アンダーカレントのレビュー・感想・評価
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骨太俳優たちがすばらしい。
初日舞台上映に参加。好きな俳優、瑛太さん、顔ちっちゃい!
国境を越えて愛されている物語は映画化されて海外から絶賛。
『では質問しますが、人をわかるってどういうことですか?』『生きるための嘘は、罪ですか?』深く刺さる言葉が連発。結局は傍にいるパートナーのことも誰もわかり得ない、相手を思い遣る『嘘』は是か非か、とても考えさせられるスローに流れる描写が絶妙な映画。
原作未読。二度鑑賞。
試写会で鑑賞済みでしたが、舞台挨拶のチケットが当選したので2回鑑賞しました。
淡々とした場面が多い作品なので、二度目は眠くなりました…
原作未読(試し読み数ページだけ)ですが、真木よう子が役柄のイメージに合わず…。
あの女優さんだったら良かったなー、と思う方がいて、ちょっと調べたら過去に「漫画のファンで主人公を演じたい」と言ってたインタビュー記事を発見…(笑)
原作ファンの方がどう思うか分かりませんが💦
キャロルリードのフォローミー
心地好い上品を評すが、随所で微妙に語り過ぎか。
「さよなら渓谷」以来久々に真木よう子にイイ役、でも似た役。
演者陣重複ゆえか山下敦弘側に踏み込んで今泉力哉らしさが減じた感も。
手堅く私的年テン中位当確。
再見したいのはCリードの「フォローミー」。
今泉力哉監督からの挑戦状
Bill EvansのCDは何十枚と持っているが、名作といわれるUndercurrentは苦手だったりする。Scott LaFaroよりPaul Motianの方が重要だと思っているくらいなので、水圧にリズムが抑制された状態がいやなのかも知れない。
今泉力哉監督作は止めておこうと思うのに、ヒトの評価が良いと見逃すのが悔しくて、チケットを買ってしまう。協業もしている城定秀夫監督作はエロ要素がなくても好きなのに、辛い評価をしてしまう。
今作は演技力が高いキャストを配した上に、演技を殺した芝居をさせているように思えた。劇伴はほとんどなく、彩度の高いものは写らないし、終わり方も、そもそも映画自体が水の中にあるような。これが江戸川区か?こういった作品は他にもあり、成功もしているが、今泉監督がやらなくてもいい気がするし、進化の過程とすれば不十分。
とういった順序で撮影しているか不明であるが、序盤は普通の会話をしているし、かなえが泣き崩れるところはつながり悪いし、悟の語りは長すぎて単調だ。映太が少しせりふを咬んだのをそのまま使ったのは良かったのに。深いプールのそこなのに、一部は波がアリ、一部は海流があるような感じ。
そして、たばこがやっぱり登場する。今までは、喫煙所から話がころがる映画だったのに、今回はたばこが全く出てこなくても問題なし。隆之の喫煙するタイミングは、キツイ銘柄をすっているワリには、ニコチン中毒者のそれではなく、井浦新はちゃんと肺には入れてない。たばこシーンを批判する、僕に対する挑発じゃなかろうか(自意識過剰)。原作ではどうなんだろう。
物語としては好きな分野なので、原作は楽しく読めるかも知れないが、今作は何かが欠落しているのだ。沈んでいくのは、池や風呂くらいで、1mもない。僕が見たいのは、Get Outでダニエル・カルーヤがかけられる呪いみたいな、底が知れない静さ、暗闇、孤独なのだ。
それではひとつ聞きたいのですが、人をわかるってどうゆうことですか?
今泉力哉監督の描くミステリー。まあそれで間違いはないのだが、謎解きというよりも人間の心の奥底にしまい込んだ何か(過去、嘘、本当の自分、、)を問いかける物語。映画の中のセリフは、誰の発言とも限らず、今泉監督によって柔らかく伝わってくる感覚がある。それはときに、物語の中のセリフなのに、あたかも自分への言葉のように。
「日本では年間85,000人の人が失踪しているんです。」と探偵山崎は言う。調べると確かに、警察庁発表『令和四年における行方不明者の状況』において、「令和4年は、統計の残る昭和31年以降で最少を記録した令和2年から2 年連続で増加し、8万4,910人(前年比5,692人増加)となった。」とある。前年比増加率が6%を超えているってことにも驚きを隠せないが、まあそうだろうなと頷いてしまう自分もいる。自分でも時たま、このまま何もかも捨て去ってしまえばどれほど気楽かと思うこともあるからだ。でも、実際はその選択はないのだが、何かしらのキッカケや背中押しがあれば、あり得なくもない。
映画鑑賞の後に、原作漫画を読んでみた。当然、映画のセリフと同じセリフばかりなのだが、結末を知ったあとに読む言葉の数々は、すべて結末を示唆したフラグにしか思えなかった。それはネタバレを知ってしまったうえでの興ざめとかの類ではなく、ほらここで君(かなえ)は無意識のうちに真相に気づいているじゃないか、というじれったさ。当然それも、鈍感さに対する苛立ちというよりは、手を差し伸べたくなるような歯がゆさに似てる。
山崎が言う。
「結局ね、わからないことをあれこれ考えてもしょうがないんですよ。わからないことはわからないし、わかることはそのうちわかるでしょう。」
投げやりのような、関心のないような、そんな他愛のないようなセリフでもあるが、これがまたとても愛情深く聞こえてくるのだから不思議だ。
そして続けて言うのだ。
「奥さん、あなたはどうです?あなた自身のことは彼にわかってもらえてたんですか?」
この言葉を目にした瞬間、強く胸を叩かれた。
ふと、是枝監督のテレビドラマ「ゴーイングマイホーム」の中で宮﨑あおいが、失踪した旦那加瀬亮を突き止めた時の場面を思い出した。加瀬亮の理由は、この映画の中の瑛太とは違っていたが、一度は信じた男が自分から気持ちも含めて離れて行ってしまった女の表情という点において、真木よう子と宮崎あおいの顔は、同じだった。
サブじいの言葉が頭をよぎる。
「どう見えるかということは、何をするかということとあまり関係ないことだからな」
世間の人付き合いの真理だ。そして僕が人付き合いが下手で、友達も少ないのは、これに気づいていてるから人に頼ることをしたくないからなんだろうなって、思えた。
自分自身に向き合いながらも誰かに委ねることを問う作品かと思います。
今泉力哉監督の作品は流れる空気感と言うか、世界観が結構好きなんですが、今作も気になっていた作品なので鑑賞しました。
で、感想はと言うと…良いすね♪
独特の世界観でゆっくりと流れる時間。台詞もBGMも光量でさえ、最小限で留めている。和食のような素材の良さを活かす感じで味付けは素朴な感じ。
空気感すらご馳走に感じる味わいは他の方も仰られてますが、文学のような味わい。
ここに昔ながらの薪で沸かす銭湯が舞台と言うのが良い。個人的にはひとっ風呂浴びた後の瓶のフルーツ牛乳やコーヒー牛乳、マミー等をグビッと味わうシーンがあったら文句無しw
原作は未読ですが、漫画が原作と思えないくらいに淡々とした世界観に今泉力哉節が活きている。
個人的に好きなのは場面転換の暗転が多用されていて、何処か演劇のような雰囲気も感じるんですよね。
夫の突然の疾走と謎の男の訪問と突然の就労。近所の女の子の事件とそれぞれの過去の想いと回想。
それぞれの出来事は鷹の爪や山椒のようにピリリと辛くも刺激的な切っ掛けであるけど、それが邪魔している感じはしない。
あくまでもアクセントになっているのが心地好い。
だが、かなえの心の奥底には静かにそして時折澱むかのような水流(アンダーカレント)が存在している。
今泉力哉監督とメイン脚本を担当されている澤井香織さんと組み合わせの妙に日常の静かさと誰もが心の奥底にある水流との対比が文学的なのではないかと。
プロレスで言えば、アメリカンプロレスでもハイスパートレスリングでも無く、キャッチアズキャッチキャンのランカシャーレスリングのような味わいと言うか…って解り難いですねw
真木よう子さんに井浦新さん。リリー・フランキーさん、永山瑛太さんと隙の無いキャスティング。
井浦新さんは自分が観る作品に御目にかかる機会がホント多いけど、良い味を出されているんですよね。
また、探偵の山崎役のリリー・フランキーさんが良い感じ。
雑多な探偵と想いながらも徐々に味わいと独特のニヒリズム漂う山崎が良いんですよね。遊園地のシーンやかなえと悟を引き合わせた海辺のカフェでのコーヒーの配膳の振る舞いなんてシブ過ぎ♪
また、カラオケ屋でのダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「裏切り者の旅」を歌うなんて、変化球かつ皮肉が効いているのが良い。
ただ、個人的に感じた難点も無きにしもあらずで、ラスト30分ぐらいからの伏線の回収と言うか、それぞれの切っ掛け回収はちょっとどうかと。
特に悟の行方が判明した件は良いとしても、2人を引き合わせて、悟が失踪した理由を明らかにするのは個人的にはちょっと余計と言うか、戴けない。
かなえと山崎が悟との待ち合わせ場所に向かうところで止めていても良かったと思うし、ここは観る側の考察に委ねた方がスッキリすると言うか、“らしい”んではないかなと。
悟の今までの葛藤や理由を明らかにされてもちょっと勝手に感じるし、冷静に考えるとなかなかメンヘラでサイコパスなんですよねw
まあ、そうすると永山瑛太さんが回想のみなのでなかなか贅沢な使い方になるんですがw
かと言って、重油ボイラーをもらいに行った先の意味深な火災とか本筋に絡みそうで絡まない出来事もあり、ラストのかなえが犬の散歩をする後ろでストーカーのような絶妙の距離で付いていく堀との描写は観る側に委ねる素敵なラストだからこそ、余計にラスト手前からの回収パートは個人的には少し残念かな。
劇中で「自分は嘘つきです」と言う台詞があるけど、自分を正直者と言う人ほど、嘘臭いと思えるし、台詞にするとちょっとこっ恥ずかしくなる。
自分自身が時々分からなくなる時だってあるのに、ましてや家族と言えど、他者が分からないなんて、普通と言えば普通。
誰しもが自分の心に対しては当事者のようで何処か門外漢なのではないかと。かなえや堀、悟は赤裸々に語れば語るほど門外漢な自分の心との葛藤を悩まされるが、そこに居る人との距離が嬉しかったりするんですよね。
だからこそ、ラストが心になんか染み入ります。
143分と言う上映時間は長いと言えば長い。でも、鑑賞中の時間がなんか心地好く贅沢な時間にも感じる。
薪割りのボイラーの銭湯(また、中の湯船の周りの装飾が良いんだコレが♪)。飼い犬。たばこのピース。縁側。どじょう。ボイラー室の横の休憩部屋。近所の人との交流。エトセトラエトセトラ…と素敵なモノが詰まっている。
慌ただしい日常の中で、雲の流れを見ていたり、川側でゆっくりしてみたり、窓の外を見ながらお茶を飲んだりする時間を贅沢に感じ味わえる人で映画は劇場で観る主義の方なら余計に好きな作品ではないでしょうかとw
なので、是非劇場で味わって欲しい作品かと思います。
人を分かるとは
その人に表れた面から定義をするレッテル張りなのだろう
自分の心にさえ向き合わないように暮らしているのだ
嘘で繕う生活に耐えられなくなった男
癒やしようのない傷を共にすることを選んだ男
真木よう子、井浦新、そしてリリーフランキー!皆良い
細野さんの音楽も
100人/日
希死念慮が付きまとう出だしで、原作は未読だが今作は逃れられない何かを引きづる話だろうと想像する
とはいえ、今泉節もちょいちょい差込まれる 特にリリー・フランキーのおとぼけコメディリリーフは絶品だ それと対を成すかのうような康すおんの爺さん役は始め高名な落語家なのではと見紛った程、独特の節回しがやけに心地よい
父親を亡くし、旦那が失踪し、自分の周りからどんどん大事な人が消えていく憂き目に遭う主人公の喪失感を十二分に表現している真木よう子の演技力はキラリと光る そう、今作は配役が絶妙にピタリと嵌るキャスティングなのだ
1/2の負けの方は、卓球映画『ミックス。』の引用だろう(苦笑)
そして赤ちゃんの仇名は作家町田町蔵ではなく町田 康のギャグ まぁ本筋には全く関係無いところにスルリと入れ込んでくる(苦笑)
本題に戻るが、そんな幽霊的生き方をしている風呂屋にふらりと寡黙な男が求職に訪れる 抑揚を抑えた、何かスネに傷持つイメージを掻立てられる佇まいは井浦新の真骨頂だろう
そして、薪でくべていた燃料を重油に変更する際の器具を貰う約束をしていた別風呂屋の亭主も失踪し風呂屋はボヤ騒ぎを起こし、益々尋常じゃない雰囲気を醸し出す 一種のホラーかも知れない そしてクライムサスペンス張りに常連客である小学生女子が事件に巻き込まれ失踪する(最悪の事態は免れるが)
そこで主人公は初めて観客にその希死念慮の原因を訥々と表明する
そこからは怒濤のクライマックスへと疾走感がストーリーに彩りを付けていく
見付かった夫は"虚言癖"のサイコパスだったことを自ら吐露する 虚構で生きている男は、"子供"だ"ボイラー”だという現実が湧き出るからこそ、あの苦い顔を一瞬表面化する あのシチュエーションは今作の白眉であろう
人は表面のみで他人を判断する 知った振りをする イメージを落とし込む 本当の自分は水の底にしかない 主人公の小さい頃の壮絶な出来事は確かに異様でありトラウマとしてはこの上ない 自分の代わりに毒牙に懸かった顔立ちが似ている友達 その友達はいつも兄が迎えに来ていた その兄を含めた家族も又喪失感に苛まれ一家離散の憂き目に遭う
その兄が不気味な男であり、同じ傷を抱えた主人公に引き寄せられたのだ
本当に不思議で、でも『仄暗い水の底から』寄り添い共存できる関係を構築できる可能性を示唆したテーマなのである
どじょうはそれ程好きではない事実も、黙っていれば誰も気付かない
それでも、本当の自分をせめて米粒ほどでも知ってくれる人が傍にいる そんな幸せを、ラストの微妙な距離感で犬の散歩をしている2人に祈りたい、そんな想いに胸がいっぱいである
※題名は一日の自殺者数
淡々と
好きとは違う感情
何だ、そういう事か
彼が辿ってきた人生を考えると苦しくて辛くて、鑑賞後しばらく動けなかった
今度は本当に分かり合える人の予感
静かなエンディングが、穏やかな日常になりつつあるのを予想して
兄弟のような恋人のような…
今泉監督にしては薄味かな
全体的にストーリーが薄いため感情移入しづらいのが残念でした。あえてかもしれませんがテンポが遅すぎる。ついつい眠くなる。90分くらいにまとめても充分な内容を無駄に引き伸ばしているような気がしてまたまた睡魔に襲われる。やれやれと思いきやエンディングがこれではまた観ようとは思わないと思います。残念😢
110
原作はマンガなんですね
見ていてストーリーが無いなぁ~と感じていましたが、鑑賞後に原作がマンガと知って、私の好みに合わない訳だと分かりました。真木よう子さんの世界観全開ですが、143分と長いので、途中で飽きてしまいました。
リスペクトしながら映画にしていた
原作通りではあるんですが、重たく見ごたえのある文学作品に仕上がってたなというのと。
最後終わり方が、原作からわずかに変えていて、これが実は原作に感じていた不満を解消するものだったので、実によかった。
今泉監督の原作を大事にし、裏まで読み取ってリスペクトしながら、映画としてきっちり仕上げる姿勢が好ましい。
どこが文学的かと言えば、タイトルに表れている。
<Undercurrent>=「心の奥底に流れるもの」
人間は表層的に表す感情や口にする言葉ではわからない、心の奥底に本心を…いや、本心よりも深いところに自分自身で封印していた秘密や記憶、自分自身わからなくなっていた本音を隠して生きている。
その本音の生々しさ、怖さ。
そしてやさしさ。
皆、自分を偽り、傷つかないように身を守っているつもりで、実は自分を傷つけている。
ささいな嘘をついたこと、それを思い出しながら観ると染みてきます。
嫌いではないが、💮はやれん
前半はダラつくかな。流されてるようで作られてるようで…だからなんなのよ。
中盤から後半にかけて、あれやこれや出てくるがモヤっとして輪郭がにじむ。これも演出のうちかな。
犯人、お兄ちゃんじゃないの?って思ったり。
俺史上最高の漫画作品の実写化
俺史上最高の漫画作品の実写化とあって、観ない手はありませんでした!
たった1巻の漫画で2時間半もの長尺なので、全部の話を入れるかと思いきや、まさかのギャグシーンをほぼカット。漫画では余白で表現していた沈黙や「無」の時間を、リアルタイムで映像にしています。15分くらいで読めた内容が、映画では1時間くらい回してます。
スローモーションの演出や音楽は、「そうそう、これこれ」って感じで、原作ファンとしては完璧かと。
ただ、人にオススメするかというと微妙なところも。過去をことを思い出す件でロビーに出たり入ったりが、漫画だとリズムよく進んで読みやすかったですが、実写でそのままやると「これいつ終わるんや」って感じちゃいます。
ある男(たち)
来月には元アイドルと同居する井浦新が、真木よう子と同居する話。
穏やかで、下心を感じさせない佇まいがこういう設定で重宝されるのでしょうか。
正直、驚くような事件や秘密はない。
過去の事件も現在の少女連れ回しも詳細は明かされず、犯人が映ることすらない。
夫の失踪理由も、分かるような分からないような。
堀の正体は、かなえの過去が描かれた時点で察しがついてしまうし。
それでも、“本当の自分”と“相手を理解すること”についてはしっかり描かれていたと思う。
終盤のどじょうの件は、非常に示唆的で上手い。
自分はもともと“本当の自分”なんてあってないと思ってる。
例えば、相手への信頼や好意や忖度から自分の欲求を曲げることは、自分を捨てることだろうか。
それもあくまで、“自分”の選択ではないかな。
“噓”もまた真実。
真木よう子は台詞回しが少しわざとらしかったかな。
反面、病み上がりの縁側での足元の芝居と遊園地で振り回される姿が非常に可愛らしかった。
井浦新、リリー・フランキー、瑛太は安定だが、タバコ屋の爺さんも良かった。
江口さんの役名、字面まで『菅野よう子』って。笑
やや長尺ですが、主に山崎が適度に笑わせてくれるので飽きずに観られた。
個人的には、その後の関係性がどうなるかをもう少し匂わせて欲しかったです。
堀の件と旦那の件に関わりがなかったのも少し拍子抜けでした。
ストーリーもキャスティングも、すっごく良かった! 見終わった後の満...
ストーリーもキャスティングも、すっごく良かった!
見終わった後の満足感もすごくてなんだろうこの気持ちって思ったら、
【愛がなんだ】の人たちが作った作品だった
どうりで!
空気の流れ方も、あいまに出てくるコメディー要素も、
なんかとにかく好き
4.5に近い4
異質な2つの物語を1つにまとめたことで「据わりの悪さ」を感じてしまう
夫婦であれ、親子であれ、相手に自分のすべてをさらけ出して生きている人はいないだろう。相手に伝えていないのは、必ずしも「秘密」とか、「隠し事」とかではなく、「敢えて相手に伝える必要はないだろう」といったレベルのことも多いに違いない。
それは、相手も同じことで、そういう意味では、お互いに100%分かり合えることなどあり得ないし、あくまでも自分の知っている範囲内で「相手を分かっている」と思うしかない。
ただ、そこには、「自分が知りたいと思うことしか知ろうとしない」という作用も働くはずで、必然的に、主観的で独りよがりな思い込みにならざるを得ないのでないか?
そんなことを考えながら映画を観ていると、途中から、どこか「据わりの悪さ」を感じはじめる。
最初の頃は、突然失踪した夫と、風呂屋を手伝いに来た男にまつわる2つの謎を軸として物語が進んでいくのかと思っていたが、突然、主人公が、過去の殺人事件のことを思い出して、その違和感に戸惑ってしまう。
そもそも、いくら「忘れてしまいたい」と強く願っていたとしても、そんなに綺麗さっぱりと過去の出来事を忘れ去ることができるのだろうか?「自分のことは、他人のこと以上に分からない」といったことを描きたかったのかもしれないが、それにしても都合がよすぎるのではないか?
しかも、夫の失踪と過去の事件とは、結局、何の関わりもないのである。
さらに、終盤で明らかになる夫の虚言癖は、明らかにパーソナリティに問題があると思われ、過去の忌まわしい出来事を封印しようとしていた主人公や手伝いの男の秘密とは、まったく事情が異なると言っていい。
「相手のことを、分かっていると思っていても、実はよく分かっていない」ということを描きたかったはずなのに、その相手が、息を吐くように嘘をつくサイコパスでは、「分からないのも無理はない」ということになってしまうのではないか?
いずれにしても、夫の失踪と過去の事件とはまったく関連性のない話だし、鍵を握る男のキャラクターも異なるので、それぞれを分けて、別々の物語として描いた方が良かったのではないかと思えるのである。
ずっと薄気味悪い
銭湯を営んでいた夫婦の旦那が失踪。手伝いにきた優秀だが寡黙な謎の男。一癖ありそうな友達。その友達から紹介された胡散臭い探偵。
キャストがみんな何か怪しい気がして、序盤から疑心暗鬼に…(笑) 監督の罠!?
水に沈む映像が繰り返し流れて、何かずっと薄気味悪い。
テーマだったり、話の流れが若干「ある男」に似てる気がする。
繰り返し流れる水中の映像や、旦那に関する部分は決着するものの、全部スッキリ終わるわけではないので好みは分かれそう。
みんな何か達観していて、衝撃的なことがあっても割と淡々と進む。
セリフも多くないので、登場人物の心情を推し量る必要あり。
最後まで「人を分かるとはどういうことか」という探偵の言葉がつきまとう。
個人的にはもう少し具体的なエンディングが良かったかなー
余韻とか、説明のない部分を想像するのが好きな人にはオススメ。
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