劇場公開日 2023年10月6日

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アンダーカレントのレビュー・感想・評価

全128件中、81~100件目を表示

4.5本当の自分

2023年10月9日
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鑑賞方法:映画館

少し前に友人と、「こんなこと言ったらって気を遣われて何も言われないより、何でも言ってくれる人の方がスキだ」なんて会話をしたところでした。
たしかに、「人に求められる自分でいた方がラク」て気持はすごく理解します。

3人の男女がそれぞれに抱えるものを持っていましたが、生活するすべての人を象徴していたように感じました。何もない人なんていませんよね。
離れることを選んだ元夫と、自分の気持を大事にすること、留まることを選んだ堀さんの対比が面白かったです。
そして、留まってくれたことにホッとしました。

「アナログ」に続いてリリー・フランキーさんがコーヒーを淹れていて少し笑いまし

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Eiji

4.5人をわからないと『裏切り者の旅』をするはめに

2023年10月9日
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鑑賞方法:映画館

 今泉監督、相変わらず女優を輝かせるのが上手い。映っている真木よう子に何度、ドキドキしたことか。
 それにダメ男の気持ちがよくわかってらっしゃる。自分で自分のダメなところがわかっていても、どうにもならない。

 この前見た『アナログ』で気になった暗転切替なんだけど、『アンダーカレント』では気にならない。暗転前の余韻と暗転している秒数がちょうどいい感じになっている。これは、匠の技ですね。

 「人をわかるとは?」このセリフには考えさせられた。振り返って自分が、妻のことをわかろうとしているかというと、その日の機嫌をうかがっているだけのような気がする。でも、本音を引き出したらとんでもない言葉が出てきそうで、怖くてできない。やっぱり、自分はダメ男の属性が強くて、逃げた旦那の気持ちがよく分かる。

 『アナログ』に続いて、またもやリリー・フランキーのスパイスが強烈に効いていましたね。歌もうまくて、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの『裏切り者の旅』が心にしみる。絶妙にストーリーと歌詞の内容がシンクロしていて、びっくりでございます。

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bion

4.0台詞に間が多いと 自分自身をミスリード

2023年10月9日
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鑑賞方法:試写会、映画館

原作コミックは未読で行きましたが、序盤に堀(井浦新)が登場し、ランドセル姿の少女を見つめるシーンからワタシの脳内に「もしや」との疑惑がむくむくと湧いてきて、そこに登場する男性陣の口が重くて、セリフを吐き出すまでのその間(ま)が加わって、どんどん勝手にミスリードして、緊張しっぱなしでした。
監督・脚本の今泉さんにしてやられたのか、ワタシが妄想しすぎたのか・・・
コミックを読んでいてストーリーを知っていたパートナー(でも事前に内容を黙っていてくれることに感謝です)に観終えてから教えてもらったら、ラスト部分の方はオリジナルみたいですが、現実に有り得る設定ではないかもしれないけれど、とても面白いストーリー展開だったし、キャストも皆さん良かった。
ただ、悟(永山瑛太)はなんで探偵雇ったのかが分からなかったなぁ。

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ニコラス

3.5他人をわかるということ、自分を知るということ

2023年10月9日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

家業の銭湯を経営する関口かなえは、共同経営者の夫・悟が旅先で失踪してからしばらく休業していたが、常連達の要望を受け営業を再開させた。まもなく、銭湯組合の紹介でやってきた謎の男、堀を一時的に雇う事になった。その後かなえは、探偵山崎を紹介され、失踪した夫の調査を依頼した。悟のウソと事実、首を絞められ水中に沈んでいく夢、堀の素性、などが徐々に明らかになっていき・・・てな話。

他人をわかること、自分を知ることの難しさをあらためて感じさせてくれた作品だった。
知ってるつもり、多分こうだろう、なんていうのは外れてることも多いのに、自分で勝手に都合よく解釈していることのなんと多いことか。そんな事を考えされられた作品で面白かった。
今回も永山瑛太の不気味な男役が合っていた。
真木よう子の不安そうな表情が素敵で、彼女の魅力全開だった。

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りあの

4.5水の音がいろんな場面で変わる映画

2023年10月9日
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鑑賞方法:映画館

これも凄く好き。
ここ半月の間に観た映画は自分的には当たりばかりで嬉しい😆✨

とても静かな映画。ゆったりと時間が流れていく。音のない時間も多い。静かな日常を丁寧に切り取って繋いでいくだけの映画に見えるが、実はその裏で数々の人間が内に秘める(いや、ココでは底に流れると言うべきか)源流とは違う支流とのギャップ、日常の中に潜む非日常、それを誰に起こっても『当たり前』としているのが好き。

真木よう子のことを素晴らしい女優と感じたことはこれまでなかったけど、今作で印象が大きく変わった。久々に再会した菅野にファミレスで失踪旦那の話をする時の表情がリアル過ぎて鳥肌立ったほど。珍しく濡れ場のない真木よう子の真髄が観られる映画🎬

真木よう子と永山瑛太の2人が揃ったら『最高の離婚』ぢゃん!と内心突っ込んでしまった😂瑛太ってお髭生やすと永山絢斗とやっぱり似てるんだなーと感じ、遺伝子スゲーってなった💦

たばこ屋の親父はとにかく良い味出してる。あーゆーイケオジのいるコミュニティで育ちたいし育てたい。

映画の感想とは違うけど……
こーゆー静かな映画の時ってあらかじめ教えてくれたらいいのに、と思う。
終始ポップコーン食べてる音が聞こえてくると興醒めするし、食べてる方の人も「まさかこんな静かな映画だとは思わなかったー」ときっと心の中で恥ずかしい思いをしてる人もいるのではないかと😅

あと、初めて訪れた『ユナイテッド・シネマ豊洲』のデフォルトシートが座り心地良過ぎて感動してしまった💛そしてコンセッションで販売してるばすきんろびんすのアイスが最高🍨✌️

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らまんば

2.0我慢しながら最後まで観る感じ。不完全で未消化感漂う微妙な作品。

2023年10月8日
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今泉監督の新作が出たら必ず観に行くファンですが、今回の作品は正直ダメでした。
映画が始まって暫く経っても、心に響くような言葉とか場面とかが・・・全然出てこないんですよ。
時々意味ありげなフレーズが出てくるけれど、言いたい事は分かるものの、メッセージ性は薄いレベルの範疇で深みは余り感じられなかった。

不安や恐怖の回想・妄想・イメージ場面が合間に挿入されながら、モヤモヤして掴みにくいストーリー展開が長々と続いて、登場人物にも感情移入しにくいし、時には気持ち悪さまで感じ、その辺りの伏線回収も不充分というか(あえてそういう設定にしたのかもしれないけれど)、映画が終わってもスッキリしないモヤモヤが続く感じ。

「嘘」が一つのテーマになっていますが、この物語自体がリアリティーに欠けて、どこか作り物っぽくて、その嘘が暴かれた時のインパクトも薄く弱く感じられる。
不完全で未消化感を残したまま映画館を出て、後から考察をしたくなるような深度も余り感じず、良い映画を観た後の長く残る余韻や考えさせられるものが足りない感じでした。

難解なアート映画やカルトムービーも何でも好んで観る派の自分みたいな人なら頑張って観れるけれど、そうでもない一般的な人の場合、これはある種の我慢を強いられる部分が否めない映画という印象。

あれ?私の好きな今泉ワールドではないな。
どうしてこんな原作を映画にしたんだろう?
そんな疑問符が最後まで解けなかった。

唯一、リリー・フランキー演じる探偵が非常に魅力的で、凄くいい味を出していました。
一見ダメ人間のようで、実は一番切れ味が鋭い探偵、これはリリーさんの真骨頂。
彼がいなかったらこの映画、どうなっていたんだろうか・・・と心配になるほど。
出演者は一流俳優が多く、演技力は充分に素晴らしかったのだけれど、この物語の登場人物が実際にいるようにも思えず、後半になっても何処か作りもの感が私の中で否めず、どうにも入り込みにくい未消化感が残る作品だったというのが正直な感想。

ちょうど監督の舞台挨拶があって、色々と貴重なお話が聞けたのは良かったのですが、監督自身が本当に表現したいものというよりも、原作者の意図を壊さないようにという配慮を大事にした映画作り、というような印象がありました。
今泉監督は普段漫画とかは読まない人との事で、この原作も外部からのオファーがあって成立したもので、監督自身が前から気に入って映画化を考えていたというケースとは違う。
この映画が私にとってイマイチだったのは、自分の表現よりも原作を大事にしたい作風ゆえだったのかもしれません。
次回は他人の原作ではなく、今泉監督ならではの、新たな今泉ワールド的映画が観てみたいですね。

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beast69

4.0ここ最近の邦画ではいちばんの良作かと思いますb

2023年10月8日
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ここ最近の邦画ではいちばんの良作かと思いますb

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まん坊

4.0他者を理解することも難しいが、自分自身を理解することはもっと難しい。けどそんなもので良いのかも。

2023年10月8日
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他人のことを理解することは難しく、勝手に解釈してこういう風に考えてるんだなと決めつけているだけ。
それに良い悪いもない。
他者を理解することの難しさ以上に自分自身を理解することは難しいことなのではと考えさせられる作品だった。
2人のやり取りは淡々としているが、少しずつ確実に近づいていることを感じられる。
シリアスなテーマではあるものの、要所に散りばめられたユーモアによって深刻になりすぎない。
やっぱり絶妙なバランスで作られた作品である。
登場人物のその後の暮らしが自分のこころの中で生き続けている。登場人物が映画を観た後もひとり歩きしてくれる素敵な作品だった。

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モトコ

4.5今、そばにいる大好きな人を大切に

2023年10月8日
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知的

難しい

観賞後、原作の漫画を読みました。
キャスティングが驚くほど絶妙だなと原作ファンの方も満足できるんじゃないでしょうか。
今泉監督作品なので、時間は淡々と流れていきます。でもそのゆったりとした時の流れの中で、観てる側の私達に考えさせる余白を与えてくれるのです。それが監督がくれたとても素敵なプレゼントなのかなって思います。

リリーさんの探偵は素晴らしかったです笑
あの方はスパイスですよね。ユーモアをプラスしてくれて、中弛みしそうなとこをピリッと引き締めてくれます。
井浦新さん、真木よう子さん、永山瑛太さんも各々の持ち味がとても引き出されていたと思います。
特に大好きなのは瑛太さんの内面が表情に全く現れない怖さ。最高でした。新さんもあの役は心情の捉え方がとても難しかったとこを見事に演じてらっしゃいました。

人をわかるってどういうことか…
自分を理解することも他人を理解することも難しい。
それでも、生きているならこの人が言った言葉の意味はなんだろうとか、この行動はどんな気持ちだったのかとか、日々考えるしかない。その人を理解したいって思うから考えてしまう。言ってることが全て真実とも限らないし、表情や行動から読み取るのも確かなものはない。

それでも、人は寄り添いたいし、助け合ったり、励ましあったり、コミュニケーションを取らずにはいられない生き物だ。
好きな人には尚更だ。だから、なるべく素直に生きていけたらって思う。駆け引きなし、忖度なし、好きなものは好きと言えるように生きていけたらと思う。そしたら、そんなに表裏がない、わかりやすい人間になれるのかなって思います。

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さくらん

4.0良くも悪くも今泉監督っぽくない作品

2023年10月8日
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2023年劇場鑑賞234本目。
今泉力哉監督のファンですが、この作品がそうだとは知らずに鑑賞。最近エンドロールの字が読めなくなってきて、レビューを書く今初めて知ったレベル。
情報としては真木よう子のところに井浦新が転がり込む、というだけで、「♯つんドル」と設定かぶってない?ボク最近これと似た役やりましたよ?って井浦新言わなかったのかなと思いました。井浦新と同居ものという新たなジャンルが確立されればそれはそれで面白いのですが。

今泉力哉監督作品の好きなところは共感性なんです。主人公の行動が好きになれなくても共感ができたので良かった。それが今回ないんです。それは、今までの作品が登場人物に隠された設定がなく、今起きていることにどうするか、という流れだったので共感できていたのが、今回登場人物ことごとく何かしら隠された謎みたいなのがあって、それが明かされていく面白さはあるのですが共感には繋がらなかった、というのが特徴だと思います。

毎回違うテーマに挑戦している今泉監督としてはこれもありなのかもしれませんけどね。

昨日アナログでコーヒーを淹れていたリリー・フランキーがまたコーヒーを淹れていたのは笑っちゃいましたが。

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ガゾーサ

3.5人それぞれ過去に色々なことがあって終わりに近づくにつれて分かってい...

mさん
2023年10月8日
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人それぞれ過去に色々なことがあって終わりに近づくにつれて分かっていくストーリーが面白かったです!ワンチャンもすごいいい演技していて可愛かった

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m

3.0ほぼ純文学❗️観る人選ぶ。選ばれた貴方は 精鋭エリート リリー・フランキーが笑わせてアクセント

2023年10月8日
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知的

観客15人 昔の甲子園みたいだな 延長18回、球数制限も、バッターの脛とかのプロテクターみたいのもなく、靴も黒
の甲子園 準々決勝以降 3連戦当たり前の甲子園

プロ野球選手の養成 にはもってこいだけど 野球離れはもっと進むよ。
連戦がいいとは思わないけど

話がそれました。本作は純文学
観客は 中継ぎもリリーフもへったくれもなく 正々堂々 完投が求められる。
ロングショット ゆったり長台詞 に耐えなくては

人間が 全て 本音 心の奥を曝け出して生きれるはずがない。
それは、その場しのぎだったり、体裁のカッコつけ だったり 自分と正面から向き合う苦痛の回避だったりする。

でもね それでも それでも 自分と向き合い 他者を理解しようと努めることは大事
ということかな。

今時 銭湯♨️も滅多に見かけないが バーナーでなくて 薪を🪵投入の銭湯♨️
家の外の番犬が可愛い😍犬小屋
ある意味両極端な2人の朴訥、無口な男 井浦新、永山瑛太
の暗い過去と苦悩 両名とも 過去を悔いているのは共通 片方は真実への向き合い悔恨 片方は偽りへの悔恨

主人公 銭湯の主人 真木よう子 も強烈な過去のトラウマに苦しみ、夫の不可解な失踪に苦しむ。

生きるって大変。みんな心に鎧だから
だからこその 人の心の機微

だが、リリー・フランキーさんの 胡散臭い探偵が キレ味抜群で
ヘンテコリンも抜群。
イャイヤ その状況で、カラオケボックスで そんな歌詞の歌歌うかなぁ🎤 は面白かった。

街のたばこ屋🚬の生き字引的な古老 お節介親切な銭湯を手伝うおばさん 友人だからこそ
包容力のある江口のりこの役 銭湯に通う人々
失われかけある風景をバックに 人の心の機微 理解することの難しさ が展開

井浦新さんの 男の背中 男の最後の堰を切ったような涙😢 良かった。

有料パンフによると 漫画原作者の方は基本ラジオ📻派 という絶滅危惧種 ネット環境無いとのこと
まあ、純文学ですけど、分かり易いですよ。最後の海岸のロングショットは堪えどころ。
でも 永山瑛太役 なんで 島に高跳び したんだろね❗️皆さんも観て 精鋭になりましょう【個人的見解】
コレを漫画で表現した原作者マジ尊敬。

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満塁本塁打

3.5いろんな意味で疑問が残る…

2023年10月8日
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2時間半近くかけてやる話かな〜、というのが第一印象。
丁寧に描写すべき作品なのは分かるけど、もう少し工夫できたのではないか…?
今泉監督の新境地か?と期待したがいまひとつ納得いかず…
原作未読のためどこまでが原作由来か不明ながら、重要なところで今ひとつ明らかにならず観客の理解に委ねるような演出になっていたかと思えば、あるところでは康すおん(彼自身は好演だったと思う)が語りすぎたり、どうにもちぐはぐな印象。
役者はみな良かったと思う。特に原作でモデルにされていたらしいリリー・フランキーの味と、井浦新の語らない演技。
銭湯の店主の失踪ということでどうしても「湯を沸かすほどの熱い愛」と比較してしまうが、あちらが亭主が見つかってからの話だったのに対して、こちらは見つかるまでの話、ってことでやはり時間の使い方に疑問が残った…
しかし最後のあの歩き方はどういうこと…?

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ぱんちょ

3.0夫の疾走

2023年10月8日
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なんとも辛いスタートの真木よう子さん。

突然現れた、住み込みで働く男。

夫が見つかった。会いに行ったが、疾走の理由はわからずじまい。

水や湯に入ったのに体が浮かないのはなぜ?

ラストシーンどういうこと?

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完

3.5期待したのにねぇ 今泉監督はイジワルだよねぇ

2023年10月8日
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楽しい

難しい

寝られる

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カールⅢ世

5.0人をわかるってどういうことですか?

2023年10月8日
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泣ける

知的

なぜ男は現れ、なぜ夫は消えたのか

静かな物語、心の奥底を繊細に映しだす

静かな中にも響いてくる音楽も良かった

自分の心にも沁みて色々考えたなぁ

タバコ屋のおっちゃんがお兄ちゃんに
気付いてお話ししてくれて良かった

リリー・フランキーさん、
「アナログ」とはまた違う存在感あり!

井浦新さん、永山瑛太さん、
「福田村事件」も良かったけど、
こちらもしっとり良かったです!

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ほんのり

5.0みんなほんとうのことより心地良いウソのほうが好きなんだ

2023年10月8日
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どんなに近しい関係でも、マコトとウソは背中合わせ。
愛と憎しみに背中合わせがあるように。
「みんなほんとうのことより心地良いウソのほうが好きなんだ」
夫婦で営んでいた銭湯の現場から失踪した、夫の言葉が意味深だ。

自分を偽ることで日常をやり過ごす。
そのほうが上手くいく。ばれなければいい。
ばれた時は、その場を去る時。
夫のウソが、忌まわしい過去を隠してきた妻の感情をざわつかせる。
私も実はウソつきだったと。

夫がいなくなった後に銭湯で働き始めた謎の男。
妻の友人の紹介で夫の行方を調査する一風変わった探偵。
マコトとウソの間を流離うふたりのキャラが、ミステリアスな映像を際立たせる。

ほんとうのことを言えばいいのか。
嘘を突き通せばいいのか。
今泉監督は、答がないまま、僕らに突きつけてくる。

「人は誰かに頼って迷惑を掛けて生きていくもの」
タバコ屋の主人の言葉が、唯一おとしどころを探ってくれるようで、一瞬ほっとする。

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ジョー

4.0湯船の底で深層が開ける。

2023年10月8日
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知的

心の深層でその人を支配する出来事。それに普段気づいていない主人公。気づいてしまい逃げた夫。深層を意識しながら生きてきた男。どうすれば深層の傷を乗り越えていけるのでしょう。まず自分の深層に向き合って、傷になっていたら止血をし、次を考える。近くの人を大事にする。そういうことでしょうか。
映画は、今脂が乗っている名優の皆さんの過去作(たとえば真木よう子なら「さよなら渓谷」)の続編、集大成を見ているような不思議な感じがしました。
しかし、リリーフランキーが「裏切り者の旅」を歌うところは、笑いを取るところだったのでしょうが、まったく笑えなかった!
ところで、水に沈むシーンは、ビルエバンスとジムホールの名盤「アンダーカレント」のジャケ写真と関連があるのでしょうか?
あと、細野晴臣の音楽はタルコフスキーみたいで最高でした!

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笠部翔

4.0その笑顔は本物ですか

2023年10月8日
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常に自分を全てさらけ出して生きている人などいない。意識的、または無意識に、誰でも何かしら心の奥底に抱え込んでいるもの。
かなえは失踪した夫の事を思うと辛いが、いつまでも落ち込んでいる訳にも行かないので、父から継いだ銭湯を再開した。周囲の人もそれとなく気遣って穏やかな日常を取り戻したかに見えたが、ふとしたきっかけで、自分の心の奥の感情に向き合うことになる……

サスペンス調ではなく、人の心のひだを丁寧に描いた映画です。人のさりげない思いやりが素敵で、無垢な赤ちゃんや犬が良いアクセントでした。最後の余韻も好きです。
(でもちょっと離れすぎ。あれじゃ尾行だよ)
人の心の中はそう単純ではなく、相手に必ずしも本心を全て打ち明けなくても、誠実に向き合っているならば、それは噓では無いのだ、と思えました。

ちょっと長い映画なんですが、無駄なシーンがあるという訳ではなく、夢の部分や余白をもう少しコンパクトにまとめればスッキリしたのかなと思います。

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ゆり。

4.0本当のことなんて誰も知りたくないんだよ

2023年10月8日
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雰囲気がとても好きでした。

ただなんかしっくりこないというか、なんか違和感があってそれがなんなのかは、最後までわかりませんでした。

まあそういうこともあるでしょう。

このレビューだって嘘かもしれないのですから。

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トロイメライ