波紋のレビュー・感想・評価
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実力派バイプレイヤーズがいっぱい出てくるから観ていて楽しい。 クス...
実力派バイプレイヤーズがいっぱい出てくるから観ていて楽しい。
クスッと笑ってしまうかなりブラックなユーモアが良い。
突然帰ってきた夫の些細な行動に引っかかってしまう、中年女性の悲哀に共感し、細やかな反抗にスカッとする。
夫をリアルに嫌がっている感じがすごい上手かった。
信仰宗教もギャグっぽくはせず、きっとこういうのあるんだろうなぁと思わせる塩梅で良い。
障害者に対する偏見も素直に描いたり結構攻めている。
磯村勇斗が出てる作品に外れなし!
てか、磯村勇斗と柄本明めっちゃ映画出てる!!
是非ご夫婦(別々)でご覧ください
とても興味深い家族に関するテーマ。
筒井真理子さんの1人舞台。
台詞がなくても表情と醸しだす雰囲気というか空気感がお見事でした。そしてダメダメおやじぶりが妙にハマっていた光石研さんとのやり取りは、ダブル主演と言ってもいいくらいの出来です。なかなかの『憎みきれないろくでなし』ぶりは特筆ものではないでしょうか?
光石さんのひとつひとつ『やっちまったな!』感に溢れる一挙手一投足に対する心の声を字幕で表現してもよかったんじゃないかと思いました。
まあ1人舞台と書きましたが、周りを固める役者さんたちはひと癖もふた癖もある個性的な方々ばかり。信者のリーダー、キムラ緑子さんの本物と思えるほど自然な佇まい。
江口のりこさん、平岩紙さんなんかは確実に本物です。先週観た『最後まで行く』で見事なハマり役の柄本明さん、磯村勇斗さんも今回は少し抑え気味でしたがやはり映画が引き締まります。(磯村さんは今回いい人でしたが)
障害を持つ息子の恋人に対する対応は少し気が滅入りましたね。
ムロツヨシさん、どこにいたかと思ったらカマキリのホームレスだったんですね?気づきませんでした。
色々な問題を抱えて奔走する家族の重くもクスっと笑えるそれぞれの事件に「フィクションだからいいけど本当ならたまらないよな」って思い、心の底からは笑えませんでした。冒頭のいびきに閉口してよく眠れない筒井さんの表情は決して人ごとではなく身につまされるものがありました。
そして家族を大切にしないと明日は我が身だよなってつくづく反省した次第です。面白かったです。皆さん、ご夫婦で(別々に)ご覧になることお勧めします。
感情を処理しきれなくなると、人間は笑う。
新興宗教に傾倒することで精神的な平静を保とうとする主婦が主人公。十数年前に失踪した夫の突然の帰宅を皮切りに五月雨式に起こる問題によって、主人公は精神的に摩耗していく。主人公のように、やるせなさを感じながらその気持ちに蓋をして日々を生きている現代人は多いのではないだろうか。
主人公の心境の変化に合わせて、場面の切り替わりに挿入されるパルマ(フラメンコの手拍子)のリズムも変わっていくという演出になっているが、視聴中は手拍子とフラメンコが結びつかず、ラストシーンにやや唐突さを感じた。
本作は高齢化、新興宗教、差別など、社会問題をこれでもかと言わんばかりに組み込んだ作品ではあるが、出演者の演技力は高さと(特に新興宗教信者役の女優の表情のつくり方は怖いくらい上手い)、多くの笑える演出によって、重いテーマが軽妙な作風で描かれている。
【”パン、パパン!貴方のした事、無かった事にならないから!”筒井真理子さんの駄目夫を見る氷の如く冷たい眼が恐ろしいブラックシュールコメディ。新興宗教、障碍者差別など重いテーマテンコ盛り作品でもある。】
ー いやあ、”荻上監督どうしちゃったの?”という位、今までと違う作風に吃驚し、筒井真理子さんの駄目夫を見る氷のように怖い目に、身がすくむ様な気分になった作品である。-
■須藤依子(筒井真理子)は、夫、修(三石研)の突然の失踪と、義父の介護のストレスからか新興宗教「緑命会」に傾倒し、漸く心身共に穏やかな生活を送っていた。
失踪から10年以上も経ったある日、修が戻り”癌になった”と言って同居を始める。
夫へのストレスがドンドン増して行く中で、一人息子拓哉(磯村勇斗:最近、この俳優さんを頻繁に映画で目にする。良い俳優さんだもんな。)が聴覚障碍者の彼女を連れて、就職先の九州から出張で帰宅する・・。
◆感想<怖かった所、面白かった所。>
・冒頭、須藤夫婦がベッドで頭の位置を逆にして寝ているシーン。そして夫の鼾が五月蠅くて依子が早朝ベッドを抜け出すシーン。
ー 妻の夫に対する苛苛あるある・・。(我が家ではない!)
1.鼾が五月蠅い
2.加齢臭が臭い
3.とにかく、存在自体が嫌!!
可哀想な、働きバチの夫たち・・。(涙)ー
・で、修はある日、庭の花壇に水をやっている時に、フラリと居なくなる。
ー 後年、拓哉が言った言葉”父さんは原発じゃなくって、母さんから逃げたんだよ!”-
・依子は夫が失踪した後に、新興宗教”緑命会“に傾倒していく。
ー 家中にある緑命水ボトル。どう見ても怪しい水晶玉。庭は枯山水である・・。
そしてキムラ緑子演じる”緑命会“の親玉の掛け声で信者たちは、不思議な踊りを踊るのである。
可笑しくてシュールなシーンである。信者役の平岩紙や江口のりこがグッドキャスティングである。-
・そんな中、修が戻って来て癌治療のために高額なお金を要求してくる。水晶玉に付いていた夫の指の跡。
ー 依子の苛苛MAX!マジで水晶玉で修の頭をカチ割るかと思ったよ。そして、修を”緑命会“に参加させた後、高額点滴のシーンは笑ったなあ。
ポトリと一滴落ちると”10まーん、20まーん”と数える依子の姿。
さらに修の歯ブラシで洗面所を掃除しちゃったり、修の洗濯物に消臭剤を掛けるシーンも怖いが、可笑しい。-
・”緑命会“のホームレスの人達への炊き出しシーンも可笑しい。
ー ムロツヨシ演じるホームレスがやって来て、修に”貴方、前世カマキリの雄ですよ。交尾中にメスに食われちゃう奴。”というシーン。クスクス。修と依子の関係マンマじゃん。-
・一人息子拓哉が聴覚障碍者の彼女を連れて帰宅するシーン。物凄く気まずい雰囲気の食事シーン。
ー で、息子に頼まれ彼女をスカイツリーに連れて行った時に依子が言った言葉。
”息子と別れて下さい。”だが返す刀で彼女がニッコリ笑って言った言葉。
”拓哉さんから言われてます。あの人頭オカシイから別れてくれって言われたら言ってくれって。”-
・何でも”半額にしてくれ”の高圧的オジサン(柄本明)や、息子を亡くしていたお掃除オバサン(木野花)の存在感あるアクセントも良い。
<漸く修が死に、簡素な葬式が済んだ後に焼き場にも行かずに、満面の笑顔で高笑いする依子の姿。(怖いよお・・。)
そして天気雨が降る中、喪服で真っ赤なパラソルをさして、枯山水の庭で、フラメンコを踊るのである。(更に怖いよお・・。)
今作は、主要な俳優さん達の演技が素晴しく、且つ今までの作風をガラリと変えた荻上直子監督のオリジナル脚本が冴えわたる恐ろしくも可笑しき作品である。
家人をもっと大切にしようと思わされた作品でもある・・。>
■補足
・上映中に笑い声を上げていたのは、ほぼ中高齢の女性だったと思う。
私は笑うどころか”大丈夫か?俺の歯ブラシ!大丈夫かオイラの家人(いつも優しいけれど、あれは見せかけか?)などと思いつつ、背中にヒヤッとした感覚を持ってしまった作品である。荻上監督、何か心境の変化があったのでしょうか?
中年男にとっては、ホラーに近い映画でした。
女は母親、主婦という立場から、生きることから何があっても逃げられない
一人息子は大きくなって手がかからなくなったけど、介護しなければいけない人間が一人いるだけでも主婦の生活というのは大変だと思います。
震災で生活の全てが変わってしまっても生活、生きることまで変わる訳ではない。
介護の為におかゆを作るとき水道水を使う依子の姿には、思わずわかるというか、少し共感してしまいます。
旦那が突然、いなくなって戻ってきて、癌治療の為に金を出してくれという頼みには思わず「何を言っているんだ」と普通の人間なら怒って追い出すと思うのですが、それを主人公はしない。
最終的には見捨てず治療費を出すのですが、人は悪にも善にも簡単になれけど見捨てられないのは元、夫だから、そりとも多少の愛情の欠片が残っているのかと考えると妙な気持ちになってしまいます。
生活から、夫という立場から逃げ出した男が生きることに執着する姿は人間なら仕方ないと思うのですが、それが依子にはできない。
夫だけでなく息子も逃げた、しかも戻ってきたと思ったら女を連れて。
普通でない、障害者なら殆どの母親は反対するのは当然だと思うけど多分、息子は分からないというか、理解しようとはしないだろうと思うのだ。
しかも妊娠までしている女は可愛い義理の娘ではなくて母親というたちばなら尚更だ。
宗教に縋って生きる依子の人生には、これでもかというくらい色々な出来事が降りかかってくるのですが、これって現実、自分の身にもあるよなと思うと観ていて複雑です。
旦那が死んで、息子は帰ってしまい一人になった家の中にはがらんとして何もなくなってしまった。
これが自由というなら生きるというのは良いこと悪いこと半々なんて嘘っぱちじゃないかと思ってしまうのです。
でも最期に踊る彼女の姿に、いや、まだ答えを出すのは早いのではと思ってしまうのです。
理解できるところと受入れられないところ
夫が実の親の介護その他から逃げ出した妻の恨みは理解できるし、気にかけてくれた職場の友人への好意、そして結末の踊りの潔さは良いけれど、息子の気持ちとともに、悪徳商法を伴う集団への依存の肯定的態度や、婚約者への態度はいただけない。山田洋次監督作品『息子』とは真反対の姿勢でもあった。初めは外国人かと思ったが、難聴当事者俳優を抜擢していたところは評価できる。夫の逃げ出しと力尽きるところでのホースでの水の流しっ放しが対照的であった。ムロツヨシ氏の出演場面も確認できた。
パッと見よりずっと気さくな映画
見る前は頭使って見るタイプの映画の予感がしてたんだけど、いい意味で全然そんなことはなかった。感じるままに見ていい、ブラックな笑いがたっぷりの、でも泣けるところもある、面白い映画だった。ソール・ライターみたいなラストシーン、狙いすまし過ぎてるけど、まんまと好きだった。
新興宗教のシーンも好き。舞台挨拶で荻上監督は、自身が通っていた全寮制の高校の夕礼を参考にしたと言っていた。「男尊女卑で大嫌いな学校でした」とも。でも、映画では信徒たちの集まるシーンはいつも面白くて笑えたので、何事もムダにはならないもんだなあと思った。
いろんな水が出てきて、水ってなんなんだろうかと、ちょっと考え込みそうになる。形もなく色もなくて、そのわりに「聖なる」とか「毒素が」とか“色”をつけられやすくて。
筒井さんは、舞台挨拶やインタビュー記事では、こんなに生真面目で礼儀正しくて良識派っぽくて、どうやってお芝居なんかするんだろうと思うのに、映画の中では狂気っぽさを弾けさせたり薄めたり自在にやっていて、奔放な天才のしていることにしか見えないのが本当にすごい。
私は木野花さんに泣かされる率が高い。『閉鎖病棟』とか『ユンヒへ』とか。依子が泣くところで一緒に泣きたくなった。あと「みんな、なかったことみたいにしてるけど~」というセリフにうなずく。乗り越えてしかるべきもの、他の人はちゃんと乗り越えているもの、なのに自分だけつまづいてそこから進めないものってあるなあと思うので。
磯村くんは父親が出て行ったときの母親の様子を回想してしゃべるという芝居臭くなりそうなシーンも自然にやっていて、なんかもうありがたいなと思った。わざとらしくやられたら、こっちまで恥ずかしくなりそう。舞台挨拶で監督が「(磯村くんは)たぶん現場が好きな人なんだと思うけど」と言っていて、ああ、そうなんだろうなと思った。「(磯村くんは)足が長いんですよ!」とも言っていて、それは知ってるなと思った。
観たい度○鑑賞後の満足度△ ラストは誉めてあげましょう。それ以外は如何にも中途半端。シンボリズムやイメージが先行していて人間が描かれていない。
①キムラ緑子、江口のりこ、安藤玉恵、ムロツヨシ、平岩紙、木野花、柄本明と云うメンツが揃ったらもうコメディしかないでしょう、と思うが余り笑えない。緑命水の座談会シーンももっと笑えるか、と期待したが苦笑がやっと。
監督が「これだけのメンツが揃ったらコメディと思うでしょう。でも違うんですよ。」と言いたかったのか分からないけれど、かといってシリアスなドラマでもないし、面白いわけでもない。
江口のりこや平岩紙がにこやかに微笑みながら恭しくお上品な口調で話していると、そのうち何か起こすんじゃないか、起こるんじゃないか、と期待しましたが何も起こりませんでした。
「どうでもいい話」と「どうでもよくない話」とのボーダーラインにあるような映画。
やたらシンボリズムやイメージ(水、雨、波紋、波、人間の手・足・脚)は出てくるのだけれども、これだけ人間の内面を描いていない映画も珍しいかも(誉めているのか貶しているのか自分でも分からないけれど)。
②見たくもない男の足の裏のアップからスタート。筒井真理子演じる妻は其方に頭を向けて寝ている。これでこの夫婦はもう上手く行っていないことを表しているんだろうけど、もしかして足フェチ?或いは旦那の足の臭いが気にならないほど実は仲良し?なのかとも思ってしまった。
③女性監督だからか女性の嫌な面ばかり目につく。
筒井真理子の視線が怖いし、嫌なもの・嫌いなものからフッと顔や身体を背けるところはなかなか上手い。
帰ってきた夫の飯を食う音、味噌汁を飲む音に嫌悪を示すところなどはリアル(その事で奥さんに文句を言われると愚痴る上司が昔いました)。
ただ、介護している養父のお粥には飲んではいけない?水道水を使ったり、夫や息子の恋人(絶体やったと思う)の歯ブラシで洗面台や排水口を掃除するなんて、嫌いな上司のお茶に唾を入れるOLみたいなセコい意地悪で苦笑。
④息子の恋人が障害者(であろうがなかろうが不快だったと思うけど)というところが別の切り口かと思ったら、結構厚かましくて息子を盾に脅すなど図太いと云うかずる賢い女性として描いているところは新鮮。
⑤時々挿入される水面に主要人物が立って話をするシーンは画的に陳腐。
⑥木野花が演じる掃除婦のオバサンが一番人間臭いかな。
『ヴィレッジ』ではもうひとつ生彩に欠いたが、あれは彼女の芝居が悪いのではなく演出と脚本のせい。
彼女と主人公との交流シーンがこの映画で最も人間的だと思える。(しかし、「仕返ししなさい」と焚き付けられるが、瀕死の爺さんに自分に遺産を遺すよう遺言書を書かせたのだから既に仕返ししてるじゃん。)
ゴミ屋敷みたいな彼女の部屋も凄いが、それを見事に片付けた主人公もある意味凄いというか、そういえばこの人の家も庭もゴミひとつないような3S ぶり。あんまりこんな人と一緒に住みたくないなあ。
⑦ラスト、雨の降るなか喪服でフラメンコを踊るシーンは、これまで観たことのない画で、これは面白かった。
悩みは尽きない
須藤依子は義父の介護をしながら、夫と息子の4人家族で暮らしていたが、東日本大震災の後、突如夫が失踪した。その後、緑命会、という新興宗教を信仰し、祈りと勉強会に励みながら穏やかな日々を過ごしていた。そんなある日、夫・修が突然帰ってきた。修はがんになったので治療費を援助してほしいと言った。さらに息子・拓哉は聴覚障害のある6歳年上の彼女を結婚相手として連れて帰ってきた。更年期で調子が悪い状態が続き、また、パート先ではわざとキズ物にした商品を半額にしろ、という理不尽な客に罵倒されるなど、悩みが尽きなかった。湧きあがってくる邪悪な感情を、宗教にすがることで抑えようとすふ依子だったが、突如吹っ切れ・・・てな話。
依子役の筒井真理子に感情移入して観てた。水系の宗教ってよく聞くなぁ、って思った。夫の修の無責任で図々しい態度はいったいなんなんだ?家に入れなきゃ良いのに、って思った。
結論出ずだが、あるある、って観れて面白かった。
波紋は色々なところにおこる
平凡な主婦だった。震災で日常が崩れてしまった。
この出来事から、日常は崩れ始めた。
水道水が危ない、夫が自分と息子を捨てて出ていく。息子は遠くの大学に行ってしまう。
気がつくと、1人、宗教によっで心の平穏を保っていた。
そこに夫が癌になって戻ってきた。
波紋は広がる。
息子は軽い障害のある年上の女性を突然連れてきた。
全ての波紋が広がってどうなったかは映画では具体的には語られない。これはこの映画の特徴だった。
そして、全てはクライマックスにつながる。
彼女はこれからどう生きていくのか。最後に波紋の象徴のようだった枯山水を踏み荒らしながら踊る姿は力強さがあり、救われる気持ちだった。
信じるものこそ救われる❓
よかった。筒井さん、光石さん、緑子さん、木野さん、磯村くん、とその彼女役さん。オールキャスト上手し❗。信仰もつことはいぃこと。ですがマインドコントロール的に幹部に言われるがままに意味あるのか無いのか未知な物品を買わされてのめり込み見境つかなくなる怖さを背景に。差別や憎悪を持つ人の心理を突いた感じがとても面白く自分ごとに観れました。正解でしたね。
キーワードは「水」。
旦那の修が突然失踪した後に新興宗教にハマリ、騙される妻、依子の話。
失踪したはずの旦那が十数年後にガンを患って戻ってくるが宗教ドハマリ中の依子、息子、息子の彼女を交えた家族のストーリー。
息子役に磯村勇斗君が出演してたのでとりあえず最優先で鑑賞。
依子からしたら十数年たって戻ってきた旦那が鬱陶しい!(笑)
依子には依子の生活がありルーティンが決まってる、ルーティン崩す、宗教から買った大量の「緑名水」を勝手に飲む、隠してある酒を見つけては旦那が飲むんだけど、何か事ある事に依子の顔が「オマエ勝手に飲みやがって」みたいな顔で睨みつけるんだけどこの顔、目が面白い!
あとガン治療に使用する点滴が1本150万するんだけど1滴1滴落ちる度、イヤミのように金額をカウントするんだけど笑えた!(笑)
パート先の仲間から旦那に復讐しちゃえの言葉で旦那が使用する歯ブラシを排水溝掃除に使用し、それを使って歯を磨く旦那の姿を見て笑みを浮かべるんだけど依子の顔がいいのよね!あと緑命会の集まりで必ず歌う宗教の歌が何曲かあるんだけど曲ごとに振りが違うんだけどその振り付けも笑える!
水を出しっぱで失踪するからで始まり、水出しっぱで倒れる旦那、宗教で売られる水を大量購入、最後は大雨に打たれてフラメンコの依子、水で始まり、水で終わる作品って個人的には思いました。
あと最後に私の住んでる所から車で5~10分位の場所がロケ地になってたから驚いた!(笑)
私、周りいた方からも笑いの声がでちゃうくらい笑える作品でした!面白かった!
たった一雫でも波紋ができる水のように人の心は弱い。
たった一雫でも波紋ができる水のように人の心は弱い。
差別や偏見も包み隠さず「人ってそうだよね」とありのままの愚かさと、誰かの為に手を差し伸べる優しさを描く。
赦すのは、受け流すのは、誰のためか?
___________________________.・*
笑いも恐怖も、共感もできる人間ドラマで物凄く面白かったです…!
荻上ワールドでありつつしっかりブラックエンタメ🦇
予告やあらすじでは失踪した夫が突然帰ってきたことに大きく触れていますが、
とても興味深かったのは息子が彼女を連れて帰ってきた時の主人公の態度について…
自分ならどうか?本当に主人公のことを非難できるか?そこに一点の迷いはないか…?
非常に考えさせられます。問題提起の意味合いもありますが、人間を描く上で欠かせない一面のように感じました。
何回も観たいし、観た人と話したくなる一作。
そして、言うまでもないですが…筒井真理子さん圧巻の演技。。
おすすめ!
「ない」ものを「ある」様に見せるものとは…
試写会で鑑賞。
ドロドロの宗教もので破綻していく家族の物語…を想像していたら、ブラックユーモアな楽しい映画でした。
前半は主人公の台詞のないイライラが手に取るようにわかり(筒井さんの表情が最高)、後半からはユーモアを交えながら小さな反撃へ。客席で笑いが起きるシーンも複数あり。
これまでの荻上監督作品のような空気感や美味しそうな料理達はなく、ティーチインで「自分の良い人そうで料理好きそうなイメージを壊したかった。自分の嫌な部分を表現したら作りながら楽しかった」的なことを仰っていた。
モブキャラな豪華出演者は言わずもがな皆上手くて映画を盛り上げてくれていた。
序盤から効果的に使われていた「音」がラストにこう繋がるとは!
2011年の東京郊外。 一軒家に暮らす須藤依子(筒井真理子)は、夫...
2011年の東京郊外。
一軒家に暮らす須藤依子(筒井真理子)は、夫の修(光石研)と息子、それに寝たきりの義父との暮らし。
義父の介護は依子がただ一人で行っている。
東日本大震災での原発事故が連日ニュースで報じられるある雨の日、庭に出た修が突如、出奔してしまう。
それから十年あまり。
近くのスーパーで働く依子は、緑命会という水を信仰する新興宗教にのめり込んでいた。
義父は他界し、息子も成人して九州で職を得、依子はひとり暮らしだったた。
そんな中、長らく失踪したままだった修が帰ってくる。
末期近い癌だという。
依子の気持ちはさざ波どころか大波が立ってくる・・・
といったところからはじまる内容で、心の中に沸き立つ波が波紋となって周囲の人間関係も変化させていく。
なんだけれど、どうも腑に落ちないというか合点がいかないというか、依子が新興宗教にのめりこんだ理由がよくわからない。
ま、夫の出奔、ひとりでの義父の介護、まだ成人前の息子の世話などなど、諸々のものが彼女ひとりに降りかかり、心の隙間を突かれたのだろうけど、成人した息子(磯村勇斗)の口からは、「前からヘンだった。父さんは放射能から逃れたかったんじゃなく、あのひと(依子)から逃れたかった」と言うので、わからなくなってしまった。
こうなると、観ている方としてはダメで、映画に乗れなくなってしまった。
新興宗教の地域主任役のキムラ緑子、仲間の江口のりこ、平岩紙の好演、筒井真理子の熱演(ラストのワンカット長回し演技はすごい)はあるものの、なんだかちょっと作りすぎな感じがしないでもないですね。
テイストは、荻上直子監督の前作『川っぺりムコリッタ』に似ているかも。
自分の人生を取り戻す
主役級の名優たちの共演!
それぞれ強烈なキャラクターだけど、みんなどこかしらユーモラスで憎めない。
人間味あふれる愛すべき人々に感じました。
表向きにはわからないけれど、みんなそれぞれ、いろんなものを抱えている。
ラストは圧巻です!
クラップ音と水滴の音が印象的。
音は空気の振動だから、一度言葉に出すと波紋が生まれ、もう元には戻れない。
息子の恋人の設定も、まさに音と波紋。
穏やかな水面に波風が立たないよう、グッと言葉を呑み込む… 筒井真理子さんの絶妙な演技が笑えます。
怒りや呆れ、様々な感情が複雑にミックスされているのに、それが手に取るようにわかる。
自分が置かれた状況をグッと呑み込む精神的負担を軽減してくれたのが、宗教だと感じました。
見返りや対価を求めてくるような神様は厄介ですが、
当の本人も、自分の心の平安を保つ為に宗教を利用しているのだから仕方ない。
でも、ちょっとした言葉がきっかけで、勇気づけられたり、人との繋がりが生まれることもある。
幾重にも重なってぶつかりあった波紋は新たな紋様になって、いつしか一つに混ざり合う。
『愛しのアイリーン』もすごかったけど、本作でも木野花さんが素晴らしかった〜!
なんだかんだで女の人生は忙しい。
わかりやすいところだと、結婚して子育てが一段落した途端に介護が始まる。
人生の節目節目で自分のなかの優先順位を変える必要にせまられがち。
それに、たとえ結婚/出産を選択しなかったとしても、自分自身の体の問題には直面するだろう。
そもそも女性は、自分ではハンドリングできない女性ホルモンと共に生きていて、望む望まないに関わらず、毎月生理がやってくる。
個人差はあれど、周期を把握して傾向を分析し対策を備える。生理から解放されたと思ったら更年期症状が始まり…
突発的な出来事に対応するスキル=危機管理のPDCAサイクルを少女の頃から養っているのだ。
そりゃ〜、自然と適応能力も高くなりますよ。
そりゃ〜、子育てだって介護だって無難に出来ちゃいますよ。
でも。だけど。それだからって。ワンオペで良い理由にはならないし、同じことをしていても「やってあげたい」と思うか「やらされている」と思うかでは大違いなのです。
とにかくラストが圧巻!
トークショーで、なぜこれを選んだのか?の質問に監督は「天から降ってきた。」と回答されてました。
『川っぺりムコリッタ』の“塩辛”も本当に絶妙なチョイスでしたが、確かそれも同じようにおっしゃってました。
天才かよ!
今回も、枯山水、金魚、亀、プール、サウナ、などの象徴的なアイコンが実に良い!
筒井真理子さんの「監督は撮影中カメラを通さず直接肉眼で芝居を見て判断をしてくれて、自分の感覚と合っていた。」とのコメントに監督は「演出に自信がないので、撮影監督にお任せしている。」と答えてました。
映るものに関しては撮影監督に全面の信頼を寄せていて、ご本人はカメラの横で肉眼で観て、何か足りないと感じた時にもう一回お願いする。
「自分の感覚に正直に」を大事にしているとのことでした。
研ぎ澄まされた感覚で直感を疑わずに映画を撮ってらっしゃるのだなぁ。だからあのパッションに繋がるのか。と、なんだか腑に落ちました。
自宅の庭に枯山水があるお宅ってどんだけ?
軽快なパルマが場面転換に打ち鳴らされるたび、徐々に何かに向かって熱量が上がっていく。
映画はヒビ割れていそうな足裏のアップから始まる。なぜか?と不思議に思って見ていると引きの画面でその足は夫のもので、それを見つめているのが夫に嫌気がさしている妻であることがわかる。
更年期と言われる年齢を迎えてもこの夫婦は(きっと結婚当初から)ダブルベッドで寝ているのだ。
それだけでもこの妻に敬服だ。私ならムリ××
けど、この女主人公--依子も枕を並べて眠るのは夫のイビキの煩さ、加齢臭などからムリだったんだね。
なんと足と頭を夫婦で交互にして寝ている。
あー、だよねー。やだよねー。
この夫婦の関係が一目瞭然の冒頭シーン。お見事!
そして、朝起きてリビングのカーテンを開ける妻が目にするのは色とりどりの花が咲く庭。このガーデニングは実は夫の趣味であることがのちにわかる。
毎食の付け合わせに登場するらっきょう。これをぽりぽりと咀嚼する音が会話のない食卓に響きわたる不穏さ。
これからこの家に起こる災厄を予告するかのようだ。
案の定、突如家出する夫。
数年後、リビングの様相は一転し一人息子の影もない。驚くのは庭。花は一切なく、その代わりに見事な枯山水が整えられている。
夫の家出後、舅の介護を押し付けられ最期は葬儀も出してやった。パートで働くスーパーのレジでは故意に商品に傷をつけ「傷があるから半額にしてくれ」と毎度やってくる爺さんの相手をし、整えた枯山水の庭に鎮座する隣家の猫を飼い主に注意すれば謝罪もなく「本当にウチのなの?」と睨まれ、依子ストレス度MAX!
見ていてストレスメーターがグングン上がっていく感じ(共感)。
これらの程よいエピソードの盛り込み具合もうまくて所々で笑えるのだ。
現実とイメージが交錯する心象風景では、枯山水ではなく彼らは実際の水面に立ち発言を繰り返す。都度、次々と発言者の周囲に水紋が拡がっていく。この演出がとても舞台っぽい。役者が巧くないと成り立たない。小道具なしの表情と台詞勝負の芝居だ。
そもそも枯山水は砂や石で水のないところに水の流れを描く古くからの庭園様式で心を無にしてじっと見つめるとそこに実際の水の流れを感じることができるとか。
いずれにしても主人公は雑念を取り払い、心を無に帰する必要が常にあったのだ。だから宗教にも頼った。同僚に勧められたら市民プールにも通った。
けれども、その果てに訪れた未来は、彼女の予想をはるかに超える新たな苦難だった。
役者が皆うまい。特に須藤依子を演じた主演の筒井真理子が最高。私の中では優秀主演女優賞確定。
ラスト、喪服で情熱的なフラメンコを踊るシーンは語りたくなる名場面に仕上がっている。
喪服着物の襦袢を真紅にするって(発見と驚き!)この赤と黒のコントラストからフラメンコを踊らせるって(めっちゃ合ってる!)このラストシーンを思いついたところからこのストーリーを描いたのでは?荻上直子監督は。
…と思ってしまった。
なぜか笑える絶望エンターテイメント
試写会にて。
ベテラン演技陣による二時間。
最悪な環境、壊れた家族。
登場人物はなるほど確かに「ヤバイ」ところがある。
なのになぜか笑えてしまい、何度も笑いが起きていた。
ハマる人はハマるし、乗れない人はもしかしたら寝てしまうかもしれない。
自分は好きだった。
人間関係も、噂も、波紋のように影響しあい、広がっていく。
爽快なラストで良かった。
光石研さんの憎めなさが好き(笑)
らっきょうの味
ユルい雰囲気・飄々とした登場人物・賑やかで和やかな食卓は存在せず、じっとりとした生々しい生活感が漂っており、従来の荻上監督のイメージを覆す映像だった。
主人公・依子は中盤までずっと切羽詰まった表情をしており、もしかしたらサスペンス展開になるのでは、とハラハラさせられるほどだった。家族が離散しているところからスタートする物語で、ストーリーが進み依子以外の視点が増えると、離散する前の依子の家族もそのハラハラ感を味わっていたのかも知れないと思わされる。
依子の苦難から始まる物語だが、ストーリーが進むにつれ他の登場人物の苦難も示唆され、群像劇のテイストも感じられる構成だった。
タイトル通り、「波紋」の描写が多く登場する。実際の水による波紋、疑似的な水である枯山水が表現する波紋、それらを使って登場人物の心中を表すのは定番の表現手法かも知れないが、映像でこそできる表現で、そこに贅沢なくらい大胆に時間を使う点に、こだわりが窺える。
食卓の一品を通して彼らが元は一つの家族であったということを示すシーンや、人と人との繋がりにより生きづらさから脱出するストーリーには、荻上監督らしいものを感じた。
先に書いたハラハラ感と言い、ブラックユーモアをゾクリとするスリルにまで昇華させてしまう、依子役・筒井真理子さんの発する緊張感に翻弄された。
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