劇場公開日 2023年1月13日

  • 予告編を見る

SHE SAID シー・セッド その名を暴けのレビュー・感想・評価

全169件中、161~169件目を表示

4.5彼女達の勇気が未来をつくる

2023年1月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 ハーヴェイ・ワインスタインが行った非道な性暴力は、被害にあった女性の言葉で語られる。ハーヴェイが傲慢で、嘘つきで、身体だけでなく、金と権力と法律を利用して彼女達の心まで破壊する様は、吐き気を催す。

 性暴力シーンの再現シーンはない。ひと昔であれば、そのシーンをアピールするような本末転倒な作品もあったが、そんな商業主義とは一線を画している。

 ニューヨークタイムズの記者が粘り強く取材を行い、名前を出すことに躊躇する被害者を辛抱強く説得する。一方で、被害を受けた女性たちは、今の平穏な生活が乱されることへのためらい、忘れたふりをしてごまかして生きてきたことへの後悔が錯綜して、心が千々に乱れる。

 プロローグで、トランプ大統領候補(当時)のセクハラを告発した女性が、匿名の嫌がらせを受け、名前を出したことへの後悔する様子が描かれるが、勇気への代償がマイナスとなって帰ってくる場合があるから現実社会は恐い。だからこそ、記者達は最後の最後まで告発者の側に立つ。

 聞き慣れない個人名が飛び交うので、登場人物の相関関係が把握しづらかったので、前もってWikipediaを見ておけばよかった。

 小学生のころ妹をいじめて祖母に言われたことを思い出す。「自分より弱いものに手をあげる男は、下の下の下の人間」
 ハーヴェイは、それよりも下の下の下であることは間違いない。

コメントする 1件)
共感した! 44件)
bion

4.5シンプルだが力強い作品

2023年1月14日
Androidアプリから投稿

数年前、原作であるノンフィクションは読み、本作を見た。

展開はシンプル。
2人の記者が被害者、関係者に話を聞こうとするも、みな口を開こうとしない。
それは業界での影響力であったり、秘密保持契約からであった。
そんな中でも2人の懸命な取材により、勇気ある人が匿名を条件に口を開き、そして名前を出してもOKという人が現れる…

展開はシンプル過ぎ。一歩間違えば、「退屈」と言われかねない。
それは映画っぽい「ハデさ」というか「盛り上がり」のために、過剰な「演出」や「脚色」が無かったため。
言い換えると、証言した被害者たちの勇気と、記者たちの執念があるから、過剰な演出や脚色がなくとも、力強い作品になっているのだと思う。

コメントする (0件)
共感した! 16件)
みっく

4.0男であることが恥ずかしくなる

2023年1月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ハリウッドの大物プロデューサーによる女性への性的暴行を暴いた、ニューヨーク・タイムズの2人の女性記者を描いた作品。
原作は2人の共著によるノンフィクションだが、本と映画ではアプローチの仕方が異なる。本も三人称だったが、映画は完全に客観的な視点で捉えられており、原作ではあまり触れられなかった2人の家族が頻繁に登場する。記者・妻・母の3役をこなす2人の立ち位置が明確になり効果的だった。
登場人物が膨大なので誰が誰やらになってしまうかもしれないが、それだけ被害者が多かったということだ。これでも原作よりはだいぶ減らされていたけれど。複雑になりすぎるため整理された部分もあるが、それも正解だと思う。
なにより素晴らしいと思うのは、取材し記事を書いたのが女性記者だったこと。『大統領の陰謀』は男性記者2人によるスクープだったが、本件は女性だからこそ取材が可能だったのではないだろうか。さらに映画化にあたって脚本・監督に女性を起用したこと。先述した家族シーンはそのおかげかもしれない。

コメントする (0件)
共感した! 12件)
ぽてち

4.5有難う、ブラッド・ピット

2023年1月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ここ数年、DVDや配信で「名作」と言われる旧作を観る際、本編の前に「MIRAMAX」のロゴを観るとゾワッとし複雑な気持ちになるようになりました。勿論、作品そのものや役者や監督、スタッフたちの仕事を否定するつもりはないのです。それでも、、、
数か月前、本作の情報を見つけたとき、まずはキャリー・マリガンとゾーイ・カザンというキャスティングに期待を大きくしておりました。そして、当然のように素晴らしい仕事をしてくれています。お二人とも一つ一つの表情だけでうならせる説得力で惹き込まれます。
それにしても、アカデミー賞が近づき、前哨戦の結果や予想を見ていくとこの『SHE SAID』は作品賞や監督賞にノミネートが殆どありません。気になって調べてみると、どうも米国などでは#MeToo運動が随分と語られつくされた分、「あの頃のムーブメント」という印象で大きな評判に至らず、興行成績もやや期待外れの結果だったようです。
それに比べたら、日本で過ごす私にとって知らない(知ろうとしていなかった)多くの真実の「おぞましさ」に、本作を観て「知る必要性」を強く感じました。はっきり言って、企業などで啓蒙する「ハラスメント」についてのトレーニングなんかより、この映画を観た方が余程「事の重大さ」に気づかされます。
直接的・間接的な言動だけでなく、自分の意図と関係なくその「立ち位置」一つで加害者に加担していることもあり得るし、被害者からしたら全てが信じられなくなり恐怖と失望を与えてしまっているかもしれません。
公開初日の夜回、残念ながら(日本橋では)5番目のキャパのシアター。さらに残念なことに客入りは5割弱といったところで、さらに多くは女性。。。男性諸君よ、その何回目かのスラムダンク分の「時間とお金」をこちらに振り替えてはどうでしょう、と思うのですが勿論無理強いはできません。
私としては、流石、信頼のPlan B Entertainmentに「有難う、ブラッド・ピット」と言いたい作品。実に素晴らしかったです。

コメントする (0件)
共感した! 16件)
TWDera

3.0さもありなん な嫌な話しが…

2023年1月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

地味 に長丁場で寒い空調が辛いなー。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
すったもんだだよ

4.0業界に席を置いたなら、?

2023年1月13日
Androidアプリから投稿

この映画は、一人で見る映画ですかね、なんか!こころにささる映画です!

コメントする (0件)
共感した! 7件)
ブッチ

4.5セクハラのキッカケ!

2023年1月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

難しい

ここから法律改正となってセクハラ問題が全世界に広まったんですね。素晴らしい作品です。犯人を最後まで見せないのは良いと思います。ただ、口調と体型がアンマッチでそこがマイナスポイントでした。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
イ・ジア

4.0タイトルなし

2023年1月13日
Androidアプリから投稿

最初のカットで入る劇場間違ったか?と思った(後程彼女が誰だか分かる) 映画業界の悪をあぶり出すちょっと地味だけど社会派なストーリー、ウォーターゲート事件描いた1連の作品みたいでした この件を境に映画業界も騒がしくなってきたのでよく覚えている 映画って撮ったら終了だし労働環境等メスが入っていない旧い体質だったのかもしれないとは感じた
しかし映画を見る側としては作品にこんな裏が有ったのかもしれないと思うと心が痛んだ 夢を抱いて後を断たれた女性達がとても気の毒だ、その後も映画には関われないのか?
よくぞニューヨーク・タイムズ紙取り上げて、あんなに各所飛び回って調査してくれたと思う
難を言えば、出てくる人物が多すぎて誰か覚えるの大変、グウィネスパルトロウご本人出演してほしかったなぁ

コメントする (0件)
共感した! 17件)
ゆう

4.5記者の取材に対する執念

2023年1月13日
iPhoneアプリから投稿

報道取材そのものに焦点を当てた作りで、『大統領の陰謀』を思い出しながら観ました。

性描写は一切出てきませんが、怯え、恐れ、怒りに満ちた被害者たちから、加害者の非道さ・卑劣さは充分に伝わってくる内容。

過去の被害者を守り、今後に新たな被害者を生まないために、こういう取材や告発は非常に重要だと思いました。
その、記者の取材に対する執念に対する賞賛も。
(同時に、手段と目的を入れ違えて、己の快・不快だけを基準にし、男性や表現を排除するのに利用することは、こういう事案の被害者をむしろ貶めることになるとも思いました。似非フェミのせいで、MeeToが足を引っ張られたようにも感じ)

そんな「重要性」をストレートに描いた、映画としてのクオリティの高さにも感嘆。

この素晴らしい映画、ブラッド・ピット(プランBエンターテインメント)やミーガン・エリソン(アンナプルナ・ピクチャーズ)が作って、ユニバーサル(と日本では東宝東和)が配給しているが、ディズニーで配給して欲しかった。
事件が起きた(隠蔽された)当時に、ワインスタインのミラマックス社を買収して、傘下に収めていたのはディズニーだったからw
(報道があったのは、ディズニーが同社を売却後)

コメントする (0件)
共感した! 13件)
コージィ日本犬