万引き家族のレビュー・感想・評価
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万引き家族
一見、万引きと年金だけで生活をしている
家族かと思いきや全員他人、でも
血の繋がっている家族以上の家族でした。
家族とは、幸せとは
考えさせられました。
どんな形でも良いので
将来幸せな家族・家庭を築きたいです。
社会の底辺に生きる人々に焦点を当て、家族とは何か、人との繋がりかと...
社会の底辺に生きる人々に焦点を当て、家族とは何か、人との繋がりかとは何かを考えさせられた作品。韓国映画のパラサイトにテーマが似ている気がするな。
楽しい映画じゃないよそりゃ
この映画観た後に評価見たら、ここでもアマプラでも、面白いくらい二分してて笑ってしまった。
低評価の人って、単に好みじゃない、ただそれだけですよね。「すごい話題だから見たけどカップルで観るもんじゃない!」とか、そんなもんタイトル見たら雰囲気わかるやろがい〜って感じですね。
私はハリウッドの高画質ハイスペクタクル超大作〜!!(?)みたいなのは好みじゃない。でも好きな人には最高なんだろうな、そう思うだけ。わざわざ「クソだ!」「こんなの映画じゃない!」とも思わないし書かない。もしそう思ったら心に留めとけ。んで自分の好みがわかったのなら、次から違いそうなものを観ないように目を養え。
……失礼。自分のイメージする映画像に当てはまらないと罵倒するなんて悲しいなと思ったのでした。つまらないと思ったら観るのやめたらよろし。
私にはとても、刺さる映画でした。
とにかくすごい演技だったなぁ。
是枝監督が描く人間関係の美しさを改めて好きになった
世間的に考えてみたら『万引き家族』というのはタブーなのに、あの家族がいつまでも続いて欲しい、とすごく願う自分がいて、やはりそれは、あの家族が貧しいながらに美しく楽しそうに暮らしていたからだと感じる。
万引きは悪いこと、でも治が凛が居やすいように彼女に仕事を与えたり、信代が職場を犠牲にしてまで凛を守ろうとしたり、凛に食事を分けてあげたり好きなお麩を買ってあげたり、一人ひとりに人間的な温かみを感じる。それは時に家族だけでなく、駄菓子屋の親父など世間の一部にも感じられるところも良い。
そして、ただただ貧しいながらに楽しく生きるだけでなく、それが初枝の死を境に急転直下で崩れていく様も、その脆さに魅了させられるところがあったと思う。この家族の内側を何も知らない淡白な警官との尋問からもなおそれが際立つ。
特に信代が尋問されたシーンは切なくてやりきれなかった。
最後に、この作品を通じて演者のプロフェッショナルさを、すごく感じた。本物の家族のように本当に思える。特に佐々木みゆさんの演技は、本当に心の傷を負った少女のようだった。みなさん、凄すぎる。
素麺が美味しそう
半裸で食べる素麺のみずみずしいこと。
安藤サクラさんの真正面の演技の凄みと、城桧吏さんの森の哺乳類のような可愛さ。
パワーのあるセリフは池脇千鶴さん位で、あとは役者のパワーに任されているような感覚がありました。
第42回日本アカデミー賞最優秀作品賞
ってなわけで、ようやく観ました。
わざわざ調べなくても、注目を浴び、話題となった本作でしたし、なんせ、同じ年に上映された「孤狼の血」が自分的には最高に面白かったので、そこを押さえての最優秀作品賞!と期待が高まっていました。
で、結果、期待しすぎた、、、と思いました。
孤狼の血とはジャンルも違うし、内容も違うし、好みの問題ではあると思うが、作品として、こっちかー⁈と納得いかず。今更なんか悔しい気持ちすらでてきます。
タイトルの「万引き家族」と、お話の設定は興味深かったです。これが映画だからこれで済んでいますが、実際にもしこれがノンフィクションで実際に起こった事件だったとしたら、そんなお気楽なことは言ってはいられなかっただろうけど。そこは映画なので。
これだけ日本社会の中で格差ができ、貧困層が増えたり、子供の虐待死が増えたりしている現在、切り口としてはとても良かった。でも、実際にこのような環境にいる子供やお年寄りや若者がいると感がるとすごく怖い。日本の未来が暗すぎて。
万引きしなければ生きていけないなんて事があるはずがないと思う人もいるだろうけど、実際にはいてるやろなと思うし、虐待で死んでしまった子供の事件を聞くと、なんで近所の人は気付かないor通報せんねやー!と嘆きたくなる。
万引きも虐待も年金不正受給なんかも、リアルに思えてくるので、観ていて辛かった。
今年の春に、同じように貧困家族を描いた韓国映画のパラサイトを観たが、正直こちらは鑑賞後にもっと明るい気持ちにしてくれた。
それはなぜ?
血のつながりのある家族が描かれていたからというわけではなく、パラサイトの家族はみんな同じ方向を観ているなと感じたからだと思う。
万引き家族の家族は、各々が秘密を持ち、そして方向がバラバラ。だからとても薄っぺらく、危うく見えたのだと思う。
是枝監督がこの作品からなにを伝えたかったのかはわからない。けれど、この作品をみて、日本の現状が浮き彫りになった気がしたことが一番共感できたとこに思う。
リリーさんの危なっかしくて弱いおっさんは、流石でした。最優秀主演女優賞の安藤サクラさんも、ラストの取調室と刑務所のシーンが特によかった。
貧困を伝えたいわけじゃない
たくさん貧困問題が詰め込まれているがそれは愛や人との繋がりを濃く強く浮かび上がらせるためのオマケに感じた。
いや言い切ったけど、どうかはわかりません。
小学生並みの感想しか言えないので悪しからず。
犯罪という秘密を通して団結し、みんな本当の愛を知ったのかなって。
作中に出てきたスイミーはまさにこの家族のことなのかな。1匹の力が弱くても一致団結したら強い敵も倒せる。一人ひとりはちっぽけでも団結したら貧困という強い闇にも立ち向かえる…みたいな。
私が1番あ〜〜〜っとなったシーンはおばあちゃんがあきちゃんの親からお金をもらっていたのを知るシーン。私愛されてなかったのかなってなっちゃうんだよね…違うよ、おばあちゃんは先が長くないのもわかってて、家族みんなのためにお金を集めてたんだと思う。2人で甘味?を食べているシーンがあったけど、本当のおばあちゃんみたいだった。両親に内緒でコッソリ連れて行ってくれるんだよね。そういうちょっとの贅沢はあきちゃんにだけにしていたんじゃないかな…。一応親御さんにお金もらってるから理由がどうであれ申し訳ないって気持ちがあったと思う。
でもおばあちゃんのあきちゃんを想う気持ちに嘘はなかったと思う。作中のおばあちゃんを見ていたらわかる。誰にでも優しく自分より他人、な人に見えた。
もちろんお母さんも素敵だった。短い期間ながらもりんを本当の娘のように可愛がり愛を沢山注いだこと、誘拐をばらされそうになり潔く仕事を辞めるところ、家族のために全部の罪を被ったこと、しょうたくんに手がかりを教えたこと、全て素晴らしかった。愛がなきゃできない。
しょうたもプロ並みのテクニックを持っているにも関わらずわざと派手に万引きし捕まった。この家族の深まる闇に終止符を打った。
結局は犯罪で繋がった家族、秘密を通し団結する物はいちばん脆い。その秘密が暴かれた瞬間…。
でも重要なのはそこではなく、万引き生活を通して家族との関わり誰かを思いやること愛すること、学校じゃ教えてくれないことをたくさん学んだと思う。
文まとまらないしよくわからんけど、見終わって「面白いお話だな〜〜」ってなる映画ではなかった。考えさせられるなって映画。良いお話のことに間違いはない。
タイトルなし
家族とは何なのか、血が繋がっていれば家族なのかを考えさせる映画だった。結局ラストは呆気なく、これで終わり?とハッピーエンドではなく、見ている人に考えさせる終わり方。出演者の演技は素晴らしい。言葉に偽りはなく、飾らない。拾ってきた子なので学校にも行かせず、万引きさせるのは親として、そもそもどうなのか、許されるものでは決してない。子を持たない大人が親子ごっこをしたかったと言われても仕方ないが、そのまま放置してしまったら、もっと悲惨な運命かもしれない、人の愛情を一度も受けないで、偽りの家族も味わえなかったかもしれない。一時でも家族として笑いある幸せを感じれたことが救いかもしれない。何とも切ない映画だった。
ヘマな家族より他人の方が。
淡々と、血の繋がらない家族が万引きで生計を立て、古い一軒家で共同生活をしていく様子が描かれる。
おばあちゃんは樹木希林。夫が違う家庭に行ってしまった後亡くなり、遺族年金を貰っている。
その娘に安藤さくら演じる信代。本名ユウコらしい。クリーニングの工場で働くが賃金支払いが難しくクビにされる。
おばあちゃんが信代をどこかの時点で連れてきて育てたところから話は始まっているのかな。
信代の前の夫を正当防衛で殺し連れ出してきた信代の内縁の夫のリリーフランキー演じるオサム。本名はショウタらしいが誰も呼んでない。日雇い工事現場で働いていたがおそらく労災狙いでわざと、怪我をして、結局労災も降りず当分働けなくなる。
信代とおさむが昔パチンコ屋の駐車場の車から拾ってきた男の子がショウタと名付けられ、学校には行かれずに育てられている。
そして、おばあちゃんの元夫が新しく築いた家庭での孫にあたる、アキ。元々裕福な暮らしで育てて貰っていたように見えるが、血の繋がりがない、樹木希林演じるおばあちゃんと生活することを選んだようで、実の妹の名前さやかを源氏名にして、女子高生の格好をしていかがわしい店でバイトする18歳くらい。自虐行為の過去もあるようで、おそらく実家では愛を感じられなかったのかな。
そこに、オサムとショウタがチームプレーで万引きした帰り道、真冬の夜に外に出されている女の子ゆりを見つけ、連れて帰ってきて1人増えた生活が始まる。ゆり(本名じゅり)も全身傷ややけどがあり、虐待されていたよう。元の家に戻すのも酷で、りんと名付け直されて育てられる。
全員他人同士、そして愛のない養育環境で育ち、いなくなっても誰にも探されない者同士。
でも、家の中は誰かが誰かを心配し思いやる、愛に溢れていて。勉強は教えず盗みばかり教えていても、ろくに掃除されていない散らかった雑然とした家の中でも、ほっとする空気に満ち溢れている。そして父になるのリリーフランキーが更に何段階か生活水準を落とした感じだが、父親ではなくても中身は父親そのもの。
一方、側から見れば、異常でしかなく。こどもを学校にも行かせず万引きさせたり、元夫の息子宅に月命日を理由にたびたび出向いてお金を貰ったり、育ての親が亡くなっても届けを出すわけにもいかず庭に埋めて年金は貰い続けたり。お金のために一緒に暮らしていると思われても仕方がないし、実際半分はそうなのだろう。
ここが異常だからと出たところで行き場のない者達がかばいあって暮らして本人達が何を感じていたかの実態よりも、窃盗や死体遺棄や誘拐など、何があったかの単語にすると逆に虚しくなる不思議。どうにもならない心の飢えや貧困もある世界を理解してか、何度万引きされても捕まえず見逃していたと思われる、街の煙草と駄菓子を売るヤマトヤが忌中で閉まっている描写が、完全な普通の社会からの排他を感じさせる。
それでも、学習意欲の高いショウタは自宅で教科書を読んだり、オサムとの窃盗に疑問を持つ思春期の年頃になっていて。
窃盗に加わろうとしたりんが捕まらないようにするため、ショウタが機転をきかしておとりとなりわざと捕まるように万引きして、全てが社会の目に触れるが、そのおかげで施設に入り学校で勉強できるようになっても、心は父親がわりだったオサムを求めてる。でも、オサムもショウタが可愛いからこそ、ショウタが万引きをしくじり怪我をした入院先に、すぐに引き取りに行かずに一旦逃げてから迎えに行こうとして捕まったことを、見捨てて逃げた事にする。信代もオサムも、ショウタは入院先ならご飯もまともなもの食べられるし、一家で逃げてから迎えに行こうと話していたにも関わらず。
おさむと一緒におばあちゃんを埋めたのに、夫を庇い1人で埋めましたと言い罪を被る信代。
信代やおさむが困らないよう、おばあちゃんのことを話さないりん。施設行きが決まってからも、りんの今後を心配するショウタ。再びDV父親のいる元の家で寂しい思いをさせられる、りん。
でも、りんを連れてきたのも育てることにしたのも、当初は反対していた信代のせいにし、埋めたのも信代1人がやったことにしたオサム。
子供ができない身体のことや、自らの過去と重ね合わせて、りんに母性をたっぷり注ぐ信代が、りんといることを目撃された弱みを握られクリーニング店をクビになったり、懲役5年という損なくじを1人で引く。
本当は、オサムにもショウタにもアキにもりんにも、愛情溢れた女性なのに。
児童相談員は学校に行けば家庭にはない出会いがあると真っ当な事を言うが、家庭で勉強できない奴が学校に行くと適当な嘘を信じて育ったショウタには、学校より家庭での出会いの方がよほど親密で賢くもなるホームだろう。
うっすらぼけてきながらも、アキやりんを可愛がっていたおばあちゃんも、1人で寂しく死ぬより、みんなのいる家でアキのいる布団で老衰で他界し、幸せだったことと思う。
型どおりが幸せとは限らないし、じゃあどうすれば法的に真っ当な暮らしで愛を感じられたのかと言われれば、答えがないからこうなった、という展開で、
「子供は親を選べないが、たとえ他人でも自分で選んだ人と暮らす方が絆は強いんじゃない?」
「子供には母親が必要って大人が決めたことでしょ?産んだからみんな母親になるの?」
という信代の言葉が、法社会とは別の、真実を問いかけてくる作品。結婚も元々は他人同士。
そして、産みたくて産んだ訳じゃない、と子供が聞こえる場で言い放つ両親に育てられていたりんだが、そう言われてこう育つか、と信代が感嘆する通り、優しい子。
こどもは親がどうでも、優しさを沢山持って産まれてくる。それが尽きないよう、変わらないよう、育てるのが社会や大人の責務のはずだが、大人も気持ちにゆとりを持てない社会の仕組みのせいなのか、できていないから
、この作品のような構図がうまれてしまうもどかしさ。
是枝監督の、事実として客観的に言われると伝わり漏れてしまう、本当の物語の描き方に毎作とても引き込まれる。
安藤さくらの優しい笑みがあるお陰で作中の家庭が成り立っていたと言っても過言ではない。産後すぐの体型でもかえって母性に溢れた艶がありとても魅力的だったし、子供がいるからこそ出てくる演技もあったと思う。
全ての問いかけは信代の台詞によるし、とてもとても重要な役を自然に演じきっていて、すごい女優さん。
ショウタ役の子役の子も無駄な物がない聡明な顔立ちと無垢で真を見つめるような瞳が作品にぴったりかつ、こんな子が育つ家庭なら100%悪くはないのではないかとすら感じさせる、正当性を存在が演出していた。
でも、信代の言う、「わかったでしょ?私たちじゃダメなんだよ」が全てなのだろう。
ハッピーエンドではないけれど、素晴らしいチームによる作品。
これがパルム・ドール???
パルム・ドール受賞ということで、大々的に宣伝されていたので見てきました。
そもそもパルム・ドール受賞作品には私的に見てろくな映画がないので、そこまで期待していなかったのですが。
最初に申し上げておくと、私は映画を見る際に重要視してるのは4つぐらいしかないです。
笑えるか。スリルを感じるか。泣けるか。
そして、今迄見たことないような映像体験を味わえるか。
このうち一つを満たせば、わたしは大満足です。
そして、この映画はどれも満たすことがなかったです。
退屈な映画でした。
貧困と家族がテーマなのは分かったんですが、だから?って感じでした。
勘違いのないように言っておくと、低評価の方に多い意見ですが、万引きを肯定しているとか、大人が醜いとか、絵面が汚いとか、そんなつまらないことで、映画を評価しているわけではありません。
もちろん映画の見方は人それぞれなので、それが間違いとは言いませんがね。
ただそういう人は、そもそもなんでこの映画を見に来たんだと思いますが。
タイトルでわかるじゃん。万引き家族って。ポスターみて、予告編観たら、万引きと貧困を描いている暗い映画だってことぐらいわかるじゃん。
まぁどうでもいいや。
私がこの映画を見てつまらなく感じたのは、なんの意外性もないし、感動するようなシーンもなかったからです。特に貧困な人々の様子を見て、胸に迫るような気持ちにもなりませんでした。
なんでこんなに面白くないんだろう?それはこの映画で描かれてる貧困と家族が、ドキュメンタリーで散々描かれてきたものだからだと、私は思います。
残念ですが、現実の貧困の方が、はるかにリアリティがあり、社会的な問題を私達に提示します。
ですから、それを映画、つまりはフィクションとして描いたとしても、現実は超えられないのです。
所詮は焼き直しに過ぎないのではないのでしょうか。
あと、是枝監督の特徴ですが、作品に抑揚のなさを感じます。
近年、評価される映画にはこういう作品が増えてきたように感じます。
なんだか、それがオシャレかのように、何も起きないのが面白い、泣ける、感動するみたいな風潮がありますが、それは個人的に大嫌いな映画です。
疑似家族から愛を受け取ることは現実世界でもあること
本当の家族が愛を与えてくれるとは限らない。疑似家族から愛を受け取る、ってことは現実世界でもあること。犯罪者だってだれかを愛したいし、現実世界では誰から見捨てられた人も誰かから愛されたい。それを表現した映画だと思う。
大人たちがクズすぎて同情できない
犯罪行為を全く悪びれずに行う大人たちに少しも同情できなかった。子供に万引きさせて、学校にも行かせないで父親気取りか。窃盗に殺人、死体遺棄、車上荒らし、年金の不正受給は流石に許されないでしょ。重犯罪です。そんな人たちをあたかも善人のように描いている事に違和感と気持ち悪さを感じた。女刑事の話し方が鼻につく。映画としての演出、シーンの撮り方も洋画やインド、韓国映画と比べると見劣りする。裸のシーンはいらなかった。見苦しいし。映画というよりは長尺のドラマって感じのクオリティー。これが邦画の限界かな。
駄菓子屋の店主
東京の下町で、祖母・父・母・母の妹・息子の5人が暮らしていた。
ある冬の日、父は虐待されている女の子を家に連れて来て、
6人で暮らすようになった。
“万引き家族”というタイトルだが、
万引きしているのは主に父と息子である。
しかし、物語が進むにつれ、
他のメンバーも世間的には良くないことをしていることが
徐々に明らかになっていく。
息子が単独でよく万引きしている駄菓子屋に
息子と女の子で行き、女の子が万引きした時に
息子は「妹にはさせるな」と年配の店主から言われる。
そこから、6人での暮らしは徐々に崩壊に向かい・・・。
描写はないが、
店主が「妹にはさせるな」と言った意味を、
息子は深く考えたと思われる。
自分の万引きは黙って見ていたのか。それはなぜか。
同情か。見捨てられているのか。自分の判断でやめろということか。
以降、息子は父との万引きを渋り始め、
やがて大きな転換点を迎える。
他にも印象に残っているシーンがある。
母の妹が祖母に”童貞殺し”を説明しているシーンである。
ちょっと横乳の見えるニットのワンピースを着て
乳を揺らすと3000円という母の妹の説明に対して、
祖母は「いいねぇ、そんなんでお金もらえて」と応じる。
正しさが過度に強調される現代日本の風潮を
一蹴する強さが、その発言にはある。
貧しさに対して、たくましく、したたかに生きていく
強さを感じた。
自分に対して世間知らずだなと思う一方で、
世間知らずでいられる境遇にあることを改めて感じた。
《問題は「他人事にしている側」にある》
家族=血の繋がりではない。
それぞれが望んだ形ではないが
居心地が良い空間、それが家族と呼べるものだ。
お互いを「拾った」ことで繋がった関係をどう捉えるのか?
取調室の警察官たちに共感しますか?
それとも「家族」の言葉にハッとさせられますか?
柄本明が演じる商店主が見せる
『寛容さ』
それが人にとって最も必要なもの
そして今の日本に欠けているもの。
問題を「他人事」にすることなく
『寛容さ』を持つ生き方をしよう。
「本当の家族」とは?
現代の日本が抱える社会問題を背景にストーリーが描かれている。
貧困や虐待など救いようのない現代社会の片隅で見つけた本物の愛情。
血のつながった親よりも、愛情で繋がった”家族”の絆。
しかし、その繋がりはあまりにも脆く崩れてしまう。
心温まるのと、切ないのと、皆幸せになって欲しいと思う映画。
駄菓子屋の「妹にはさせるなよ」も優しくて印象的。
俳優の演技も良い。
全918件中、101~120件目を表示