劇場公開日 2022年5月20日

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大河への道のレビュー・感想・評価

全184件中、21~40件目を表示

5.0ただ、ただ、感動

2023年10月9日
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佐原を観光し、伊能忠敬記念館に訪れた後に
気になって観てみました。

まさかの伊能忠敬は出てこない話でしたが

先人たちの積み上げた努力、想いに胸が熱くなりました。
また、ラストの地図お披露目シーンは圧巻で、
上様のセリフに不覚にも涙が溢れ
鑑賞後もしばらく余韻に浸りました。

歴史物に、全く興味がなかった自分でも
とても楽しめましたので、
そういう方にもおすすめできます。

また、佐原に伺い改めて、歴史に想い
を馳せてみたいです。

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mi sora

3.5伊能忠敬は日本地図の完成を見ることなく、地図完成の3年前に他界する...

2023年10月1日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

伊能忠敬は日本地図の完成を見ることなく、地図完成の3年前に他界する。彼の志を継いだ弟子たちは地図を完成させるべく、隠密作戦に乗り出す。
現代劇に近いわかりやすい時代劇。
日本中を歩いて、日本の形を形にしたこと自体すごいし、地図完成を支えた名もない者たちがいたということ。伊能忠敬を今までと違う視点で観れた。日本地図をお披露目するシーンはじんわり来ました。
現代劇と時代劇で1人2役しているところがおもしろい。
楽しめました。

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よっしー

4.0落語のうまさ

2023年9月30日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

楽しい

知的

 千葉県香取市職員の池本は、地元ではちゅうけいさんと親しまれている偉人、伊能忠敬の大河ドラマ制作を発案。彼はなんとか脚本を引く受けてくれた加藤と部下の木下とともに、伊能の功績を取材していく。すると伊能は日本地図完成の3年前も前に亡くなっていた。
 現代と当時の一人二役の演出が楽しいです。クライマックスで泣き、直後に大笑いしました。立川志の輔の創作落語が元になっていたんですね、うまいなぁ。創作落語の映画化って、もっとあっても良いと思いました。

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sironabe

3.0欲張ってあれこれ手を出したあげく中心が見えなくなった残念作

2023年7月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

伊能忠敬が地図の完成を見ることなく亡くなったという歴史的事実を基に、死を隠蔽したまま地図を作成し続ける人々と、それを暴いて地図完成を阻もうとする幕府勢力との駆け引きをベースに、その伊能の業績をTV大河ドラマに仕立てさせて、街おこしに利用しようとする伊能の郷里・佐原市役所担当者たちのドタバタぶりを二重写しにした歴史映画である。

観た後、妙な感覚に襲われた。

芸達者の中井、松山、橋爪、西村、草刈、チャーミングな北川といった顔ぶれ、しっとりして美しい映像に俳優たちのリラックスした好演、そして地図完成が伊能の死後ずいぶん経ってからという意外性に、時代劇と現代劇のドタバタを重ねた構成――どれをとっても興味深いのに、何だか……芯がない。
感動とか感激とかは言うまい。良いものを観たなという充足感が湧いてこないのである。

その理由はよくわからないのだが、インタビューで「成長時代劇として日本人の所作の美しさ、良心をしっかりと訴える。また現代劇では、コメディであるということを貫きたいという話をさせて頂きました」(中井)、「草鞋を視覚的に表現して流す感動の涙というものは、落語では絶対に描くことが出来ない素敵な映像の芸術ですね」(立川)と話しているのを読んで、何となく納得するものがあった。

それを言葉にすれば、映画に腰が据わっていない。欲張ってあれもこれもと手を広げて、どれも平均点以上だが、それらがバラバラで、一つのドラマとして強い効果を上げるに至っていないということだろうか。お笑いとお涙が別々の無関係なものとして存在する、と言えばいいだろうか。
その典型が地図完成後、北川が伊能を懐かしむシーンだろう。別れた4番目の妻である彼女が伊能をそれほどまでに恋い慕うというのは、唐突すぎてろくに情感を喚起しないのである。

北川と中井のキャラクターはとてもいいし、西村の因業ジジイぶりも面白い。彼らを中心に全編時代劇にしたほうが遥かに面白かったのではないかと、ちょっと残念ではある。

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徒然草枕

5.0一言「愉快痛快」

2023年5月19日
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知事肝入りの「大河ドラマ誘致」。
香取市の著名人・伊能忠敬を調べてみると。
「もしかしたら、忠敬は地図を完成させてない?!」疑惑浮上。
まじですか。

現代と忠敬が生きた江戸時代。
同じキャストが、時代を分けて演じる面白さ。
そして役割もちょっと寄せているところ。
中井さん演じる「主任」と「若先生」、中間管理職風が上手い。
ベテラン勢も、豪華。←知らないで見る方が楽しい。

教科書でしか知らない、歴史上の人物。
その人や周囲の、名もなき仲間たち。
一つの仕事を完成させるには、仲間が大切。

時代劇7割、現代劇3割。時代劇見ない人でも、楽しめますよ。

⭐️今日のマーカーワード⭐️
「冥土への道を、皆で測りましょう」

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ゆき@おうちの中の人

4.0誠実に働く

2023年5月13日
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エエ話でした。
結果として、大きなことを成し遂げる
そのためには、いくつもの、いく人もの
尽力あってのことなのだと
そして、日々の一つ一つを、まずは丁寧に
積み重ねて生きることが素敵なのだと
感じられる作品でした。
公開当初は、見逃してしまった作品ですが
観て良かったです。

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しぎの

3.0名もないヤツらへの賛美

2023年5月8日
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大河では描けない、
この作品だけの、
伊能忠敬の意志を受け継ぎ日本地図を完成させた「名もないヤツら」を、賞賛する物語。

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上みちる

4.0作品として面白い

2023年5月6日
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なかなか面白いストーリー

豪華過ぎるキャスト

構成のバランスよし

めちゃくちゃなこともあるかもですが、コメディ映画なんだから面白くていい作品でした。

大河に選ばれない伊能忠敬ってのがまず面白い。

やっぱり歴史ってのはこういうのがあるから面白いんだなって思い出させられました。

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ボタもち

4.5かたじけない

2023年5月3日
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着想が面白いですね。原作である立川志の輔さんの創作落語「伊能忠敬物語~大河への道」こそが素晴らしいのだと思いますが、一方、今作の脚本も細部までよく練られていて、さらに現代と江戸時代の両方を同じ俳優でキャスティングするというアイデアがうまく奏功していてより一層楽しくなったと思いました。とりわけクライマックスでお殿様に拝謁する場面、方や知事に対面する場面がよかったですね。このシーンを観られただけでも大満足でした(笑)。少し前にDVDでみた「キネマの神様」(21)の北川景子さんの和服姿もとても美しかったのですが、今作でも江戸時代パートの北川さんの艶やかさが眩しかったです。ふとした瞬間、若い頃の吉永小百合さんに重なって見えてハッとしました。そう思うと鼻にかかった声も少し似ているような気がしました。中井貴一さんのコメディエンヌぶりも可笑しくて、他の脇役もみなさんいい味わいがあって、よい作品でした。今あるのはこうした無名の人々の苦労あってのこと、そのことを知ることが明日への糧になるような気がしました。

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赤ヒゲ

4.0伊能忠敬を主人公に大河ドラマ制作を売り込もうとする市役所職員。 現...

2023年4月23日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

伊能忠敬を主人公に大河ドラマ制作を売り込もうとする市役所職員。
現代と200年前を同じ俳優が演じるというのがおもしろい。
200年前の話はそのまま大河ドラマでも使えそうな力作だ。
完成した日本地図は息を吞むような壮大さ。
立川志の輔による創作落語を映画化したということだが、一体どんな落語なのか興味がわいてきた。

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省二

4.5脚本も演出もそして演技も、なかなか見応えある映画に出会えた!

2023年4月9日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

楽しい

衛星写真などのない江戸時代に、自らの足で測量し、現代とほとんど変わらない日本地図を作り上げた伊能忠敬とその弟子たちの功績の前にして、涙を流さずにいられようか!

しかし、伊能忠敬が日本地図を作り上げたと思っていたが、実は完成の3年前に亡くなっていた⁉︎という驚愕の事実があった!弟子たちは、伊能忠敬の死を隠し、日本地図の完成を急いだ。この日の目に当たらない弟子たちの功績を、千葉県香取市の「伊能忠敬の大河ドラマをつくる」というミッションの中で描いていくという、面白い演出!

落語家の立川志の輔が描く新作落語を映画にしたとあって、クスッと笑いたくなるシーンが満載!

さらに、中井貴一、松山ケンイチ、北川景子、西村まさ彦、橋爪功、そして、草刈正雄という豪華な俳優陣!彼らの演技力が光る!

現代と江戸時代を同じ俳優陣が演技していくのも面白い!

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うさぎ

4.5劇中劇。草刈の二重キャストはなかなか。伊能のストーリーに打たれる。...

2023年1月13日
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鑑賞方法:VOD

劇中劇。草刈の二重キャストはなかなか。伊能のストーリーに打たれる。中井の微妙なキャラクターが唯一で素晴らしい。何でもない普通の人が何かを為遂げる、ソン・ガンホみたいな役者。

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えみり

3.5中井貴一の演技力を観る

2023年1月13日
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伊能忠敬の死亡が3年間伏せられていたという映画なので最初ビックリしたが、そのこと自体は相当以前から知られていたらしい。見どころは、中井演じる高橋景保の心理変化、悩みではないか。同じような悩み、それからの吹っ切れが同じく中井演じる市役所主任にも見られる。

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adamsmith

3.0伊能忠敬を別角度から

2022年12月23日
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この作品は伊能忠敬を新しい角度から捉えていて、本当に勉強になり面白かったですね。

個人的には日本地図を将軍に披露して、将軍(草刈正雄)が伊能忠敬を労うシーンが良かったです。

また配役も良いですね。

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run05

2.5全部惜しい

2022年12月12日
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2022/05/23@有楽町

演者はみんな素晴らしかった
けど演技も、脚本も、演出も全て中途半端に感じた

どの俳優も(特に中井貴一は)時代劇を演じられる人なのになんとなく現代寄り
中途半端なコメディ
役者の人数が少ないのも気になる

内容は面白いのにもったいない

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すずかけ

1.52022 186本目

2022年11月20日
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寝られる

豪華な役者は出てるが、総じて地味でした。
ジャンルをどうしたいのか不明。コメディにしたかったのかなぁ。笑えませんでした。
大河とはそっちだったのねと観て最初に思った。
もう少し北川景子の印象を強くしてあげればなぁと

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しゅん13

5.0大日本沿海輿地全図の誕生秘話

2022年10月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

原作は立川志の輔の創作落語。
企画は主演した中井貴一。
志の輔から2時間弱の落語のDVDを借りた中井は、映画化を熱望。
発案から足掛け6年遂に完成したのが「大河への道」です。

日本初の全国地図。
それが大日本沿海輿地全図です。
今から200年程前の1821年完成とあります。
それを完成させたとされる伊能忠敬は、千葉県香取市が生んだ偉人。
香取市市役所の地域振興策としてアイデアを出し合っていた際に、
市役所課長・池本(中井貴一)が苦し紛れにだしたのが、
“チュウケイさん(忠敬)を主役にNHK大河ドラマを作ってもらおう“
との企画でした。
しかし伊能忠敬は『大日本沿海輿地全図』の完成の3年前に死去していた
・・・と言う事実が判明。

この映画は忠敬死去から3年。
その死を隠して地図を完成させた弟子たちの苦労や紆余曲折を、
香取市役所の面々が現代の場面と江戸時代の場面を別の役で登場する
・・・面白いダブルキャスト(?)が効果覿面、最高の仕上がりです。

市役所職員の池本/江戸時代は高橋景保:中井貴一
同じく木下/又吉:松山ケンイチ
観光課の小林/忠敬の妻エイ:北川景子
安野/トヨ:岸井ゆきの
梅さん/医者の梅安:立川志の輔
ネギ抜きのネギ鴨蕎麦を頼む山上/忠敬の死を探る神田:西村まさひこ
和田/忠敬の一番弟子綿貫善右衛門:平田満
千葉県知事/徳川家斉:草刈正雄
脚本家の加藤/忠敬の墓のある寺の和尚:橋爪功

このダブルキャストが予想外に効果的で親しみやすかったです。
中井貴一の演じる高橋景保は伊能忠敬の20歳も年下の師匠(出てこない)の
息子。幕府との折衝に当たります。
50歳で隠居してからは趣味の暦や天文学や測量を極めた伊能忠敬は、
江戸で4度目の結婚をします。
忠敬が才女と認めたエイ(北川景子)は詩人であり書家でもあり、
地図の清書を実際に史実でも手伝ったとのこと。
北川景子はチャキチャキの江戸っ子キャラで鉄砲な性格。
(ため息が出るほど美しかったです)

この映画のハイライトはなんといっても『全日本沿海輿地全図』が
徳川家斉(草刈正雄)にお披露目されるシーン。
大広間(100畳とか200畳位ある)
その大広間に引き占められた地図。
その大きさ、美しさ、完成まで17年の苦難を背負った神々しさ。
圧巻でした。
大日本沿海輿地全図!!こそが「大河への道」の真の主役。

志の輔さんが言ってました。
“落語が映画になるなんて夢みたい“
中井貴一さんも言ってます、コロナで中断に次ぐ中断。
きっと予算も底をついて大変だったことでしょう。
(松山ケンイチはイキイキ魚のように跳ねてました)
(中井貴一の貫禄ある江戸時代と、調整型の市役所の何でも屋)
北川景子、橋爪功、西村まさひこ、岸井ゆきの。
申し分ない好演でした。
草刈正雄も素晴らしかったです。

ただひとつ文句をつけるとしたら、DJ梅ちゃんに小学生が問いかけます。
“どうして全国各地を巡って測量しないのですか?“
“CGもあるのに・・・“
ですよねー。
九十九里浜みたいな海岸線ばかりでしたねー。
歩測(一歩68センチなら100歩で68メートル)
伊能忠敬の歩幅は68センチ。
ちなみに中井貴一は歩幅99センチ。
(伊能忠敬は身長150センチ程だったのでしょう)
歩測ばかりでしたね。
伊能忠敬は暦と天体観測に詳しく《緯度》を空の天体観測から測り、
地図の実測に使用していたとの事。
(経度は江戸時代にはまだ無理だったのですが・・・)
断崖絶壁は船上から測量もした。
Wikipediaを読みますと、本当に蝦夷地(北海道)に始まり、九州まで、
歩きに歩いた17年。
70歳で1818年に亡くなりますが、現在なら90歳の高齢です。
余談ですが、全日本沿海輿地全図は、
大図=縮尺36,000分の1。
中図=216,000分の1。
小図=432,000分の1。
大図は214枚。
中図は8枚。
小図は3枚です。
徳川家斉公がご覧になったのは214枚の大図だったのでしょう。
だからあの大迫力。
「よう作り上げた!!どれほどの難儀が!!」
「大義であった!!!」
将軍さまならずとも下々のわたしめも、感嘆、感動、感涙でございました。

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琥珀糖

5.0職人型

2022年10月9日
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かつて花のあと(2010)のレビューにこう書いている。

『中西健二監督はなぜかwikiもない映画監督ですが青い鳥という名作を撮っています。青い鳥ゆえ、ググったときぞろぞろ違うものが検索されそうなタイトルに難はありますが、個人的にはカルトだと思います。
この映画と青い鳥を見ると中西監督の秀でた演出力が解ります。主張はしませんが堅実で丁寧なのです。』

2022年になっても中西健二のwikiはなかった。

日本映画界には堅実な商業映画が評価されないという謎現象があるが、とりわけ不思議なのはキャリアがTV畑の映画監督がプライズやニュースの対象にならなくて、かならず映画畑の映画監督がもてはやされプライズやニュースの対象になる。──という現象。

たとえば罪の声の土井裕泰監督も、祈りの幕が下りる時の福澤克雄監督も、HEROやマスカレード~の鈴木雅之監督も、真夏の方程式の西谷弘監督も、踊る大捜査線の君塚良一監督もテレビ局職員もしくは経歴に占める比重がテレビ寄りの監督である。

そしてそれぞれの映画を思い浮かべてもらえばわかるとおり、日本の代表的な映画監督であるとマスコミに称揚されている園子温とか蜷川実花とかその他諸々よりも、はるかに演出技量が優れている。

にもかかわらずテレビ畑の監督は名が売れずプライズ対象にもならない。このアンフェアについて業界は一般大衆に説明義務がある。(と個人的には思う。)

中西健二監督はテレビ系監督ではないかもしれないが、卓越した技量のわりに名の押し出しがない点においてその気配がある。つまり“職人型”なのだ。

天才でなければ訓練されていない者に機会はない。文筆も絵画も音楽も料理も舞踊も、芸道には練習がつきものだ。日本映画界は未熟者が称揚される現象について説明責任があると思う。天才(黒澤や小津)じゃないなら“職人型”が監督の前提であってほしい。

──

この映画のポイントはいくつかあるが、基調に中年を激励する意図があると思う。

寿命がみじかかった過去にありながら伊能忠敬は73歳まで生きた長寿者だった。
地図をつくりはじめたのは50歳を過ぎてから。しかもただちにつくりはじめたわけではなく、50歳を過ぎてから(天文学などの)地図のつくり方を学びはじめた──のだった。

(江戸時代の寿命を)おおむね今よりもマイナス20~30歳の寿命と考えたとき伊能忠敬の73歳は現代人の100歳に相当する。

現代人の人生は100年。ゆえに50歳を過ぎた人々に「まだはじまったばかりだぞがんばれ」とこの映画は言っている。

それはうがちすぎではない。

池本(中井貴一)が最後に「わたしが書くから脚本をおしえてくれ」と加藤(橋爪功)にたのむのは艾年or還暦にあっても意欲をもって生きていく気概のあらわれだった。なにより、何事もがんばってやるんだ──っていう意気が、中間管理職を演じた中井貴一の態度と表情にあらわれていた。

伊能忠敬のすごさは「伊能図とランドサットから見た日本列島」でわかる。加藤がその前に佇んで「200年前に・・・こんなものどうやって」と言うのだが、じぶんもそう思った。
日本じゅうをくまなくあるいて地図をつくる。あるのは足。伊能隊。歩幅。製図に向かない筆。足袋。不屈の信念。・・・。

『日本を植民地にできるかもと思ってやってきたイギリスなんかあの地図みてびびってやめたんだから』(加藤)

伊能忠敬や高橋景保がいなかったら日本の歴史は変わっていたかもしれない。

──

中井貴一が自治会のゴミ網(カラスネット)の綻びを補修するやるせない管理職を絶妙に演じた。新世代らしい軽さを出した松山ケンイチもじょうずだった。北川景子がきれい。志の輔にも味があった。

演者もいい。台詞もいい。演出もいい。安心して見られる職人型映画だった。

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津次郎

4.0涙がすーっとこぼれた

2022年7月18日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

知的

地元では親しみを込めて伊能忠敬のことを「ちゅうけいさん」と呼ぶということを知った。
伊能忠敬を大河ドラマのストーリーにと、20年以上書いていない脚本家の先生(橋爪功)へ依頼する。鳥肌モノでなければ書かない偏屈じじいだが、伊能忠敬の弟子たちがまさに鳥肌モノだった。200年前と現代を二役で演じる役者たちがとても面白い。
伊能忠敬亡き後、その死を3年もの長い間隠し続け、地図完成のために測量を継続、もういよいよここまでかと諦めかけたその時、みんなを鼓舞する高橋景保(中井貴一)の言葉とその迫力は胸を熱くする感動場面だ。
完成させた日本地図を上様へ献上するシーンが最大のピーク。大広間に広がる日本地図を見て「これが余の国のカタチなのじゃな」と上様がポツリと言う。そして「伊能は何処にいる?」とお尋ねになると「ここに居られまする」と伊能忠敬の遺品である草履を差し出す景保。しかし、ここは伊能の弟子たちに聞いていてほしかった場面だ。実際に歩いて測量し苦労して地図を完成させたのは高橋景保ではなく、弟子たちだから。
史実と違っても、隣の部屋で上様の言葉を弟子たちが聞いている場面があったならば弟子たちの苦労も報われ、感動の渦が最高潮になったと思うがいかに。

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鈴龍

3.0ふざけた話なんだけどw

2022年6月27日
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大筋実話なんだよねw
伊能忠敬は完成させてないし、死んだの伏せてプロジェクト進めてるのよ。
現代のお役所の描写はチョイオカシイけど、諸々有耶無耶にして工期をズルズル引き延ばす辺りでイヤな汗かいたりしましたw
結構楽しめたケド、志の輔の咄で聴いたらモット面白いんだろか? ってあたりが謎です。
ガッテン頂けましたでしょうか?

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tad