波紋のレビュー・感想・評価
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緑子さんで緑水…(笑)?
文章は苦手なのですが興奮していますので初めて書きます。
You TubeのCMで予告編を一部拝見したときから観たいと思っていた邦画でした。
波紋…。
はじめから最後まで共感ばかり。あるあるある…。
更年期障害は自分はまだなんですが(きっとあれはホットフラッシュ?)、細部まで理解できたつもりです(宗教…、その中での炊き出し、消費期限切れのお水配りでさえ“徳積み”だと洗脳されている感覚)。
冒頭の水道水を使ってのお粥…。
レジのパートでいつものクレーム客。
カマキリ…(うちの父、その虫だいっきらいです笑)。
同僚の、清掃員なのにゴミ屋敷…。
…でも、彼女の存在は大事で息抜きでしたね…。
お部屋掃除したことは徳を積んでいると思いました。
緑水会という新興宗教のお水……、人間…生物はお水が大事ですからそこからの洗脳云々… あるある。
一人息子の彼女、、に酷いこと言ったり…。
そして息子は母親をよくわかっているなぁ、と…。
(それにしても…よく夫をあんなに支えていて偉いと思いましたね!黙ってご飯つくったり…歯ブラシの件はあったとしても)
“切磋琢磨いたしましょう”………。言われなくてもみんなしてるワ!!て思いながら…
石庭、枯山水はとても素敵でした。
ラストシーンの情熱的なフラメンコ!
とてもカッコ良かったです!!
私はフラダンスしか経験がないのですが、ママ友がフラといえばそれら両方を習っているのでステップは生で見たことありましたから、感動しました。そして笑いましたよ!
傘が赤だったので色もシンドラーのリストじゃないけれど赤と黒の対比ですね。
喪服って緋色をあの色に染め、作成するので(私も未だ袖を通してはおりませんが持っているので存じております)、踊っている最中に肌襦袢が赤くなった!?と思いますが私は全く違和感なかったです。
場面展開でフラの手拍子…でしたね。
女性の監督さん。だからか…納得。
とても面白かったですよ!
世の男性たちがこれを見てなにか悔い改めたらな…なんて思ったりします(笑)!!
今帰ってきてYou Tubeで舞台挨拶などをTVから拝見しております。。見ながら書いています。
乱文失礼いたしました。
明日からまた頑張ります。
絶望!!楽しも。
【訂正】
正しくは…
緑命水で、緑命会でした。
誠に失礼いたしました。6/19
うまいよなー。
荻上監督色。ワンシーンワンシーンをパズルのように淡々とつなげて描いていくの、うまいよねー。福島原発から宗教問題、差別発言やらなんやらてんこ盛りな題材をサラッと表現、心に染みる…。監督の力量と芸達者な役者が噛み合うからこそ。良かった。
手拍子はそういう事でしたか
他評者各位の談論風発ぶりが示す通り、様々な解釈を許容する良い作品。
当初は依存していた宗教団体すら利用し(という自覚はなさそうだが)夫の罪悪感を刺激して追い詰め復讐を遂げる筒井真理子の怪演は,清々しささえ感じさせる。
漫画「妻が口をきいてくれません」の無神経夫はこういう最期を迎えるのだろうな。
🇯🇵ぽい作品
邦画じゃないと味わいにくい作品。
こういうのもたまには良い。
モヤモヤを楽しむという、不思議な作品。
枯山水の庭は素敵だ。
水がないのに水を表す、無いものをあるように
あるものを無いように。
見えてる面が、その人の全てでは無い。
主人公、旦那、同僚、息子、息子のフィアンセ、宗教仲間、
ホームレスの男。。
見えてるものが真実とは限らない。
味のある作品。
妻帯者には頭が痛い
筒井真理子さんが色っぽくて好きで主役は珍しいと思い鑑賞。
筒井真理子さんの演技の素晴らしさが引き立ってます。
顔の表情だけで心情がわかるほど、宗教団体の江口のりこさん、平岩紙さんの宗教団体の信者の演技は流石。
木野花さんも高齢者役をなされるようになったんだと改めて自分でも歳をとったんだと思い知らされた。(ビレッジでも寝たきり老人役されててびっくりしたけど。)
内容は社会問題、特に個人に関わる誰もが当事者になり得る問題をいくつも取り上げていて考え方を改めさせられるられる点や、そうだよな~と納得すること等、うまく描かれていて良かった。
木野花さんが迷惑老人にも計り知れない事情があるかもと言ったシーンとか、3.11で部屋が散らかってしまった時にプツリと何かが切れてしまったとか、高齢者がひとりで抱える問題は表に出てないだけで日本中どこにもあることかもしれないよね。
宗教家が言う教義は最もなことだけれど、宗教に溺れずにそういう思考でみんなが暮せば幸せな社会になるのだろう。
どうしてもひとりで抱え込んで悩み、不満も言えずって状態が最も人間にとって悪いことなんだと思い知らされた。
自分も妻帯者である以上、反省します。
こっちを選んでよかった
注目作が目白押しの状況で
見たい映画がたくさんある
時間の制限があるなかで
どれを選ぶかとても悩んだ
そんな中で、どう見ても注目されてないし
話題にもなってないけど
何か引っかかる部分があり
観ることにしました
宗教にすがる、ハマっていくロジックもやむなしだし
こんな形で、人には言えない、表には出せない感情や境遇に生きている人は
世の中たくさんいるのだろう
クレームをつける爺さんも
掃除のおばちゃんも
そうなのだろう
彼女の心の内を表すような
無に近い意味合いで
音を避けて制作されていて
とても良かった
時に「ズーン」ってなる感じも
洋画あるテイストで良かった
半面で心が躍るような場面では
邦画特有の、例えて言えば伊丹作品のような
コミカルな音も組み合わせてましたが
こっちの演出は古臭くて不要だったと思います
定点で示した画角には
部屋や庭の状況が変わる
それを示すことで
変化を表すのもとてもいい演出だった
ずっと見ていられる映画だなと思った
ラストシーン
雨なのに、晴れていて
「気が回らねーな、どんな天気だよ!?」
って思ってたら
あの舞!ちゃんと意味があったので
満足感が高い映画になりました
とてもおすすめできる一本です。
名バイプレイヤーのオンパレード!
前情報無しに観たのですが、なかなか面白かったです。
作品を支えるキャストが素晴らしいですね。劇団系な感じの役者さんで好きな人ばっかりでした。
ラストはポンジュノの母なる証明を思い出す感じで好みでした。
それにしても柄本明さんどこにでも出てるな~
要所要所笑える
筒井真理子の様々な表情と怪演と言っても良い病んでる心情
信者達のヤバい目つきに印象深い唱えに振付w
磯村勇斗がもっと場面あるのかと期待したがそこは残念
劇的要素はそこまで無いものの何だか笑えながら少し考えてしまう感じでした😅
ラストのムロツヨシの名前に、あれそうなのか的でしたw
特別でない話に見える闇
想定外の出来事があっても、日々は淡々と続いている。
あり得る話の積み重ね、どちら側から話を聞くのかでまったく印象が違ってくるといった、そのアンバランスが絶妙に面白かった。
清く正しく美しくな気分もあれば、倍返しな勢いの時もあるのが人間だよねって思う。
波紋疾走
2011年、突然失踪した夫が10数年ぶりに姿を現して、ガンで保険適用外の治療が必要と言い出された妻の話。
原発事故による放射能汚染が騒がれる中、妻と要介護の父親と高校生の息子を残し失踪する夫の様子から始まって、気付けば10数年後、父親は亡くなり、妻は新興宗教にハマり、息子は九州で進学~就職し、そして夫がひょっこり帰って来て…。
見返りを求めない善行を訴えるけど、先生の祈りや波動には見返りが必要な宗教ですか…w
序盤~中盤は突然帰ってきた夫に嫌悪感を感じさせつつのホラーコメディの様な展開で掴んでおいて、中盤からは主人公がヤバいヤツ!?
清掃員の家の件は気付きか目覚めか、そしてトドメの特別な緑命水。
ストレス、ストレス、ストレス、ストレスの波紋をぶつけ合う様はユニークだし判りやすいし、無いのに有る、有るのに無い水に掛けた感情と本質と…とても面白かった。
宗教も邪悪な人間の前には無力
2023年劇場鑑賞119本目。
ある日突然夫に失踪された主人公。夫が数年ぶりに戻ってくると妻は新興宗教にハマっていて・・・という話。この前に観た映画がなんの変化もないただただ退屈な映画だったのもあって多分5割増しで面白く感じた気もします。
この宗教、心の弱みにつけこんでお金を巻き上げるような悪徳宗教ではあるのですが、教えとしては穏やかに生きろと真っ当なことを言っています。しかしこの筒井真理子演じる主人公の生来の底意地の悪さが宗教の教えを上回ってしまっているのが面白かったですね。
ラストシーンの狂気っぷりもなかなか。ターで見たかったのこういうことなんだよなぁ。
(追記)思い返すとじわじわと面白さが蘇ってくるので満点に変えました。
滑稽に生きてこそ人生
常識的な人間かと思えば、裏の顔的なキャラクターしかいない。のが面白い。
普通の夫は突然失踪するし
寝たきりの義父はセクハラするし
普通の主婦は新興宗教にハマってるし
健常者の息子は障碍者の婚約者を選ぶし
清掃員の家はゴミ屋敷だし
近所のジジイはクレーマーだし
隣の家人は猫を放し飼いだし
心の支えの宗教家は怪しい水を売りつけてくるし
ホームレスはムロツヨシ
一見、普通の家族に見えても、親切に見えても本心じゃない。腹の中で考えていることとは違う現実を選択しているから、物語上では殺人事件は起こらない。それが普通。私が生きている世界と何ら変わらない。
普通って一人一人が自己を抑制して初めて社会になっていくのだなぁと感じる。
ただ、とてもストレスが溜まる。
普通にするのって、周りの人間に合わせて働き、にこにこ笑いながら悲しみやイライラを飲み込むためには宗教だったり、お部屋だったり、自分のガス抜きをする必要があったんじゃないか。
主人公、依子が緑命水の教えを盲信している時には夫は生きている。最後、夫が死んで骨になったら、家から水は無くなって、祭壇も跡形もなく、夫の遺骨が置かれている。
つまり、依子にとって宗教は自分のガス抜き、アンガーマネジメントをして、普通の社会を生きていた。
一滴の水〜🎵と宗教で歌うけど、振り付きで3番まであって思わず笑ってしまうけど、歌詞をよくよく聞いてみたら当たり前なことを歌ってて、普通にすることって難しいんだなと、少し悲しくなった。
1人で水面に落ちれば、波紋はどこまでも広がっていくのに、人間と関われば関わるほど、自分の波紋はより大きな波紋に打ち消されてしまう。
波紋は声と置き換えても良いかもしれない。
胸の中に広がる声は関係が近ければ近いほど伝わりやすい。
モノクロで水面の上に立って描かれる波紋のシーンでは、近くにいた息子が、相対する立ち位置に変わり、恋人と同じ位置から母親に波紋をぶつけてくる描写が面白かった。
依子の好き嫌いが玄関の靴の位置で分かるのも面白かった。
映画ではほとんどの場合、主人公に感情移入して物語の世界に没頭して楽しめるのに、普通だと思っていた主人公が新興宗教にハマっているので、感情移入や同調することが難しく、観客も一滴の水と同じ、客観的に波紋を受け取る立ち位置で映画を鑑賞しなければならないのも面白かった。
主人公に感情移入しない、他人の目線であるからこそ、依子が災難に見舞われて奮闘する姿を「滑稽だなぁ。」と達観しながら観ることができた。
半額ジジイに「お客様は神様だろう?」と言われた時に
依子が「夫が癌なんです。神様ならどうにかしてくれますか?」と言って撃退したのが痛快だった。今度やってみようと心のメモに刻んだ。
生きているだけで、人と関わるだけで波紋が生まれ、自分の元に届いてくる。
関係が希薄なはずなのに、自分とは関係ないと思っているのに、ないはずなのにある。
庭の枯山水は自分の心の声を表面化させた形だ。
心理学でも箱庭療法と言う物があるけど、それに近い。
なのに、自分の心の庭にまで隣の家の猫が入ってきたり、夫が踏み荒らしたりする。
最後、棺桶に入って心の庭を渡る時、棺桶を運ぶ葬儀屋が歩道の飛び石をうまく渡れず棺桶が転がる。
依子の心の池に死んだ旦那が転がってる。
でももう、波紋は生まれない。
思わず笑いたくもなる。
怒りをおさめるガス抜きとして利用していた緑命水も入らなくなったところで、自分の元を去る息子から「昔やってたフラメンコでも始めたら?」と言われる。
依子は息子の波紋を受け取り、フラメンコを踊って幕が閉じる。空は天気雨。晴れているのに雨が降っていて、やっぱり普通じゃない。
今までの監督の作品とは違った雰囲気の作品だけど、やっぱり絵面は綺麗で清潔感がある。ゴミ屋敷も片付けるし、丁寧な暮らしぶりが垣間見える。
他の作品ではそれらは清潔感と清涼感を演出してるけど、今作では几帳面で潔癖で息苦しい。
ちょっとバーバー吉野に近い雰囲気だった。
これは何となくだけど、川っぺりムコリッタあたりで監督も身近な誰かを亡くされたんだろうか?
前作から死を意識する作品が続いている。
それとも、そんなお年頃なのか。
ともあれ、更年期の描写を含め、リアリティのあるキャラクターにいつも引き込まれる。
ムロツヨシがひょっこり出てきて、会話するのも良かった。ムロツヨシ出てきた!と思ったけど、一緒に観ていた相方は気づかなかったらしい。
それほどちょい役だった。
ハマる、ハマらないがある映画だと思うけど、私はやっぱり荻上直子監督作品は波紋を受け取れるな、と感じた。
波紋って、自分が黙っている時にしか自分の元に届かないんだな。
自分も声を上げると、相殺してしまうんだ。
波紋を受け取って欲しいなら、相手を黙らせる必要があるんだよな。
と、徒然なるままに考えを書き殴ってしまいましたが、自分の心と向き合える作品です。
是非、劇場でご覧ください。
また、Twitterではイラスト付きレビューを無料で公開しています。「王様のねこ」で検索してください。
Instagramにも同じ記事の掲載あり。Filmarksではフォローしてくださった方はフォローバック100%です。
よろしくお願いします。
趣旨は多いに理解できるが、どれか一つに絞ったほうが良かったのでは…。
今年174本目(合計825本目/今月(2023年5月度)31本目)。
tohoシネマズさんの映画のラインナップとしては問題提起型という、万人受けるする映画ではないものの、80%くらいの埋まりようでした。
ここでもすでにかなりの評価があり、他の方が触れている点は同じになるので多言を要さずバッサリとカットします。
結局この映画で主に上げられる問題は、「問題提起は理解できるが、多数の論点を入れた割にどれも明確に最後まで描かれない」「突然帰ってくる夫に対する「正しい対応」の不足」、さらには、「個々個々、妙なまでにセリフが少なく、ある程度補う必要がある」「いわゆる、炊き出しについて」等の論点ではなかろうか…と思います。
特に1番目と3番目は他の方も触れている方がいるので、2番目と4番目は資格持ちとしては明確に気になったところです。ただ、これをどうこう言い始めると「映画のストーリーが成立しない」という妙な事情も抱えているので、どこまで考慮するのかは微妙です。
また、問題提起型の映画であることは明確も明確であるのに、ラストが珍妙な終わり方をするなど(最近の映画だと、「もっと超越したところへ」が似ている?)、その珍妙さもあいまって混乱度合いは高いです。
なお、映画の趣旨その他としては、2020年だったか19年だったか、「星の子」が趣旨的に近いです(完全に同じではない)。
行政書士の資格持ちのレベルで気になったのは以下の通りで、4.2を4.0まで切り下げています(これらの行為についてエンディングロールで説明がない点も考慮しています)。
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(減点0.4/いわゆる炊き出しについて)
・ 炊き出しについては、食品衛生法ほかこれらに関係する法律の外の場合であっても(規模要件等)、都道府県では通常、「申請義務はないが通常申請をお願いします」というようになっています。それは第一義的には「食中毒が出た場合の対応ができなくなること」と、もう一つは「無償配布か有償配布かでトラブルになるから」という2つにほぼ絞られます。
一応、「お願いします」の扱いではありますが、日本では当然、「お願いします」のレベルでもあっても、行政が管理している土地でやる場合は結局強制されてしまう点もこれも事実で、かといって映画内でこれを行ったと思われる点もなく(なお、いわゆる「炊き出し」と同時に、ワンストップ事業として生活保護の申請代行などを、行政書士でない方が行うと法律上アウトです)、ここはちょっとどうなのかな…というところです(本問題は「食品衛生法で定める範囲外であっても、食中毒を出さないように保健所が一元管理する、という公衆衛生に関する「パニックの防止」が論点なので、いかに「お願いします」とはいえ、無申請活動がまかり通ると大混乱します)。
※ なお、大震災ほか「申請に対して許可を得るいとまがない場合の緊急的な炊き出し」については、多少甘くみられているようです。
(減点0.4/そもそも主人公が取っている行為も謎)
・ 突然帰ってきた夫…という設定ですが、その「長期間帰ってこない」ことは当事者である妻が一番知っていることです。そしてその状況で遺産相続等を行うと面倒なことになってしまいます。
婚姻後の裁判上離婚は民法770条に規定があり「3年間生死が分からないとき」がありますので、これを使わなかったのか…という気がします(ただ、この規定は「生死がわからないという中途半端な一方側に強制的に申請せよ」というものではない)。また、遺産相続については行政書士・司法書士が間に入ることが多いですが(不動産の登記名義等がからまない限り、行政書士でも可能)、このとき、「そもそも法律的に決着していない、宙ぶらりんな人がいる」ということを把握していない(厳密にいえば、主人公もそうした専門家を呼んだ形跡は見当たらない)のが問題で、それが「生前に残したお金がどうこう」といった問題になってしまいます(裁判上離婚していれば、たまたま帰ってきても「ただの人」でしかない)。
こういった部分の考察が抜けているため、特に「お金の捻出方法」について明確に配慮を欠いている部分があり(当然、適正な対応を取らないのであれば、いつ帰ってきてもおかしくならないように、適切な対応が必要)、この描写が何もないのはちょっと気になりました(このように、当事者が明確に「帰ってこない人がいる」という状況で、専門家抜きで遺産相続をやるとあとあと面倒くさいことなるのは、当事者がそもそも知っているはず)。
スーパーまるおか
ロケ地の一つがここであり、お隣のイオンシネマ高崎では本作の上映がないというのがなんか皮肉めいたものである(苦笑
なかなか救われないし、胸にドスンと来る作品である 更年期障害+義父の介護+東北大地震による原発事故の放射能汚染からの水質問題+夫の突然の失踪&ガンになって帰宅+パート先のカスハラ+息子の聾唖のガールフレンドしかも妊娠+枯山水の庭へ隣の猫の紛れ込み等々・・・ 麻雀は知らないけどこれだけ沢山乗ってくれば相当の点数になるのではないかと驚愕するリアリティダークファンタジー物である
しかもそれを新興宗教に縋るという最悪の心の落ち着かせ手段にしてしまうところに、ますます地獄を繰広げる展開が観客の心を蝕む しかしその中で、職場の清掃員の老婆との交友関係が一筋の糸として主人公を救い上げる部分に安堵する しかし根本的には何一つ変化しない現状に於いて、しかし時間がそのこんがらがった糸を溶かすように、夫がこの世から居なくなる事で、始めて主人公はフラメンコの踊り手宜しく、自由の勝ちどきを挙げたのだろうとラストの演出に納得した ムロツヨシとは気付かなかったが、ホームレスの男のカマキリ話は、真実なんだろうと実感する 最後にオスはメスに喰われる この世はそういう摂理なのであろう
現在の自分も非常に似たような環境なので心底思い知らされる、ピンポイントに刺さる作品である
各邦画を彩るバイプレイヤー達のオールキャストでの演技にも心が掴まれる、本当に心底身の竦むストーリーテリングであった
病床での夫の台詞、「俺、さっさと死ぬわ」は、至極名言である 妻側では憤ると思うのだが、稼がない男は早く幕を降ろすべきなのであろう・・・
相対的な世界で言いなりであること。
2023年。荻上直子監督。夫は東北大震災直後にふといなくなり、息子は大学入学後を機に家を離れ、一人で暮らす主婦。パート勤めをしながら新興宗教にすがって生きているが、ある日、夫が「ガンになった」と言って帰ってきて、、という話。
ままにならない人生をなだめすかして生きていく主婦に主観的に寄り添うように見えつつ、それを相対化するように独りよがりで利己的な側面も描いている。善悪の基準も親密な人間関係も信仰も絶対的な支えにならない。家族の問題も職場の問題も自分の体の問題も誰かに従って相対的に判断してしのいでいる。この「言いなり」感がすごい。いや、催眠術のように言われたことに従っていくそのシンプルさがすごいのか。周囲に影響を受ける一方で、自分から影響を与えることはなく、しかも影響を主体的に受け止めるのではなく、100%信じ切ろうとしてしまう。これはホラーである。
それでも『生きていかなきゃあならん』のです
人生は『選択』の繰り返しなのですが、当然「選択する立場」と「選択させられる立場」があります。
後者の場合では相当ストレスがたまってきてその結果、『依存』がはじまります。
主人公は嫁としての立場からか、夫や息子、仕事に家の管理まですべて完璧に対応していました。
ただ或る日の原発事故による『雨粒一粒』によって今までの人生が狂い始めます。
知らぬ間に嫁としての立場に依存する生活を送っており、夫の失踪を機に日常がどんどん崩れさっていきます。そして心の拠りどころを失います
しかし実は内心それを望んでいたのかもしれません。
依存からの脱却として。
自立を目指すように決め、ターンを『選択する立場』にシフトさせたことで人生が好転し始めます。(夫が棺から落ちたのを見て笑うブラックユーモア等)
現実パートは、プールで誰にも邪魔されない大きな波紋を広げて前に進んでいき、心象パートでは多くの雨粒の中フラメンコで門出を祝っているのかなと思いました。
そして自立した女性になった。
映画全体としては「少し長いかな」と思いました。
筒井真理子さんの演技が素晴らしかった。そして美しかった。
彼女を主演にされた事に感謝します。
とても楽しみにしてたのだけど、予告編以上のものではなかった。先に...
とても楽しみにしてたのだけど、予告編以上のものではなかった。先にモチーフが来てしまうのではないか。
ラストのフラメンコはよかった。何よりうまかった。
光石が、予告編の感じと違って嫌味に見えない。
カルトの人々も典型的すぎて、一人ひとりの人間性が見えない。
この人の映画は駄目なんじゃないか。
#24 筒井真理子さん主演映画って良い
『横顔』も良かったけど本作も日本の本質をついてて堪能できた。
特に差別の部分。
差別は教育で無くせるものじゃないでしょう?
もっと自分の周りに色んな人が存在することで色々受け入れていけるのに、今の日本みたいに教育だけで差別をなくしましょうっていうのは違うと思う。
私自身は『人種差別する人間です!』って自分で宣言してるしね、
昔働いていた欧州系企業の人達がルーズ過ぎたせいで私の人種差別は生まれたわけです。
つまり言いたいことは、人間って自分の経験で自分以外の人の見方が歪んだりするわけでしょう?
そこをストレートに描いてるのがすごいなって思うわけです。
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