X エックスのレビュー・感想・評価
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凶暴じいさん色情ばあさん
Ti West監督はホラー専門で2001年からキャリアがある。
目立ったポジションではなかったが、本作Xで注目され、続けてPearl(2022)の成功によって、あちらでは今、時の人になっている。
概説によると、Pearlは悪魔のいけにえ(The Texas Chain Saw Massacre)とオズの魔法使いとメリーポピンズにオマージュを捧げるレトロクラシカルなホラー/スプラッター映画──とのこと。
ベネチア映画祭(79回、2022)で初公開され喝采を浴びたそうだ。RottenTomatoesのスコアで89%と82%。批評家筋からの評価が高く、スコセッシも『映画に対するピュアな愛に支えられている』と褒め称えた──と伝えられていた。(本作ではなくPearlのこと)
Ti West監督の来歴を見たが、人民寺院の集団自殺を題材にしたサクラメント死の楽園(The Sacrament)(2013)をなんとなくおぼえているが、他は未見もしくはおぼえがない。Imdbを見ると過去作の評価は悪くないがアスターやピールのような寵児的扱いはなかったように思う。
そんな彼が今、覚醒したかのような脚光を浴びている。
なお本作XとPearlは連作になっていて現在製作中のMaXXXineはXの続編としてつくられている──との報道があった。
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舞台は1979年。ポルノ黄金時代。郊外へ撮影にやってきたクルーらが、地主の老夫婦から襲われる──という話。
ポルノ撮影はギミックで、凶暴なじいさんと色情なばあさんにひとりづつ屠られていくのが本筋。そこまでやるかよ──なぶっとび感とジャンプスケアで飽きさせない。
われわれみんながそこ(老人)へ至るゆえに、けっこう失礼で不謹慎な方法論なのだが、老人がホラー利用されるばあいの力点は朽ちた皮膚感──ということになる。
たとえばThe Taking of Deborah Logan(2014)では、ぶきみな老婆がそれ自体でホラーを形成していたが、本作はさらに不謹慎で、老夫婦が殺戮の興奮からやり始める。とんでもねえ悪趣味度。
とはいえ夫婦は何歳になってもやれるならやっていいのであって交合じたいに罪はない。──にもかかわらず、それがこの映画のおぞましい画=ホラー要素の白眉になってしまっているところに問題というか面白さがある。まさに「うわ~やめてくれ~」という感じ。これはどういう種類の悲鳴になるんだろうか。w。
シャマランのヴィジット(2015)のように老夫婦がけっこう強くて襲ってくる──ところまでは考えつく。が、老夫婦が興奮して交合しはじめる──ってのは考えつかない。(よしんば考えついてもじっさいに撮りはしない。)やっぱあちらのホラー作家はアイデア持ってるなあ。──と思った。
ただしTi West監督はわたしのすきなアスターやワネルやピールやミッチェルとちがって、スタイルみたいなものは感じない。スプラッターと奇想でぐいぐい押していく。トビーフーパーのような強引さが持ち味。そもそも構造からして悪魔のいけにえのオマージュでもあった。
この雑味が、傑作の呼び声が高いPearlでどう変容しているのか、見るのが楽しみだ。
センスみなぎるくそったれホラー
個人評価:4.0
エロス、ビッチ、納屋、離れ、湖、男女6人、道中の不吉な出来事。ホラーのセオリーをふんだんに取り入れ、そして新しい。
ミア・ゴスのキュートで健康的なエロスとホラー顔にハマり役な主人公。
若かれしタランティーノが撮ったようなセンスみなぎる作品だ。
タイ・ウェストか。次回作も見なければ。
起きたら隣にババアがいるドッキリ
B級ポルノ映画を撮るために田舎の農場を借りた6人の男女が農場主の怪しげなジジイとババアに襲われる話。
6人の若き男女が獲物にされる動機は老人の若さへの渇望。肌もカサカサ髪も薄くなって乳も垂れ下がり、旦那に求めても心臓のせいで行為はできない。そんなババアは若者達が性を謳歌し、楽しげなのが羨ましくてしょうがない。
このババア、体は衰えてるけどパッションはすごい若いなと思った。多分私より若い(笑)そのパッションがあればもう少し綺麗な見た目保てたんじゃない?とは思うけど、きっと田舎だからあまり努力をしなくても若さで求めてくれる人がいたんだろうなぁ。
マキシーンも「私らしくない人生は受け入れない」と宣言するようにパッションがすごい。数十年後同じようなメンヘラババアみたいになってる可能性はあるけども(実際両方ミアゴスが演じてる)、この子は愛への執着がなさそうなのがババアとの違いかな。自分一人でもどうにか成功を掴んでやろうという姿勢が、世代の違いっぽく見えた。
『悪魔のいけにえ』とか『シャイニング』などあの時代らへんのオマージュも良かったけど、私が1番好きだったのはやっぱ池のワニ。マキシーンの背後、遠くから誰かが見つめてるのをずっと見せられた後、池で浮かぶマキシーンからショットが移動して何がいるのかと思ったらワニかーい、で笑った。
起きたら横にババアとかジジイとババアの夜の行為が化け物にしか見えなかったり、割と見た事ないシーンがあって面白かった。
最後の最後まで一番油断ならないのは、主人公を演じたミア・ゴス、なのではあるが…
う〜ん… まあまあだったかな…
基本アイデアが出色だし、殺戮が始まるまでは、かなり面白かったので、だいぶ期待値の方も上がっていたのだが…
諸々の殺戮シーンの展開が、ワザと?よくあるパターン。所謂お約束?
なので、ハラハラドキドキも特になく…
誰が生き残るのか?も予想通り。
う〜ん…
もうちょっと斜め上を行く展開は欲しかった。
やはり、この手の映画は、予想以上のショックを観る側に与えてナンボなんで…
というか、ラスト近くのクライマックスのアノ展開だと、監督の意図としては、もはやホラーでもないのか。
おそらく一番ショッキングな仕掛けは、エンドクレジットにあったとも言えるが、勘のいい人なら途中で気付いてしまうだろう。
あと、かなり重要な要素となっていた宗教番組(一応キリスト教?)のテレビ放送だが、79年だというのに白黒テレビとなっていた。
ガソリンスタンドのテレビまで白黒では当時のリアルが希薄になってしまう。
老人夫婦の旧いテレビに関しては、時代に取り残された感を出したかったのかもしれないが、むしろ旧いカラーテレビで頻繁に電波が乱れる方が効果的だったと思う。
特にラスト近くの例のシーンに関しては。
監督は未だ当時、生まれてなかっただろうから79年のリアルを知らなかったのだろうが、もう少し選曲にも79年らしさを出して欲しかった。あの年のヒット曲は本当に尋常でないほど名曲のオンパレードだったのだから。
本作はトリロジーになる予定で、次回は前日譚(老婆パールの若かりし頃)らしいが、そっちの方が面白いかもしれない。
B級ホラー好きは好きな作品
私は小さい頃からスプラッター、ホラー、サイコスリラーにサスペンスなど見てきたが、やはり1番印象に残っているのは13日の金曜日や悪魔のいけにえなど金字塔とよく呼ばれるホラーの鉄板だ。やっぱり馬鹿な若者が調子に乗って死んでいく痛快さと、その若者中にいる真面目な子は生き残ってほしいとそう思えるような感じがあるとテンションが上がる。さらにキャラクターの象徴的なアイテム(ジェイソンだったらホッケーマスク、悪魔のいけにえだったらレザーフェイス)があればもうたまらない。その点この映画は象徴的なものはないけれど殺人鬼の行動や殺すシーンがリアル。生々しくてあっけなく人が死ぬ感じは好きだ。この映画は続編が決定しているのでそれと合わせるとより深みが増して面白いかもしれない。マジでA24の映画はハズレがない。
社会規範の抑圧から逃れる
田舎町でチャラい若者たちが惨殺されるスラッシャーホラーというジャンルではありますが、チャラさを判断する社会規範意識を揶揄するような視点が感じられました。
その時代の今時の若者と、昔ながらの宗教や倫理感を重んじる老人との対立というような。
とは言え、老人側も単純に倫理感に反しているから殺す訳ではなく、若さや奔放さへの嫉妬なのか執着なのか。
夫婦はこうあるべきという固定観念に、ある意味縛られているのか。
動機は過去に関するものなのか、既に製作されているらしい2作目にも興味をひかれます。
若者たちも、老人を思いやったりなど普通に良い奴ですし。
夜に語り合う場面は、青春もののような雰囲気で。
最初に殺されるのが、一番チャラくない奴、しかしダブルスタンダードな貞操観念の持ち主というところも、腑に落ちるというか。
社会規範や偏見の抑圧・欺瞞についても意識させられます。
そこからいかに逃れるかということでは、主人公が象徴的なのかと。
主人公が、自分に暗示をかけるような言動をしていたのは、親から人並み外れた社会規範の抑圧があり、それから逃れるためだったのかと解釈しています。
丁度、宗教2世の問題がニュースになっていたこともあり、2世の苦悩を連想してしまいました。
描写されていた宗教が、カルトなのかこの地域では一般的なキリスト教なのか、よく分かりませんでしたが。
アメリカの宗教事情に詳しければ、もっと面白く観れたかも知れません。
殺害シーンやクライマックスの攻防は意外にあっさりしていて物足りないように感じたものの、老婆の描写は異様なインパクトでした。
ラストも、主人公の過去などを考えると、複雑な余韻が残りました。
″2人の秘密″ は ″聖なる介入″
映画作成をしひとやま当てようと考える6人がある小屋でロケーションを始めるが、そこの持ち主の老夫婦が実はヤバいやつで・・・といった物語。
ホラー映画だが、序盤は映画撮影シーンや、主人公達6人の背景が描かれる。謎の老婆の姿が不気味だが、これといった展開は訪れずやや冗長気味。
しかし、RJ悲劇の撮影以降は一気に展開が急転‼
・・・ってゆうか、RJ可哀そうすぎw
撮影だから別に良いじゃん的なノリの彼女と他の4人に押されてカメラを手に取るが・・・そりゃあ咽び泣くわw
老夫婦の素性がわかりだしてからは、普通に怖いしグロいし気色悪いし・・・でホラー展開に。
主人公達も、性に奔放なところを除けばまぁ良い人達なんだけど、これといって感情移入できるキャラがいないのが個人的に少し寂しい所。
お婆さんは・・・いくつになってもそう願うのは人間のサガですかね。
どうやら、本映画は三部作になるとかなんとかって聞きましたが、残り観ようかな・・・。
本作もホラーとしては、恐らくそこまでは怖くない方なのかなとも思いますが、最近ホラーを観るのがしんどくなってきたワタクシ(笑)それこそハワードじいさんと同じ末路をたどってしまいそうでw
そしてどうでも良いけど、実際に死体がある殺人現場なんだから、クソったれのホラー映画、なんてことはないでしょう。
さらに気になるのは、エンドロール後に…という声をチラホラ聞きますが、何かあったかな…?
ワタクシ、映画は毎回エンドロール終了まで観てはいるのですが。。
ホラーと言うよりエロ+絶倫婆さんの暴走
死霊館みたいなホラーではなく、アダルト映画撮影に来たご一行様を見た婆さんが若い人を妬み殺しまくり、爺さんも加担し殺しまくり、最後は若い女がフザケンナ!クソ婆!と婆を成敗。
全然ホラーじゃ無いです。
白人女優さんの騎乗位がエロくて良かったけど、それ以外は微妙。
外人女優さんのおっぱいは楽しめます。
変なもの見たさには…
違った意味でホラーかも。いったいあの老夫婦は何歳なのか…😱
暑い夏にはちょうど良いかも。ストーリー性は余りないが、驚く場面は多数ある。
田舎の殺人鬼の話。しかし、六人で30$(かなり古い話で1979年だったら日本円で10000円強)で1泊は安い💴✨👛観るところはソコじゃないけど😅
新しい殺人鬼の誕生と思いきや?
殺人鬼は老夫婦という珍ホラー。ストーリーは単純で人里離れた場所へ若者グループが訪れていくよくある設定。
冒頭のシーンからラストへの伏線があり、最初から最後まで息をつかせぬ展開で少しも目が離せない。シーン切り替えも上手く上空からの撮影シーンも美しい。
新しい殺人鬼の誕生かと思いきやラストはあっけない。
2022-128
最後の数分のために全ての物語が作られていると言っても良い一作
最初のワンショットから、往年の映画の質感を非常に意識していることが分かります。流れに任せて無数に散りばめられた名作ホラーのオマージュを発見する楽しみ方ももちろんありますが、もちろん何の前知識もなくても十分楽しめる作品です。とは言っても、暴力・残虐描写は相当なものだし、それ以外にもちょっと直視がためらわれるような場面も含まれるため、あくまでそうした映画であることを前提として鑑賞することがおすすめです。
冒頭の映像の、スタンダードサイズの画角と思わせる構図の仕掛け、フィルムを連想させるざらついた画調など、物語以前の作り込みが入念で、物語自体の、でたらめさと悪趣味を意図的に押し出したような印象からすると意外なほどに完成度の高い作品であることがひしひしと伝わってきます。
「映画史上最高齢の殺人カップル」が謳い文句となっているように、本作は「(無謀な)若さ」と「老い」の対比が繰り返されます。これらの要素は、あるキャストの役回りによって、単純な対立軸ではなく、連続していることが分かってきます。この辺りの仕掛け、油断ならないわ…。
パンフレットは情報量だけでなくデザインも秀逸で、これ自体非常に良い作品となっています。本作が気に入った方はぜひ購入のご検討を。
おばあちゃん……もう勘弁してくれ
バイオレンスホラーの今作。現代ものではなく世代的には一昔前と言っていいのかな。また懲りずに若者男女がキャンプ施設に行っちゃっておりますね〜。そしてその若者6人がこれまであたかもいたかのもうなやられ役の各属性代表的なビジュアルです笑。ハッキリ言って物語はアダルトを撮影しに行っているのでそれなりの描写はあります。前置きはこんなもんで、今作のクリーチャーはかなりやつれた老夫婦です。ただおばあちゃんの方は性欲フルスロットルなのでそう言った意味では元気です。おじいちゃんは猟銃打ってきます。まぁそんな老夫婦とのやりやり合いが怖いく悍ましい見どころです。ヴィジットという映画も老夫婦が相手ですが、今回は性欲という要素が加わった感じです。そして何と、たぶん続編があるような映像がエンドロール後に流れます。次は『Y』(why)かな?
この映画はいっそコメディにしたほうが 良かったんではないかな? そ...
この映画はいっそコメディにしたほうが
良かったんではないかな?
そんなふうに思った。
そしてジジババは本物の高齢者俳優の
起用だと期待していたので…、残念。
そしてこのジャケ写。
私が長いトイレの列で待ちわびてる姿と
そっくりだった。
おバカホラー
結構盛りだくさんな感じで、びっくり系もバイオレンスな感じもあってホラー欲は満たされていい感じでした。途中のお婆さんが欲情しまくるシーンが激キモでした。お婆さんとお爺さんのセックスのシーンでは鑑賞中の方から失笑も起きていました。
1979年テキサスという設定から期待するものを全部乗っけてなおその先まで暴走する、後々の展開が物凄く楽しみな血塗れ痛快低予算ホラー
一攫千金を夢見て自主製作ポルノ映画を撮影するためにテキサスのド田舎の農場にやってきたストリップダンサーのマキシンとマネージャー、ポルノ男優のジャクソンとケバいブロンド女優のボビー・リン、映画オタクの学生監督RJと録音係のロレインの6人が酷い目に遭う話。1979年のテキサスという時代設定なので当然『悪魔のいけにえ』のような埃っぽいいかがわしさに全編覆われています。『デビー・ダズ・ダラス』やリンダ・カーター等70‘sワードがちょいちょい出てくるイカしたセリフの合間に農場に住む老夫婦の素性や農場に隠されている様々なガジェットが少しずつ顕になり、ホラー映画のお約束にあくまで忠実に一人また一人と血祭りに上げられますが、冒頭の意味深なカットに繋がるクライマックスの暴走ぶりは見事で、殺人のオンパレードなのにこちらはもうノリノリになってしまいました。血生臭い凄惨な話なのに鑑賞後の爽快感は格別なので夏にピッタリの作品。エンドロール後に爽やかなオマケがあるんですが観客の半数くらいがこのオチを知らずに退場。客電が点くまでが映画だということが周知されるまでにあと何十年かかるんだろうと遠い目になりました。
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