アンダーカレントのレビュー・感想・評価
全128件中、101~120件目を表示
心の奥底に潜むのは、封印した記憶と忘却したい過去
父親が遺した銭湯を夫と営んでいた
『かなえ(真木よう子)』は、
ある日夫の『悟(永山瑛太)』が突然失踪したことにより、
一時営業を中断していた。
が、再開したタイミングに合わせるように
組合から斡旋された寡黙な男『堀(井浦新)』が現れ
住み込みで働くように。
二人の息は思いのほか合い、
手伝いの叔母との三人による営業も順調に見えた。
しかし、友人に紹介された探偵『山崎(リリー・フランキー)』に
『悟』の調査を依頼したことから、
知ることの無かった夫の過去が浮かび上がる。
『山崎』が発する「人をわかるって、
どうゆいうことですか?」との言葉が象徴的。
主人公に向けて発せられたそれは、
とは言え実は多くの人に当てはまるだろう。
いや、他人どころか、
人は自身のことさえどれほどわかっているのか。
まさしく冒頭に示される
「心の底流(アンダーカレント)」は言い得て妙。
失踪した人間が抱える秘密とのプロットは
かなりありきたり。
ましてや本作で吐露される中身は
本人にはいざしらず、傍目からは軽めに思えるもの。
一方、その結果として炙り出される二人の過去の方がはるかに強烈で、
他作とはやや構成が異なる仕組み。
『かなえ』には幼い頃から繰り返し見る悪夢があり、
それは彼女の意識の底に押し込められた忌まわしい記憶から来るもののよう。
また『堀』にしても凄惨な体験をしており、
それへの強い思いが彼を突き動かす。
〔湯を沸かすほどの熱い愛(2016年)〕と近似の設定。
しかし主人公に子供はおらず{ファミリームービー}でもない。
主要な三人にまつわるエピソードが積み重なり明らかにされるたびに、
観ている側は陰鬱な気分に。
落ち着いた語り口も、展開される世界観はダークミステリー。
淡々と描写されるため強烈な衝撃はないものの、
彼女や彼等が背負う過去は
あまりに救いのないもの。
とは言えラストのシークエンスは
希望を持たせるものととらえたい。
膿を出し切った後の傷は生々しくとも、
次第に痕がふさがって行くように。
川の底流と共に渦巻く人間の感情に浸る作品
真木よう子演じるかなえが銭湯を昔からの
従業員のおばさんと2人で経営していた
ところから、日常のありふれた生活に見える
序章でした。
しかし、夫である永山瑛太演じる悟が失踪していたと言う事情を知って喪失感や寂しさを感じ始めて見ました。
線を描くようなコントラスト、人間の表層心理と深層心理、2つの感情があるように
思いました。
かなえが水に沈んでいくシーン。
同じ夢を見て、苦しくうなされるシーン。
小学生のときにあった心的外傷となった大事な人の死。
銭湯に突如として訪れた井浦新演じる堀は
かなえに亡くなった妹を重ねて見ていたと
感じました。
髪を束ねた赤い糸。
ガラスに映った2人の姿。
あやとりを手にしながら遊ぶ2人の女性たち。
乗りかかった船だと最後まで探偵の仕事を
やり遂げたリリー・フランキー演じる山崎。
抑えた演技のなか、静けさと激しい感情が
混在しているように見えたストーリーでした。
かなえの家から失踪していた悟は、偽りの人生を生きていたとかなえは既に知っていた
けれど、何故、失踪したかについては
悟自身も分からなくなっていたように
思いました。
初夏の季節から始まり、最後は晩秋の季節になっていました。
海辺の店で2人で話した後に、かなえが悟の首にマフラーを掛けるシーンは、かなえ自身、悟を恨んだりしてない気持ちが伝わってきました。
かなえもみんなも死にたいと思っても
孤独や哀しみを乗り越えて、生きていく
水面に射し込む光が、未来を表現していました。
堀はかなえを近くで支えながら人生を歩み出すのか?
2人に温かく寄り添う気持ちで観終わりました。
よく分からなかった。リリー・フランキー主演で「探偵ヤマサキ」をシリーズ化してほしい。
<アンダーカレント>低流、下層流→人の心の奥底、
「人の心の奥底をわかることが人を分かることなのか?」
「人を分かるとは」 何か?どういうことか?を突き詰める映画であることまでは分かった。
そのあと、「人は人を分かれるのか?」「人はおろか自分のことは分かっているのか?」
そして、「そもそも ”わかる” とは何か?」という辺りでほぼ降参。
「わかると理解するは違うのか?」。「わかる」を国語辞典で調べて何となく「そうか」と思った後、和英辞典で「わかる」を調べて、「わかる」の意味が多岐にわたることを知るに及んで万事休す。頭から湯気が出始めたところで考えるのを諦めて終了。
脳みその容量足らなくて沸騰して蒸発してまうから「アンダーカレント」の考察は皆んなのレビューに任せるヨ。
それよか気になったのは、探偵の山崎。喫茶店の待ち合わせで登場したとき、あまりの胡散臭さに思わず吹いてしまった。彼は海辺のテラスでコーヒー煎れていたが、実は広尾でPIANOという名前のカフェもやってる。
ウサン臭くてこんな魅力的なキャラクターを今回限りで終わらせるなんてもったいない。
僕がお気に入りの江口のりこさんは、山崎に怪しげな案件持ち込む役で。
ワンコを忘れていた。
「薪割り」
今年185本目。
薪割りの銭湯珍しくていい。何十年続いている銭湯だとリニューアルする所もありますね。昔ながらの銭湯も木のぬくもりがあって何年かに1回銭湯に行きますが、足伸ばして入れるのは気持ちいい。リリー・フランキーが昨日「アナログ」見て今作も。落ち着いた雰囲気が好き。
人をわかるということ
人当たりが良く、優しく、家庭でも良きパートナーだった夫が突然失踪したことから始まる物語。
約2時間半という長尺で語られるのは、相手を知ることの難しさ。少しずつ明らかになる夫の「本当の姿」から、主人公も自身の根底にあった感情を思い出していく。
ゆっくりじっくり淡々と進んでいく作品ですし、特に大きなハプニングやサプライズが起きるわけでもない。登場人物も、普通の人がほとんど。だからこそ、繰り広げられる会話ひとつひとつに、自分はどうかな…と反芻したり余韻を楽しんだりできました。
ラストはどう捉えれば良いのかな。味わってみます。
あと、ワンコが可愛かったです。
かなり特殊な見方ではあろうと思うのですが…。
今年341本目(合計991本目/今月(2023年10月度)6本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
今日(7日)は本作品を含め4本見たのですが、その最初の作品になります。
まず結論から先に書くと、「気になる描写もあることはあるが、その点どこまで突っ込むのかが微妙」という点に大半つきます。
ストーリーとしては、公衆浴場を営むある家で失踪する事件が昔あり、その失踪している方を探そうとする方、探されようとする方との関係、また公衆浴場に関しての描写もあるなど、割とジャンルとして何なのかが微妙(2月だったか3月だったか、公衆浴場ばっかりずっと描いていた映画があったと思うのですが…←何だっけ?)な映画ではあります。
どうしても法律系資格持ちは一定の語(この映画だと、探偵業や公衆浴場といった反応するような語)が出てくると頭の中を切り替えてみるのですが、そうしてみると逆に調査不足なのか明確に変な部分もある一方、ストーリーを優先させたと思われるフシがある点、また、「そこまで突っ込むの?」というようなところもあったりとこれまた採点が難しい印象です。
この3連休、映画の数自体はかなり多く、本映画は実は2.5時間枠で(3時間はいかないが、2時間は超える)、どうしても他の映画との「接続」が難しい実際上の問題もあり、対抗以下の評価なのかな(競馬新聞ではないけれど)といったところです。
ただ、以下の採点/評価は、法律系資格持ちの立場という特殊なところからくる点は先に断っておきます。
---------------------------------
(減点0.4/探偵業と戸籍について)
探偵業者は探偵業法で一定の縛りを受ける特殊な職業ですが、戸籍の開示や取得について何ら特例を与えられているものではありません。戸籍の取得請求ほかは本人であれば本人の身分証明書など、依頼を受けていれば委任状などが必要で、そこでその本人の印鑑が入った書類が求められますので、ここの点でアウトです(映画内では勝手に持ってくる)。
もっとも、この点を厳密につつくと映画が進まなくなるという別の問題を抱えるので(しかももとが2.5時間と妙に長い)仕方なしかなという気はしますが、戸籍の問題はセンシティブな部分もあり、誰でも彼でも(勝手に)開示されてしまうんだということではないので注意です。
(※) 弁護士を頂点としたいわゆる「法律隣接職」(行政書士も含む)は、その職務の範囲でのみ戸籍の取得請求ができますが(職務上請求という)、これにはちゃんとした理由を示したものが必要で、勝手にやると各種業法でアウト(かつ、戸籍関係の不正取得は基本的に一発レッドカード・退場扱い=廃業勧告ほか)です。
(減点0.4/公衆浴場に関する考察が雑に過ぎる)
日本では職業選択の自由が憲法で定まっていて(憲法22条の1)、そのうえで例外として「資格がないとなれない」(弁護士、医師など)のほか、「道徳観からくるもの」(たとえば、助産師は女性でないとなれない)ほかはありますが、基本的には自由です。
しかし戦後の混乱期には職業選択においていわゆる「重なり合い」が生じたのも事実で、その一つがこの「公衆浴場」です。現在でも各都道府県の条例で、地域ごとにおいても違いますが、「既存の公衆浴場から何m以内だと新規開業できない」というものがあり、しかもこれは現在でも有効な最高裁判例です(平成元年ほか)。
※ 薬局の距離制限ほか違憲判決で確定してなくなったものとは異なり、「公衆浴場」については現在(令和5)でも規制は受けます。
しかもその最高裁の判旨は「既存公衆浴場業者の経営の安定を図ること」ですので(平成元年3.7)、かなり「既存業者に寄った」判例であるのものが今も生きているわけです。
すると、そのように現在(令和5)においておよそ「経営の安定を図る」ことのメリットが見出せない現在においても有効な現在の規制において、既存業者は最大限の努力をするべきなのであり、そこで失踪するだのしないだのという「身内の話」であれこれもめるというのは、新規開業者の邪魔をするだけの存在になりさがるのであり、最高裁判例の趣旨を没却するにほかならないという点において明確に描写不足ではあります。
※ もっとも、こうした論点も特殊で、しかも「公衆浴場」というある意味特殊な職業をわざわざ描くというのはそれなりの理由もあるわけで、ちゃんと調べると「原作小説によるもの」ですので、仕方なしと思う部分はあるものの、ちゃんとフォローは入れておいてほしかったです。
最後は感動させられてしまった。たいしたものだ。
洋画ばかり観ていたので、反省の意味を込めて(日本映画に頑張って欲しい)この邦画を鑑賞した。勿論、高評価のレビューが多かったからでもある。
淡々とした日常生活の描写が続き、寝てしまった。しかし、3分の2を過ぎたあたりから、物語が急に動き始め、タイトル通りとなった。それまでが我慢の映画だ。監督、役者の演技に感心した。その後、これは原作の漫画が映画以上に素晴らしいのではないかと思えてきた。電子書籍の試し読みだけであるが、私の直感は当たっているように思える。一度、読んでみよう。
罪悪感は消えるのか?
今泉監督作品は
好き嫌いはともかく面白く観て来たので
今回も期待していた。
原作があるので仕方がないとは思うが
非常に後味が悪かった。
なぜ映画化しようと思ったのか…
【以下ネタバレ】
真木よう子演じるかなえの罪悪感は
堀さんの正体を知った時
より確かなものになるのではないかと
懸念した。
堀は
年の離れた妹への思慕から
同い年で似た雰囲気を持つかなえに対して
愛着を感じたのではないか。
そのかなえが
脅された恐怖心から
事件のことを誰にも話せずにいたことを
堀はどう受け止めるのか…
モヤモヤしてしまい
暗澹たる気持ちになった。
【”人を分かるってどういうことですか。死にたいと思った事はありますか。そして、嘘の人生と真の人生。”複数の関係する男女の、表層心理と深層心理の奥底に秘めた葛藤と真実を静的トーンで描き出した作品。】
■家業の銭湯を継いだかなえ(真木よう子)は、共に店を切り盛りしていた夫のサトル(永山瑛太)に突然失踪される。
暫く、店を閉めていたが再開した日にホリ(井浦新)という男が、住み込みで働かせて欲しいとやって来る。
◆感想
・夫に失踪されたかなえを演じる真木よう子さんの抑制した演技が、印象的である。
ー かなえは、前半風呂に背面から落ち、伸びてくる腕に首を絞められる”夢”を度々見る。このシーンが今作の大きなキーになって行く。-
・かなえを案じるように、静に銭湯の仕事をこなすホリ。
ー 彼が、抱えて来た深い哀しみも後半分かって来る。前半はイロイロと思索しながら鑑賞する。-
・そして、かなえは久しぶりに会った友人よう子(江口のり子)から夫の行方を探るため、探偵(リリー・フランキー)を紹介される。
ー リリー・フランキー演じる怪しげな探偵が良い。
そして彼はキッチリと仕事をする。明らかになるサトルの過去。
彼は両親を早くに失っていたと話していたが、皆嘘で、両親は2年前に火事で焼死。
深まる謎。-
・店の常連客の子供が誘拐され、かなえはを記憶の中で封印して来た過去の哀しき出来事を思い出してしまう。それは、仲の良かった女の子がかなえと遊んでいる際に、誘拐され殺されてしまった事件だった。
ー ここで、水面に背面から落ち、伸びてくる腕に首を絞められる”夢”の原因が明らかになるのである。かなえが押さえ込んでいた深層心理の奥底にあった真実。-
・更に、探偵により見つけられた夫サトルとかなえとの海辺の喫茶店での再会のシーン。
かなえは詰ることなく、サトルの話を聞くのである。
”小さい頃から、ごく自然に嘘を付いてしまう。会社を同僚の罪を被って辞めたのも嘘。あれは僕が仕組んだ事。”
”では、私への想いも嘘だったの”
”違う。君への想いが本物になってしまいそうだったから、逃げたんだ・・。”
ー サトルは、人間としては破綻しているように見えるが、多くの人も虚実入交の人生を送っているのではないか・・。-
・ホリの正体を暴いたタバコ屋の銭湯の常連さんのお爺さん(康すおん)。
”ホリが黙って姿を消そうとしたときに”何で戻って来たの。お兄さん。”と声を優し気に掛けるのである。
ー ホリは、かなえの親友だった女の子の兄だった。そして、偶々見かけたかなえの後を追って来たのだ。だが、彼にかなえを害する気持ちなどなく、逆に自分の亡き妹だと思って接してきた事が、かなえと夕食を共にしたときの、嗚咽する姿で分かるのである。-
■ラスト。ホリはいつものようにかなえと愛犬と散歩に出る。
但し、彼はそれまでと違い、少し後からかなえを守るかのように、歩くのである。
沁みてしまったシーンである。
<今作の解釈は多数あると思う。
上記の私のレビューは、私が鑑賞して感じた事である。
私は、今作は、”人間が虚実を抱えながら生きる中で、心の中に有る真の真実を描いた作品ではないかな。”と思いながら、劇場を後にした。>
ほんとうの自分はどこにいるの?
今泉力哉監督らしい静かな演出は本作もにじんでいて、寄りと引きのカットのバランスは好きです。対話も妙、セリフの味わいもあって、実生活にじんわり余韻を残しそうな感じの対話もありました。今回は一連の作品よりもさらに静かな演出で、落ち着いて入り込める展開は好みです。カットを切るタイミングももう少し聞きたいというところで暗転するときもあって、余韻を感じます。
真木よう子も演じる女性は勝気なようで繊細、トラウマを抱えた女性を自然に演じているし、井浦新の演じる男性もなぜここに来ているのか?という点も少しミステリー感あり。
夫がなぜ失踪したのか?というところもそれほど具体的な理由があるわけでもない。本当のことを話すことがいかに難しいか?夫婦という一番近いような存在でさえ、本当の自分をみせていないのではないか?いやそもそも本当の自分をみせながらでは人間関係は築くことは難しいのではないか?お互いいいところを見せあって生きていっている部分が多いのではないか?そんなことをいろいろと考えるきっかけになる映画です。
といっても、最後辺りのカットで、真木よう子演じる女性が有言実行で、思いっきり永山瑛太演じる男の頬をひっぱたくシーンがみたかったです。
皆んな嘘つきなので感情が爆発しない。
真木よう子演じる、かなえは夫婦で銭湯を営んでいたが、突然永山瑛太演じる旦那が失跡してしまい、一時休業していたが、おばさんと2人で営業再開。すると、そこへ銭湯組合に紹介されたという、井浦新演じる堀がやってくる。
この話、ラブコメかと思ってたのに全然違ってました。真面目な話で、スクリーンは対面の会話ばかり、それも本当の気持ちや事実を話さない人ばかりのせいか、会話の内容が中途半端で、メリハリ無し。あ、何か話すかと思ったら、シーンが変わってしまう繰り返し。ずっとモヤモヤ。旦那は何故?堀は何故?かなえは何故?伏線回収がなくはないんだけど、半分も納得できなかった。最後も、こんな終わり方!?ま、リリーフランキー演じる探偵はソコソコ楽しかったけどね。
偽る男たち。
夫婦で共同経営してた銭湯、ある日旦那が失踪してしまった話。
失踪で一時休業してた銭湯、営業再開するとそこへ突然現れた男(堀)、銭湯組合の紹介で銭湯での仕事をやりたいと…住み込みで働く事に、旦那失踪を調べる追う妻かなえと、謎の男のホリ…この町で起こった過去の事件で繋がってる二人だった…
旦那失踪の謎、突然現れた堀、銭湯組合のオッサンのセリフ「この銭湯で働きたいと言ってた(堀が)」堀のセリフ「組合からの紹介で」ってワードでこの先どうなるんだこのストーリーは?で一気に引き込まれました。
ベースはミステリーだけど、江口のりこ演じる友人よう子がかなえに紹介した胡散臭い探偵山崎(リリー・フランキー)、その山崎の調査報告が合間合間に入るんだけど、そこが何か個人的ツボでミステリーだけどちょっと山崎のセリフや仕草、行動が何か笑えていいアクセントになってたなと思いました。
で?かなえと旦那は山崎のお陰で再会出来たけど、失踪の理由はうやむやのまま?(笑)
個人的に思ったのはかなえさんってこれから相手が大事な話をしようとする時、旦那の時も堀の時もだけど必ずかなえの方から話をして話を相手にさせない感じに見えたんだけどこれ原因!?(笑)
ちょっと
だらだらしてるなぁ、ここ2、3本とのキャストかぶりもちょっと・・でもリリーさん最高! あと真木よう子さんは新鮮、ちょっとコメディ成分も有って良かった。原作はコミックだそうで、思いの外静かだし、難しいなぁ。
人を分かるってどういうことですか ?
かなえを演じた真木よう子さんの表情が色っぽく魅力的。
心に辛い記憶やわだかまりを抱えて生きる姿を、真木よう子さん、井浦新さん、永山瑛太さんが演じる。
探偵山崎( ヤマサキだけど、ヤマザキでもある )をリリー・フランキーさんが魅力的に演じる。軽妙さと鋭さと温かみある人物を、柔らかな演技で魅せる。
ポツリポツリと語る悟( かなえの夫 )を演じた永山瑛太さん、江口のりこさん( かなえに寄り添う友人 )、康すおんさん( 煙草屋 )、実在してそうな演技はさすが。
堀( 井浦新さん)が嗚咽するシーンが胸に迫る。
ゴールデン・レトリバー君も好演でした 🐶
ー人は皆 本当の事より心地いい嘘が好きなんだ
映画館での鑑賞
これまでのこと、これからのこと、薄日が差してくるような静かな希望
セリフも音楽もそれぞれのカットも、物足らないと言えば物足らない。つまらない、というのではなく、どれもこれも素材としては抜群なのに、何もかもが塩をかけたくなるほど薄味で慎ましやかなのだ。
過剰な演出とは無縁(リリー・フランキーの探偵さんだって、あれほど面白いのに、雰囲気はあくまでも、ふんわりとしている)。
それなのに鑑賞後は、これまでの人間関係のあれこれ、特に配偶者との関係性に思いを馳せることになる。
オレは妻のことを本当に分かっているだろうか。
分かろうとする努力をしてきただろうか。
こういう人だ、と自分にとって都合の良い解釈で決めつけていないだろうか。
(職場の同僚や友達には、実際以上に〝怖い妻〟として印象づけて、付き合いを断る時の理由にしてますが、それとこれとは別のこととして🤭)
来し方(つまりこれまでの接し方)については、ほろ苦さを感じるとともに、行く末(リタイアから死ぬまでの長いのか短いのか分からない老後の生活)については、まだまだやれることはたくさんあるかもな、と相手を思い遣る時間があることに気付かされ、暖かい気持ちになりました。
もし、製作側がこの映画を、〝泣かせ〟狙いでいこうぜ❗️
と安易に流れて作ったのならば、どのシーンも、もう二言三言会話を加えたり絡ませたり、或いは、ハグや泣き顔などの肉体的な感情表現を演じさせたりしたと思います。
敢えて、それをしないさせない脚本と演出に徹し切った監督やスタッフの覚悟と実力を心からリスペクトします。
自分のことすらよく分からないのに、人のことが本当に分かるのか?
いわゆる〝自分探し〟に迷ったり、時間を使ったりするくらいなら、まずは、身近な人のことについて、分かっているのか、分かるとはどういうことなのか、と
立ち返ったほうが、きっとたくさんのことが見えてくる。
ありふれた日常に、静かな希望が満ちてくるような素敵な映画です。
嘘なのか、本当なのか、そもそも本当のことを知っているのか?
嘘をつく。
本当のことを知っている。
嘘は本当でも良くない?
嘘のままが都合がいい。
あれ、本当って何なんだろう?
本当のことを知っているのか?
そんなことを考えさせられた映画です。
役者さんがいいので、時間を感じさせないで鑑賞できました。
出てくる人が皆いい人です。
皆まっすぐな人です。
だから、嘘と本当を真面目に考えさせられた。
あの二人には幸せになって欲しいです。
いや、幸せになれます。
あれ? 幸せって何なんだろう。
幸せと感じることが、幸せである。
本当と感じることが本当で良くない?
アンカレ っじけいゆぱりゆき
原作未読だがフランスでも人気があるそうで、確かにそんな感じ(どんな感じ?)。幼児期の事件でその後の人生を狂わされてしまった人々。闖入者たる夫の失踪、そして身近に発生した子供の事件を媒体として思い出す過去、気づく自らのトラウマ。
終盤のふたつの場面の長回し入りカットバックは見ごたえ十分。タバコ屋の芝居がかったセリフ回しは自分にとってはキワキワだったけど。
真木よう子、もう少し綺麗に撮ってあげても良いのになどと思いつつ。帰宅したらAスタジオで爆笑しておりました。
リリー・フランキーはぴったり過ぎる配役、カラオケのダウン・タウン・ブギウギ・バンドもジャスト。そしておばさん役の中村久美。その昔atgの蜜月ってのを見たなぁと遠い目。変わらずお奇麗でした。
ところで、江東区にあんな丘?と思ったら日野市と出ておりました。
全128件中、101~120件目を表示