64 ロクヨン 後編のレビュー・感想・評価
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この映画を企画前の段階に引きずり戻す! って、できたらいいなあ。
あれ? 何故か、ドキドキハラハラしない…
前編と変わらず、役者の演技は良い。だのに何故???( ゚Д゚)
サスペンスと言うより人間ドラマ。
それはそれで堪能できるはずなのに…なんか違う…。響いてこない('_')。
なんでこんな映画に…。責任者出てこ~い!!!
(原作未読。TVドラマ未鑑賞。なので映画だけの評価)
前編を鑑賞して「久々に”映画”を見た手ごたえ。満足」と絶賛させていただいた。
けれど、後編は2時間ドラマになっちゃった(´;ω;`)ウゥゥ。
前編でも、説明が足りないシーンもあるし、反対にちょっと間延びした感があるシーンもあった。けれど、全体的にはぐいぐい押してくるようなショットの連続だったのに、
後編はものすごく間延びした感じ。どうでもいいことが手厚く描かれ、私が描いてほしい心理状態はお座なり…。なんか、のびてふやけた饂飩のよう…ふにゃふにゃ…。
緒形氏が、永瀬氏が、佐藤氏が渾身の演技をしているにも関わらず…。
64の事件と、今起こっている事件ともっとフーガのようにシンクロしてもいいのに。その部分を表現する演出が弱い。
もっと手に汗握る緊張感があっていいはずなのに、人間ドラマの緊迫感もない。三上の感情に流された振る舞いで、ヒーロー物?という展開に興ざめする。
特に、声高に言いたいのはあの次女のくだり必要だった?
映画の総てをぶち壊すエピソード。子どもを使って、”泣き”を取ろうだなんて。原作にない、改悪したエピソードと聞く。TVの浅はかさを露呈。
それでも、ラスト、緒形氏がある部屋でぽつねんと背中丸めて座っているショット。その佇まいでいろいろなものを語る演技。それには胸の奥底が慟哭したくなるほど揺さぶられた。
でも、その余韻に浸る間もなく、どうでもいい感傷的なシーンがこれでもかと繰り広げられる。
監督はこういうのを人間ドラマと思っているのか?
犯人が過去に行ったある行為に対して、何故やったのか、わからないというシーン。
犯人がそのように言う心情を丁寧に綴っていたらさぞかし見応えあるものになったと思うのに…。タイムマシンに乗って”あの”時に戻ったら、きっと止めていただろう。なんでやっちまったのか、自失茫然。自分自身が一番わからない。視野狭窄。でも、今の家族を守るためにも、家族から軽蔑されないためにも、捕まるわけにはいかない。「今の生活を守らなければ」そんな狂気と後悔。役者の演技はそういう風に語りかけてくれるけど、演出があまりにも唐突で「はあ?」という感じにしか見えないのが口惜しい。編集のせいか?
だのに、その後につづく人情物のような展開…。こっちは語りすぎ。
どんと焼のシーンも冗長。三上と雨宮の会釈のシーンだけでも伝わるものはあると思うけどなあ。永瀬氏と佐藤氏と夏川さんの演技なら。
さらに醜悪なのが、荒木田と松岡の場面。爺さんの茶呑み話のようだった。荒木田がここでも憎々しげにしてくれたら違う印象なのに…。ここも奥田氏の目の演技だけのワンショットでも見せられると思うけどなあ。
そう、前編で悪役演じきった方々の存在感も薄い。
キャリア組とそれ以外の人々との確執、刑事部と警務部の確執、広報室と記者達の確執。
前編では、誰が味方で誰が敵?と言う中で育まれる信頼感が温かかったのに、後編では茶番劇みたいなシーンで終わり。柄本氏はよかったけど、信頼感を感じる場面にはならなかった。広報部の面々は置いてけぼり…。
代わりに本社の記者たちがぐいぐい攻める。
本社と支社の軋轢を表現したのだろうけれど…。
ま、組織なんてあんなもんだ。とはいえ、前編に比べて雑。
マスコミも相変わらずがなりたてるだけ。足で稼いでいる姿で警察とのバトルを見せてほしかった。餌待っている雛鳥か?
それでも、上述の緒形氏のように、役者の演技はいい。
三浦氏演じる捜査一課長松岡、役徳。カッコ良かったでんなあ。あんな上司がいたら一生ついていく。
仲村氏と窪田氏は、あの程度の出番じゃかわいそう。
仲村氏演じる調査官ニ渡「俺なりに戦っているんだ」いや、台詞で言われても…。場面で見せてほしかったなあ。
窪田氏演じる日吉。一場面で魅せきるけれど、あれだけの場面って勿体なさすぎ。
柄本氏演じる捜査二課長落合。
前編で描かれていた内部の確執。後編のあれだけではなんだかわからない。捜査二課長がキャリア組で”使えない奴”の象徴として出ているらしいのだが、課が違うのだから事件についてわかっていないの当然だし。そもそも課が違う課長が出てこざるを得なかった過程が描かれていないから映画を見ている私も狐につままれたよう。鑑賞後に振り返れば、警察の内部事情ねとは思うものの…。
それでも、落合だけを見れば、いやあ、頑張った。品の良い世間知らずの若者なりに、根性見せてくれた。座布団10枚!柄本氏って、癖の強い役とか下町から這い上がるような役のイメージだったから、こんなキャリア組が新鮮だった。後編でのMVPの一人。
佐藤氏演じる三上、永瀬氏演じる雨宮、緒形氏演じる目崎。
もうこの三人だけにフィーチャーしてもよかったんじゃないかと思うほどの演技を見せつける。もっとこの部分だけに絞ったらもっと観応え有ったと思う。
特に、永瀬氏と緒形氏は、あれだけの部分でも、受賞させたいくらいに鳥肌ものの演技をしている。なのに、脚本と演出・編集が殺しちゃっている(´;ω;`)ウゥゥ。
他にも夏川さん、烏丸さん、女性陣もいい。
これだけの役者を集めたのに、活かし切れていない。
何がしたかったのか。
監督が思う人間ドラマと私が思う人間ドラマが違うのかもしれない。
でも、前編では魅せられた。
なのに、後編では人物が描かれていない。心理状態が描かれていない。
刑事ものやヒーロー物でよく出てくるようなわかり易い言葉を主人公が喚き散らせば、人間ドラマになると思っているのだろうか?
制作陣は、この原作のどこに惚れて、どこを描きたくて、この映画を作ることにしたのだろう?
原作者の反対を押し切ってまで、描きたかったのは何なんだ。
後編だけをTV特番で見たら「おもしろかった」になるのだろうが、
前編の良さに、
誇大広告に、
期待度UPして見ただけに、がっかり。
「映画史に残る前後編2部作の感動巨編」といただいたフライヤーにあるけれど、
私にとっては「映画史に残る前後編2部作の落差」だな。
監督と脚本には☆なしだけど、役者がすこぶるいいので☆2。
こんな終わり方か…
前編後編となってたので、後編ではさぞかし凄い結末が用意されてるのかと思いきや、なんだか分かったような分からないような…
疑問が残ったまま終わってしまった…
まぁ、ちょっと期待し過ぎたかな?
それにしても、緒形直人の目はヤバかったなぁ~
ドラマ版に軍配
Amazonプライムで無料で見れるようになったんで、前編後編続けて見ました。
ドラマ版も見てましたが、ピエール瀧よりやっぱり佐藤浩市の方がええわーと、映画版の方に軍配をあげかけましたが、後編で逆転。
佐藤浩市に活躍させるためにラストを改変したのか??広報官、でしゃばりすぎじゃない?窪田正孝くんが出てるの知らなかったから、前編では思わぬ拾いもんしたって気分だったけど、後編で回収しきれず。窪田くんの無駄遣いだったな。しかも、犯人早々にわかっちゃってるし(- -; ) 最後の最後に真相がわかるドラマ版の方が秀逸だったな。
ラストは原作と違うか
原作を読んだのは発売当時なので、結構時間が経ち、記憶が曖昧で確信はないが、このラストは原作とはちょっと違う気がする。主人公佐藤浩市を盛り立てるためのラストとも思えるが。
何れにしても、最愛の子供の命を奪われた親の哀しい思いと執念を見た。また、『64』に翻弄された人達のドラマも見所。
自分は原作を読んでいるので、粗筋は理解の上鑑賞したが、原作を知らない人が鑑賞した場合の衝撃度は相当なものだろうと推察する。
原作は読んでません
原作とどの位違いがあるかは知りません。
ドラマとどの位違うか知りません。
でも、映画は映画でしょ、小説は小説、ドラマはドラマ。
比べるのなんて論外だと思う。
小説には小説の、ドラマにはドラマの良さがあると思うし、映画には映画の良さが十分あったと思うね。
むしろ、映画という点においては技術、芝居、ストーリー、最近の邦画の中ではかなり高い所にいると思う。佐藤浩市さん、良かったっすw
ガッカリ
NHKのテレビドラマ版を見た私と原作を読んだ夫で見に行きました。
正直ガッカリしました。
夫も不満感一杯でした。
原作通りにすることが良い映画ではないのはわかりますが、この改変には納得できなかったようです。
私もNHKのドラマの方が優れていると感じました。
ここまでガッカリした映画は久しぶりです。
原作を見ていない人、ドラマを見ていない人には良い映画だったと思います。
私もドラマを見る前に見たかった映画でした。
ストーリーを知らなければ単純に楽しめただろう映画でした。
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