劇場公開日 2013年4月26日

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藁の楯 わらのたてのレビュー・感想・評価

全144件中、121~140件目を表示

3.0大事な要素の半分以上が脱落してる

2013年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

人殺しの依頼を新聞広告と専用サイトでやらかす。
しかも報酬10億円。
こんなことしたところで、たぶん日本人は反応しない。おもしろがって周辺に群がる人たちは大勢出てきても、自ら手を下す人はいないだろう。
注目が集まれば集まるほど、衆人環視での殺人ということになってしまうのだから。
お金で人殺しできる人間は少ない。そして、その数少ない人間は、自分の正体が白日の下にさらされるのは好まない。

というわけで、たぶん実質的な被害はほとんどないまま移送できちゃうに違いないストーリーを、観客を巻き込んで壮大なサスペンスに盛り上げようとしたのが本作。
映画のスタート地点がそこにあるので、なんだかんだと文句を言っても始まらない。クズの弾除けにSPが配置されて犯人移送が始まるのだ。

それが大前提なのだから、設定のリアリティを四の五の言ったところで意味がない。
みんなして馬鹿げているのをわかって鑑賞しているのだから。
つまり見所はSPの大沢たかおと松嶋菜々子の奮闘ぶり、クズを襲撃する人間たち&襲撃方法、そしてクズ役の藤原竜也のゲスっぷりだ。

その意味で本作は3分の1は成功した。
大沢たかおさんは、安定の実直熱血漢ぶり。この人はどんなに荒唐無稽な世界でも、自らのポジションを確保して映画に臨んでくるので安心できる。
松嶋菜々子も色気に頼らず気迫を出してがんばった。うん、よくがんばった。なんかたまに挙動が見栄え優先っぽかったけど。

しかし襲撃者と襲撃方法、そしてクズのゲスっぷりはどうも弱い。
プロモでは散々「日本全国民全員が敵」とかやっといて、実際はそこまでの襲撃には至っていない。
たかおSPが優秀すぎて危険を回避したというようにも見えるのだけど、「訓練を受けて武器を持った連中が危険だ」などと周囲の警官まで敵に回るかのように言うので、観客としては実際以上の危機感があおられてしまう。

ところが襲撃者も個人的な怨恨によらないため、どうしても唐突な登場になってしまう。
そうするとシーン移動のたびに襲撃だろうという気になってしまい、新キャラが出るたびに「コイツ、いつになったら襲うんだろ」的な見方に追いやられる。
たかおSPが必死こいて盛り上げたのに、実はそれが観客から緊張感を奪うというマジック。なんか切ない。

こういう"ダレ"があるからなのか、後半は移送チームも凡ミスを連発。
たかおSPのファインプレーでミッション継続は果たすのだけど、払った犠牲は小さくない。
確かに極度の緊張状態で疲弊してるのかもしれない。しかし直接そうした描写がないために間が抜けて見えてしまった。
そこで見せるクズのリアクションも不可解。

藤原竜也演じるクズの清丸も、カットでしかゲスっぷりを発揮しない。だからどうにも薄っぺら。
作品通しての下劣なキャラクターになりきれず、カットごとに不快感をあおる。
だからスクリーンに登場するシーンではむかついてくるのだけど、カメラが転じてしまうと何やってんだっけ?となってしまう。

また劇中「クズの移送に命張る意味あんのか」と何度も繰り返されるが、それは違う。
移送前のミーティングで上長がいっていたように、守っているのはクズではなく日本の法制度なのだから。
選抜されてやってきたプロが、そんなヤワな精神で現場に立つわけがない。東日本大震災で行方不明者の捜索にあたった自衛官や警官の存在を考えれば、ちょっと考えにくいほどモロい。

その辺をきっちり把握して役に挑んだのは伊武雅刀さんだ。
彼のクライマックスは「クズのために命を張れるのか」の先をいって、背負う男の苦味をセリフなしで伝えた。
ここは重要だからテストに出していい。

結局、クズを守る云々は観客が口にすべき問題であって、劇中で役者が、特に移送チームが言ったらダメなのだ。
肝心のクズが中途半端なのだから。なんともいえないモヤモヤが募るばかり。

「クズの犯罪者を殺したら10億円」がスタートしている以上、そこは揺らがないとしても、周辺の人間は確固たるキャラクターを持っているはず。
というか、そういうキャラクター性を成立させなかったら、この種の設定モノは成立しない。
そして本作は3分の2が脱落してしまった。

つまりそういう作品だ。

では評価。

キャスティング:6(あがっている名前は豪華。しかし役が生きていない)
ストーリー:5(原作読まずとも先読みしやすく、あまりメリハリを感じない/唐突過ぎてあっけにとられる)
映像・演出:7(なんか妙にアメリカナイズされたアクションが挿入、ちょっとダサいけど見れないほどじゃない)
熱血:8(たかおSPと松嶋SPの微妙なギャップの中で見せる護衛官魂は悪くない)
クズ:4(画面に出てると不快になるが、背景に消えると存在感が薄い)

というわけで総合評価は50点満点中30点。

思えば監督は三池崇史氏。そんな作品に仕上がっていたところで肩を落とすほうが間違い。
わかって観れば、そんなに腹が立たないと思う。
年イチ鑑賞の人なら、話題を外さないという点でみておくのはオススメ。

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永賀だいす樹

4.0言いたいことは、よくわかるので。

2013年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

「この男を殺して下さい。お礼として10億円支払います」
驚くべき広告が新聞に載った。
目に入れても痛くないほど溺愛していた孫娘を、おぞましき男に殺された富豪の老人が広告主だ。

お金と言うものは偉大だ。
それも10億円という、一般庶民には夢のような大金。
ジャンボ宝くじを2回も大当たりさせないと、手に入らないような途方もないお金。
それは、人の生死に関わり、自身の人生をも左右するに十分だ。
なのに、そこに群がるお金に困っている人間達。

犯人の清丸を送検するまでのタイムリミットは、48時間。
移送距離、福岡⇒東京間1200KM。
どうやって移送するか。

ネットをうまく駆使し、いつどこで、誰が、襲ってくるやらわからぬ疑心暗鬼。
仲間さえも疑ってしまう。
そんな過酷な状況は、≪何でこんなクズを守らなければならないのか≫という、どうしようもない苛立ち、腹立ちが、人を変える。

移送方法や、老人の殺人依頼の仕方など、ストーリーに違和感を覚える方もいらっしゃるだろう。
そういう私もその一人。
そこはそうしないで、ここはこうで良いんじゃないの?!などと思う点はいくつかあった。
でも、言いたいことは、良く分かったので、あえてツッコまないようにした。

大沢たかおさん演じる銘苅警部補の告白。

守りたくもないクズを守らなくてならなくなったら・・・
それも自分の命を懸けてまで。
それぞれの個人が抱える過去。
だからって、殺してもイイのか。
自分を支える信念に正直であれ。

藤原竜也さん演じる清丸。
あのお顔で、シレっと人間味の欠片もないことを平気で言う。
その不気味さが良かった。

台湾で撮影されたとか。
そして、とても歓迎されたとか。
ありがたいことです。
日本で撮影できないことは、残念。

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りりー

4.5太陽の対側は影ということ

2013年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

難しい

バイオレントな、うーむと考えさせられる作品でした。正義の意味とか、職務の意味とか。この作品に限らず、最近暴力的な作品が増えてきた気がします。311以降、絆めいた性善説がなんとなく正しく思えるけど、その対側にあるストーリーを、私たちは見据えなくちゃいけないな、そんなことを思ったり。

大沢たかおさんのたたずまい、藤原竜也さんのどうしようもなさが際立つけど、その中で松嶋菜々子さんの熱演が光る作品。永山絢斗さんも、起伏の激しい神箸の役を演じて作品の鍵となっていました。永山さんって、「ふがいない僕は空を見た」の主役だったんだね。観とくんだったあ!

え?え?と思わせる意外な展開、詩的場面にほんとに乏しい作品ですが、スケール感はやっぱ劇場だよなあ、いいよなあと思いました。

明日がいい日でありますように。

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umineko

1.5そもそも設定が非現実的で演出も臨場感に乏しい

2013年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

寝られる

政財界に影響力のある大物が個人の恨みを晴らすために、全国民に対して、報奨金と引き換えに加害者を殺害する依頼広告を出すところからストーリーは始まる。現実味の無い設定であるが、映画がどれほどまでに観る者をこの非現実的なドラマに引き込めるのかを期待して鑑賞した。しかし残念ながら最後まであり得ない展開の連続で、「もしかすると起こりうる危機感」を煽られることは全くと言って良いほど無かった。漫画なら許せるが、映像となると、失望感に満ちてしまう。藤原達也のクズぶりは中途半端で不完全燃焼。大物役の山崎努も往年の名優らしさを出し切る場面がない。松嶋菜々子も、役の真剣さがかえって松嶋の素人くさい演技を露呈させてしまっている。唯一、新鮮さも手伝ってか、永山絢斗の劇中最後の演技からは「せつなさ」が伝わってきた。主演の「大沢たかお」については、役柄に徹して好感は持てるが、脚本が稚拙なのか、映画は全体的につまらない。

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phoenix1

4.0(^_^;)

2013年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

少し物足りなさのある、そして見終わったあと少し考えさせられる映画でした。
藤原の救いようのないクズっぷり最高でした。
藤原の演技に注目して見ると違う面白さがあるかもしれません(笑)

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ひさぼう

5.0素晴らしい

2013年5月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

緊張感を与えられる、泣ける、かなり深い意味がある映画だと思います。
大沢たかおさんと藤原竜也さんはとても素晴らしいかったです。
永山絢斗くんもかなりいいと思います。

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quesiya

3.5シナリオ勝ち!

2013年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

一言でいうと、

映像としての印象は薄い映画、といった感じでした。

物語の内容はとても面白い!シナリオ勝ち!!笑
しかし、これを映像化するということはそれなりに、絵で見せてくる必要はあると思うのですが…
印象に残った場面がほとんどない。もちろん個人的です。
しいていうなら、CMに使われていた場面ですね。
「あ、ここCMにあった」という印象の残り方をしてしまったそこだけです。

緊迫感を煽るためか、ウエストショットとアップ中心で、映画っぽいカットがむしろ少なく、一種のドキュメンタリーのようでした。だから割とカメラの動きが気になってしまっただけです笑

このストーリー的に、全国民が敵になるという設定かと思いきやそこまで描写は無く。もっとこう、身近なところでどろどろした人間の欲を描いても良かったのではと思ってしまいました。
犯罪者は腐っても犯罪者という、微塵の救いもみせない描写はやりきっててとても良かった。
なかなか難しいところを描いていると思います。

話が面白いにこした事はありません。けれども、劇場に足を運ぶお客さんは目で見て楽しむのです。
せっかく面白い内容でしたし、もうちょっと何か絵を大切に…なんだか惜しかったかなあ、と思ってしまいました。

役者さんの緊張感は見所ですね!
大沢さんの印象も変わりました。感極まる演技、誰もが分かる見せ場で、見事に見せてくれました。
松嶋さんだけ、個人的にちょっと惜しい。違和感が拭えなかった。
クズ関連の言葉に定評のある?藤原さんは、今回も相変わらずすてきな演技でしたよ笑

ちょっとマイナスな事を書いていますが、普通に娯楽として楽しむにはもってこいです。

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パースィ

2.5爽快感ゼロ

2013年5月3日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

自分がストレスを楽しむゆとりを持たないと、なんか宙ぶらりんになる映画。

SPがいかに凶悪犯のマルタイを護るかっていう点で、あまりにも隙だらけなもんで、
手に汗握るというより、あ〜あ〜その選択はダメだろぉ〜と、焦れるカンジ。
護る側に焦れながら、
も〜さっさと殺してしまえ!10億だぞ!もっと本気でかかって行かんかい!
と攻める側のふがいなさにもイラつく。

SPが頑張れば頑張るほどこんな奴を命を懸けて護るのかという不毛に
ストレスは溜まるばかりで、最後まで解消されることはなかった。

この振り回された感こそが、三池監督の術中にハマったってこと?
はからずも自分の暗黒面を知り、
スカッとは出来なかったよ。

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ミントユ

3.0仇討ち

2013年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

日本にもかつて仇討ちを認めていた時代があった。父兄を殺された者が殺した相手に敵を打つ話はたくさんある。
本作は現代版の仇討ちである。
孫を惨殺された男が財力に物を言わせ国民を巻き込んで復讐する話である。
孫というのがいかにも現代っぽい。

ある意味親兄弟よりも孫という存在は愛しく、幼い子供たちが被害に合う事件があまりに多い現代日本に合った作品なのだろう。
そんな事件を見聞きするにつけ、死刑になったくらいでは足りないのではないか?正直そう思うことがある。
危険な発想だし、法治国家である日本では当然許されないことであるが、子供に対する犯罪には「死刑じゃ足りない」くらい犯人を憎らしく思ってしまう。

本作では、その憎らしい犯人を命を懸けて護送するSPの葛藤を描いたものである。

そして観賞後の感想として
藤原竜也演じる犯人に思うことがある。
やはり死刑では足りないのかも…と。

あくまでも私個人の感想ですが。

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harukita

3.5さすが、三池監督

2013年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

大沢たかおは、最近いい演技をするようになったと思う。
先の読めない展開は、三池作品のお得意ジャンル。今回も派手にやらかしてくれている。

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シロ

3.5予想以上に面白かった

2013年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

最近SPを主人公にしたドラマや映画も増えてきたし、刑事と犯人が移送中に襲われ一緒に逃亡するというのも刑事ドラマでよくあるパターンですが、このようなありきたりのシチュエーションで飽きさせずに見せるのは、監督、脚本、俳優の力量でしょうか。護衛対象が異常犯罪者で10億円の懸賞が付いており、まわりの全員が敵かもというのがミソですね。予想されるような展開、結末ですが、最後まで面白かったです。

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ZEP

3.5日本映画も、スケールがでかくなりましたね

2013年5月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

「この男を殺してください、御礼として10億円お支払いします。」

何とも、すごい話です。犯罪者を護送すると言うシチュエーションを描いた映画といえば、『S.W.A.T.』や『16ブロック』などが思い付きます。その中でも特に『S.W.A.T.』に類似している印象です。『S.W.A.T.』の場合は、護送される犯人が「自分を逃してくれたら賞金をやる」と宣言したため、それを聞いた全市民が護送チームの敵になり、加えて、護送チームの中からも裏切り者が出てくるという設定になっています。今回の『藁の楯 わらのたて』は、護送対象の犯人を殺す依頼であり、逃すと殺すで違いはしますが、全国民が敵になったり、味方の中にも裏切り者が居るというところなどは、だいぶ似ているなぁと思いました。

映像のスケールが凄いですね。日本映画もここまで来たかと言う感じです。冒頭の護送車列は完成直後の実際の高速道路を使用して撮影。いやぁ、アレだけのパトカーなどの緊急車両の車列はこれまで見たことがありません。それと何と言っても、新幹線シーンですね。これは日本の新幹線では撮影できなかったので、台湾新幹線の実車や実際の駅での撮影です。外装が日本の新幹線とは異なるので、外を映すと台湾新幹線であることを否定しきれませんが、内装は日本の新幹線と同じ。そこだけ見るとビックリです。(まぁ、中だけだったら、セットで撮影するという手法もありますけどね)

出演陣も豪華。大沢たかお良いよ。特にクライマックスの銘苅が清丸に銃を向けるシーンは、鬼気迫った演技で凄みを感じます。理性と衝動の葛藤を物凄く感じました。

ただちょっと、白岩を演じた松嶋菜々子が、ね。スレンダーなスタイルは、女性SPそのものの感じですが、彼女のアクションは若干微妙。冒頭の射撃訓練のシーンとかね、あれじゃぁ手首を痛めそうな気がします。アクション女優といえば、水野裕子じゃ無いんですかねぇ~。ただ、水野裕子だとシングルマザーという設定が少し苦しくなるか?小さい子供ならアリだと思うんだが・・・。ただそうすると、「おばさん」と言う設定が出来ないか。

それはそうと、清丸のクズぶりは凄い。凄すぎる。本当にあんな犯罪者がいたら、精神鑑定必至。下手したら、責任能力が否定されるかも。

所々、突っ込みたくなる所はありますが、それを超えて満足です。第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション公式選出も納得ですね。

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勝手な評論家

3.5面白い題材だよね!

2013年5月2日
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鑑賞方法:映画館

興奮

題材は面白い!
極悪犯人を九州から東京に護送するけど、この極悪犯人を殺したら10億円もらえる懸賞が付いちゃったから大変なことに…。
SP対全日本人の構図になっちゃての攻防戦は面白かった。
日本映画としては派手なカーチェイスもあって見応え十分。
けど、ハリウッドがこの題材で映画作ったらもっとどはでになっただろうな〜。
最後まで狂人は狂人でしかなかった…っていうのも潔く出来ていました。
けど、もしこんな状況になったらどうなるかな?
日本人は道徳観念強いからここまで修羅場にはならないて思ったりもするのでした…。

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peanuts

4.5人間の信を問う攻防戦。

2013年5月1日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

清丸から目を離しすぎな警護へのツッコミと、
高額懸賞金目当ての見境無くした者ども&最低な非道犯へのげんなり感。

タイムリミット設定が薄くて緊迫に欠けるし、
痛快なアクション劇でも無かったが、
意外と骨太なドラマ性のおかげで満足。

しっかりと地に足を付けた良心で世知辛さ満載の現実を跳ね返してゆく主人公、
銘苅一基がすこぶる凛々しい。

度重なる揺さぶりに屈しない強固な藁の楯を体現し、
悲哀に負けず歩み続ける強さを発揮した大沢たかおの存在感が見事。

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AKIRA

4.0ボロもあるが、それも三池映画の真骨頂!?

2013年5月1日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

4月29日、東京楽天地で鑑賞。

孫を殺害した男を殺したら10億円の賞金を与える。
奇想天外というか、荒唐無稽な設定だが、それを三池監督はグイグイ、力技で映像化した、という感。

なんといっても、日本でなく台湾でのロケが効果的だ。
日本では撮影ができない新幹線の実機を使った撮影は見事。
これだけでも、鉄道ファンはたまらないだろう。

物語的には、相変わらず人物造形に粗い面もありはするが、全体の迫力の中では小さな部分に過ぎない。

松嶋菜々子も女SPを熱演。もうちょっと肉をつけるなどの役作りをしてほしかったが、がんばった、という感じ。

殺人犯を演じる藤原竜也は、「カイジ」と同じレベルの芝居だがこの手の役には向いている。

役者どころか、お笑い芸人まで白く、きれいな歯にしてしまうのが当たり前の芸能界にあり、藤原が小汚い歯を見せてのリアルな熱演は皮肉抜きに評価してもいいね。

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町谷東光

4.5藁の楯 わらのたて

2013年5月1日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

俳優陣の演技力の良さで泣ける映画になりました。
大沢さん、藤原くん、山崎さんそれぞれ素晴らしい。
ラストシーンは良いのだけど、清丸を早く捕えておいてよ!と多少いらつきましたが(^_^;)

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piko98

5.0アクション、サスペンス、いやヒューマンだ!!

2013年4月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

まさか、泣ける映画だとは思わなかった。
この感想がすべてだと思う。
演技も素晴らしく、それぞれの心情が
葛藤、怒り、憤りとして表現され、
いろんな立場へ感情移入できる。

ただ、当たり前ですが清丸に対しては、
始めから最後の一言まで、どの感情、どの行動に
対しても共感するなんてことは全くなかった…。

SPの業務遂行としての「守る」だけではない、
それぞれの守りたいもの、守るべきもの、
そんなことまで考えさせられた映画でした。

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snoopyist

5.0凄い!

2013年4月30日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

興奮

あまり期待はせず見に行きました!

ですが見終わってみると
”面白い・・”の一言!

藤原竜也のくずっぷりも良し。
大沢たかおの最後まで熱い正義感や男気も良し。

5人のSPで護衛していくんですが
その5人ともまさに適役という感じで
心打たれます。

ぜひもう一度見に行きたい
DVD買おう!と思えた作品でした。

大沢さん・・・ほれました。

最高です!!!

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noooko

4.5三池崇史が撮った世界映画。

2013年4月28日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

 三池崇史が撮った映画ということで、余り期待はしていませんでした。三池崇史というとリメイク映画の大家、という印象しかありませんでした。「悪の教典」も未見でした。
 しかし、この映画を観終わった後、私はこの監督の持っている潜在能力の高さを思い知りました。
 この映画がカンヌでパルム・ドールを獲ったとしても、私は驚きません。それほど、出来が良い映画です。娯楽作品としては、佐藤純弥の「新幹線大爆破」以来の傑作。黒澤明の「七人の侍」や「用心棒」のように海外で何度もリメイクされるかもしれません。
 人が殺される場面でも、無駄には殺されません。今、流行の不条理な死はありません。
 出演役者の中では、大沢たかおの上司役の本田博太郎が完璧な役作りを見せていました。
 ☆が半分減ったのはエンディングの氷室京介の歌が余りに浅薄だったから。「north of eden」って、一体、何なんだよ。いまどき、英語のタイトルが恰好いいと思っているのは、氷室さん、あんただけだよ。この歌がなければ☆五つだったのに・・・。いやぁ、三池さん、惜しいことをしましたね。

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bashiba

2.0異常性のなかの一貫性

2013年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

多少のネタバレがあります。

まずは良い点。
まず藤原竜也、大沢たかおの演技は安定してます。特に大沢たかおの泣き表情に訴えかける演技は本当に登場人物のバックグランドがあるんじゃないかってくらい迫真です。
松嶋菜々子は硬派な役なのかもしれないけれど、少し面白くない演技をします。あと機動隊の二人が襲撃に来るときに三白眼になっていたのはすごいなぁと思いました。感情が良く出ていました。

そして悪い点。いろいろあります。
まずは構成。最初に派手で、あとから叙情的。日本映画アクションにありがちな構成で急に物語は失速します。叙情的なシーンは好きです。それがなければ中身のない映画になってしまいますから。しかし、配分が悪いと言わざるを得ません。

そして一番納得いかなかったのが、犯人のキャラクター。小児性愛者の異常性を表現したいのでしょうが、どうにもおかしい。精神異常者は異常性の中にも一貫性があります。羊たちの沈黙のレクター博士のあの脅威の異常性の表現は、そうした一貫性のなせる業だと言えます。なのにこの犯人、何かよくわからないだけの人です。ただの極限状態で支離滅裂になっているだけで、異常と言うよりは疲れてるのかな?と思います。登場当初は大人に対する嫌悪感を表現しながら、途中からはどこ吹く風。かと思えば終盤の暴走。何の一貫性もあったものではない。

母親に対する感情もおかしい。小児性愛者は幼少の頃にまともな環境にいないと言われています。母親に対するコンプレックスや女性に対するコンプレックスが小児への執着に繋がるのだと。なのに急に孝行息子に成る始末。しかも真偽も不明。これなら天才殺人鬼、演技もお手の物みたいな設定にして、全ての行動がSPや民衆、はたまた殺人を依頼した人間までを操っているという感じにしたらいいのに。そしてこのゲームをやるために殺人を犯した、なんて設定だったらサイコさが出て、かつ主人公側に最後まで守りきることに目的が生まれるのにと思ってしまいます。

日本映画は物語をコンパクトにまとめるのが本当に下手だと思います。
以上批判的な意見、失礼しました。

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みじ~