身代わり忠臣蔵のレビュー・感想・評価
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【”家臣は家族。”忠臣蔵令和ムロツヨシバージョン。序盤はコミカルに展開するが、中盤から人情噺要素も絡ませた”忠臣蔵新解釈”に成程なあ、と思った作品。ムロツヨシさん、芸風がドンドン幅広くなるなあ。】
ー ムロツヨシさんを知ったのは、NHKのコント番組「LIFE!」である。様々な役柄を面白くこなす姿に、”この人絶対にビッグになるぞ!”と思っていたが、特に近年の活躍は素晴らしい。
元々、コント番組で人気のある人(例えば、「笑う犬の冒険」の原田泰三さんとかね。)は、演技の実力があるのである。-
◆感想
・今作は、「忠臣蔵」忠臣蔵に様々な”新解釈”を取り込んでいる所が、流石、土橋章宏さんである。(「超高速!参勤交代」!シリーズや「引っ越し大名!」面白かったもんな。)
■新解釈の数々
1.吉良上野介(ムロツヨシ)が松の廊下で浅野内匠頭に切りつけられて、その後、傷が原因で亡くなっていた事。
2.吉良上野介には末弟の貧乏坊主の孝証(ムロツヨシ:2役)が居て、彼が兄とは違い心優しい家臣を想う好人物だった事。
3.吉良家とり潰しを免れるため、家臣の斎藤(林遣都)が孝証に大金を積んで、兄の身代わりをさせた事。
4.大石蔵之介(永山瑛太)と孝証の関係が、川に流されて来た孝証を大石が助けたり、吉原で隣同士で遊んでいて、意気投合する事。
等を上手く物語に組み込んで、後半は人情噺としても、沁みる作品に仕上げている所である。
・序盤に、斎藤が漬物に嵌っていた事を、最後半に見事に回収している所などもナカナカである。
■孝証はそれまで、質素倹約に勤めていた兄の様々な決め事を(飯は一汁一菜を一汁二菜にしたり、給金を上げたり)家臣の事を考え、改善していくのである。
喜ぶ家臣たちの姿を見て微笑む孝証。
そして、近侍の桔梗(川口春奈)はその姿を見て、”吉良上野介は実は孝証ではないか・・”と思うのである。
■孝証が、柳沢吉保(柄本明)の企みを知り、大石蔵之介に”討ち入りは止めろ。柳沢が仕掛けた罠だ。”と説得するも、”堀部安兵衛(森崎ウィン)達下級武士の仇討ちの想いは止められない。”と苦渋の表情で語る大石に対し、孝証は”分かった。俺の首を取れ。”と言って柳沢吉保に町はずれの屋敷に引っ越しを命じられた屋敷の図面を広げ、”俺は、討ち入りの際には庭に逃げるから、そこで俺の首を取れ。”と言うのである
更に孝証は”兄貴は、赤穂に酷い事をした。”と言って大石に討ち入り準備のために大金を与えるのである。このシーンは沁みたなあ。
・討ち入りのシーンはほぼ孝証が大石に告げた手順で進むが、吉良藩の剣の使い手清水(寛一郎)が孝証の計らいで、酒に酔いつぶれていたのだが、復活し大石の吉良の介錯を防ぐ。
そして、孝証が大石に密かに教えていた隠し階段から通じる塩蔵で孝証と大石は再び会う。
大石は合唱する孝証の首を切ろうとするのだが、どうしても切れずに塩が入った俵を切るとそこから塩漬けになった吉良上野介が落ちて来るのである。
ー 斎藤君、君は何でも塩漬けにするんだね。クスクス。-
・更に、塩漬け吉良の首をラグビーの様にパス回ししながら追いかける吉良の武士たちから逃げる赤穂浪士達の姿は、脳内爆笑モノである。
- 吉良上野介の悪行を揶揄するかのように、赤穂浪士は吉良の頭をパスしたり、蹴ったり・・。-
<そして”犬将軍”徳川綱吉(北村一輝:何故か、眉が繋がっている。クスクス。)に対し、柳沢吉保は赤穂浪士全員の斬首を嘆願するが、綱吉は切腹を申し付けるのである。
斬首は罪人への処置だが、切腹は武士にとっては名誉を保った事になるからである。
泉岳寺の大石の墓の前で”大石が死んじゃったよ。”とさめざめと泣く孝証に対し桔梗は優しい。
そして、坊主に戻った孝証は桔梗と共に歩きながら”町民に成ろうかなあ。”などと楽しそうに言うのである。
今作は、忠臣蔵に様々な新解釈を取り入れながら、前半はコミカルに後半は人情噺要素も取り入れた元禄時代劇の逸品なのである。>
■因みに、愛知県民としては吉良上野介は領地であった西尾氏吉良町では名君とされている事を敢えて記します。
ムロツヨシの独壇場!
一体ムロツヨシはどこまで脚本に忠実に演じているのか
…と思うくらい、すごく自由に演じていた。
全部アドリブではないか!?と思うほどに
ムロツヨシらしさ全開だったので、思った以上に楽しかった。
話は歴史ifではあるが、
実にうまくアレンジしており、
オチがわかっていても楽しめたし、後半は泣けた!
役者陣も達者な方が多く、
特にムロツヨシと林遣都のやりとりは爆笑もの。
笑い声が劇場に巻き起こる体験は久しぶりだった。
私は北村一輝が美味しい役だったと思う。
登場しただけで笑えた。
肩の力を抜いて観れるストレス解消にももってこいな
娯楽エンターテインメント!
中途半端…
悲しいことに?オチが早々にわかってしまいます(笑)
おちゃらけとシリアスのバランスが微妙。
笑わせよう!って感ありありで少し引いてしまいます。
男の友情が良く描けてるだけに残念。
昔も今も?お色気絡みや酒絡みで本能が分かり合える男って単純。
赤穂浪士わからない昨今のお子様でも(もう年末年始やらないもんね)そこそこ敵討が理解できる作りにはなっているかな?
ムロさん持ってくるからにはお笑い要素ふんだんか?って思いましたが振り切れてなかったです。
吉原の絆。
吉良上野介(兄)の身代わりになった吉良孝証の話。
上野介のイジメに耐えかねた浅野内匠頭(尾上右近)、江戸城内で上野介を刀で切りつける、上野介は額と背中に傷を負い重症、後に浅野内匠頭は切腹、吉良家家臣の提案の元、顔そっくりな孝証が上野介の身代わりに…。
~橋から落ち川に流されてた所を大石(永山瑛大)に助けられ、塩アメを貰った孝証~
相変わらずのムロ節で進むストーリーで飽きずに楽しめた!上野介、孝証を演じたのはムロツヨシ。
個人的印象的だったシーンとセリフは孝証の立ちション、そこへ来た斎藤(林遣都)に振り返り顔射ならぬ顔尿「最近はキレがあれで…。」の孝証のセリフが妙に残ってしまって(笑)
本作観てて別の作品と被ってしまったのは「信長協奏曲」、人に対して非情な上野介だったけど対照的に人に対して優しい孝証、城内にいる人間へいい影響をもたらしたなども含めて「信長協奏曲」が、出てきてしまった。
上野介の首を取ろうと必死な大石だったけど、孝証の打ち明けにより、より深まった二人の仲、大石の優しさと心情、吉原で共に朝方まで過ごし…親しくなった和尚(孝証)の首を取っていいのかという自分との葛藤…、また孝証の大石へ首を取らせフラットな状態へしようとする優しさには涙。
川口春奈さん演じる桔梗、優しくもあり、ちょっとSな感じも可愛くて良かった。
過ぎたるは及ばざるが如し
吉良上野介の身代わりが、赤の他人ではなく血のつながった弟だという設定は、それなりに説得力がある。しかし、いくら厄介者で役立たずだからといっても、冒頭の弟に対する仕打ちは酷過ぎるのではないか?
ただ、その弟が身代わりになる理由や大石内蔵助と知り合う経緯にはあまり無理がなく、テンポの良い展開をサクサクと楽しむことができた。
何と言っても、ムロツヨシのキャラクターを活かした林遣都や川口春奈らとのやりとりが面白く、何度もニヤリとしてしまった。
良い人になった吉良が家臣から慕われるようになったり、ダメ人間だった彼が自らの価値を見出していく流れも、ベタではあるが、やはりホッコリとさせられる。
クライマックスに向けて、柳沢吉保が仕掛けた罠を逆手に取り、討ち入りを成功させるべく吉良と大石が協力し合うという展開も絶妙で、2人の友情には思わず胸が熱くなった。
その一方で、物置小屋で漬け物を作っているシーンで、なんとなく結末が分かってしまうのは勿体ないし、あれほど存在感のあった林遣都演じる斎藤が、討ち入りの最中に全く姿を見せないのも物足りない。
さらに、生首を使ってのラグビーを模したドタバタは、あまりにも趣味が悪くて笑えないし、物語上の必要性もなく、蛇足だったとしか思えない。
せっかく面白い話だったのに、最後の「やり過ぎ」に興醒めしてしまったのは、残念としか言いようがない。
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