波紋のレビュー・感想・評価
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こころ
川っぺりムコリッタでは「いのち」とか「たましい」を深く想起させてもらいましたが、今作では「こころ」に踏み込んだのかな?と思うとともに監督・脚本の荻上直子さん、この方の生い立ち・どのような経験を積まれてきた方だろうと、深く掘り下げてみたい気持ちが強くなりました。
さて、今作の、きっかけは東日本大震災ですが、発端は何でも良いのでしょう、何かでスイッチが入ることで心が「壊れる」・「逃げる」・「目を背ける」・「すがる」、人それぞれに心の移ろい方は様々。
観る人により受け止め方も様々かもしれませんね。しかし実の子供から「あのヒトは頭がおかしいから」と言われるのは悲しい。他人を赦すことは良いことだけど緑命会に集う人たちは寛容なのではなく高みの見物をしながら自分の心は殻の中、仕返ししなさいよと言ってくる木野花さんの心情が一番俗っぽくてしっくり来る気がするけど、彼女自信何かを放り出してしまっている、うーん難しいなぁ。
ワタシ的には枯山水に猫が入るだけでも自分の心を汚されたように思う主人公が、カメさんが歩いても微笑んで見られるようになったところに赦しの感情が芽生えた(それも信仰の力ではなくって)、そこに光明を見いだせたようで、なんだかホッとしました。
男と女
77本目。
昨日の大雨、警報出まくってるのに深夜、車で現場、作業に関しては現場判断と、無神経な社長の対応を未だに引きずりで、何とか気持ちを切り替えねばと。
割かし言葉少なめ、これは行間を読む作品か、最も苦手なパターンと思ってけど、何かずっーと、ジワジワしてる。
どこに進むか分からない展開、なんかエヴァ?
今の俺には緑命水とまあ、余計な事を考えたりもしたけど、女目線で見た、男の無神経、身勝手さと男目線で見た、追い込まれた女の窮状ななかと思ったりで。
どこに話が向かうのか見えずにハラハラ
著名バイブレーヤー実力派の布陣で、穏やかなはずの日常に「波紋」が起きた時の心理状況を淡々と描く、なかなかシビアなお話。
実の父親の介護が嫌で仕方なかったところに、震災の原発事故で放射能が怖くて、家のことをすべて妻に押し付けて逃げだした夫が、癌になって帰ってくる皮肉さとか。
妻の、聾唖者に対するストレートな差別とか。
弱ったところに忍び込んでくる新興宗教とか。
身近な「嫌なことあるある」の羅列が痛々しく。
どこに話が落ち着くのかわからず、ハラハラしました。
どの作品でも、観る側に解釈・評価を委ねるのが常ではありますが、これはさらに「行間」が多く、自分が試されてるような気になりましたね。
「筒井真理子すごいなあ。」
と何度も言わせられる。いろんな関係の他者との関わりにおいて初めてまともとかおかしいとか腹が立つとか反省するとか、自分の立ち位置を理解できたりする、そうだよなあ。細かい筋が張り巡らされていて興味深い。これも見るべき怪作。
しかし最後をダンスで締めるのは、筒井真理子が上手いだけに、流行りに被ったようでチト残念。
(ところでまたぞうアラカンでデブでブサイクなのに、光石研より磯村勇斗目線で見てる自分に気づいた。厚かましいことこの上ない…。)
若かった(18、9の)私に
筒井真理子さん、舞台を観ない私にとって彼女をきちんと認識したのは、80年代後半、「フジテレビの深夜枠ほぼ面白かった」時代のなかでもトップクラスの『IQエンジン(89)』。第三舞台の俳優さんが中心に出演されていて、大高さん、筧さん、勝村さん達ほどの出番時間はないものの、今どきなら問題発言になるとしても当時の私の思いを正確に文字起こしすれば「ん、いい女だな」と目ざとく注目したのがきっかけでした。
その後、たまにお見かけしても特に気に留めるほどのことはなかったのですが、久々に「やはり、この人すげぇな」と思い直したのが園子温総合監督のテレビドラマ『みんなエスパーだよ!(13)』。「(染谷さん演じる)嘉郎の母役」というとチョイ役かと思いきや、対する父役のイジリー岡田さんとの掛け合いの「エロい」こと。そんな風で、全く以て「衰えを知らない」なと思っていたら、また少し経って出演の映画、深田晃司監督の『淵に立つ(16)』、そして園監督の『アンチポルノ(17)』となかなかの問題作立て続けで衝撃の演技を魅せ、更には「50代の彼女の代表作」と言って過言ではなかろう、深田監督の『よこがお(19)』は他と比べようのない「怪演」で、『IQエンジン』の頃の若かった(18、9の)私に「君の眼は誤ってなかったぞ」と伝えてあげたい思いです(笑)。
と、前置きでかなりの文字数を稼ぎましたが、
今作『波紋』は(信じられない!けど)60代になった筒井さんの主演作。私にとっていつも「劇場鑑賞するか否(配信待ち)か」が当落線上(多くが「否」判断)の荻上監督作ですが、今回は筒井さん主演ということで悩まずチケット購入しました。
予告もほぼ観てない状態で鑑賞していると、まぁ次々と豪華出演陣で、この辺はやはり荻上さんの業界評価は高いのだろうと認識します。で、光石さん、柄本さんら男性俳優も間違いなく巧いのですが、やはり女性俳優さんがどなたも素晴らしく、特にベテランのお二人木野花さんとキムラ緑子さんがえげつない。また、見過ごせない一人が珠美役の津田絵理奈さん。グイグイくる演技で邦画もやれば出来ることを、この映画と荻上さんが証明しています。そして勿論、そんなメンツの中でも全く引けを取らない筒井さんの切れ味抜群な演技は見どころしかありません。
そんな感じで荻上さん、やはり監督として巧いことは認めざるを得ないのですが、脚本は今回ももう一押しが足りない印象で惜しい。ずっと「おかし味」の連続にもかかわらず、全体的に見て「面白かったか?」と聞かれると、結局「配信でもよかったかも」と思う程度の内容です。
とは言え、荻上さんファンが多いことも知ってます。あくまで個人的な感想ですので、どうか悪しからず。
絶妙に奇妙で笑えた
筒井真理子さんファンは必見ですね。
魅力満載です。
宗教絡みと知ってから観ましたが、どこか奇妙で恐ろしさもあります。この後どのような展開になるのか、、、まさか、、、。また、どのキャラクターもそれぞれ気持ちが悪い。でもなんか分かるというところ。
「えっ?なんでそうなるの」
「なんでそんなこと言うの?」
と、不思議な展開でもあります。
私はクスクスと笑えるところもあり、この辺りがとても絶妙でした。一歩間違えたら、恐怖にも笑いにも転がりそうな稜線のような映画でした。
ただ、VFX?というか、別写し?のようなシーンはチープ過ぎて、予算ないのか、、、このシーンは何?と微妙でした。
水
あの日から突然、夫がいなくなり、約10年ぶりに癌になり妻の元に夫が戻ってきたお話し
妻の剥き出しの感情が表情で伝わる
川っぺりムコリッタからまた感じの違う映画を撮ったなぁと思っていたが通じるのは人の死かな
そして、ちょい役ムロさん笑
ヒキの絵で、最初わかりずらいが、歩き方でわかる笑
名女優のひとり
主役の
筒井真理子さんの演技がひかる✨
怒り、苦しみ、悲しみ、勝ち誇る感情、嬉しさ、ようやく苦しみから解放されたフラメンコ💃
息子の彼女に対しての息子を取られたような感情には、そこまで敵意剥き出しにする?と思ったが、彼女も彼女で、別れて欲しいと母親に言われて、笑うような嫌な女だと思った。同性に嫌われそうなタイプ
夫が出て行った時に水という宗教にハマり、元凶の夫が亡くなれば、宗教も辞めたんだなぁと。最後の夫の遺骨の祭壇シーンで大きな硝子玉が無くなっていた。もう必要ないと思えたんだろうと解釈。
彼女のこの後の人生が良い日々を過ごせたら良いなぁ
孫産まれて大変だろうけど嫁姑問題。笑
筒井真理子さんが唯一無二になってきた
筒井真理子さん、可愛いね。フランスの女優さん達が何歳になっても可愛いと思って観てたんだけど、筒井真理子さんがそんな感じになってきた。
プールで泳いでるときに「別の若い女優が登場するのかな?」と思ったら筒井真理子さんだったの。
表情の演技が多かったんだけど、笑うところから睨むところまで、どれもいいの。
内容を追いかけるというより、筒井真理子さんを観てたな。
そして出てくる女優がすごいね。
新興宗教のシーンでキムラ緑子が教えてて、よく見ると江口のりこと平岩紙がいるし。
パート先で知り合うのは木野花で、近所の奥さんが安藤玉恵。
女優の名前を並べたら、大体どんな映画か分かるよね。
映画の内容は、公式Webサイトに監督コメントがあるから、それ読めば分かるの。
それ読んで分かるなら、映画観なくていいじゃないかという気もするけど、やっぱり作品観た方が伝わりそうなものはあるね。
でも観てるときは、そこまで伝わんないんだよね。なんでかというと僕が男性だから。
女性が観たら「わかる」と共感するシーンは多いと思う。
これは観てる側の問題意識の低さが原因の大半ではあるんだけど、物語の造りが「わかりますよね」「わかります」と、無意識にだと思うんだけど、共感に頼ってるところもあると思うの。この辺ってどうしたらいいんだろうね。
観終わってから色々考えるとして、観てるときは筒井真理子さん観ていればそれでいいというのもあるから、観るのがいいと思うよ。
筒井真理子 色っぽいね💕
ラストのシーンを撮るために‥ラストシーンありきで作った作品ですか??。怪しい金目当ての宗教、介護、失踪、病気、汚部屋、孤独、気に入らない息子の彼女、ほーんとうに嫌になっちゃう事ばかり!。ありえへんわー!。こんなん無理!。そんな日々でも、逃げ出さずに何とかしようともがくのね。皆んな居なくなっちゃったね。もう良いじゃない!。これからは自分の人生よ!自分のための人生を生きるの!。ラストシーンの筒井真理子、(品のある)凄い色気ダダ漏れ状態で、このシーンだけで元取れたわ!。あっぱれ筒井真理子!。
自立して、自由に生きろ、主人公!
やばい、泣くつもりはなかった。
いい映画だった、予想以上に。
自立していてこそ、誰かを支えることができるし、搾取される側にならずにすむ。
幸せは自分でつかむ時代になってきていると実感。
だれでも、何かのきっかけでぷつっと崩れる瞬間があるのかもしれない。
そんな時に、家族に限らず、互いに支え合える人間関係があればいいなと思った。
宗教を信仰することを否定はしないけれど、盲目的に信じて、ガラス玉みたいな目になるのはイヤだな。
私は、神様や人間、人工物ではなく、山や森に一番癒される。
日本の自然は最高です!
定期的に山に出かけての心身浄化は、お布施もいらなくてリーズナブルです。
最後のフラメンコ踊るシーン、よかった。
息子には息子の人生がある、主人公にも主人公の人生がある。
執着を手放して、人生を楽しんで欲しいものです。
最後はきみ…
って、今、いいましたよねぇ〜?修さん。
こんな文句もあのシチュエーションで耳にしたら、依子でなくとも固まる。
いや、よくそんなことが言えたなぁと言いたい。
夫はあくまでも悪気なく、そのまんま〜な感じで。。。
だからこそ、その一言が2人の終わりを告げたも同然だったのでしょ??
足と頭、頭と足で寝るベッドも、
イビキの爆音で、まどろみも爽やかさもない朝も、気になったらなりっぱなしの食べ方も、家出夫の義父の介護と葬式をひとり担当することになっても…。
更年期の不調を騙し騙し…家庭でも職場でも、なにがあろうと毎日の自分の持ち場をこなしてきた依子。
ないものをあるように
あるものをないように
生きるって
波紋の中をすすむこと?
がんばれちゃうほど
強そうにみえるほど
心に蓋をするのが得意になって
たまには
無視したり遠ざけたりしてもいい波紋まで引き寄せて
休んでいいのに無理にすすもうとして
たいへん
何も気づかないまま逝った棺から転がる夫をみて笑う妻になっちゃった!
それでも話をきいてくれる人を求めてただけましなのかも…とも思う。
だけど、もう水晶も緑水もいらないみたいね。
あれだけ整えていた枯山水の箒目を蹴散らしながらの喪服フラメンコ💃🏻
紅い半衿と裾よけがビビットな依子の今を象徴するような過去の波紋への訣別にみえた。
あとは東京の依子さん、九州の拓哉とたまちゃんが(すっきりした依子といい距離感で)幸せに暮せますようにと祈ってます、私。
ブラックな笑いを散りばめながらも、深刻な波紋の存在が胸に押し寄せる作品でした。
謎の緑命会
緑命会とはどういう宗教なのか?家の中には水のペットボトルが並べられ、祈りの時にはその水をスプレーで吹きかけている。水を大切にしているようだが、庭は水を一切使わない枯山水になっている。枯山水というのは禅宗から来ているらしいが、信仰とは関係ないのか?いずれにせよ、依子にとって緑命会は、祈ることによって心を鎮め、勉強会で信者と交流することによって救われるものになっているので、文句のはさみようはない。緑命水は大量に購入させられるかもしれないけど、悪質な系譜の中にある宗教ではないのだろう。
依子の目が印象的だ。特に旦那を見る目はこれでもかとばかりに軽蔑した眼差しになっていて面白い。心は離れているのに夫婦でいることのつらさを感じる。あんな目でいつも見られていたらたまらない。筒井真理子という女優は見たことある程度で詳しく知らなかったが、演技の幅が広く、気品のある女性の役から悪女役まで演じ切る技量の高さが評価されているらしい。
障害者差別は露骨であった。依子が清掃員に息子のことを相談する際「五体満足に生んだのによりによって障害者を結婚相手に選ぶなんて」とか、聾唖者の結婚相手に直接「息子と別れてください」とか。
震災、介護、新興宗教、障害者など社会問題をいろいろ盛り込んでいたが、どれも中途半端な印象だった。個人的には新興宗教をもっと深堀してほしかった。
人類みな異常
タイトル通り人それぞれが生きる事で発生する波紋に共鳴し合って生きているという内容でした。
改めて人は形態(体)は同じだが中身(心)が全て違う生き物だと思いました。
人類みな異常(異なる常態)だから、世の中はうまく行かない様になっているんだと改めて思いました。
似非宗教
誰しもが悲しみを背負っている。
「川っぺりムコリッタ」では人との絆が悲しみを癒してくれたが、今作の主人公は似非宗教でしか救われない。
似非宗教でも信じてなければ、やっちゃってただろうな。
似非宗教にしか救われないところが救われない。
主役の筒井真理子さんをはじめ、メジャー化したミニシアター系俳優さんたちの演技はさすがに素晴らしい。
見ていて飽きない。
柄本明の役は柄本明でなくてもよかったかな。もっと何かあると期待してしまう。
途中で入る音はフラメンコのだったんだ。納得。
ただ、最後のシーンは良かったけれどもっと違う形で終わってほしかった。それまでがあまりにもリアルだったから。
絶望を笑えってコピー、秀逸ですね。
こぢんまり
要介護の父を含む家族を捨てた夫が10年ぶり?に帰ってくるが、末期ガンだと言って居座る。その間に義父を看取り、当時高校生だった息子は大学を出て地方で働いている。主人公は今は怪しい宗教にハマって心の安寧を得ているが、その日常をかき乱されて…というストーリー。
A24映画なら絶対起きるカタストロフィーは、起きません。筒井真理子だけど。
我慢すること、規範に合わせることが生き方の主人公は予想外の事柄に苛立ち、宗教にすがってさらに「我慢・自己犠牲」の道に進もうとするが、パート先で知り合った清掃員に、好き勝手をそそのかされてそうしたら楽しくなってきて…
でも、身の破滅は起きません。
そもそも、稼ぎ頭が失踪しても、宗教に入れあげても、破産もしてない。貧乏にもなってない。(「星の子」はそのあたりどんどん宗教に吸い取られている様が暗示されて、キツイ)
宗教も、本山参りとかそういったイベントも大金を吸い上げられるシステムも(水以外)なさそうで、ユルいサークルみたい。
息子とは恋人のことでもめたけど、葬儀にはきちんと帰省してくるし、嫌みな隣人も嫌な客も「夫が癌なんです」で引き下がる程度の良識ある人間。なので主人公はそれ以上攻撃的にならずに済む。
自由を唆した清掃員も、あおってる途中で入院し彼女が心に傷を負ったただの自分勝手な人ではないと示唆され、主人公の良識で立ち直りかける。決して主人公が破綻するまで導かない。
…というわけで、全体的に小市民のイラッ・クスッが詰まった破綻のないストーリーです。せっかくヤバそうな俳優さん集めてるのに、寸止め感ハンパない。
A24的な、そういうの期待してる人にはちょっと物足りない
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