この映画の一番大事なポイント!
迷子の女の子シャヒーダーの可愛さがヤバい!これは天使だ…👼
とにかく、欠点らしい欠点のない、エンタメ作品の大傑作。
インド映画ほぼ初体験の自分としては、バジュランギ初登場のど迫力ダンスシーンを観て、完全にシャヒーダーと同じ感覚を味わえました。
これがカルチャーギャップというやつか…。
前半部分
バジュランギおじさんはたったと壁を乗り越える。
婚約者なんて、それより先に一番大切なことがわかってる。
肉を食べ、異教徒だとわかった名前も知らない子どもをギュッと抱きしめた!
ヒンドゥー教徒でも、イスラム教徒でも、インド人でもパキスタン人でもない私には、この映画の描こうとする難しさや問題の大きさが半分もわかってないだろう。でも、わかろうと努力することや耳をちゃんと傾けるってことをしたいと思った。
気になってはいたけど結局映画館に観にいけずに、自宅鑑賞した映画でこんなに泣いたことはない。
ハナジュルジュルナキおじさんになっちゃったよ
吉祥寺アップリンクの2019見逃した映画特集で観賞しました。
良かった~
鼻がズルズル。まわりからもズルズルが聴こえる。
最後の30分ぐらいから涙が出て、しまいにゃ頬で塩分析出して痒くなっちゃった。ちょうどポケットに入っていたセブンイレブンのお手拭きが役に立ったよ。
そのあと、もう一本渋谷で観て帰ろうと予定してたけど、トイレで涙乾かして、インド系(スリランカ)のビリニちゃんとピュアちゃんのいる吉祥寺ふれあい酒場ほていちゃんで昼呑みすることにした。なめろう、マグロ軟骨梅水晶、牛バラすき鍋、熱燗(副将軍)で本日終了❗
おバカさんなのか
「序盤は、「悪い人じゃないんだろうけどおバカさんなの?」という感じだったが、いざ決めた後はその鋼鉄の意志と行動力にただただ圧倒されるばかり。そしてあのラストはズルイです。反則です。ルール改正を要求します。
反則といえばそもそもシャヒーダー役のハルシャーリーちゃんが反則です。ズルイです。
脇役たち(国境警備隊長(往路)、記者、モスクの先生等)もガワはただのおじさん/おじいさんなのに中身は超絶イケメンがずらりという反則仕様です。
劇場で観なくてよかったです。大の大人が公衆の面前で号泣する羽目になるところでした。客に恥をかかせようとするとは、誠にもってけしからん映画でした。」というネタを考えたが…ボツ。
2カ国仲良くなればいいなぁ
幼い頃から声が出せないパキスタン人シャビーダーは寺院の願掛けに母親と出かけるが、途中国境跨いだのインドで置き去りに。
そのインドで出会ったお人好しのバジュランギがしょうがなくシャビーダーの帰還を手助けする御話。
上映時間が長いのはインド映画特有の歌があるからw。そこは暖かい目で観ましょう☺️
所々「バジュランギおじさんはアホなんか?」と思ってしまう所はあるものの、シャビーダーを何とかパキスタンの故郷へ帰してあげようと頑張る姿には、ついつい続きを観てしまう魅力はある。
旅の途中合流する特ダネ専門リポーター&カメラマンも映画に良いアクセントを加えて、物語をより感動のラストへ導いてくれた。
終盤・ラストはベタで誰でも予想つく展開ではあるが、ウルっと涙を誘うし、観てよかったと思う作品でもありました。
過去視聴作品「PK」の様に、インド&パキスタンの政治情勢も絡む作品だが、垣根を越えて良い民族同士になろうとする想いが伝わる作品でした。
「YOU達、仲良くしちゃいなよ!」と天国から聞こえて来そうな作品ww
インド映画に耐性が出来、好きになった方にはオススメします。
愛はすべての壁を越える / イマジンの幻
自分の命を捨ててでも迷子を助けようとする愚か者の勇姿。
こんな愚か者の夢がいつかは必ず世界を甦らせるのだと、その希望を回復させてくれる映画でした。
真夜中にヘッドフォンを着けてDVDで観ました。だから自分には聞こえなかったのですが僕は声を出して泣いていたようです。
主演のバジュランギおじさん=俳優のサルマーン・カーンはこの演技は本気ですね、真心から2つの国の分断の回復を祈っている彼の素の表情が出ているように感じます、彼は制作にも関わっています。
その点“おじさんつながり”でフランス映画「バティニョールおじさん」の事もあわせて思い出しました。監督自身が主演を演じ、そのストーリーにのめり込む真剣さのあまり監督はバティニョールおじさんそのものに化身してしまっています。小さな命を守るために怒り、泣き、愛を絞り出すのです。おじさんの鬼気迫るエンパシーからシンパシーへの変化。
ご覧になっていない方にはこれもオススメです。
インドとパキスタンは元々はひとつ。今は水爆を構えて睨み合う隣国。
それにしても「植民地」は罪だな。喜びの独立を果たしたかったはずのふるさとの心を破壊して、思ってもみなかった分断と仲違いを残して列強 (宗主国) はケツをまくって逃げるから。
イギリスがやらかした香港も、そしてアジアにおける中国 × 台湾の一触即発状態や、南北朝鮮の戦争状態についての旧宗主国我が国日本の過去も。
そんな事も思いました。
はからずも、泣いてしまった
密入国の旅するまでが、とにかくたるかった。
主役の男性が小綺麗に、スターのまま過ぎて。
これはインドのキムタクドラマ!?っていう感じだった。
もう観るの辞めようかって位。
なのに、旅から急変。
スターが、小汚なくなってる!
映画がリアル感に満ちて来てる。
何時からか、私の眼から涙が溢れて来る(ToT)
あり得ない!あり得ない!
なのに、それでも嬉しい!
観て良かった。
インドとパキスタンの関係わかった。
最後まで気になったこと。
旅行中、バジュランギの髪が伸びて欲しかった。髪のセットが乱れなさ過ぎて残念。(笑)
インドに行ったことあるけど、街は小汚ないんで、本当。あんなスターは、街に歩いてない。
人と人の繋がりに"境"無し
直前に観た「判決、ふたつの希望」も
"相違な国・人種・宗教がぶつかり合いながらも理解していく"
良作であったが、本作もテーマは同じでより分かりやすいエンタメ作品となっている傑作でありました!
ラストは素直に感動、感涙!!
シンプルで力強い
一人の男が国境を越えて迷子を家に送り届けるというシンプルな物語だけど、インド、パキスタン両国の複雑な背景が物語に深みと面白さを与えている。
長尺だし、インド映画らしく歌や踊りも盛りだくさんだけど、伝えようとしているテーマはシンプルで力強い。
全てを超えて行け!
面白かった。
子どもも飽きずに観てたのが印象的だった。
ただ愛のために、宗教も国同士の問題も、
国境も自分自身の価値観も超えて行く様に
感動しました。
全体的な雰囲気も明るくて良かった。
実際そう上手く行かないだろ!とは思うけど、
登場人物みんなの根底に愛がある優しい雰囲気に
ホッコリ出来ました。
ムンニーの底知れぬ可愛いさも
ヒットの要因の一つだと思う。
「憎しみには誰もが興味があるが、愛には興味がない」
という台詞が印象的だった。
どこの国も一緒だ。
日本も韓国との関係が悪化してる今こそ
観るべき映画なのではないかな?と思いました。
人は憎しみより、愛や思いやり、優しさであると信じたい
人のいい男が迷子の女の子を家まで送り届ける旅に出る。
ロードムービーの類いとしてはよくある設定かもしれないが、これがインド映画の手に掛かると…
笑いと人情の珍道中、歌や踊りも勿論、トラブル続出でハラハラ、宗教や国家間の問題も込めつつ、ハンカチじゃなくタオル必須のラスト…。
これだけたっぷり詰め込みながら全く破綻しない、大ボリュームの面白さと感動。
やっぱインド映画ってスゲェーわ…。
インド人の男、パワン。周りから“バジュランギ”と呼ばれている。
10回も落第するほど学の方はアレだが、バカが付くほど誠実で正直者で、皆から慕われている。
運命の女性と出会い、彼女の実家で彼女の家族と暮らしているが、彼女の父親から一人前になるまで婚約を認めて貰えない。
そんな時出会ったのが、この一人の女の子。
どうやら迷子らしい。
何処から来たのかどころか名前すら聞けない。
何故ならこの女の子、口が利けず字も書けない。
“ムンニー(お嬢ちゃん)”と呼ぶ事にし、いったん家で預かる事にするが、とある事でとんでもない事を知る。
ムンニーは、パキスタン人だった…!
(ムンニーの名前は、シャヒーダー。パキスタンからインドに願掛けにやって来たが、母親とはぐれてしまう…という経緯が序盤で描かれるが、レビューはあくまでパワン目線で、シャヒーダーも“ムンニー”と表記する)
インドとパキスタン。
日本人にはよく分からないが、両国には過去に何度も争いがあり、悲劇が起こり、その対立は今も尚続いている。
彼女の父親は大激怒。追い出せ!…とまで。
パワンもさすがに困り果て、パキスタン大使館に連れて行く。が、ここで…。
この時のパワンの行動に胸熱くさせられる。そして、ある決心をする。
国境を越えてパキスタンに行き、ムンニーを家族の元に送り届ける。
信心深いパワン。全ては、ハヌマーン様の思し召し。(“バジュランギ”とは、ハヌマーン信奉者の意味)
彼女やその家族は猛反対。
バカ誠実でバカ正直で信心深いと言う事は、一度決心した事を投げ出したりはしない。
猛反対を押し切ってまで旅立つ。
…が、ここからが本当に山あり谷あり。
最初の難題である国境越え。
さらにパキスタン警察から、スパイと間違われ追われる身に。
果たして無事、送り届ける事が出来るのか…?
苦労の連続だが、ここからがグッと面白さが増す。
シリアスや深刻になり過ぎず、笑いと涙で。
パワンの宗教感やインドとパキスタンの対立関係も色濃く意味を成してくる。
国境越え。たまたま知り合ったパキスタン人の計らいで密入国しようとするが、パワンはそれを拒否。
国境警備隊に許可を得て、堂々と入国する。
何故なら、ハヌマーン信者はコソコソなどしない。
が、そんな事が通る筈もなく、当然捕まる。
イカれてると思われても、それでもパワンは真っ直ぐに訴え続け…。
立ち塞がる者も居れば、協力者も。
バスの運転手や先生。
そして、同行する事になったTVリポーター。
そもそもはこのリポーターがパワンをスパイとし、特ダネを狙っていたのだが…、
ムンニーの純真無垢な瞳とパワンの真摯な姿に打たれ、自分が間違っていたと知る。
言うのは少々気恥ずかしいが、良心、善意、愛…これらに心を動かされない人は居ない。
…いや、でも居るのだ。
彼女の父親、警察、TV局ら偏見や頭の固い連中が。
勿論、歴史の悲劇は忘れてはいけない。どうしても譲歩出来ないのも分からんではない。
でも、ムンニーや今を生きている我々が何か悪い事でもしたのだろうか…?
ああいう頭の固い連中が居るからこそ、ずっと偏った感情に縛り付けられたままなのではないか…?
結局国家間の対立は、進展しようと努力しない国のお偉方や一部の傲慢な輩のせい。
人と人一対一の関係では…。
そういった面が、本作には描かれている。
サルマン・カーンの人間味たっぷりの好演もいいが、時々ちょっとお転婆なムンニーことハルシャーリー・マルホートラが天使のように愛らしい。
ロケーションも素晴らしい。
少々過剰描写でご都合主義で理想的過ぎでもあるが、非常にドラマチックで、これぞ映画の醍醐味。
と言う事は、言うまでもなくハッピーエンド。
で、ここが特に目頭熱くさせる。
遂に遂に遂に、ムンニーの家がある村を突き止める。その目的地直前、検問。
そこでパワンが取った行動には、日本人なら心揺さぶられる事間違いナシ。所謂“自己犠牲”。
パワンにとってこの旅は、何をもたらしたのか。
自分の身にも危機や危険が降りかかり、ハチャメチャにまで。
見返りすらない。
でも、ただ一つ。
ムンニーが家族と再会出来た。
何と嬉しく幸せな事か。
おじさんと女の子が起こした奇跡。
愛や思いやり、優しさ。
それらを、国家間の対立に疑問や訴えを込めて。
タイムリーに日本では、某国との関係が最悪なまでに悪化している。
あちこちで、お互い誹謗中傷のやり合い。
そういう状況や経緯に陥ってしまった事情は複雑だが、何て哀しく愚か…。
この映画を見せてやりたい。
ボリウッド童話
旧インドは英国の植民地政策で不満を逸らすためにヒンドゥー教徒とイスラム教徒の反目を利用してきたこともあり、独立時にインドとパキスタンに分裂した。統一を願ったガンジーも暗殺され今では核でにらみ合う最も危険なエリアと言われて久しい。
製作・脚本・監督のカビール・カーンはムスリムの父と、ヒンドゥー教徒の母の間に生まれ、自身も2児の父である。今の大人たち世代では難しいとしても子供たちの時代には平和が訪れるように願って童話のような話を創ったのでしょう。もちろん親が観てもよほどの偏屈でなければきっとほっこりと癒されるでしょう。童話といってもボリウッドのプロが作っていますから映画に遜色はありません、お約束の歌や踊りも、童話ですから多少怖い話も、そして奇跡が起こります・・。
二本立て二本目、今日の本命。 期待度マックス、満点を願ってた。だっ...
二本立て二本目、今日の本命。
期待度マックス、満点を願ってた。だって少女が可愛すぎる。
しかし、始まってみて少々ガッカリ。随所に見える。女性蔑視といきすぎの宗教信仰。踊りはほぼ男性のみ、幼い少女の人身売買。少女の行く末が心配。真面目すぎて周囲を危険に晒す主人公にもイライラ。加えて時代錯誤の拷問警察。
しかし、ラストは魅せます。分かっているのですがやられます。宗教を超えて人間としての愛を、というメッセージも良かった。でも最後もやっぱり神?というのがまことに残念。印パを始め、宗教に毒された人々に届けて欲しかったのだが。
ゆきすぎた宗教崇拝、もうやめにしませんか。世界の争いはほとんどがこれ。せめて他の信仰を許容できる寛容さを。切に願います。
反則と思えども心動かされるハートフルストーリー
物語は結構冗長。筋もまあまあ予測できるもので、全体的に力業感がある。
なのに、抗えずに心動かされるのは、何故なのか。
迷子の子役の愛らしさは、もう理屈ではない。台詞のない役を、仕草や表情で力一杯表現する演技力は壮観。
また、発信するメッセージが解りやすくブレがない。国を越え、宗教の違いを越えた、人と人との、尊重、共感、思いやり。紛争や諍いの絶えない現代に、ホッと温かさをもたらし、自らの身を振り返らせてくれる。
ヒンドゥー、イスラム、どちらに片寄る事なく、双方に不理解と寛容さが描かれているのがいい。敬意をもって、相手の宗教の仕草で感謝を表したラストシーンは感動した。
ハヌマーン神を信仰する、朴訥で正直者の主人公というのが寓話的でもあるが、非現実な奇跡に偏りすぎず、現実のままならなさをもしっかり描いているのも、この映画では良かった気がする。
青年と少女、途中からもう一人加わって、都会から山岳地帯まで美しい景色の中を、人々と出会い、トラブルをすり抜けながら旅していく様は、ロードムービーとしても楽しめる。
長い上映時間や深刻なテーマも、歌や躍りやコメディ要素、たっぷりの愛と人間性に交えて、苦を感じさせず見せ抜いてしまうのが、インド映画のパワーなのだろう。
語るより、とにかく見て!伝わるから!と言いたくなる映画。
全144件中、21~40件目を表示