ネクスト・ゴール・ウィンズのレビュー・感想・評価
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タイカ・ワイティティ監督がポリネシア文化圏の歴史を描く意義
ニュージーランド出身のタイカ・ワイティティ監督が国際的に知られるようになったのは、2017年公開の「マイティ・ソー バトルロイヤル」に大抜擢されてから。以降、俳優としての出演も含めアメコミヒーロー物にはいくつか関わっているものの、満を持してオリジナル脚本で臨んだ「ジョジョ・ラビット」(2019)はユニークな切り口で偏見や差別を克服する可能性を示した愛らしい作品だった。
ワイティティ監督はニュージーランドの先住民マオリの血を引いており、アメリカ領サモアや本作でのライバルチームであるトンガなど南太平洋の島国の多くもポリネシア文化圏に含まれる。本作はドキュメンタリー「ネクスト・ゴール! 世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦」(2014)を原作としているが、劇映画化にワイティティ監督はまさに適任だっただろう。多様性尊重という観点では「ジョジョ・ラビット」から(人種とジェンダーという違いはあれど)メッセージもぶれていない。
サッカー好きからすると、試合やプレーの面白さという点では少々物足りないか。それでも、大作ではなかなか描かれない南太平洋の小国で生きる人々の暮らしぶりや文化を劇映画で伝える意義は確かにあるし、ワイティティ監督にはこれからもポリネシア圏を題材とする作品に取り組んでほしい。そうそう、実写版「AKIRA」の企画もまだワイティティ監督の線で存続しているようなので、そちらもがんばってほしいが。
ストレスはサイレント・キラー!
タイカ・ワイティティが好きなので見ました。映画のアメリカン・サモアの人は老若男女、ふっくらした体型でみんな幸せそうに見えた。白人のことを痩せて貧弱とか、スピリチュアルに弱いとかいいところ突いていて笑えた。「白人」が野蛮で怖くて神経質に描かれていたのはある意味当たっている。小品だけどなかなかよかった。
気に入ったのは奇跡のサッカー試合の様子を映像だけで追うのでなくて、サモアの人々に語らせた点です。そのシーンは二つ。一つは熱中症と興奮で倒れて簡易ベッドで横になっているパパ(でありアメリカン・サモアのサッカー協会会長)に試合の様子を語る出場メンバーでもある息子。話に一喜一憂しながら耳を傾けるパパとママの様子がとても心に沁みました。もう一つは、その試合を島の古老が我らのヒーロー達の話として子ども達に絵本で物語る場面です。口承で伝えることで記憶を共有するプロセスの場に居合わせたような気持ちになりました。あともう一つは、サッカー協会会長のタヴィタと監督(ファスベンダー)が同じ祈りの場所に居るのに、直接顔を見て言葉を交わさず、神に述べることで自分の気持ちを相手に伝えている最後の場面。間接的なコミュニケーションが優しく和らいだ空気を作っていました。面と向かって話す、というのはもしかしたら危険で野暮なやり方なのかも知れないと思いました。そういえばタヴィタは比喩の名人だった。
第三の性であるジャイヤを演じるカイマナとてもよかった。カイマナ本人もそうなので説得力があった。普通にみんなと一緒でみんなから一目置かれ大切な存在と認識されているのがいいなあと思った。ファスベンダーは最高で役の幅が広い人だと初めて知った!
おまけ
ファスベンダーがテレビで見ていた試合の監督だかコーチはもしかしてアル・パチーノ?「エニイ・ギヴン・サンデー」?知らない・・・!パチーノも色んな役やってるんだなあ
悪くない作品。観光旅行気分も味わえた
へぼチームの奮闘と再生という、よくあるお話だけど、嫌みなところがなく楽しんで鑑賞できました。
「マジック(インキ)はとれない」というところや、パトカーの警官が口でサイレンを鳴らすシーンなどなど、僕好みのギャグが散りばめられていて笑わせてもらいました。
人間模様もわりとちゃんと描かれていたし、息子が父に語って聞かせるというクライマックスの描き方もよかった。
強いていえば、もう少しなにか仕掛けみたいなものがほしかったような、それからもっとパッションを盛り込んでもよかったような気がするけど、どうでしょう。
南の島のそよ風のような、爽やかな映画――というと、ちょっときれいにたとえすぎかもしれないけれど、うん、悪くない作品でした。
サモアの文化は興味ぶかく、ちょっとした観光旅行気分も味わえました。
コメディ強め
サッカー未開の国(弱小チーム)が、ゴールという喜びを共有することを望む戦いに挑むのだが、コメディ色を強めにしたことにより試合(戦い)への高揚感を感じられなかった。
もう少しドラマ性を強めでも良かったんじゃないかと感じた。またコメディ要素も思ったより笑えなかった。
郷に入ったら郷に‥ではなく「人の中に入ること」が大切
映画「ネクスト・ゴール・ウインズ」
素敵な作品でした。
米国サモアを舞台にしたサッカー代表チームの歓喜と感動の物語。実話がベース。
ワールドカップ予選で「勝ち」よりも前に「まず1点入れられるチーム」を託された白人のロンケン監督。エリートであり、プライドが高い監督であるが故に弱小チームの立て直しには一苦労。短気な性格がさらに遠回りをさせます。
映画では短い時間の中で語るため、思いのほかチーム力が上がるのが速いように感じなくもなかったですが‥。
強くなるためには心がひとつ、同じ方向に向かうことが大事。そのためには「郷に入る」というよりお互い「人」の中に自分を投じて、理解し合うことが必要だと教えてくれます。
僕は公開前から観たいと思っていましたが、先の日記で書いた少年野球時代の監督の訃報を知り、自分と重ね合わせるように観たい気持ちが強まりました。
しかし、観た僕が感情移入したのは選手ではなく‥ロンケン監督でした。つまり、自分の志事のことを思ったのです。
部下の中には若い世代もいます。当然キャリア、スキル、価値観‥違います。その人たちとチームとして取り組んでいくために忘れてはいけないことを考えずにはいられませんでした。
僕も良い歳。ベクトルを自分にだけ向けていてはダメですね。相手の中に自分を投じて、解ろうとしないと。。。
とても励みになりました。
そして、映画としても凄く感動的な作品でした。つまり、オススメです!
ビール片手に見たい
面白かった!重すぎずさくっと見れました。
たらればを悔やみ続ける主人公の技能や知識と、今を生き幸せであろうと存在するチームメンバーの相互作用というかなんというか。
サッカー含めスポーツ観戦について微塵の興味もなかったんですが、ちょっと興味が湧きました。そのくらい面白かった。
映画館でアイスティー片手に見たんですが、どちらかというとビールや低濃度アルコールを片手に、ポップコーンをつまみにしながら見たいなと思いました。
クレジット後にも映像があるので席は立たずにいましょう。
個人的には「人生にはサッカーよりも大事なものがある」というセリフが刺さりました。趣味に傾倒しがちなので、こういう言葉に対して否定的な感情を抱いた時は絶対に立ち止まって周囲を見渡そうと思いましたね…
最弱にして最高のサモアチーム!!
油断してました…序盤からもう笑いが止まりませんでした!
小ネタから何からツボにはまり過ぎて、
楽しくて面白くて声を上げそうになるのを必死に堪えていました!
サモアチームが成長していくにつれ変わっていく姿も見どころ。
自分としては試合前の儀式(ダンス)の「シバタウ」に注目しました。
戦いに挑む前の鬼気迫るこのダンスは最初の頃は正直ぐだぐだの出来。
これがチームとして成長を遂げた先にどのようなシバタウになっているのか!
自分はスクリーンに釘付けになる程に最高に熱くなりました!
ぜひ多くの方に見て頂きたいシーンです。
そして、第3の性ファファフィネをもつチームの華でありリーダーのジャイヤ。
チームの勝利を願う彼女の成長と決心。
そして孤独な戦いに心を掴まれました。
他にも、
トーマスはなぜヒステリックな鬼監督になったのか…
最弱サモアチームは1ゴールを決めれるのか…
31対0という最悪のトラウマを乗り越えられのか…
平和主義でマイペースでポジティブなサモアの精神。
そこに生きる人達の実際にあった最高のドラマを観ることができました。
最後の最後まで、余す所無く素晴らしかったです!
スーパーポジティブな米領サモアチームが元気をくれる
世界最弱のサッカー代表と言われた米領サモアチームが起こした奇跡の勝利という実話を基に、監督らしい遊び心いっぱいに映画化された本作。
負け犬たちが頑張る系映画ですが、米領サモアチームの底抜けのポジティブさと明るさが最高で、全然ウジウジしません。笑 上手くできなくても馬鹿にされても、へこたれません。なんだかずっと力強い。観てるこっちまで元気になるし、監督がペースを乱されていくのも納得。
米領サモアの文化や宗教、暮らしの描かれ方や、度々行われるハカの力強さと心の奮い立つ感じ、どれもとても魅力的で、ポジティブなパワーを貰えました。
エンドロールのラストまでお見逃しなく!ニコニコ笑顔で劇場を後にできるパワーチャージ系作品でございました。
今を楽しもう!
現代版「がんばれ!ベアーズ」‼️
この作品は現代版の「がんばれ!ベアーズ」‼️それ以上でも以下でもなく、可もなく不可もなく、フツーに面白い作品‼️ただ最初と最後に監督であるタイカ・ワイティティが、安っぽいメイクで語り部に扮してギャグをかましたりするんだけど、あんまり意味がないし、作品の品格を落としてるような気がする・・・‼️
シャイヤの存在
最弱のスポーツチームが外部から(ポンコツの)監督を迎えてチームと監督共々成長、そして勝利する、という、ありがちな話。
強くなる過程の練習とか鍛錬があまり描かれておらず、笑いも胸熱もそうでもなく割りと平坦で特に盛り上がるわけでもなく、ちょっと期待外れでした。
「ワールドカップ予選で1ゴール」が目標という、なんかめっちゃスケールが小さいこの実話になんで目をつけたのかと思ったら、ジャイヤの存在ですね。ジェンダー問題を盛り込めます。
顔が小さく手足が長く筋肉質で長身!なトンガのエースがかっこよくてずっと見ていたかったです。
のんびり
サモアの人達ののんびりした人間性だけに、勝負事には向いて無いのかもしれないですね。その中に厳しいコーチが行っても、結局、自由にさせる事が1番のポイントだったですからね。実話とは思えないですが、実話なんですね。
ファファフィネの描き方が素晴らしかった。
映画.comのオススメの記事に惹かれて見に行った。
実際の出来事に基づいた映画、スポーツの逆転劇である。
映画として悪くない。
ただ、どうしてもこの手の内容となると「既視感」がある。
僕の場合、「Cool Running」がそれだ。同じディズニーフィルム。
ジャマイカのボブスレーチームのオリンピック挑戦物語である。
そことのどうしても比較で見てしまうところがある。
申し訳ないのだが、物語の構造がどうしても似てしまう。
ゼロからまたはマイナスからのスタートで始まり、指導者との出会い、挫折や仲違い。そして逆転劇。
そこを比較してしまうと、最後にボブスレーを担いでゴールした「Cool Running」の方が、逆転劇のさらにその後の展開まで感動的に締めくくる点でどうしても軍配をあげたくなる。
今回の映画での見どころは「サモア文化の第三の性“ファファフィネ”」でしょう。この描き方はとても新鮮だったし、とても共感を覚える素晴らしい描き方だった。映画としての質をあげる表現だったと思います。
こんな実話が?あるとは?
2001年のワールドカップ予選で史上最悪となる0対31で敗退する米領サモアの弱小サッカーチーム。
この最低でやる気のないサッカーチームの再生を任されたコーチが、どの様にしてチームを立て直すのか?が見どころポイント。
そもそも監督にも問題があり非常に短気で感情的!
こんなコーチがチームの現状に呆きれるが、何故か?辞めそうで辞めない。
簡単そうだが?簡単では無いチームを一つにまてめて、やる気を出させる事が大事!しかし!これが難しい。
ワンゴールだけで涙が溢れそうになる!
米領サモアの空気に惹かれて鑑賞
ありそうな話だなと思っていたが、ドキュメンタリーの劇映画化だったのね
やる気のないサッカーチームと、すぐぶちキレる監督
サッカーより大事なものがあるという、のんびり感は貴重
自分たちの弱さを悲しみながらも楽しんでいく
監督も自分の弱さを認めて次のゴールに向かっていく
サッカー版スクール・ウォーズ
FIFAランキング世界最弱203位、あの日・韓W杯の予選で当時75位のオーストラリア代表に31-0で敗れる屈辱的レコードを叩き出したアメリカ領サモア(旧東サモア)。
東サモア協会会長はU20アメリカ代表を2度W杯に導いた熱血の名将を再建のために招聘、悲願の初ゴールどころか奇跡の初優勝に導く『サッカー版スクール・ウォーズ』。
終始ポリネシアンらしいユーモアとふざけ過ぎな展開の中、ここで泣かせるのかぁって展開。
あれれ? 意外に感動しない
世界最弱の米領サモアのサッカーチームが、公式戦初の1勝をあげるまでの話。実話がベース。アメリカで暴力行為でクビになった監督が、あまりに違う状況の中で戸惑いながらチームを作っていき、ついに勝利をつかみ取る。
となれば、「クール・ランニング」のような感動を期待してもおかしくはない。ところが、明るく楽しい映画ではあるが、感動はほとんどなし。
肝心の試合の描写が細切れで、ハラハラドキドキもしないし、ちっとも盛り上がらないせいだろう。個人的には期待外れだった。
最後まで笑わしてくれます
全編お笑いかというとそうでもなくて
マイケルファスベンダーが何回か娘さんの留守電を聞くシーンがあるんですが
最初は、別居して奥さんと居る娘さんと一緒に暮らせなくて寂しさを
募らせている、そんなふうに見えます。だって南太平洋まで出稼ぎに来てるようなもんですから。
だんだんそうじゃないことがわかります。
出てくる人たち、人がそれぞれ大事にしてる、大切にしたいことに真っ直ぐに生きてる、生活してる姿が
いろんなシーンを通じて伝わってきました。
吹き出してばかりでなく、しんみりもできる極上作品でした。
でも最後の最後は、、、この監督さんはお気に入りです
tears for fears 久しぶりにスピーカーで聴けてよかったです♪
世界最弱からの挑戦に笑いあり涙あり!
『ネクスト・ゴール・ウィンズ』
大好きな
監督タイカ・ワイティティ。
笑いと涙の感動実話『ジョジョ・ラビット』『マイティ・ソー』シリーズの天才監督!今回も画面越しにサプライズ登場して最初から笑えた
この映画は、世界最弱と呼ばれた米領サモアのサッカーチーム再建の物語。
2001年に歴史的な大敗を喫した後、一度もゴールを決められなかった彼らが、鬼コーチ、トーマス・ロンゲンのもとでどん底からはいあがる
マイケル・ファスベンダーが熱い演技でトーマス・ロンゲンを演じ、『ファースト・ジェネレーション』のマグニートの機会的なイメージじゃなく
人間くさい魅力を感じられるますよ。
ストーリーの組み立てが秀逸で、後半の試合描写はまさに圧巻。予想外の展開に、笑いあり、涙ありで、最後は幸せな気持ちになれました!
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