劇場公開日 2018年9月22日

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バッド・ジーニアス 危険な天才たちのレビュー・感想・評価

全135件中、1~20件目を表示

4.0スマホが物語を面白くした例

2018年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

日本は学歴社会だと言われるが、実はどこの国も同じである。学歴不問の国などあるのだろうか。学歴を巡る葛藤はどこの国でも同じなゆえに、これは世界で通用する普遍的なエンターテイメントになった。
見事なアイデアのカンニングに舌を巻き、いざ発覚しそうになった時の駆け引きが見事。最後まで目の離せない展開に唸った。LINEの使い方も効果的だ。スマホは物語をつまらなくすると言う人は未だにいるが、この映画ではスマホが物語を一層盛り上げている。

父子家庭で貧しい主人公は天才。周囲の金持ちのクラスメイトは楽して得点を稼ごうとカンニングを持ちかける。金のない者は知略と努力で這い上がるしかない、金持ちは金だけで同じ得点が変えてしまう。社会の理不尽な縮図そのものである。主人公やもう一人の天才、バンクたちが自分たちのためだけの努力が許される日が来てほしい。そんじゃない社会は何かがおかしい。でも世界中にそんなおかしさは蔓延しているのだ。

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杉本穂高

4.0A級のカンニング・(ちょっぴり社会派)・エンタテインメント!!

2018年9月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

カンニングが映画のテーマになったのはいつ以来だろう!?以前、「あなたが考える秘密のカンニンク法は?」と聞かれた時、「答えをオブラートに書いてばれそうになったら飲み込む」と答えて笑われたことがある。そんな呑気な時代だったのだ。しかし、要するに、学力優秀な生徒から答えを伝えてもらえばいいのでは?というのが、タイ発最新カンニング映画の提案だ。本作の見せ場は、どんな方法で、どう伝え、さらにそれをどう拡散していくかで、何しろ、舞台は全世界共通の大学共通入試。なので、なんと時差が回答の伝達&拡散に味方してくれる。詳細は避けよう。でも、アイディア、展開力、そして、演じる若手俳優たちの洗練度は、とりあえず日本以上。仕上がりのセンスには太鼓判を押せる。また、カンニングがビジネスになり得るタイ社会のシビアな現実にもしっかり目配せする社会性にも。これはA級のカンニング・(ちょっぴり社会派)・エンターテインメント。是非、お見逃しなく!!

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清藤秀人

4.5タイの正義と人間の正義の間で揺れるリン

2024年3月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ストーリーが面白い上に凝ったショットや、少し時間軸をいじる構成、音楽など、楽しませる工夫が満載で、そこから生まれるスリリングさは最早クライムサスペンスのそれである。タイ映画らしいコミカルさを僅かに残しているのもいい。
緻密な犯罪計画を立てるが実行する能力は素人レベルというアンバランスもスパイスとして効いている。
あと一押しあればオールタイムベストに選出するレベルで面白かった。
しかしその一押しは私のわからないところに存在していたようで、少し残念。

観終わって、これはもしかしたらタイの格差問題を扱っているのではないかと考えた。調べてみたところ、やはりタイの格差はかなり問題なようだ。あとは教育問題もかな。

主人公リンは父親の負担だけを考える優しい人だった。それが裕福な家庭の生徒ばかりが通う学校に学力を買われ入学したことで変わり始める。
学校は寄付という名のワイロを受け取り、裕福な家庭の親や子は物事を全て金で解決しようとする。挙げ句の果てには自分さえ良ければあとはどうでもいいという態度なのである。
そんな中にあってリンは自分の能力である学力を使いお金を稼ぎ、その事で常に悩み続けるが、咎められる事は中々受け入れられない。
金で利益を得る者が正義ならば、学力で利益を得る者だって許されるはずというわけだ。
つまり、現実のタイに対して逆説的に、ズルしたヤツが富を得ることが当たり前の正義のような社会はおかしいだろと突きつけているのだ。

この作品にはお金持ちの子か高い学力を持つ子しか出てこない。
作品に登場しない金も学力もないが誠実な普通の人々。搾取され虐げられている普通の人々。そんな普通のタイ人を代弁するような作品で、観ている間に理解できていればもっと楽しめたろうに。

とまあ、これが私にとっての最後の一押しだったわけだが、タイの社会問題まで知識はなかったので仕方ない。
とりあえず、余計な知識などなくても充分過ぎるほど面白いから。

誰も銃を所持していないクライムサスペンス。

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つとみ

4.0スパイ映画さながらでカンニングを描く!

2023年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

知的

中国で実際に起こった"カンニング事件"をモチーフに製作されたタイ映画となり、数々の賞を受賞している作品です。うん、面白かったって!って純粋に言える映画で万人受けするんじゃないでしょうか!

貧乏人は一生懸命勉強して自ら切り開いていくしかない人生であり、一方でお金持ちはお金の力で学力も人生も手に入れてしまうという、皮肉にも近い作品でもあります。その貧乏人とお金持ちがチームを組み、ありとあらゆる手段でカンニングを繰り広げていきます。

実にカンニングの方法が見事!

最初は消しゴムに回答を書くという初歩的なところから、しまいにはアメリカの大学に留学するため世界各国で行われる大学統一入試「STIC」攻略を成功させるに至ります!その最終カンニングの仕方は、手に汗握る展開。

世界的な試験監督者も流石ですよ!ちゃ~んとカンニングを見抜きますからね。試験監督者から逃げながら回答を送るシーンは、一流のサスペンス映画さながらの手に汗握る緊迫したシーンです。思わず頑張れ!見つかるな!って応援したくなります。

本作の面白いところは、超優秀な天才少女リンの真面目な性格ゆえに、友人グレースを助けるという純粋さから始まったカンニングという些細な悪事が、徐々にお金儲けという欲に変化していく様子が非常に面白いです。

カンニングがテーマなので暗めな映画と思いきや、とってもテンポがよいので観ていて全く飽きません。先にも述べましたがどうやってばれずにカンニングするかという頭脳的な要素とスパイ映画のような感覚の要素があり緊張感がたまらなく面白いのです。

リンの最後の決断は心を揺さぶる何かがありました。好きになった男性を陥れて悪人に変えてしまったという後悔を捨て去るように、自分自身を変えるように!

物語も面白いですし俳優陣を楽しむのもあり、でも最後はちゃんと感動できる良い映画と思います。全体的に満足度が高い作品です。今後のタイ映画も注目したいと思える映画でした!

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だいふく

4.5見せ方が抜群にうまい

2023年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

レビューの評価が高かったので、期待して劇場に行きました。とても面白かった。タイ映画ということで、現地の俳優さんたちが出演しているようですが、外見は日本人と同じ。変わったファッションや、変な食べ物も出てこないので、タイ語を記述するシーン以外は、まるで日本の映画を見ているようです。もし日本語吹き替え版があれば、子供でも楽しめる内容です。PG12のレーティングは、カンニングという行為そのものの倫理観を、きちんと教育できる大人の同伴が望ましいという判断でしょう。

そのこと自体の是非はともかく、映画の内容は見ごたえのある心理描写が続きます。俳優さんたちが本当にうまい。そして、見せ方が抜群にうまい。シンプルなストーリーをていねいに、細部にわたるまでじっくり考察して、一つ一つのファクトを構築していく語り方は、最後まで飽きさせません。ちょっと謎めいたエンディングは、続編をにおわせる展開で、この天才少女が果たしてこののちにたどる運命がどうなるのか気になります。

特に、感心したのが、少女のライバルの天才の男の子を演じたチャーノン・サンティナトーンクン。複雑な役回りで、ある意味、主人公以上にストーリーの大きなカギを握る人物で、俳優しだいではものすごく嫌われてしまう役なのに、むしろ共感さえ覚えるほどに心理状態をていねいに掬い取っています。主人公の少女との、友情でもなく、ライバル心理でもない、奇妙なパートナーシップの描き方が素晴らしい。

音楽の使い方も秀逸で、ABCDの回答の選択肢をピアノのコードになぞらえて、音で丸暗記するシーンなど、イメージの中で試験会場なのにピアノを弾いているヴィジュアルなど、鮮やかな演出です。

まあ、カンニングという行為自体の是非はともかく、たとえば『万引き家族』なんて映画がグランプリを受賞するご時世なので、大切なのは、主人公に共感できるかどうかだと思います。彼女自身は非常に優秀で、問題は友達をどうやって合格させるかということなので、私は共感できました。

監督のプロフィールを見ると、実家がレンタルビデオ屋さんということで、私には新世代の映画監督に思えました。子供のころからハリウッド映画を見て育ったということらしいです。道理で、映画の文法がハリウッド的。なぜ日本人にこれが撮れないのかと思います。やはり、自分で脚本が書けることと、明確なビジョンを持つこと。この2点は外せないようです。日本の映画では、極端に低予算に振り切って、自分で何でもやってしまうか、アニメーション作品で作家性を前面に打ち出すかでしか、勝負できていないように思えます。純粋に娯楽性でハリウッド映画に伍している映画が少ないのは、残念ですが、この監督さんは、近い将来必ずハリウッドデビューするだろうと確信しました。

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うそつきカモメ

3.5過去鑑賞

2022年11月22日
iPhoneアプリから投稿

これもレビューしてなかったですね。
いったいいつ観たのか調べたら3年以上前でした(´∀`;A

スコアが高かったので、ちょっと期待し過ぎてしまったかもしれないです。

確かにアイデアとしても良く考えられていたものでしたし、脚本も素晴らしくスタイリッシュで、終盤は特に緊迫感も有り面白かったです。

が、カンニングという不正を働いているものの、皆割りといい子たちばかりで、全く悪くも危険でもなかったですし、“ザ・カンニング”のような作品だと思っていたもので、完全にシリアス路線の作品だったのも個人的には少し微妙でした。(これは僕が悪いだけですね)

シリアスな展開は悪くないのですが、笑える要素もあった方が緩急が付いて良いような気がしましたし、何より主人公であるリンちゃん、常に肩に力が入っている感じで、観ている最中から“笑顔!笑顔!”何て思ってしまいました。

それとメモの件やトイレにスマホを隠す件など僕のような凡人以下の人間でさえも、どちらもすぐ思い浮かぶ不安要素に、これだけ頭の良い子が気付かないのはおかしいような気がしますよね。

コメディなら全く気にならない点ですが、シリアスな作品だと気になってしまうものですし、良い作品だけにそういった点では残念でした。

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刺繍屋

3.0スローモーションとアップと汗

2022年10月15日
iPhoneアプリから投稿

手に汗握るエンターテインメントだと思います。
カンニングは麻薬みたいなもんで、一度うまくいくと、カンニングを成功させるたための努力ばかりし始める。人間は悪いことを考えてる時が一番テンション上がる生き物な気がする。ゲーミフィケーション(規制とスキルのイタチごっこ)なんだろうけど、やった感が得られるループから逃れられない。そんな興奮が伝わってくる作品。
ただし、その演出として、とにかくタイトルの3他の要素を多用するんだけど、だんだん慣れてきて効果が薄まってくるというか。IMAXシアターで作品を観て、刺激を受けるのは冒頭の5-10分と同じ現象。ストーリーだけでも十分手に汗握るような気がするけどなぁ。
ラストの正しいことを選択するのは、お国柄なのかしらね。

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ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。

3.0シドニーの解答シーン

2022年3月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

こっちまで粗相してしまうほどに行き詰まる緊迫感ありました。楽しかったです。

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ぽじのふ

4.0ライトに楽しめる作品

2022年3月4日
PCから投稿

普段はアート系の作品ばかりみているが、友人の紹介で見てみた。
タイに駐在していたことを思い出しつつ、気軽に楽しめた。

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darin

4.0カンニング…スリリングな響き

2021年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

だれもが一度はドキドキしながら経験する(と思う)カンニング。チンケな技を使うでもなく、洗練されたカンニングはさすが。スリリングで緊張感ある仕上りで、タイ映画恐るべしの印象。
若くて活きのいい出演者たちとスタッフの仕上げる熱意を感じる。富める凡人と貧しい秀才の対比が分かりやすく、一方で悲しく切なく、観客である大衆受けしそうな作品でもある。

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Bluetom2020

4.0流石天才的!

2021年6月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

知的

こんな カンニング考えたの流石 天才の考える事だわぁー!私も頭良かったら、こんな方法したい
とか思ってしまった!
ハラハラドキドキ 見つかるかも知れない
と思いながら、、、広め過ぎて
命にも関わる事にもなって本当
友達だけの内輪で終われば 良かったのに…
でも、実際あった話を元に映画にしたのは
凄いと思いました。
世界共通の試験とか凄いわなぁー

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リンダ

4.0面白いです。

2021年6月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

面白いけど、体の芯がビリビリするようなヤバい映画ではなかったです。いわゆるヌ普通に観て楽しめる映画でした。完成度の高さが素晴らしいです。演技や演出が丁寧で、見応えがありました。

心の善に従い、光の中を生きようとする姿に心を打たれました。シンプルですが強力なメッセージです。そのメッセージと、その逆の姿の対比が主題だと捉えます。

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Rewind That

4.5ずっとドキドキしながら見てました

2021年4月20日
スマートフォンから投稿

笑える

楽しい

興奮

久しぶりに面白い映画に当たったと思いました。ずっと手に汗握る感じ。ぼーっと見てても話の流れがわかりやすいから頑張ってみようとしなくても楽しめます。
ハラハラドキドキ、淡い恋なんかもあってとても良かった。
リン役の方すっごくスタイルが良くて引きの画映えてました。グレース役の人もかわいい。
リン役の人ユニクロのモデルしてた人なんかな?また調べてみようと思います。

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ジェネリック

4.0イッサヤー・ホースワンがウザ可愛い

2021年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

アマゾンプライムで観賞。
バレるかバレないかのサスペンスがとても楽しく、それがうまく話しの中に落とし込めているのが見事。ただ、トイレのアレは予想できる範疇だと思った。実際に中国で起きた事件もトイレのアレはあったのかな?
個人的にはグレース役のイッサヤー・ホースワンのルックスに見事にやられた。ほんと日本人受けする顔立ちだなぁ。

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たろう

4.0よく練られている作品

2021年3月22日
iPhoneアプリから投稿

アクションでもないのにハラハラする作品。発想がとてもユニークで面白かった。

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あだはち

4.0リンに頼りすぎ・・・。。

2021年3月21日
スマートフォンから投稿

興奮

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』鑑賞。

*主演*
チュティモン・ジョンジャルーンスックジン

*感想*
カンニングは絶対ダメだけど、面白かった!\(^^)/

とにかくリンが優等生すぎる!頭が良いし、記憶力は抜群だし、ピアノの手の動きを利用したハンドシグナル的なやつを使って答えを教えるっていうのが凄い!
グレースやパット、その周囲にいる人達も巻き込んじゃってさ、、皆リンに頼りすぎだよ~(^^;

ライバル的な存在であるバンクは、色んな意味で可哀想だった。あれはやりすぎ。
前半は少し退屈だったけど、後半のSTIC試験はめっちゃハラハラした!

会場にいた強面の試験官が怖い!
何故かクロックタワーを思い出しましたw

総じて、スリリングがあって面白かったです。カンニングは絶対ダメですけど!

最後までピアノコードがよくわからなかったww

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ひろっぴ

4.5頭良すぎ

2021年2月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

カンニングもここまで来ると
ハイレベルだな…。
シドニーのスーツ着たおじさんが
ずっと追いかけてくるの怖すぎた。

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yoo

4.0バンクよ…

2021年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

緩急の付けかたが非常にスリリングで、最後まで突っ走る感じ。
主演女優さんの出で立ちだとか表情だとかはやっぱり白眉で、
特に後半の、空港でお父さんと抱き合うシーンは目頭が熱くなった。

そんでバンクよ…。
作中でどんな成長を見せるかと思ってたら、そっちかい!っていうね。
たぶん学歴だとか貧富の格差だとか、社会風刺を担ったキャラクターなんだと思うけど
ちょっとあのオチは個人的に好きじゃなかったなーって。
もちろん、それのおかげで主人公・リンの変化が際立つっていうのはあるんだけど。

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mar

3.5世界レベルのカンニング

2021年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

めちゃくちゃハラハラドキドキしながら観た

色々感じた事はあるけど
天才でも抜け出せない悲しみが一番かな

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風花

3.5世界に蔓延る教育格差、揺れる心情以前に利用されていることを悲観せねば

2021年2月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、VOD

笑える

悲しい

興奮

世の中、カネかヒトか…そんなテーマはごまんとあるわけだが、「カンニング」からそんなことに気づかされるとは。世界で求められている「教育」とその狭間にある「格差」が、スリリングかつ大胆に展開される。
一見すると、カンニングなど笑い話に出来るような側面もある、そんな導入だとは思う。しかし、金持ちの欲望が絡むことで、金をも交じる取引へと姿を変えていく。そうなったものだから、これは命からがらのサスペンスだと植え付けられる。そんなふうに転がるもんだから、気持ち悪くも同情する自分がいる。しかも、スリルと悪しき発想は世界にゴロゴロと存在しており、この世に格差がある限り、平行線のままなのだろう。よって、勉強にも金が必要で、名誉は買って作るものという、世界の悲観を啓発するような映画でもある。その一方で、金持ちがただのヒールでしかなかったのは少し残念。友達を裏切るというより、いつ見切ってみせるのか?が描かれており、恩を仇でも返さない薄情な奴らだけに留まったことに、胸糞の悪さを覚える。それでも、映画を時間いっぱいに使いつつ、社会に意味を持たせた作品なので、ハラハラされっぱなしだった。
『ハッピー・オールド・イヤー』から観た私からすると、やっぱり起があっさりしてるな、と思う。いつの間に離陸しているような。ちょっと不思議に思う(笑)。途中で訪れるトラブルや災難を笑う様に観ていた自分は、自業自得で困っている奴に、ノートを貸すのも考えたくなる性だからなのだろう。カンニングがまかり通るのかを真義にかけた今作を面白いと思う一方、胸糞悪く映ったのは、そうした根底があるからに違いない。

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たいよーさん。