万引き家族のレビュー・感想・評価
全918件中、61~80件目を表示
貧困の中で、これも家族か・・・
受賞直後に鑑賞後
3年ぶり2度目の鑑賞
是枝監督の作品は
「家族とは?」
という問いかけがあると思う
この家族は血がつながっていなかったり
でも心は通じているっていうか・・・
実際に合った事件を連想させるエピソードもあって
少し考えさせられた
いい映画だと思うけど
自分は、こういう「答えの出ない」作品は少し評価が低くなってしまう
是枝裕和作品の集大成
複数、是枝裕和作品を視聴したが、本作は集大成と言える。
家族の在り方がテーマになっており、血縁関係に基づいた家族が本当に正しいのかを問ている。
血は繋がっていなくとも、気持ちが繋がっていることで成り立つ家族が描かれている。
また、国語の教科書にのっている「スイミー」は、これは社会と言う大波に対して、弱い力を持った人間が疑似的な家族(スイミーなら大魚)に粉していることの暗示であると思った。
血がつながっていることに加えて、愛を持っていることも重要なのだと再認識した。
「家族」とは
キャスティングが最高、身に迫る演技に引き込まれました。
治(リリー・フランキー)の事を最後まで「お父さん」と呼ばなかった祥太(城桧吏)の意味が伝わってきて,泣けてきた。
警察官の質問に対して信代(安藤サクラ)が最後の方まともに答えなかった気持ちも伝わってきて、、、。
「家族」というテーマに切り込み、問い続ける監督と、演者たちの絶妙な感情が画面越しに伝わってきた。
子供たちのキラキラとした飾らない姿が、この作品でも。愛おしくて素敵でした。
「誰も知らない」や、監督違うけどドラマ「幸色のワンルーム」でも思った事だけど、世間がいう正しい形ではないからと言って排除したり否定しないで欲しい。彼らの居場所に踏み込まないで、そっとしといて欲しい。
何が正しいのか、自分や世間の考えだけで勝手に判断し行動しないで欲しい。それが及ぼす影響をもっと考えて欲しい。
樹木さんが素晴らしい。
描いてる世界観と演者さんの清潔感がミスマッチで気持ち悪い。その中でも樹木さんの化かたは秀逸。
映像は流石です。が、その美しさが哀しさをより際立たせる技巧となってる様には見えない。
キッカケとなった児童保護施設の女の子に対する考え方も、監督の富裕層特有の目線で共感できない。し、深掘りできてるとは思えない。
問題提起するだけなら、ドキュメンタリーを撮れば良い。
世界の流行りに乗って賞を取ったから、観たという感じ。
法律とルールとモラルと
2回見た。
1回目で答えが出せなくて、
もう1回見た。
答えがでた。
「これは結論を出してはいけない。」
という答えがでた。
3回目見ると別の答えが出るだろう。
5年後見たら別の答えが出るだろう。
そういうテーマ。
保険に入るおばあちゃん。
押し入れに住むショウタ。
風俗の客の涙に共感するアキ。
お風呂でも水着を着るリン。
見えない花火を楽しむ家族。
「自分で選んだ方が強いんじゃない?・・・絆よ。」
でも1度もお母さんと呼ばれたことはない。
海ではしゃぐ家族を見て独り言をつぶやくおばあちゃん。
何を言ったのだろうか。
逮捕後“家”に戻ったアキ。
あまりにも変わらない家に何を思ったのだろうか。
バス停でショウタの肩に手を乗せるのを、ほんの一瞬ためらう父ちゃん。
「わざと捕まったんだ」から父ちゃんの姿が見えなくなるまで
振り向かないショウタ。振り向くのをガマンしたのか。
ビールケースに乗り遠くを見るリン。
何を見つけたのか。
来年このレビューを見た時、
果たして私は同じ感想を持てるだろうか。
今から楽しみだ。
是枝ワールド全開
いい意味でも悪い意味でも、相変わらず淡々と進むストーリー。しかし、複雑に入り組んだ「家族」の形を通して、家族とは一体何なのかをじんわりと問う。
血の繋がりが家族なのか?互いの気持ち?SEX?お金…?
犯罪者であろうと警察であろうと、何にせよ一方向からの正義なんて存在しない。世の中は簡単に線引きなんかできないのだ。バス停で祥太が放ったひと言をあなたはどう捉えるか?パルムドール受賞の名に恥じない良作です。
どこにも愛はなかった
寂しい者同士、肩を寄せあって作ったかりそめの家族。祥太の万引きがバレなくても、社会と接点をもたずに育つ子供に明るい未来が待っているわけがないことは大人なら誰しもわかる。初枝が亜紀の存在を隠しながら両親のところへ行き強請りのようなことをしているのも、復讐めいた感じがして恐ろしい。
だけど、この家族を不道徳だとか無知で片づけることが誰にできるのか?家族を取り巻く人々に愛はあったか?虐待する親、綺麗事を並べる警察、誘拐を知ったパートの同僚、駄菓子屋の店主だってもう一歩踏み込んでいれば・・・。
結局どこにも愛はなかった。そこにリアリティーがあった。
家族、幸せって何だろう
本当の家族、幸せって何だろうと考えさせられる。
血は繋がってないし、お金はないし、ゆっくり出来ず、好きなことが出来てた訳ではないけど
あのころが幸せだった、ということを俳優の表情と目で表現していたのが素晴らしい。
海辺でみんなを優しく見つめる樹木希林。
取調べを受けながら何かを思い出し、遠い目をする信代。
最後にもう1回”我が家”を見に来るアキ。
バスを追いかける治を目で追い続ける祥太。
そして、ラストシーンの何とも言えない・・・リンちゃん。
みんな家族だった。そして何か、悲しい。
もどかしさが胸をかすめる作品
「万引き家族」とのタイトルであるが、その家族構成がイマイチ説明されず、少しずつ会話の節々や当事者同士の距離感でそれを推察していくしかないのだが、現代の底辺層の生活が本当にこのようなのか?と言う不安というのか、なんとも言えない感情が胸のあたりをウロウロとしたまま物語は続いていく。
言わずもがなの名優たちがそれぞれの味を出しているのだが、やはり本当のその配役の人間がそこに居るような演技はさすがである。それは特に子役の二人が輝いており、お兄ちゃん役の城桧吏
くんは物語の中核を担うキャラをしっかりと演じきっていた。
また安藤サクラはお世辞にも美人とは言えないが、独特の魅力や艶っぽさがあり、素敵な女優だと再認識できた。
万引きという比較的軽いと思われがちな犯罪(りっぱな犯罪ですが、、、)から家族構成を魅せていく手法、またそれと並行して社会のおかしな点を糾弾していく姿勢には感服します。
またそれぞれの特に子供達の表情や心の機微を描くのが非常に秀逸だと感じました。
最後に少しずつ家族のそれぞれの中身が明らかになっていくのだが、治と信代が正当防衛とはいえ殺害し、埋めたというのはなんともピンとこない。またリリー・フランキーも色々な役柄をこなすカメレオン俳優ではあるが、安藤サクラと共に見せる屈託の無い笑顔には元々の人の良さというものがにじみ出ており、リアリティに欠けていたとも感じた。
しかし、ラストのゆりちゃん(りんちゃん?)の描写は悲しすぎる。まだ日本のどこかにこの様な状況が起きているのだと思うと非常に悔しい気持ちでいっぱいである。
子役二人の名演
恐らく万引き家族がパルムドールを受賞した決め手の一つは子役二人、城桧吏君と佐々木みゆちゃんの演技だったのではないだろうか。
城君とみゆちゃんの表情と眼で語る演技、闇を体現したかのような演技、素晴らしい。
本当にそういう経験をしてきたのではないかと思わせてしまう説得力。
感動させられました。ありがとう。これからも応援させてください。城君、みゆちゃん。
色々間違ってるけど間違ってない
深かった。多分まだ理解しきれてない気がする。
いろんな社会問題と家族の在り方について考えさせられた。法的には認められない家族だけど、当事者たちからしてみればお互い支え合っていて、純粋な絆で繋がっていたのかも。
チョイ役の池松壮亮はいらなかった
映画館では2018年6月11日地元のイオンシネマで鑑賞
それ以来3度目の鑑賞
カンヌで賞を貰えた作品はそのほとんどがつまらない(あくまで個人の感想です)
だがこの作品はわりと自分には合っていた
高く評価している多くはリベラル(笑)で酷評している多くが保守(笑)という印象がある
映画館でこの作品は初めて観た当時は樹木希林にリリーフランキーに安藤サクラで松岡茉優ってだれ?って感じだった
寄せているのかもしれないが松岡茉優の胸がわりと大きくて意外だった
ヌードの期待もちょっとはあったがそれは叶わなかった
親友の伊藤沙莉より世の男性の多くが喜びそうだが不特定多数に見せたくないならそれも良かろう
代わりに安藤サクラが一糸纏わぬ姿に
ついでにリリーフランキーも
自分は学士様ではないので貧困問題とか家族の在り方とかそんな小難しいことには全く興味がない
自分は万引きけしからん!共感できない!などというヤフコメ民のようなクソつまらない教条主義者でもない
だからこの映画を純粋に楽しめる自分は幸せ者だ
是枝の理屈は嫌いだが彼が創り出す非凡な映像は好きだ
この点が楽しめない凡庸だと感じる人には是枝作品は根本的に向いていないので観るべきではないしレビューしない方がいい
そういう人の為に是枝監督はメガホンを握っているわけではないのは明らかだし是枝ファンからすれば可哀想な人と思うほかないだろう
あと役者の芝居ですね
ストーリーが大事なのはわかるけどたとえ駄作でも魅力的な役者がたくさん出ていればわりと満足できるんですよ一般の映画ファンは
そうじゃない通の人たちには無理ですね
もちろんストーリー的に万引き家族が駄目というわけではない
「家族」で海水浴に行くシーンが印象的
そこから突然お婆さんの最期に移る構成も良い
亜紀の父親役に緒方直人
亜紀の母親役に森口瑤子
映画comの出演者欄には記載されていないが亜紀の妹役は『おかえりモネ』でモネの妹役も演じている蒔田彩珠
夜逃げできなかったリリーフランキーの表情が良い
ゆりの実父役に山田
ゆりの実母役に片山
「家族」の取り調べをする刑事役に高良健吾と池脇千鶴
供述する「家族」のシーンが最高
是枝監督は子役を生かすのが上手な監督だなと改めて感じた
余裕はないけど護りたいもの
リンの虐待を警察が見逃したのは「産んだ母親だから」なんだろうか。婦警の「産まなきゃ母親になれない」は養子縁組を軽視しているのでは?と。
それとクリーニング店でバイト2人に退職相談させる処。実際に、派遣社員やバイトで良くある話。雇用主が自己都合に持っていく典型的なやり口で、胸が痛くなった。
弱者どうしの助け合いは、窮地に陥った途端に信頼関係より自己保身に取って変わる。
絆というより、細いより糸のような家族関係。些細な歪みで糸がプツリと切れてから、一気にウソがバレて疑似家族の信頼関係が破綻していくのがいたたまれない。
ところで、さやかが実の家族から離れた理由が曖昧ではないかと。
親の愛情が妹に偏ったからと言って家出して風俗嬢になるだろうか?他の家族と違い、暴力のない経済的余裕がある実家があるからあっさり見切れたんだろうか。
他に行くところがなければ、万引や後ろ暗い過去を隠しながら、今居る場所に執着するしかない。
貧困とは、選択の余地がない状況なのだと思う。
個人的には苦手。 貧困と家族愛と。父親とは何?。 独特の視点を持つ淡々としたストーリー展開。
見終えた後のモヤモヤとした気持ち。
やるせなさと不快感と少し怒りと。
是枝監督の映画を観た後は、この気持ちになることが多いです。
今回はダメな方の映画でした。
ワイドショーを観た時に感じる、歪んだ良心で誰かを抉るような気持ち悪さ。
初期の『幻の光』や『DISTANCE』を観て、この監督が苦手になり、
その後の『誰も知らない』、『花よりもなほ』は違和感なく観れたものの、
この映画は自分にはダメでした。
独特の視点を持った映画を作る監督だと思います。
登場人物の誰かに視点を置いた映画ではなく、はるか上空から淡々とストーリーを進めていく視点。
そういった意味では『シン・レッド・ライン』や『天国の日々』を作ったテレンス・マリックに近い部分はあると思います。
特に『天国の日々』は幼い少女が殺人を犯す男女と疑似家族を過ごすストーリーという意味では近いテーマを持った作品かと思います。
ただ、テレンス・マリックの視点があくまで無感情で平等であるのに対して、是枝監督の視点は皮肉な目線を感じます。
これを言葉で伝えるのは難しいのですが、ありていに言えば「ここまで残酷にする必要はあるか?」と、私自身の根っこの部分が拒否反応を起こしてしまいます。
例えば、DVがあり、育児放棄があり、貧困があり、教育の放棄があり、お金への執着があり、死体遺棄があり、上げればきりがない程、世の中の残酷さを挙げて、それらをありきで繋いでストーリーを組み立てたように感じてしまう。
その上で登場人物を絶対的な悪として描くのではなく、振れ幅のある人間性として善と悪や、優しさと冷たさや、逞しさと弱さや、そういった2面性を持たせて描く。
そういった描き方が、これもありていに言えば「人間をバカにしているように感じる。」というのが私がどうしても拒否感を感じる部分です。
映画なので、少なからず2時間という尺を持たせ、広げた話をきっちりと収束させる必要があります。
フィクションでもある以上、受け手を惹き付け、感情に訴える作りが必要なのは分かります。
ただ、私は作り手の意図を上のように感じてしまったし、それが事実であるとも思いませんが、居心地の悪さと不快感を持って観てしまいました。
多くの方が称賛されている映画なので、決して悪い映画ではないと思いますが、人によっては別な受け止め方をするという意見の1つだと思って頂ければと思います。
もう少し、映画の内容に関して、拒否感ではなくストーリーに関してです。
家族という物がテーマではありますが、血の繋がりはなくいびつな共同生活というのが正しい関係かと思います。
父親的な立場である治の立場として考えた時に、治が父親として相応しいのか?というのは少し考えていました。
息子的な立場の祥太のことを可愛がり、楽しく明るく接する父親、世間で煙たがられる厳格で高圧的な父親という姿とは正反対です。
ただ、同じく子を持つ父親として感じるのは、父親という存在は「子供を真っ当に育てる」という責任を強いられるという事。
場当たり的な優しさや楽しさではなく、子の将来にとって正しいか?という考えで、嫌われても疎まれても子が正しい方向に向いてくれるように見守る必要があります。
治は祥太にとって望まれる父親でありたいのだろうな。と思って観ていました。
優しく、楽しく、面白く、そうすれば祥太は自分を求め、自分は父親になれるのだろうと考えていたのでは?と思います。
けれど、祥太はいつまでも自分をお父さんとは呼んでくれなかった。
そして祥太が警察に保護されたことで自分に追求が来ることを恐れ、逃げ出してしまう。
表面的な優しさはやはり脆い。という事を突きつけられたシーンだったように思います。
「おとうさんはおじさんに戻るよ。」という言葉は、この映画に批判的だった自分にも心に刺さる言葉でした。
父親になりたかった自分の弱さと限界を認めた一言だったと思います。
と同時に、治にとっての家族という理想が、精神的に破壊された出来事だったように思います。
ラストでバスを追いすがる治を無視し、遠く離れてからその姿を探す祥太。
力強い眼差しに、いびつな共同生活を自ら離れ、自分の意志で未来へ進む姿が想起され、この子はちゃんと生きていけるという強さを感じるシーンでした。
先に、この映画の視点を淡々とストーリーを進める視点という話をしましたが、結論を多く語るのではなく、未来を受け手に委ねる映画ではあると思います。
祥太に関しては希望を感じましたが、家族として共同生活を送っていたそれぞれがこの後、どう進むのか?
特に妹的な立場のりんに関しては絶望しか感じないです。
本当に、なんて胸糞悪い映画を見せるんだろう?と、こういう所がこの監督が合わないと感じるところです。
世の中は残酷な物。という思想をぶつけられた気がして、それは事実であれ、それを堂々と口にしていいのは経験した人間だけでは?と、言いたくなります。
最後になりますが、役者の存在感は際立つ映画でした。
樹木希林の情の深さとあざとさを併せ持つ存在感は素晴らしいです。
松岡茉優の儚さのある諦観もかなり引き込まれました。いつ崩壊するんだろう?というギリギリ感が怖さも感じる演技でした。
リリーフランキーの情けなさ、脆さ、軽さ、その一方で狂気を感じさせる死体遺棄のシーンも堂々としたものでした。
子供たち二人も良かった。
祥太のキラキラした目とりんのおどおどした目。
チョイ役のはずの柄本明の存在感も凄い。
安藤サクラも、役者としては初めて観たのですが、明るさと情愛の深さ、そして筋の通った芯の強さも素晴らしい。
母親の意味を問われ、涙を浮かべて思いを語るシーンは、画面と向き合って見入ってしまいました。
切ない
まず思ったことは、一生懸命しっかり働いて家族を養っていこうということ。何かあった時のためにしっかり保険に入って家族を守ろうということ。
葬式代は保険で賄えるし、自分が死ぬ事と交換で家族に安心を与えられる。
その他の皆はどうにか人生を(気持ち的に)幸せに生きれそうだけれど、りんちゃんだけ心配。誰かりんちゃんを救ってほしい。
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