オブリビオンのレビュー・感想・評価
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話はいいけど語りがヘタ?
かわいいドローンくんなど緻密なガジェット・メカの魅力は絶大。
お話自体もかなり面白くて好み。
ただその語り方がなんだか上手くなくて勿体無く感じた。描写の足りなさとか淡々とした転換の故に感情移入が中途半端。もっとグッとくるものにできたのではないか?
なかなかだった
ほぼSFモノの王道と言った感じ。しかしながら王道だけに「普通に」楽しめる。当たり外れで「外れ」率が高い昨今。そこそこ貴重なのではないだろうか。
さすがに少し歳を感じるがトムは相変わらずカッコイイし、世界観もいい具合にバランスが取れていたと思う。もちろんアクションもいいし、出てくる近未来インターフェースやガジェットもいい。
ただ、どうしてもシーンが限定され過ぎるせいか、少し世界が狭く感じた。もっと世界が広い演出があれば星4つだったんですが。
近日、やはり近未来がテーマのアフターアースが封切られますが、どうしても時期的に比較対象に登るでしょうから楽しみです。
王道といえば王道
映像は最先端で華やかながらも、内容的にはありそうでなさそうな「古典的な」SF映画。『猿の惑星』や『未知との遭遇』なんかでドキドキさせられた知的好奇心をくすぐられる仕掛けがあって面白かったです。ただハリウッドの大物俳優を起用したCGバンバンだけのアクション映画ではありませんね。ちゃんとSFしてるところは好印象。
1200円が妥当か?
トムクルーズぽい。
ストーリーは途中から読めるタイプ。
THE・トムクルーズ主演映画の未来物って感じ
ガラスのモニターだったり、乗り物だったの近未来感は見慣れたけど
やっぱりかっこいーとは思う。
dvdでても見ないだろうなー。
それなりです。
評価サイトでストーリーに謎が多く難解という意見がありましたがそれほどでもなく予想の範囲内でした。構えて見る必要はなく普通に見れます。全部見ると無理や理的なところはありますがマシンや映像は奇麗でアクションの迫力もあり楽しめます。最後はなんかそれでいいのという感じだし他多数はどこ行ったって感じです。
登場する近未来の乗り物がかっこいい!
面白かったです。
地球外生物に侵略された日本と、その核戦争で住めなくなってしまった地球を監視する任務を持つトムクルーズのお話。
登場する近未来の乗り物は全部カッコイイ!
けど、登場する種類が少なくて残念。
種類も少ないから、バトルの見どころはこのバブルシップとドローンの攻防だけにほぼ限定されてしまうのでした…。
ドローンは‘ファンタズム’の血を吸う球体物質みたい。なかなか動きはかっこよかったですけどね。
終盤でクローン人間が出てくるあたりから結末がしれてしまうのは悲しいところ…。アメリカ的な結末でした。
一度は劇場で、何度かDVDでじっくり観なおしします。
どこかで観たような映像、シナリオの寄せ集めのような映画です。良いとこ取りのせいもありますが、全体としてよく出来ていて楽しめました。映像を楽しむために一度は劇場で見ることをお勧めします。考えさせられる複数のテーマを含んでいますし、見落とした伏線のようなものが多々ありそうなので、DVDでじっくり観なおしして楽しめそうにも思います。
もっと色々教えて欲しかったです。
SF好きなので普通に楽しめました。
劇場映画じたい久々だったのですが、綺麗な映像にずいぶんと心癒される思いでした。
ただ見終わったあと「あれってどうなってたんだっけ?」と本筋とは関係のない部分が気になってしまいました。
その分星1.5マイナスです。
ここからネタバレ
まず、テットの起源を詳しく知りたい。異星人が作ったのか、地球文明が作ったのかは知りたい。
その設定は本筋にも関係するし、破壊したとしてもまた地球の資源を奪いにきちゃうじゃん!と気になる。
テットから指令を受けてるプラントもニューヨークにしかないのかな?
地球規模で考えるともっと沢山のミッションが別々のジャック&ヴェカに与えられていると考えるのが自然。
テットが破壊されたら彼らはどうなるんだろう?ドロイドは停止するとしても彼らは生き続けるのか?
などなどもっと教えてーーーー
キュリレンコよりライズブロー
「そうきたか」と身を乗り出すほどの結末ではなく、ストーリー的には物足りないが、それなりに見どころがあり楽しめる作品だ。
“技師49”として無人探査攻撃機“ドローン”のメンテを主な任務とするジャック・ハーパー。相変わらずトム・クルーズがサマになる。この人が出ると言ったら、恐らくもう他の俳優でのキャスティングは考えられないのではないか。そういうスター性、オーラを持っている。
ハーパーとともに地球最後の監視を行うクルー、ビクトリアにアンドレア・ライズブローとなれば正に絵になる美男美女。二人が寝食を共にする地上数千メートルのワークタワーのロケーションやコンピュータなど設備の機能美とともに前半を十分に楽しめる。
ジャックがパトロールに使う小型機“バブルシップ”も最近のSF映画の中ではなかなかのグッドデザイン。
ヘリコプターのような機動性と、戦闘機並みの攻撃力を併せ持つ。「スター・ウォーズ」のXウィングを思わせる飛びっぷりと、全方位の敵に対してコクピットが思わぬ動きを見せるギミックが面白い。一度乗ってみたいと思わせるVFXはILMがやったのかと思わせるようなスピードと重量感、そして質感がある。
ジャックをずっと監視していたというビーチ(モーガン・フリーマン)と、宇宙船の乗組員ジュリア(オルガ・キュリレンコ)の登場によって、物語は核心へと迫るのだが、前述した通り衝撃的といえるほどの暴露はない。
だが、あることをするために生まれてきた、運命を背負った人間が自身の出自の意義を悟るというところはSFの王道ではある。
墜落する宇宙船の船名“オデッセイ”は「2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)」へのオマージュか?
1967年のヒット曲、プロコル・ハルムの「青い影」のレコードが擦り切れた音で心を癒すシーンは、宝物のように集められたほかの小道具とも相まって青々とした地球を偲ばせる。
ほとんどの衣装や小道具も含めて白を基調としたデザインは、終わってみれば目に心地いい残像となる。
偉大なる秀作である。
と言うのも、過去に大ヒットした映画の良いところを集めてしかも、この映画のために、それを昇華させている点ですね。
ストーリーはあくまで、過去の大ヒット映画のお約束を集めて作られているんだけど、キチンと自分の料理をしている、と思います。
ビックリしたのは、ラストシーン。話の展開としては、想像通りだったんだけど、演出でそれを上手くこなしている。いや、こなしているなんて表現は失礼だと思う。完全にオリジナルに昇華してます。
また、SF映画にも関わらず「人間性」をあの短時間で訴えたのはBiiiiiigJooooob!!!!
んで、秀作だ、てのはつまり過去のお約束を利用してキチンと料理したって事で、もしこれを傑作にしたかったら、もう一つ何かをいれるだけだったんでしょうね。そこでそう言う賭けに出てないってのも気に入りました。
今回は、小さなスクリーンで観ましたが、機会があればもっと良い環境で観てみたいですね。
人間のアイデンティティを問う傑作。
この映画は、SF映画の傑作だ。
消された記憶を巡る自分探しと言う、普遍的テーマを軸に、人間のアイデンティティを問う、若き監督の意欲作である。
消された過去の体験が夢に出て来て、それに執着すると言うプロットはフィリップ・K・ディック原作の『トータル・リコール』を思い出す。そして思い出したのが、『猿の惑星』と、なぜか、トム・クルーズ主演のスリラー『バニラ・スカイ』w 若き監督は、その他、多くの映画がから着想を得て、この作品を作り上げたのは間違いない。だが、それは、それほど重要な事ではない。
この映画において、多くの人が、大きな誤解を抱いているようだが、ジャックはクローンではない。クローンは容姿だけが同じものになるが、人格は違うものとなる。ジャックは、人格をも複製された完全なるコピーである。勿論、記憶も同じだ。複製した時点で記憶を持っている訳だから、異星人も彼の記憶を消さなければ、使役させられなかったのだろう。その条件に於いては、49号も52号も同じであり、どちらもジュリアに会った時に、同じフラッシュバックを体験する。
同一人物と言っても過言ではない。外見も人格も記憶も同じ人間は、本人なのではないか?それこそが、この映画が問うアイデンティティだ。
人格の違うクローンなどではない。完全なる複製なのだ。これは大きな違いだ。それだけにヴィクトリアの死は切ない。彼女は何も知らずに消されたのだ。
だが、ジャックは真相を知った。
そして、自らその運命に終止符を打つのだ。最後に生き残った地球人たちと出て来る52号は、希望をもたらすと同時に、彼を彼として認められるかを我々に問うているのだ。
さて、この映画に不満もある。名優モーガン・フリーマンだ。彼の演技は素晴らしい。出て来ただけで、役が背負うモノを見せる俳優である。彼が生き残った人類のリーダーである事は、予告編の段階から誰の目にも明らかである。それだけに、謎の人物としての怪しさがないのだ。出てきた時からいい人だ。もっと敵か味方かの判別が難しいキャスティングなら、なお良かったと思う。
だが、それよりも我が国日本に於いてのパッケージングがヒドイ。SF映画である事を隠し、女性客を呼ぶ為の意図的な情報操作を行っている。「地球にたった一人、残された男」の宣伝文句もウソだ。これでは作品を観て、騙されたと思う人が居ても仕方ない。そしてトドメは「クローン」である。我々はなぜ、クローンと誤解したのか。それは、日本語字幕である。複製と言っているのに、クローンと誤訳しているのだ。これは結末の解釈に関わる、最も悪質な誤訳と言えるだろう。他にも多くの誤訳がある。「今日もパラダイス」「世界で一番高い所で会おう」などもそうだ。勿論、この酷い字幕を付けたのが誰かは周知の通り。
我々は、誤訳の女王のその名を、早くオブリビオンさせて欲しいと願っている。
予想外の展開あり、美しさあり、胸キュンあり!
期待しないで観に行ったのが良かったのか、ストーリーも面白く、アクションもスリル満点で、映像もきれいで楽しめました!
途中、どっちが本当なの?って感じで話がどんどん進み、最後まで予想外の展開でした!
『アルマゲドン』みたいに、悲しい話で終わるのではなく、え~っ!って感じで、アメリカ映画っぽくハッピーエンド(ま~、クローンだからどうかっていう問題もあるけど・・・←これは人間としてクローン問題として考えるべきことなのでは?と
問題提議してることなのかも)というか、なんだか良かった~っっで終わってるところがとても後味が良かったです!!!
これまでの映画にも心に残るプロポーズのシーンがありますが、この映画もその一つになりました!
ラブストーリーで胸キュンでした~!
あの3年間など色々疑問もあるけど、これが映画なんだよな~!って思わせる映画!
トムもオルガも素敵だったし、アンドレアもきれい!モーガンは存在感あり、最後のカプセルから出てきた笑顔はドヤ顔みたい(観客に対してw)で忘れられません(笑)
DVDでも観たいと思いました!
映像が◎/55点。
この映画は、とにかく映像、情景が印象に残りました。
1000メートルの上空に浮かぶスカイタワーという居住空間が特に!
ただ、映像以外に真に迫ってくるものはあまりありませんでした。
記憶の改竄というモチーフが最初の方から現れていて、詩的な要素が強いSF作品になるのかな(ソラリスみたいだったらいいな…!)とも思ったけど、最終的に世界を救うヒーローの在り方が典型的な映画に収束していったようで残念。
特にとある人物の真実の告白がはじまったあたりから先(最後の30分か40分かそこら?)は「アメリカ映画だったらこうなるだろうな」と展開が読めてしまう感じでした。
ジュリアの代わりにモーガン・フリーマンが入ってるのもお約束だし、サリーがジャックを容易く自分のテリトリーに招き入れてしまうあたりも…???!
SFを観たときは過去の名作(『ブレードランナー』や『2001年宇宙の旅』など)とビジュアルや構想などを比較して「やっぱりあの作品はすごかった!」って思ったり話したりすることも多く、今回も機器(とくにヴェラがバブルシップ(ジャック・ハーバーが操縦する未来型パトロール機)を援護するときの制御パネルなど)が Mac 製品に影響されすぎじゃない??! などと観賞後の話に華が咲きましたが、『オブリビオン』の映像は年に何本も見れるようなクオリティのものではなく、充分に眼福でした。55点。
≪疑問が残るラスト。≫
たまたま時間があったので映画館で見ました。
SFはあまり見ないので新鮮な気持ちでした。
そのためか映像の綺麗さに驚き!
地球の未来とのことですが、現実離れしていないスタイリッシュな機械とタワーの姿にこれだけでも映画館で見てよかったと思いました。
戦闘シーンも個人的には良かったけれど、他のSFをよく見る方にとってはありきたりとのこと。。なるほど。。
さて内容ですが、まず最初からカタカナワードばかりで少し混乱しました;
(これはおそらく私があまりSFに慣れていないからかも。)
でも見ているうちにどのカタカナが何のことを言っているのか分かってきます。
また途中から正直ストーリーが見えてきて、あーやっぱりな。。というシーンが多々。
そのまま見終わって、あとから湧き上がる疑問の数々。
なんだか最後はあわてて終わらせた感が拭えませんでした。
映像はとにかく綺麗だし途中で出てくる森の中の家も住みたくなるほど素敵でした。
なので映像メインだと映画館で見ることをオススメしますが、そうでもなければDVDで十分な映画です。
ちょっと騙された気分・・・
予告編や作品情報を見て、興味を惹かれたので、観に行ってきました。
・・・が、映画が始まってしょっぱなからガッカリさせられた。
「異星人“スカヴ”との戦いで荒廃した地球に、たった一人残された男」
トム・クルーズ演じるジャック・ハーパーは、公式サイトでもそう紹介
されています。ところが、実際には同僚の女性ヴィクトリアと二人で
任務に当たっている。
「地球に、たった一人残された男」 このフレーズがきっかけとなった
だけに、この時点で騙された感があり、少し気持ちが冷めた。
以降、荒廃した地球をパトロールするシーンが淡々と続く。
墜落した宇宙船から美女を助けたあたりから、ストーリーが動く・・・が
謎の美女=夢に出てくる女が同一人物、という時点で、ストーリーの先が
ある程度読めてしまった(実は妻だった)
美女が妻と判明した時点で、ジャック自身に関して疑問が浮かんだ。
美女は60年もの間人工冬眠していた。なのに何故二人は再会できたのか。
するとほどなく、もう一人のジャック登場。更にもう一人のヴィクトリアも
登場するというトンデモ展開、この時点で正体をバラしてるようなもんです。
(実は2人ともクローンだった)
更にストーリーは進み、、やっとビーチ(モーガン・フリーマン)登場。
見るからに怪しげな格好だが、実は彼らこそが本当の生き残った人類で
ジャックが、異星人“スカヴ”と思わされていた存在。そして人類の仮の
住まいでもあるはずの「テット」が異星人の要塞だという。
このあたりから、黒幕の正体がなんとなく想像ついた。そしてクライマックス。
「テット」に侵入した時の、目の前に広がる光景・・・
「マトリックス」のとある1シーンを思い出してしまった。しかもこれまた
「マトリックス」を彷彿させるような、黒幕の正体に苦笑してしまった。
これってパクリですか??
(後にレビューで、元ネタであろう「月に囚われた男」の粗筋を見て愕然)
で、失笑したのがラストシーン。
湖畔の家で、娘と暮らすジュリア(今度は実写版ヤマトですか・・・・・)
するとそこへ、ジャック(52号)と生き残った人たちがゾロゾロと現れる。
普通は感動するシーンなんでしょうけど、私は疑問符だらけで観ていた。
何故、ジャック(49号)とジュリアしか知らない家を、52号が探しあてたの?
同じく他の人たちは? いくら同じ人物のクローンとはいえ、別のクローンの
記憶を共有できるのか??(たった1回しか会ってないのに)
更にジュリアは、同じ顔でも別人のクローンを愛せるのか?(52号も然り)
これなら普通に、ジュリアと娘だけのシーンで終わってた方がマシだった。
私自身はSFはあまり興味がなく、当初想像していたストーリー展開と全然
違っていたんで、ガッカリしましたが、あまりストーリーにこだわらずに
純粋にSFとして観た方が楽しめる作品かもしれません。
ファジー・コスモス
オブリビオンを和訳すれば「意識が薄れ過去を忘れかけた状態」である。
ロールプレイングゲーム「オブリビオン」は、別次元の世界からの地球世界を破滅へ導く陰謀と侵略を阻止する戦闘コンピュータゲームであり、この映画の引用元だと思った。
鑑賞後、最も印象に残ったのは、「曖昧なプロット」であった。60年前の戦争は、
・スカブ(エイリアン)が水を求めて地球を侵略したのか?
・あるいは、地球人同士の戦争で地球が壊滅状態になったのか?
・あるいは、意志を持つロボット(コンピュータ)が人間に勝利したのか?
それさえ曖昧であることに気付く。
いくつかのテーマも中途半端にちりばめられている。
1つには、愛情の問題がある。
・クローンの愛とは、「現実」の中か「記憶(記録)」の呼び戻しや共有か?
・クローンの愛が生じ成立する世界は、「現実世界」か「仮想空間」か?
・クローンの愛の喜びは、「肉体の感覚」か「精神の高揚」か?
このような欧米的二者択一の問い掛けが随所に見られる。
僅かに記憶の備わったクローンであるジャック(トムクルーズ)49号、52号は、その記憶の量や質に応じて人間ジュリア(オルガキュリレンコ)と深い愛情を交歓できるのか?
では、残り1,000体近い修理屋ジャックがジュリアと会えばどうなるのかという疑問が残る。
その愛の可能性と到達点は、三角関係どころではない。マルチコンプレックスが果てしなく生じていくことになる。
2つには、人間がどこで終末を迎え、どのように消え去るかという尊厳の問題。
例えばカプセルに「ピーチ(モーガンフリーマン)」を格納した理由は、何だったのか?
3つには、タイムトラベルの可能性。
4つには、ネット社会(コンピュータ)でのパラダイムシフト、等々。
鑑賞後、もう一つ印象に残ったのは、空気感溢れる風景描写であった。
・近未来のスカイタワーやバブルシップの無機質な静謐感
・夕日に輝く別荘や廃墟と化したエンパイアビルやスタジアムの美しさ
これらの対比は、見事である。
ドローンとバブルシップの戦闘シーン、荒廃したモニュメント、ラストシーンなどから連想される映画は、スターウォーズ、猿の惑星、インデペンデンス、デジャヴ、2001年宇宙の旅 等である。 これらを集約したようなアクションとロマンスを楽しめる娯楽性の高い秀作であった。
すべてが中断して終焉を迎える諸体験の本質は、遂に顕在化されず、黄昏時の廃墟の中にばらばらに放置されたまま、やがては過ぎ去った郷愁と共に忘却の中に埋没していく。
映画「オブリビオン」のテーマ、「ファジー(曖昧)な魅力」の所以であろう。
おトム様なら大歓迎?
なかなか面白い構成のSFだった。
冒頭から様々な映画の記憶が頭をよぎりはじめる…。
あ、このシーンは。。。
これって確か、あの映画の。。。
今作はそういう映画好きな人間の脳内を刺激する。
既視感に襲われるのは、トムが演ずるジャックも同じ。
私の方は単に物忘れが顕著というのにすぎないが^^;
ジャックの場合はチト違う。自ら忘れたのではない。
冒頭でジャックが「過去を消されて5年…」と言う。
でも次のシーンでスタジアムの残骸を見た時、
忘れているはずの、過去の想い出を延々と語り始める。
そして何度も夢に出てくる、見知らぬ女性と自分の姿。
んん?…なんだろう。誰なんだろう。
空上の自宅に帰還し、妻のヴィカにも聞いてみる。
また過去の話…?と怪訝な顔をする妻。
何かありそうだ。という上々な滑り出し…とはいえ、
そもそもこの夫婦が住んでいる家がどうにもおかしい。
人類が発達しいずれはこんなところに住むことが可能に
なるのかもしれないが(まぁそういう設定なんだしね^^;)
とは思いつつ、ん~?なんかでもおかしいでしょ、ここ。
と思わずにいられない。サリーも不気味(M・レオだしさ)
全体を通して、記憶と忘却(こっちはリアルに怖い言葉)、
それらを試される作りになっているが(ジャックも観客も)
最後までそのテーマに沿って描かれているのが興味深い。
ジャックの記憶。ヴィカの記憶。現れたジュリアの記憶。
謎の男ビーチの登場とその役割。
後半で明らかになるこれまでの記憶の謎と、驚愕の事実。
いちばん驚いたのは、もちろんジャック当人だろうが^^;、
ここでヴィカの心情やジュリアの正体などと絡めて一気に
三角関係のラブストーリーへと変貌を遂げる。これも凄い。
切なさが際立ってくる、、という点では、
過去のとある作品を思い起こさせる部分があり(月だしね)
アクション(映像もなかなか素晴らしいけど)寄りでもない、
風変わりな展開が観てとれる。そんな意味ではとても新鮮。
以前にもどこかで書いたけど、
生まれ変わったら一緒になろうね…。という有名な某台詞、
大丈夫です。また一緒になりますから。と、胸を張って言え
そうな、そんな気すらしてくる…^^;
ヴィカを観ていると分かることは、もうかなりずっと前から
彼女はその想いを抱いていたわけなのね。
ジャックが事実を認識した時、彼の気持ちがどう動くのか、
予想できていたから、あの涙ボロボロの号泣なのだろうと…。
エイリアン(ゼンゼン姿を見せないんだけど)も、三人の
そこらへんは熟知してなかったわけだ。ミッションに関係ない?
…いやいや、組み合わせってすごく重要なんですけど。。
どうやらヒロインの方では、
ジュリアよりヴィカの方に同情が集まる感じになったけれど、
このエリカ様みたいな顔の女優さん(A・ライズブロー)って
どこかで観た顔だな~と思っていたら、マドンナの監督映画で
あのシンプソン夫人を演じたヒトでした。あぁなるほど~。
どうりで巧いワケだ。しかし苦悩の女役がやたら多いわね^^;
もっと歳なのかと思ったら、まだ31歳。今後の活躍にも期待。
ラストは無難に纏めながら、感情の整理がつくかつかないかは
各々の信条にお任せします。みたいな終わり方。
おトム様なら何人でも大歓迎されるかもしれないと、
コイツだけはやめてくれ!っていう俳優を選ばなかった点では、
ハリウッドもエイリアンも、ズバリ好みが一致したということか。
(高所恐怖症の私はあそこには住めない^^;から地下になるのか?)
後から湧いてくる疑問
十分に練られていないストーリーを、映像と演出、過去作のオマージュでごまかした作品。
こんなものはアバターで終わりにしてほしかった。
序盤こそ珍しい世界観に引き込まれるものの、限られていた情報が観客に明かされていくにつれて謎と違和感が生まれ、それを解決せずに映像美とご都合主義のエンディングで無理やり客をスタッフロールに引きずりこむ。
劇場をでた後に、「そういえばあれは何だったの?このあとどうなるの?」
と気づき始めることになる。
観客のイマジネーションに任せるにはあまりに適当で、全て投げっ放しな印象を受けた。
人類は復興するだろうが、あの終わり方ではしばらくは地上はジャックのその愛人だらけになるのでは?
デザインや世界観は素晴らしかっただけに本当に残念。
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