身代わり忠臣蔵のレビュー・感想・評価
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コメディーだがある意味堅実な王道展開
権力者の身代わりにさせられた貧乏人の方が、実は人間としては善良で、
最初は金目当てだったところから成長し、下の身分の者たちを大事に扱い慕われ、
やがて自分の立場で成すべきことに目覚める……まぁ、実は割と王道ですよね。
本来不倶戴天の敵同士である吉良上野介(の身代わり)と大石内蔵助が互いの素性も知らぬまま、偶然の出会いから通じ合い、
あるべき筋は通しつつ、互いの家臣たちの犠牲を出さないために、討ち入りという八百長試合に挑む……という、これも本来の忠臣蔵あってこその、そこからの「ズラし」という一種の王道。
比較的わかりやすい伏線から残されていた本物の吉良上野介の遺体からの逆転……という、まぁ正直ありがちなどんでん返し。これもまた王道。
というわけで、実は意外と堅実な話づくりで基本に忠実。
ムロツヨシさんのコメディー・シリアス両方いける芝居力がそこに上手くマッチしている良作。
☆4付けてもよかったんだけど、最後の首ラグビーは、さすがにちょっとギャグ狙いに走りすぎててどうなのかなと思ったので-0.5。
流石に内蔵助が、斬るか斬らないかを葛藤してたシリアスシーンの後でやることじゃないな、というのが自分の印象。
ムロツヨシの魅力が炸裂
最近、気になる役者のムロツヨシさん、そして柄本明さんが出ているので観映。
「忠臣蔵」の史実を織り込んだ、コメディ映画だと思って見に行きましたが、笑いだけでなく、泣けるセリフもあり。
往年の時代劇好きの方や歴史オタクの方は、色々文句をつけるところでしょうが、年代関係なく楽しめる内容だと思います。
この役は、ムロツヨシさんでないと出来ないと思いました。
ムロツヨシさんは、いかりや長介さんの渋さと志村けんさんの面白さを兼ね備えていて、ずるいです。(褒めてる)
個人的には柄本明さんとムロさんの演技による師弟対決が、1番胸熱でした。
(ムロツヨシさんは、柄本明さんが主催する劇団「東京乾電池」の研究生だったそうです。)
あと、本当に個人的歓喜場所。私の推しのホルン奏者の方が、劇伴に参加されていて、クレジットでお名前を見つけて、1人歓喜乱舞いたしました(笑)
軽いコメディ
人情をからめたお気楽コメディ時代劇。
オチは前半で分かっちゃった。
漬け物が得意な家臣の存在は、見せ過ぎだったような。
『総理の夫』『かぐや様は告らせたい』の河合監督らしく、また『超高速!参勤交代』の土橋氏原作・脚本らしく、観終わって特に何も残らない軽さがよい。
観たい映画と他の用事の隙間にピタッと2時間潰すにはいい感じ。
わざわざこれを観に行くのはどうかなぁと思うのが半分、ムロ無双を楽しめる人にはおすすめと思うのが半分。
一週目の興行成績は良さそうだったから、二週目に行ったらガラガラ。
昔はスター映画といえば「忠臣蔵」でしたが、客席の寂しさに、「忠臣蔵」を知らない人が多くなったのかもなとため息。
スターのギャラ、大人数キャスト、セット……
採算に合わなくなったのかなぁ。
時代劇自体も下火だし。
忠義の心や武士道が時代に合わなくなってきて、今や政府意向に逆らう集団テロって見方もできますしねぇ。
それと、本作にはほんのりありましたが、恋愛要素が薄くなりがちなのと、歌舞伎役者系やムロさんのような顔の濃い個性派が配役を占めると、なかなか女性ファンもつかないだろうし。
気軽に楽しめる令和版•忠臣蔵
若い観客層を取り込むためだろう。時代劇の渋くて堅苦しい演出ではなく、ポップで見やすい作りになっていた。こういう系統の作品は脚本の中身が薄くなりがちで、本作もそういった点が確かに見受けられたが、ちゃんと練られていた部分もあり、予想以上に楽しむことができた。
本作の立役者は、やはり主演を務めたムロツヨシだろう。コメディー作品に多数出演しているとだけあって、ちゃんと笑いの間というものを理解している。やりすぎな場面もいくつか見受けられたが、後半に多くあった真剣なシーンといい感じで釣り合いがとれていて良かった。あんなにふざけていたムロツヨシが、終盤にはカッコよく見えたのは流石の一言だった。
本作の笑いが個人的に肌に合ったのも非常に助かった。急にラグビーっぽくなったり、吉良上野介の遺体が塩の中に隠されていたり、ツボってしまう部分がいくつかあった。全く肌に合わない人もいただろうが、個人的には受け入れられる範囲の笑いだった。
吉良家の目線から忠臣蔵を描いたのも新鮮だった。忠臣蔵といえば47人の赤穂浪士の目線から描かれることが多いが、あえて悪役の吉良家を中心にすることによって、“討たれる側”の思いも映像化することができ、新たな忠臣蔵映画を誕生させることができたと思う。
時代劇が苦手な人も、気負わずに観れる佳作だったと思う。
いよ!千両役者!
楽しかった。
ムロ氏ありきの作品だったように思う。やりたい放題で、かつ彼の良さと魅力が満載だ。
千変万化の声色が心地よく、距離感と感情に作為がない感じがとても良かった。原作が当て書きなのかと思うくらいハマってた。
コメディ色が強いのだけど、ちょっとした毒がスパイスとして効いているし、友情なり愛情なりでウルッともジーンともする。
脇を固める俳優陣も柄本さんを筆頭に防波堤のように物語の輪郭を維持してくれてた。瑛太氏もそうだけど、キャスティングが功を奏してる感じが凄くする。
もちろん「IF」の世界観なのだけど、史実なのか戯曲なのかをきっちりリスペクトもしてて、無理なく融合していて、かつ妄想に溢れてて楽しい。
とてもPOPな印象があり、ムロ氏の影響力は大なのだけど、討ち入りがあっても人が死なない。いや、その描写がない。お話としてはなくても成立はしてるものの、昨今のコンプライアンスの余波を嗅ぎ取ったりもする。まぁ、生首でラグビーってなサイコな感じもしなくはないけど、それを言っちゃあお終ぃよってな事だろうか。…なんて言うか、コレがコンプライアンス前であったなら、そういう切り口がインパクトも強そうなのだけれども、コンプラの嵐が席巻してる今は、逃げ道とか隙間に思えてしまうのが腹立たしい。
吉良が主役なだけあって、吉良家の内情が語られるのもいい感じだった。林氏の快演もいい塩梅だ。
表題の千両役者だけれど…ムロ氏に向けてなら粋な台詞だとは思うけど、坊主にかけるにはズレてる。まぁ、この作品をここまで引っ張ったムロ氏への功労賞みたいな事にも聞こえてた。
とても綺麗な脚本だった。と思ってたら原作者が脚本にコールされてた。俺は脚本と原作者が同一人物ってエンドロールを初めてみた。
ただ、ぶったまげてるんじゃないだろうかと思われる。あのシーンをムロ氏と現場はあんな風に調理したのかと。脚本にはムロ氏の一挙手一投足までは書けないからである。
俺は大好きだった!
納得できたところとものたりなかったところ
エンドクレジットで原作が紹介されたので、主な筋書きはそこからできていると推測した。レビューをみると、原作を単純化した部分もあるようだ。ただし、脚本も原作者が作成しているので、自分で取捨選択された結果なのだろう。
敵との共謀に関して言えば、犠牲を少なくという趣旨はわかるけれど、大石内蔵助も信じ過ぎで、騙されることを考えなかったのだろうか。天野屋利兵衛が出てこないし、様々な潜入探索、上杉家とのつながりも描かれない。清水一学が計画通り酔い潰れていて、直ぐに上野介が斬首されて終わりかと思ったら、清水一学が復活し、堀部安兵衛と大立ち回りしたのがみどころだった。さらにまた復活とは驚いた。寛一郎氏は、『せかいのおきく』の役も良かったが、本作ではさらに凄味を増していた。
ロケ地では、木津川流れ橋に行ったことがあり、直ぐにわかった。嵐山通船と渡月橋もわかった。泉岳寺には45年前に行ったが、あんなに標高が高いところではなかった気がする。
ムロ版忠臣蔵
ムロ氏が吉良上野介の弟役で悪ふざけするパロディ。
アドリブ要素も盛り込まれていたのだろうけど場内の盛り上がりは薄かった。
ヒロイン役(?)の川口春奈はおしとやかな演技は良かった。ネタ要素も含めたらより楽しめた。
安っぽいが俳優が良い。
序盤から、安っぽさが全開。
お笑い映画なのかなという感じ。遊郭にいくあたりのお色気シーンで帯をひっぱるシーンは志村けんのバカ殿様かと思った。
史実をたぶん踏まえているんだと思うけど、本所に城替えして、撃ちやすくするみたいな下り、ちょっと調べてみよっかとはおもった。
なぜ、この映画みたかというと、瑛太のファンだからです。瑛太、ムロツヨシ、林遣都、北村一輝はさすが。紅一点、川口春奈がやたら可愛らしく見えた。
あと、失礼を承知の本音で書いてしまうが、吉原で、橋本マナミがラスボスみたいな流れはどうなんだろ。寧ろその並んで出ていた女性のほうが俺は好みだった。誰なんだろうね。
仇討ちについて幕府は事実上自分たちの処分の過ちを認めて、赤穂を打ち首じゃなくて、切腹で許したっていうんだけど、それならば、実は大石内蔵助は生き返ったくらいの嘘オチでも良かったんじゃないかな。
楽しい映画にもうちょい振り切ったほうがよい。中途半端な気がした。
下品なところ多いけど笑えるし、泣ける
下品なボケが多いけど、笑えてよかった。孝証の優しさに何度か泣かされた。最後の展開は分かりやすかったので驚きはなかったがきちんとまとまりがあったと思う。
個人的に音楽が良かった。木魚の音が映画に合ってた。
CGと小道具の出来がちょっと悪かったように思う。少し集中力を削がれた。
最後の首を投げ始めたところからあれ?ラグビーみたいじゃない?とそれまでシリアスだったのに急に笑いに走ったのがちょっと置いてかれた感があったので人によってはそこが嫌だという人もいるかもしれない。私はえっ?あり?笑とは思ったが最後にぶっ込んで悪くはないと思った。
殿中でござる
忠臣蔵の映画、ドラマ、
舞台、歌舞伎等、
それぞれで、
殿中でござるから、
討ち入りまで、
の赤穂浪士を描く作品は数多くあるが、
スピンオフ作品も多くあり、
討ち入り前の、
赤穂藩界隈の物語もあれば、
討ち入り後の、
泉岳寺近辺での傑作物語も多い。
中でもスピンオフ中のオフの物語のひとつ、
堀部安兵衛の介錯人だった荒川十太夫の苦悩の物語は歌舞伎では定番だ。
そして本作、
吉良上野介に弟がいた。
馬糞、小水、鼻水、そして首・・・
笑わせて、笑わせて、
風変わりな、
おもしろい、討ち入りまでの展開と・・・。
コメディ忠臣蔵!
早々に亡くなってしまった吉良の身代りになってしまった破戒僧の弟が巻き起こすコメディ映画。かなり現代的な言葉遣いを使われているので、そこが気になる人はいるだろうけど、僕はコメディだから大丈夫でした。この辺りはムロさんの真骨頂だ。
忠臣蔵を知らなくても、こんな話と分かるように作られているから大丈夫。しかし、知っているとより楽しめる。物語が進むにつれ、討ち入りが避けられない事を知ってるからこそ、どうなるのか?死ぬのか?死なないで?という感情が巻き起こり、サスペンスの要素としてドキドキする。
また、ムロさんと瑛太さんの、ちょっと変わったバディ映画としても面白い。
かなり良く出来た面白い作品だった。
新しい忠臣蔵を切り開く
初日に鑑賞。
ディズニーでも無く、アイドルでもアニメでも無いのに、結構な数の観客数。期待度が高い?
いざ始まると、笑いあり涙あり。
ふざけていてもストーリーはちゃんと忠臣蔵。
しかも主人公は吉良で、新たな視点。
そこに極々軽いラブストーリー。
これは全世代にウケますね。
この吉良上野介兄弟役はムロツヨシさん適任。
しっかりふざける、そしてしっかり真面目。
演技に嫌味がないので見やすい。
昔は毎年年末に忠臣蔵をしていたが昨今は放映がない。恐らく若い世代で視聴率が取れないのだろう。それも分かる。それなら今年末はこれを流せば…
眉がV字に繋がっているのは要るのかな?
宙を舞う頭部(笑)
館内大爆笑。
もはや、ムロ版忠臣蔵
忠臣蔵ってコンテンツは本当に色々と使い手があるみたいで、赤穂浪士のお墓のある泉岳寺には各映画会社や映画スターの名前が刻まれた石柱があるくらいです。吉良上野介の替え玉と言う一発ネタは面白いけど、このネタ一本で最後までお話を引っ張っていく力技に感心しました。これは監督の腕前と言うより、主演のムロツヨシのアクの強いキャラに負うところ大ですね。ムロツヨシの台詞回しはほとんど現代語なんだけど、それで押し切ってしまう強引さが笑えます。とは言え、忠臣蔵の悲劇的ラストは動かせない以上,どう落とし前をつけるのかがまた楽しいです。役者では、ムロツヨシがやりたい放題。永山瑛太は、大石にしては若いような気がするけど、気のいいあんちゃん的なのがいいですね。また、林遣都が意外やコメディアン振りを発揮しているのが新鮮でした。
ムロツヨシによるムロツヨシのための作品
まさか小学生の子供が見たがるとは思わなかった。たぶんムロツヨシのせい。
内容はムロツヨシでした。
忠臣蔵を子に教えるために役に立ったので個人的には良し。
ところでここのレビューではラグビーへの批判が多々ありますね。
さて、諸兄はラグビーの起源をご存じでしょうか。
イングランド人が敵の将軍の生首を蹴り合ったのが元々です(※諸説あり)
なので、首を奪い合うというこのシーンをラグビーでパロるのは
「元ネタを知っているよね?」という教養の期待だったのでしょう。
が、それを知らなかった人はもちろん知っている人でもちょっとこのシーンでこれは…と眉をしかめたと思います。
あのシーンは、ネタとして成立するかどうかと言えばネタとして成立するのですが、
それがウケるか、受け入れられるかという点から考察する必要があったのではないかと。
もちろん、そのクビは散々に悪役であることを印象付けられていましたし、その流れでは何されようとも自業自得に違いないのでしょう。
が、皮肉にも視聴者はあの首を「ムロツヨシ」と見てしまう可能性がありました。
前半はわがままながらも狂言回しで好感度を稼ぎ、後半に入っては聖人ムーブをかましまくって視聴者の心を掴んだムロツヨシです。
それまでのストーリーでは悪逆非道な兄の「身代わり」となり、
吉良上野介その人としてはそれまでの総スカンムーブを挽回して臣民から好かれるお殿様になっていたムロツヨシです。
当然、視聴者の好意はムロツヨシに向けられていたのですが、
ラグビーが始まったとたん(気づいている人は多々いたにしろ)その好感度あふれるムロツヨシの首をラグビーしはじめたのです。
これは素直に気分が悪い。
で、そうじゃないよってネタ晴らしをした後でもそのクビはムロツヨシなのです。形状的に。
そう簡単に切り替えられる人ばかりではないでしょう。
ものすごく皮肉な話です。
暗君描写されている吉良上野介の身代わりとして登場した好感度の高いムロツヨシは、
暗君に向けられた怨嗟の「おしおき」をも身代わりしてしまい、結果、映画の後味を悪くしてしまったのでしょう。
その一点のみ残念なところでした。
個人的に
「忠臣蔵でものすごい悪役とされている吉良上野介、地元では名君と言われた吉良上野介」の両方の噺を説明できるいい映画ストーリーだなと思いました。
前半は面白かったです
最初に出てきた孝証さん(ムロツヨシさん)はすごく人間臭くて魅力的でした。まさにムロさんの独壇場!
でも、孝証さんが優しくていいひとなのは分かるのですが、浅野家の仇討ちを果たすため、吉良家の家臣の生活を守るためとは言え、「自分の命を差し出す」という選択が聖人すぎると思えて…。最初から兄の遺体が隠されていることを知っていたなら面白いと思えたかもです。
終盤のラグビーも、私はグロく感じてしまって…。鑑賞後に食事をする予定だったので少しツラかったです。
ラスト、私としては、還俗して桔梗さん(川口春奈さん)と結ばれる展開でもよかったかなと思います。
前半が面白かっただけに少し残念でした。
ムロ節全開!!
結論、良い意味で映画館で見る必要なし!!
(休日にテレビ視聴で家族で見るのが最適解かなと思いました。)
ともあれ、主演のムロさんの映画ですw
瑛太もプライベートで仲が良いらしく、アドリブだろうな&故の深い演技にシンミリしました。
時間に余裕がある方は、ご観賞ください。
新解釈
忠臣蔵のパロディ版かと思って鑑賞。
ムロツヨシさん主演で
三国志の孔明役みたいな感じで考えていたが、
基本的には忠臣蔵でしたね。
お笑いの要素は多かったけど
吉良家が江戸の外れに
武家屋敷が移転になったりは
真実通りだったので。
堅苦しい時代劇が苦手な人は
コレを観たらザックリと忠臣蔵は理解出来るかも?
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