劇場公開日 2023年5月26日

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波紋のレビュー・感想・評価

全148件中、121~140件目を表示

4.5実力派バイプレイヤーズがいっぱい出てくるから観ていて楽しい。 クス...

2023年5月27日
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実力派バイプレイヤーズがいっぱい出てくるから観ていて楽しい。
クスッと笑ってしまうかなりブラックなユーモアが良い。
突然帰ってきた夫の些細な行動に引っかかってしまう、中年女性の悲哀に共感し、細やかな反抗にスカッとする。
夫をリアルに嫌がっている感じがすごい上手かった。
信仰宗教もギャグっぽくはせず、きっとこういうのあるんだろうなぁと思わせる塩梅で良い。
障害者に対する偏見も素直に描いたり結構攻めている。

磯村勇斗が出てる作品に外れなし!

てか、磯村勇斗と柄本明めっちゃ映画出てる!!

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いたかわ

4.0是非ご夫婦(別々)でご覧ください

2023年5月27日
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泣ける

笑える

怖い

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marimariパパ

4.5感情を処理しきれなくなると、人間は笑う。

2023年5月27日
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jax

4.0【”パン、パパン!貴方のした事、無かった事にならないから!”筒井真理子さんの駄目夫を見る氷の如く冷たい眼が恐ろしいブラックシュールコメディ。新興宗教、障碍者差別など重いテーマテンコ盛り作品でもある。】

2023年5月27日
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笑える

悲しい

怖い

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NOBU

3.5女は母親、主婦という立場から、生きることから何があっても逃げられない

2023年5月27日
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未佐緒00

4.0全員引っ叩きたい瞬間がある

2023年5月27日
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荻上監督のほっこり系にもなんとなく微かな黒いものを感じていた人にはかなり良い作品
全編ブラックで狂ってるけどラストのアレは美しい

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m m

4.0理解できるところと受入れられないところ

2023年5月27日
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てつ

パッと見よりずっと気さくな映画

2023年5月27日
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見る前は頭使って見るタイプの映画の予感がしてたんだけど、いい意味で全然そんなことはなかった。感じるままに見ていい、ブラックな笑いがたっぷりの、でも泣けるところもある、面白い映画だった。ソール・ライターみたいなラストシーン、狙いすまし過ぎてるけど、まんまと好きだった。

新興宗教のシーンも好き。舞台挨拶で荻上監督は、自身が通っていた全寮制の高校の夕礼を参考にしたと言っていた。「男尊女卑で大嫌いな学校でした」とも。でも、映画では信徒たちの集まるシーンはいつも面白くて笑えたので、何事もムダにはならないもんだなあと思った。

いろんな水が出てきて、水ってなんなんだろうかと、ちょっと考え込みそうになる。形もなく色もなくて、そのわりに「聖なる」とか「毒素が」とか“色”をつけられやすくて。

筒井さんは、舞台挨拶やインタビュー記事では、こんなに生真面目で礼儀正しくて良識派っぽくて、どうやってお芝居なんかするんだろうと思うのに、映画の中では狂気っぽさを弾けさせたり薄めたり自在にやっていて、奔放な天才のしていることにしか見えないのが本当にすごい。

私は木野花さんに泣かされる率が高い。『閉鎖病棟』とか『ユンヒへ』とか。依子が泣くところで一緒に泣きたくなった。あと「みんな、なかったことみたいにしてるけど~」というセリフにうなずく。乗り越えてしかるべきもの、他の人はちゃんと乗り越えているもの、なのに自分だけつまづいてそこから進めないものってあるなあと思うので。

磯村くんは父親が出て行ったときの母親の様子を回想してしゃべるという芝居臭くなりそうなシーンも自然にやっていて、なんかもうありがたいなと思った。わざとらしくやられたら、こっちまで恥ずかしくなりそう。舞台挨拶で監督が「(磯村くんは)たぶん現場が好きな人なんだと思うけど」と言っていて、ああ、そうなんだろうなと思った。「(磯村くんは)足が長いんですよ!」とも言っていて、それは知ってるなと思った。

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デブリ

3.0観たい度○鑑賞後の満足度△ ラストは誉めてあげましょう。それ以外は如何にも中途半端。シンボリズムやイメージが先行していて人間が描かれていない。

2023年5月26日
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①キムラ緑子、江口のりこ、安藤玉恵、ムロツヨシ、平岩紙、木野花、柄本明と云うメンツが揃ったらもうコメディしかないでしょう、と思うが余り笑えない。緑命水の座談会シーンももっと笑えるか、と期待したが苦笑がやっと。
監督が「これだけのメンツが揃ったらコメディと思うでしょう。でも違うんですよ。」と言いたかったのか分からないけれど、かといってシリアスなドラマでもないし、面白いわけでもない。
江口のりこや平岩紙がにこやかに微笑みながら恭しくお上品な口調で話していると、そのうち何か起こすんじゃないか、起こるんじゃないか、と期待しましたが何も起こりませんでした。
「どうでもいい話」と「どうでもよくない話」とのボーダーラインにあるような映画。
やたらシンボリズムやイメージ(水、雨、波紋、波、人間の手・足・脚)は出てくるのだけれども、これだけ人間の内面を描いていない映画も珍しいかも(誉めているのか貶しているのか自分でも分からないけれど)。
②見たくもない男の足の裏のアップからスタート。筒井真理子演じる妻は其方に頭を向けて寝ている。これでこの夫婦はもう上手く行っていないことを表しているんだろうけど、もしかして足フェチ?或いは旦那の足の臭いが気にならないほど実は仲良し?なのかとも思ってしまった。
③女性監督だからか女性の嫌な面ばかり目につく。
筒井真理子の視線が怖いし、嫌なもの・嫌いなものからフッと顔や身体を背けるところはなかなか上手い。
帰ってきた夫の飯を食う音、味噌汁を飲む音に嫌悪を示すところなどはリアル(その事で奥さんに文句を言われると愚痴る上司が昔いました)。
ただ、介護している養父のお粥には飲んではいけない?水道水を使ったり、夫や息子の恋人(絶体やったと思う)の歯ブラシで洗面台や排水口を掃除するなんて、嫌いな上司のお茶に唾を入れるOLみたいなセコい意地悪で苦笑。
④息子の恋人が障害者(であろうがなかろうが不快だったと思うけど)というところが別の切り口かと思ったら、結構厚かましくて息子を盾に脅すなど図太いと云うかずる賢い女性として描いているところは新鮮。
⑤時々挿入される水面に主要人物が立って話をするシーンは画的に陳腐。
⑥木野花が演じる掃除婦のオバサンが一番人間臭いかな。
『ヴィレッジ』ではもうひとつ生彩に欠いたが、あれは彼女の芝居が悪いのではなく演出と脚本のせい。
彼女と主人公との交流シーンがこの映画で最も人間的だと思える。(しかし、「仕返ししなさい」と焚き付けられるが、瀕死の爺さんに自分に遺産を遺すよう遺言書を書かせたのだから既に仕返ししてるじゃん。)
ゴミ屋敷みたいな彼女の部屋も凄いが、それを見事に片付けた主人公もある意味凄いというか、そういえばこの人の家も庭もゴミひとつないような3S ぶり。あんまりこんな人と一緒に住みたくないなあ。
⑦ラスト、雨の降るなか喪服でフラメンコを踊るシーンは、これまで観たことのない画で、これは面白かった。

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もーさん

3.5悩みは尽きない

2023年5月26日
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笑える

難しい

須藤依子は義父の介護をしながら、夫と息子の4人家族で暮らしていたが、東日本大震災の後、突如夫が失踪した。その後、緑命会、という新興宗教を信仰し、祈りと勉強会に励みながら穏やかな日々を過ごしていた。そんなある日、夫・修が突然帰ってきた。修はがんになったので治療費を援助してほしいと言った。さらに息子・拓哉は聴覚障害のある6歳年上の彼女を結婚相手として連れて帰ってきた。更年期で調子が悪い状態が続き、また、パート先ではわざとキズ物にした商品を半額にしろ、という理不尽な客に罵倒されるなど、悩みが尽きなかった。湧きあがってくる邪悪な感情を、宗教にすがることで抑えようとすふ依子だったが、突如吹っ切れ・・・てな話。

依子役の筒井真理子に感情移入して観てた。水系の宗教ってよく聞くなぁ、って思った。夫の修の無責任で図々しい態度はいったいなんなんだ?家に入れなきゃ良いのに、って思った。
結論出ずだが、あるある、って観れて面白かった。

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りあの

3.5波紋は色々なところにおこる

2023年5月26日
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ニョロ

4.0信じるものこそ救われる❓

2023年5月26日
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笑える

怖い

知的

よかった。筒井さん、光石さん、緑子さん、木野さん、磯村くん、とその彼女役さん。オールキャスト上手し❗。信仰もつことはいぃこと。ですがマインドコントロール的に幹部に言われるがままに意味あるのか無いのか未知な物品を買わされてのめり込み見境つかなくなる怖さを背景に。差別や憎悪を持つ人の心理を突いた感じがとても面白く自分ごとに観れました。正解でしたね。

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Cinemaオタク女

4.0キーワードは「水」。

2023年5月26日
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笑える

単純

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SAKURAI

4.5たった一雫でも波紋ができる水のように人の心は弱い。

2023年5月22日
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たった一雫でも波紋ができる水のように人の心は弱い。
差別や偏見も包み隠さず「人ってそうだよね」とありのままの愚かさと、誰かの為に手を差し伸べる優しさを描く。
赦すのは、受け流すのは、誰のためか?

___________________________.・*

笑いも恐怖も、共感もできる人間ドラマで物凄く面白かったです…!
荻上ワールドでありつつしっかりブラックエンタメ🦇

予告やあらすじでは失踪した夫が突然帰ってきたことに大きく触れていますが、
とても興味深かったのは息子が彼女を連れて帰ってきた時の主人公の態度について…
自分ならどうか?本当に主人公のことを非難できるか?そこに一点の迷いはないか…?
非常に考えさせられます。問題提起の意味合いもありますが、人間を描く上で欠かせない一面のように感じました。

何回も観たいし、観た人と話したくなる一作。
そして、言うまでもないですが…筒井真理子さん圧巻の演技。。
おすすめ!

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山田あゆみ

3.5「ない」ものを「ある」様に見せるものとは…

2023年5月21日
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鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

試写会で鑑賞。
ドロドロの宗教もので破綻していく家族の物語…を想像していたら、ブラックユーモアな楽しい映画でした。
前半は主人公の台詞のないイライラが手に取るようにわかり(筒井さんの表情が最高)、後半からはユーモアを交えながら小さな反撃へ。客席で笑いが起きるシーンも複数あり。
これまでの荻上監督作品のような空気感や美味しそうな料理達はなく、ティーチインで「自分の良い人そうで料理好きそうなイメージを壊したかった。自分の嫌な部分を表現したら作りながら楽しかった」的なことを仰っていた。
モブキャラな豪華出演者は言わずもがな皆上手くて映画を盛り上げてくれていた。
序盤から効果的に使われていた「音」がラストにこう繋がるとは!

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なごん

3.02011年の東京郊外。 一軒家に暮らす須藤依子(筒井真理子)は、夫...

2023年5月21日
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鑑賞方法:試写会
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りゃんひさ

5.0自分の人生を取り戻す

2023年5月19日
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鑑賞方法:試写会

主役級の名優たちの共演!
それぞれ強烈なキャラクターだけど、みんなどこかしらユーモラスで憎めない。
人間味あふれる愛すべき人々に感じました。
表向きにはわからないけれど、みんなそれぞれ、いろんなものを抱えている。
ラストは圧巻です!

クラップ音と水滴の音が印象的。
音は空気の振動だから、一度言葉に出すと波紋が生まれ、もう元には戻れない。
息子の恋人の設定も、まさに音と波紋。

穏やかな水面に波風が立たないよう、グッと言葉を呑み込む… 筒井真理子さんの絶妙な演技が笑えます。
怒りや呆れ、様々な感情が複雑にミックスされているのに、それが手に取るようにわかる。

自分が置かれた状況をグッと呑み込む精神的負担を軽減してくれたのが、宗教だと感じました。
見返りや対価を求めてくるような神様は厄介ですが、
当の本人も、自分の心の平安を保つ為に宗教を利用しているのだから仕方ない。

でも、ちょっとした言葉がきっかけで、勇気づけられたり、人との繋がりが生まれることもある。
幾重にも重なってぶつかりあった波紋は新たな紋様になって、いつしか一つに混ざり合う。
『愛しのアイリーン』もすごかったけど、本作でも木野花さんが素晴らしかった〜!

なんだかんだで女の人生は忙しい。
わかりやすいところだと、結婚して子育てが一段落した途端に介護が始まる。
人生の節目節目で自分のなかの優先順位を変える必要にせまられがち。
それに、たとえ結婚/出産を選択しなかったとしても、自分自身の体の問題には直面するだろう。
そもそも女性は、自分ではハンドリングできない女性ホルモンと共に生きていて、望む望まないに関わらず、毎月生理がやってくる。
個人差はあれど、周期を把握して傾向を分析し対策を備える。生理から解放されたと思ったら更年期症状が始まり…
突発的な出来事に対応するスキル=危機管理のPDCAサイクルを少女の頃から養っているのだ。
そりゃ〜、自然と適応能力も高くなりますよ。
そりゃ〜、子育てだって介護だって無難に出来ちゃいますよ。
でも。だけど。それだからって。ワンオペで良い理由にはならないし、同じことをしていても「やってあげたい」と思うか「やらされている」と思うかでは大違いなのです。

とにかくラストが圧巻!
トークショーで、なぜこれを選んだのか?の質問に監督は「天から降ってきた。」と回答されてました。
『川っぺりムコリッタ』の“塩辛”も本当に絶妙なチョイスでしたが、確かそれも同じようにおっしゃってました。
天才かよ!
今回も、枯山水、金魚、亀、プール、サウナ、などの象徴的なアイコンが実に良い!
筒井真理子さんの「監督は撮影中カメラを通さず直接肉眼で芝居を見て判断をしてくれて、自分の感覚と合っていた。」とのコメントに監督は「演出に自信がないので、撮影監督にお任せしている。」と答えてました。
映るものに関しては撮影監督に全面の信頼を寄せていて、ご本人はカメラの横で肉眼で観て、何か足りないと感じた時にもう一回お願いする。
「自分の感覚に正直に」を大事にしているとのことでした。
研ぎ澄まされた感覚で直感を疑わずに映画を撮ってらっしゃるのだなぁ。だからあのパッションに繋がるのか。と、なんだか腑に落ちました。

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shiron

3.5自宅の庭に枯山水があるお宅ってどんだけ?

2023年5月19日
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鑑賞方法:試写会

軽快なパルマが場面転換に打ち鳴らされるたび、徐々に何かに向かって熱量が上がっていく。

映画はヒビ割れていそうな足裏のアップから始まる。なぜか?と不思議に思って見ていると引きの画面でその足は夫のもので、それを見つめているのが夫に嫌気がさしている妻であることがわかる。
更年期と言われる年齢を迎えてもこの夫婦は(きっと結婚当初から)ダブルベッドで寝ているのだ。
それだけでもこの妻に敬服だ。私ならムリ××

けど、この女主人公--依子も枕を並べて眠るのは夫のイビキの煩さ、加齢臭などからムリだったんだね。
なんと足と頭を夫婦で交互にして寝ている。
あー、だよねー。やだよねー。
この夫婦の関係が一目瞭然の冒頭シーン。お見事!

そして、朝起きてリビングのカーテンを開ける妻が目にするのは色とりどりの花が咲く庭。このガーデニングは実は夫の趣味であることがのちにわかる。

毎食の付け合わせに登場するらっきょう。これをぽりぽりと咀嚼する音が会話のない食卓に響きわたる不穏さ。
これからこの家に起こる災厄を予告するかのようだ。
案の定、突如家出する夫。
数年後、リビングの様相は一転し一人息子の影もない。驚くのは庭。花は一切なく、その代わりに見事な枯山水が整えられている。

夫の家出後、舅の介護を押し付けられ最期は葬儀も出してやった。パートで働くスーパーのレジでは故意に商品に傷をつけ「傷があるから半額にしてくれ」と毎度やってくる爺さんの相手をし、整えた枯山水の庭に鎮座する隣家の猫を飼い主に注意すれば謝罪もなく「本当にウチのなの?」と睨まれ、依子ストレス度MAX!
見ていてストレスメーターがグングン上がっていく感じ(共感)。
これらの程よいエピソードの盛り込み具合もうまくて所々で笑えるのだ。

現実とイメージが交錯する心象風景では、枯山水ではなく彼らは実際の水面に立ち発言を繰り返す。都度、次々と発言者の周囲に水紋が拡がっていく。この演出がとても舞台っぽい。役者が巧くないと成り立たない。小道具なしの表情と台詞勝負の芝居だ。

そもそも枯山水は砂や石で水のないところに水の流れを描く古くからの庭園様式で心を無にしてじっと見つめるとそこに実際の水の流れを感じることができるとか。
いずれにしても主人公は雑念を取り払い、心を無に帰する必要が常にあったのだ。だから宗教にも頼った。同僚に勧められたら市民プールにも通った。

けれども、その果てに訪れた未来は、彼女の予想をはるかに超える新たな苦難だった。

役者が皆うまい。特に須藤依子を演じた主演の筒井真理子が最高。私の中では優秀主演女優賞確定。

ラスト、喪服で情熱的なフラメンコを踊るシーンは語りたくなる名場面に仕上がっている。
喪服着物の襦袢を真紅にするって(発見と驚き!)この赤と黒のコントラストからフラメンコを踊らせるって(めっちゃ合ってる!)このラストシーンを思いついたところからこのストーリーを描いたのでは?荻上直子監督は。
…と思ってしまった。

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いも煮

4.0なぜか笑える絶望エンターテイメント

2023年5月19日
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試写会にて。

ベテラン演技陣による二時間。
最悪な環境、壊れた家族。
登場人物はなるほど確かに「ヤバイ」ところがある。
なのになぜか笑えてしまい、何度も笑いが起きていた。
ハマる人はハマるし、乗れない人はもしかしたら寝てしまうかもしれない。
自分は好きだった。

人間関係も、噂も、波紋のように影響しあい、広がっていく。
爽快なラストで良かった。

光石研さんの憎めなさが好き(笑)

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彬

4.5らっきょうの味

2023年5月19日
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鑑賞方法:試写会

ユルい雰囲気・飄々とした登場人物・賑やかで和やかな食卓は存在せず、じっとりとした生々しい生活感が漂っており、従来の荻上監督のイメージを覆す映像だった。

主人公・依子は中盤までずっと切羽詰まった表情をしており、もしかしたらサスペンス展開になるのでは、とハラハラさせられるほどだった。家族が離散しているところからスタートする物語で、ストーリーが進み依子以外の視点が増えると、離散する前の依子の家族もそのハラハラ感を味わっていたのかも知れないと思わされる。
依子の苦難から始まる物語だが、ストーリーが進むにつれ他の登場人物の苦難も示唆され、群像劇のテイストも感じられる構成だった。

タイトル通り、「波紋」の描写が多く登場する。実際の水による波紋、疑似的な水である枯山水が表現する波紋、それらを使って登場人物の心中を表すのは定番の表現手法かも知れないが、映像でこそできる表現で、そこに贅沢なくらい大胆に時間を使う点に、こだわりが窺える。

食卓の一品を通して彼らが元は一つの家族であったということを示すシーンや、人と人との繋がりにより生きづらさから脱出するストーリーには、荻上監督らしいものを感じた。
先に書いたハラハラ感と言い、ブラックユーモアをゾクリとするスリルにまで昇華させてしまう、依子役・筒井真理子さんの発する緊張感に翻弄された。

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うぐいす