子どもに見てほしい映画10選　小学校・高学年編　夏休みは家族で映画を見よう！

2022年8月10日 18:00

子どもたちにとって、待ちに待った夏休み。まもなくお盆期間に突入し、家族で過ごす時間が増えるという家庭も、多いのではないでしょうか。

そこで映画.comは、「夏休みの推薦図書」ならぬ「夏休みの推薦映画」を選定！　編集部メンバーが、小学校低学年と高学年に分け、「子どもに見てほしい、おすすめの映画10本」を選んでみました。

この記事では、4人組の少年たちの冒険を描いたあの映画から、子どもと大人の戦争が勃発するあの映画まで、高学年向けの作品10本を発表。ぜひ、家族で見る映画を選ぶときの参考にしてみてください。

さらに、子どもが見た映画を振り返ることができる「映画感想シート」もご用意しました。シートは、専用ページからダウンロード・印刷して使うことができます。鑑賞後、親子で映画の話をしながら、記入してみてください。きっと、“家族の思い出の1本”が見つかるはずです。

【「映画感想シート」ダウンロード・印刷専用ページ】
・緑色（https://eiga.com/etc/files/Green.pdf）

・オレンジ色（https://eiga.com/etc/files/Orange.pdf）

※コンビニなどで簡単に印刷できるネットプリントサービスからも印刷可能です。印刷予約番号などの詳細は、映画.com公式Twitterアカウント（https://twitter.com/eigacom）からお知らせいたします。

▽1.「ナイトミュージアム」（108分）

【作品概要】
　夜になると展示物が動き出すニューヨークの自然史博物館を舞台にしたアドベンチャー作品。ベン・スティラーが夜警のラリー、ロビン・ウィリアムズが展示されているルーズベルト大統領を演じた。その後、スミソニアン博物館を舞台にしたシリーズ第2弾「ナイトミュージアム2」、大英博物館を舞台にした第3弾「ナイトミュージアム　エジプト王の秘密」も製作された。

【あらすじ】
　何をやってもうまくいかない、バツイチで失業中のラリー（スティラー）は、自然史博物館の夜間警備員の仕事を手にする。初出勤の夜、彼は恐竜の骨格標本、動物のはく製、人形、ジオラマなどが動き回るところを目撃。展示物たちの騒動に巻き込まれる一方、館内ではある陰謀が動き出していた。

【おすすめコメント】
　夜になると展示物が動き出すという発想がまず楽しい！　ゲームやYouTubeが大好きな現代っ子にとって博物館はわくわくする場所じゃないかもしれないけど、この映画を見た後なら興味を持ってくれるかも？

▽2.「バケモノの子」（119分）

【作品概要】
　「時をかける少女（2006）」「サマーウォーズ」の細田守監督によるオリジナル長編アニメ。渋谷の街と、バケモノたちが住まう「渋天街（じゅうてんがい）」というふたつの世界を交錯させながら、バケモノと少年の奇妙な師弟関係や親子の絆を描く。第39回日本アカデミー賞の最優秀アニメーション作品賞を受賞した。

【あらすじ】
　母を亡くし、ひとりぼっちになってしまった渋谷に住む少年・九太（CV：宮崎あおい）は、強さを求めてバケモノたちが住む「渋天街」に行くことに。そこで出会ったバケモノ・熊徹（CV：役所広司）の弟子となった九太。奇妙な共同生活と修行の日々を経て、ふたりは本当の親子のような絆を結ぶ。やがて、たくましく成長した九太（CV：染谷将太）は現実の世界に戻り、女子高生・楓（CV：広瀬すず）と出会う。楓を通して新しい世界や価値観を知り、九太は自身が本当に生きるべき世界を模索し始める。

【おすすめコメント】
　見どころはたくさんありますが、やはりストーリーが進んでいく過程で深まっていく熊徹と九太の関係性が1番のポイントです。細田監督作は家族をテーマに描いているものが多くあるのでどれもオススメですが、今作では「父と子の絆」が際立っています。相乗効果で、お子さんが「劇団四季」のミュージカル版にも興味を持ってくれたら、世界観がグンと広がりそうですね。

▽3.「ワンダー　君は太陽」（113分）

【作品概要】
　「ウォールフラワー」のスティーブン・チョボウスキー監督・脚本で、全世界で800万部以上を売り上げたR・J・パラシオのベストセラー小説「ワンダー」を映画化したヒューマンドラマ。「ルーム」で世界中から注目を集めた子役ジェイコブ・トレンブレイが主人公オギーを演じ、ジュリア・ロバーツとオーウェン・ウィルソンが両親を体現した。

【あらすじ】
　10歳の少年オギー（トレンブレイ）は、生まれつきの障がいで、人とは違う顔をもっていた。幼い頃からずっと、母イザベル（ロバーツ）と自宅学習をしてきた彼は、小学5年生になって初めて学校へ通うことに。はじめのうちは、同級生たちからじろじろ眺められたり避けられたりするオギーだったが、彼の行動で、同級生たちは少しずつ変わっていく。

【おすすめコメント】
　遺伝子疾患で生まれつき顔が変形しているオギーが主人公ですが、チャプターごとに姉や周囲の子どもにもスポットが当たるところがポイント。友だちとの関係に悩み始める頃に見せてあげたい作品です。

▽4.「クイール」（100分）

【作品概要】
　後に「カムイ外伝」などを手がける崔洋一監督が、実在した盲導犬の一生を描いた、秋元良平氏と石黒謙吾氏によるベストセラー本「盲導犬クイールの一生」を映画化。小林薫と椎名桔平が主演を務めた。

【あらすじ】
　おなかに鳥が羽を広げたようなブチがあるラブラドールレトリバーの子犬は、盲導犬になるため、パピーウォーカーと呼ばれる育ての親・仁井夫妻（香川照之、寺島しのぶ）に預けられ、“クイール”と命名される。クイールは夫妻から愛情いっぱいに育てられたあと、盲導犬訓練センターの訓練士・多和田（椎名）のもとへ。のんびり屋でマイペースなクイールに、ベテランの多和田も手を焼くが、やがてクイールは立派な盲導犬に成長。そして、目が不自由な男性・渡辺（小林）と出会い、良きパートナーとなっていく。

【おすすめコメント】
　犬映画だから子ども向け！　という理由でオススメするわけではありません。1匹の盲導犬を育て上げ、パートナーのもとへ送り出すのには、どれほど多くの人の努力や愛情が注がれているのかを教えてくれる物語だからです。そして、盲導犬にもかけがえのない生涯があり、家族で命の尊さを学ぶことが出来る良作としてオススメします。

▽5.「スタンド・バイ・ミー」（84分）

【作品概要】
　後に「最高の人生の見つけ方（2007）」を手がけるロブ・ライナー監督が、“ホラーの帝王”スティーブン・キングの短編小説「死体」を映画化した、ノスタルジックな青春ドラマ。ウィル・ウィートン、リバー・フェニックス、コリー・フェルドマン、ジェリー・オコンネルが、物語の中心となる4人の少年をみずみずしく演じた。

【あらすじ】
　米オレゴンの小さな田舎町キャッスルロック。4人の少年が、町から30キロほど離れたところに、列車の轢死体が放置されているという噂を聞き、死体探しの旅に出る。

【おすすめコメント】
　それぞれに家庭の問題を抱える4人の少年たちが“死体探し”の旅を経て、ちょっとだけ大人になる思い出の話に共感すること必至！　当時の名曲が物語を彩り、主人公の親友を演じたフェニックスの輝きは必見です。

▽6.「ぼくらの七日間戦争」（94分）

【作品概要】
　理不尽な校則に反発し廃工場に立てこもった中学生と、教師や親など大人たちとの戦いを描く物語。菅原比呂志監督が宗田理氏の同名小説を映画化し、宮沢りえが華々しい銀幕デビューを飾った。2019年には、アニメ映画版「ぼくらの7日間戦争」が製作された。

【あらすじ】
　ある日、厳しい校則に耐えかねた青葉中学1年の男子生徒8人が失跡。彼らは町外れにある廃工場に立てこもり、やがて中山ひとみ（宮沢）ら女子3人も加わり、11人の生活が始まった。しかしやがて、教師や親に居場所がばれてしまう。説得にやってきた大人たちを撃退した子どもたちは、バリケードをつくり武装化し、工場の地下で眠っていた戦車までも動かす。一方の学校側は機動隊の出動を要請し、「子どもVS大人」の本格的なバトルが始まろうとしていた。

【おすすめコメント】
　厳しい校則に反発し、自由を求めて立ち上がった中学生が、彼らを制圧しようとする教師たちと戦う姿は、時代を超えて共感を得ることでしょう！　本物そっくりの61式戦車の登場や、映画初出演作となった宮沢さんのみずみずしい演技も見どころです。

▽7.「ストーリー・オブ・マイ・ライフ　わたしの若草物語」（135分）

【作品概要】
　「レディ・バード」のグレタ・ガーウィグ監督とシアーシャ・ローナンが再タッグを組み、ルイザ・メイ・オルコットの名作小説「若草物語」を新たな視点で映画化。南北戦争時代に力強く生きるマーチ家の4姉妹が織りなす物語を、作家志望の次女ジョー（ローナン）を主人公に、みずみずしいタッチで描く。

【あらすじ】
　しっかり者の長女メグ（エマ・ワトソン）、活発で信念を曲げない次女ジョー、内気で繊細な三女ベス（エリザ・スカンレン）、人懐っこく頑固な末っ子エイミー（フローレンス・ピュー）。女性が表現者として成功することが難しい時代に、ジョーは作家になる夢を一途に追い続けていた。性別で決められてしまう人生を乗り越えようと、思いを寄せる隣家の青年ローリー（ティモシー・シャラメ）からのプロポーズにも応じず、自分が信じる道を突き進むジョーだったが……。

【おすすめコメント】
　貧しくも明るく、仲むつまじく暮らす、個性豊かな4姉妹たち。それぞれが大人になっていくなかで、悩みながらも一生懸命生きる彼女たちを応援したくなります。映画を気に入ったら、是非原作本も読んでみてほしいです。

▽8.「地球外少年少女　前編『地球外からの使者』」（99分）

【作品概要】
　テレビアニメ「電脳コイル」の磯光雄監督が、同作以来15年ぶりに手がけた監督作。AIが発達し、誰もが宇宙空間に行けるようになった2045年を舞台に、少年少女たちの冒険を描く。全6話のシリーズを、前編「地球外からの使者」、後編「はじまりの物語」の2部作で劇場公開した。「電脳コイル」にも参加した井上俊之がメインアニメーターを務め、「交響詩篇エウレカセブン」の吉田健一がキャラクターデザインを担当した。

【あらすじ】
　日本製の宇宙ステーション「あんしん」で、地球への移住のためにリハビリを行っていた月生まれの少年・登矢（CV：藤原夏海）と、幼なじみの心葉（CV：和氣あず未）。ふたりは、初めての宇宙旅行で地球からやってきた大洋（CV：小野賢章）、美衣奈（CV：赤崎千夏）、博士（CV：小林由美子）ら子どもたちと一緒に、ステーションと彗星の衝突事故に巻き込まれる。大人たちとはぐれ、ネットが切断された閉鎖空間で、子どもたちは時に反発し、時に助け合いながら、さまざまな困難に立ち向かっていく。

【おすすめコメント】
　いまの子どもに“明るくて面白い宇宙”が舞台の娯楽作を見せたいという思いで制作されたオリジナルアニメ。新しい宇宙像を見せてくれるジュブナイルストーリーで、理科や工作が好きなお子さんと一緒に親も楽しめます。Netflixで全6話が配信中です。

▽9.「ドリーム」（127分）

【作品概要】
　1962年にアメリカ人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた、NASAの3人の黒人系女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの知られざる物語を描いたドラマ。タラジ・P・ヘンソン（「ベンジャミン・バトン　数奇な人生」）、オクタビア・スペンサー（「ヘルプ　心がつなぐストーリー」）、ジャネール・モネイ（「ムーンライト」）が共演し、「ヴィンセントが教えてくれたこと」のセオドア・メルフィがメガホンをとった。

【あらすじ】
　ソ連とアメリカの宇宙開発競争が繰り広げられていた61年、米バージニア・ハンプトンにあるNASAのラングレー研究所に、ロケットの打ち上げに必要不可欠な計算を行う黒人女性グループがいた。なかでも天才的な数学の才能をもつキャサリン（ヘンソン）は、宇宙特別研究本部の計算係に抜てきされるが、白人男性ばかりのオフィス環境は、キャサリンにとって決して心地良いものではなかった。一方、ドロシー（スペンサー）とメアリー（モネイ）もそれぞれ、黒人であるというだけで理不尽な境遇に立たされるが、それでも3人はひたむきに夢を追い続け、やがてNASAの歴史的な偉業に携わることになる。

【おすすめコメント】
　誰だって夢を持つことが許されるいまですが、性別や肌の色で、夢を持つことが難しい時代がありました。そのなかでも宇宙への憧れを胸に強く生きた女性たちの姿は、見た人に夢を追いかける勇気をくれる映画です。

▽10.「ちはやふる　上の句」（111分）

【作品概要】
　末次由紀氏による大人気コミック「ちはやふる」を、広瀬すず主演で実写映画化。競技かるたに打ち込む高校生たちの青春を描く。前編「上の句、後編「下の句」の2部作で公開され、後に完結編「結び」も製作された。「カノジョは嘘を愛しすぎてる」の小泉徳宏監督がメガホンをとった。

【あらすじ】
　幼なじみの綾瀬千早（広瀬）、真島太一（野村周平）、綿谷新（真剣佑）の3人は、新に教わった競技かるたでいつも一緒に遊んでいた。新の競技かるたにかける情熱に、千早は夢を持つことの大切さを教わるが、そんな矢先、新は家の事情で遠くへ引っ越してしまう。高校生になった千早は、新に会いたい一心で「競技かるた部」創設を決意し、高校で再会した太一とともに部員集めに奔走。なんとか5人の部員を集めて部を立ち上げた千早は、全国大会を目指して練習に励む。

【おすすめコメント】
　競技かるたに打ち込む高校生の姿を描いた正統派青春映画。小学校高学年ともなると、中学生活、高校生活への憧れを抱く年頃でもあるかと思います。自分ひとりで出来ることには限界がある、仲間やライバルたちの存在がどれだけ自分を成長させてくれるのか、劇中で作品世界を生きた広瀬さん、野村周平さん、真剣佑（現在は新田真剣佑）さんらが体現してくれています。この作品にハマってくれたら、続いて「ちはやふる　下の句」「ちはやふる　結び」と続きますので、あわせてオススメです。