ナイトメア・アリーのレビュー・感想・評価
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これが見世物小屋だ
大人のためのダークなお伽噺って感じかな。悪いことを企んだものに因果が巡って、最後に地獄に堕ちていくという寓話。
途中で主人公に感情移入してるので、スタン(主人公)の悪巧みが上手く行くといいなと思ったりもしたけど、予想通りの結末になっちゃった。大金持ちが騙され大金を失ったってその後の生活に困窮するわけでもなく、心が癒されるならそれはそれでいいんじゃないの、なんて思いながら観てました。残念ながらそうはいかなかった。悪いことはできない。悪は滅びて、めでたしめでたし?というところなのかな。でもやっぱり残念でした。詐欺師スタンに感情移入してたからね。
見世物小屋のおどろおどろしさ。あのダークな雰囲気。それなりに面白かったです。4に近い3.5というところかな。
エセ霊媒師の成れの果て
ギレルモ・デル・トロ監督作品にしてはエッジ不足。
毒も無ければエロもエモも無い。
どうじた?ギレルモ!?
原案は面白かったのに
世間体重視で作らざるをえなかったのか?
ストーリーも
途中から登場するサブキャストのドラマが薄く始まって
主人公のトラウマ描写が薄くなってしまった。
勿体ない。
ギレルモ・デル・トロ監督には
もっとショッキングな映像で
ドロドロしたやつを撮って欲しい。
金に執着する動機が見えない
デルトロの新作なので観ずにはおられなかったが父への深い深いコンプレックスと眼へのこだわり‥アカデミー賞監督になっても失われない(決して変えようとしない)アイデンティティーに敬意を表す。舞台設定は傑作「グレイテスト・ショーマン」と同じなのだが年代は第二次世界大戦前夜でずっと近くサーカスとは名ばかりの「見世物小屋」興行でいつも雨か雪が降っており暗く陰鬱でてんでハッピーになれない因果応報物語である。どうして堕ちる一方なの?もうちょっと明るさとか希望とかを描こうという気持ちは無いのか?あ、とてもつきあってられないという人は舞台から退場してさよならなのだ。そんな冷たさってある?誰か救ってやれよ。
ダークで美しい世界に入り込める体験
シェイプオブウォーター同様デルトロ監督のダークな世界観を存分に味わうことが出来る作品。
冒頭、見世物小屋的なカーニバルにて獣人なる動物を見世物に多くの人が怖いもの見たさに訪れるが、物語が進むにつれていちばん恐ろしく醜い生き物は人間であるということに気づかされていく。皮肉に満ち溢れた作品だった。
2時間30分という上映時間に対しての展開具合を考えると長さを感じることは否めないが、この世界観に存分に浸れる長さとも言える。
落ちぶれてカーニバル座の見せ物であった人獣として舞い戻るとのストーリーは悪くないのだが
自宅を燃やす導入の映像は鮮やか。その前に事実上の父親殺しをしたことが後に明かされるブラッドリー・クーパー。彼がカーニバル一座で努力して得たものを糧に、看板娘(ルーニー・マーラ)を連れて独立してショービジネスで成功。しかし、危ない相手に詐欺を働いて殺人、落ちぶれてカーニバル座の見せ物であった人獣として舞い戻るとのストーリーは、最初の方のエピソードが良く効いていて悪くない。ただ結果的には、大きな期待もあってかも
しれないが、今一つの印象であった。
第一に、美しく可憐なマーラーが強く止めるのも聞かず、大富豪相手に超能力で死者と交流できるとの詐欺にドンドンのめり込んでいくクーパーに、説得力をあまり感じることが出来なかった。妖艶で美しい心理学者(ケイト・ブランシェット)に魅せられたということも有る様だが、そこまでの魔性的美しさは感じられなかった。
第二に、大富豪リチャード・ジェンキンスとブランシェットの関係性は、治療者と顧客以上の関係性を示唆している様に見えるが、詳細は明らかにされておらず、彼女の裏切り理由が判然とせず、モヤモヤ感が残ったまま。ノワール映画の伝統芸とは言え、今風にスッキリとさせて欲しかった。
ただ、ルーニー・マーラ、半裸に近い彼女が電気に痺れるカーニバル芸の見せ方は、彼女の美しさと相まって、なかなかに良かった。ずっと禁酒していたクーパーが大富豪を殺し、マーラにも逃げられ酒をあびる様は、アリー/スター誕生の印象もあってか、何だかとても似合ってもいた。
ギレルモ・デル・トロ監督(2017年シェイプ・オブ・ウオーターでアカデミー作品賞と監督賞を受賞)による米国2021年公開の米国映画。原作はウイリアム・リンゼイ・グラシャム。1947年「悪魔の往く町」に続く2度目の映画化作品。脚本は監督とキム・モーガン。撮影はダン・ローステン、音楽はネイサン・ジョンサン。
出演は、ブラッドリー・クーパー(リコリス・ピザ等)、ケイト・ブランシェット(ブルー・ジャスミンでアカデミー主演女優賞)、ルーニー・マーラ(マグダラのマリア等)、トニ・コレット、リチャード・ジェンキンス(大富豪役)。
I do love you
リリスのこの台詞で気付くわけね。
確かに前半がちょっと長いかも。
まさか獣人になって終わるの?と思っていたら、本当にそうなってどっと疲れました。
「あなたは人を騙せてはいない、相手が勝手に騙されてるだけ」
冒頭、何やら毛布に(多分、人?)包んで家ごと火を点けて立ち去る男。
そして湿気の多い、不衛生そうなサーカス村へ。
見世物小屋(子供の頃、近所の神社のお祭りを思い出した)の獣人が「こんなはずじゃないんだ、、、」 と繰り返し言うセリフ。
異常なホルマリン漬けの瓶の数々。
前半のスタンは獣人にタバコをあげたり、真面目にサーカス場で働き、警察からのピンチを救ったり、客がいっそう驚くアイデアを出したり。
そして清純なモリーを連れ出し、明るい希望を抱いて新天地に向かってゆく
しかしまあピートがなくなった時も、駆け寄らずに群衆の隙間をぬって、心は別の思いがあるなぁーと。不穏さは残しつつ、、、
読心術のノウハウで、リッチな社交界にのし上がってるけど、モリーには手厳しい彼の圧力を感じながら後半へ。
欲深くなってゆくーというより、本性がじわじわと現れ、ピートや父親の死因にまつわる過去の悪行をあぶり出す感じが良かった。
グロいシーンが多いので、ジーナのタロット占い通り、「逆さ吊りの刑」なのかと思いきや!!なるほど〜納得。
この作品は大好きな女優さん達が目白押しで、見応えありました。
「キャロル」のケイトとルーニーの2人は、言わずもがな。
トニ、コレットは「エマ」では主人公の内気な友達役だったのに、もう存在感ありの大女優さんです!!
そして旧作「悪魔の往く町」も観たくなりました。
見やすいノワール作品
ダークな雰囲気が良いですね。セットの雰囲気がいいですね。舞台となる見世物小屋はじめ、終始「いかがわしい」「胡散臭い」感じが最高に好きです。結局人間なんて猥雑でいかがわしくて胡散臭い欲望の塊なんです。大体の人(若干名以外)が脛に傷を持っていて訳ありなんです。そう!みーーーんな悪い人なんですよ(笑)そんな人たちが企みをぶつける話はいいですねぇ
原作はノワール小説とのことです。しかし、そんなにドロドロした物ではなく結構軽い印象でした。それはストーリーのテンポが良かったからかもしれません。トントンと話が進んでいき、わかりやすい振りと落ちがあるので納得のいく終わり方でモヤモヤ感があまり残らないのです。なんだろうなぁ、海外のダーク童話を読んだ後のような感触でしょうかねぇ?
作品で描かれる世界観がセット、衣装含めばっちりと具現化されているから、この物語自体がチープなお話に見えないのでしょうね。ストーリー自体はとてもわかりやすいのです。まぁ、そうなるんだろうなぁと思いながら鑑賞していましたが、それが気にならないくらいに世界観に引き込まれていきます。それは十分な作り込みがなされているからなのかもしれませんね。派手さはそんなにありませんが楽しめます。
人にはススメられないなぁーと。
かなりダークな内容で 観終わって少し暗くなりました。
映像や音楽 セットは素晴らしいです。役者もね。
やはりといふか「人は騙しては いけないよ」みたいな。
振り込み詐欺師は 即刻やめるべし。(怒)
悪夢の小路に迷い込んだ男の末路
ショービジネスで成功を目指す男が、栄光から一転破滅へ向かう様を描いた作品。
盛り上がりに欠ける部分もあったが、
推しのルーニーマーラが出てくれただけで大満足。
前半の幸せそうな姿をずっと観ていたかった…
しかし、後半ケイトブランシェット様が出てから一気に破滅へのカウントダウンが始まる。
お金を得て良い部屋に住んでいても幸せそうじゃない、可哀想になってしまう。
ブラッドリークーパー演じるスタンの破滅していく様は見もの。自惚れ甚だしい姿、その自尊心を粉々に砕くケイトブランシェット様は流石大女優。人の道を外れ、大事なものを全て失った男の末路は…見事なラストに震え上がった。
タネも仕掛けもあったほうがいい
ギレルモ・デル・トロ
メキシコ出身の
今隆盛を極める映画監督
特殊メイクから映画の世界に
飛び込んだ変わり種で
ファンタジーからホラー
まで幅広く日本のアニメ
漫画にも造詣が深く
「ロボット」と「カイジュウ」の
激突を真っ向から描いた
「パシフィック・リム」でも
広く知られる事となった
世界情勢は不安定だとなかなか
映画も観に行く気が失せてきますが
デルトロ監督のやつだしという事で
重い腰を上げて観に行きました
話的には
不況のアメリカで
不思議な興行師旅団に入り
読心術に興味を持った野心的な
主人公スタンが出世するごとに
深みにはまってどんどん
堕ちていく
笑ゥせぇるすまんや
世にも奇妙な物語の
話にあるようなやつ
感想としては
原作が古いだけあって
シナリオが与える印象はあたかも
古典的に感じます
終盤のめまぐるしい展開は
見ごたえあったんですが
そこまでがちょっとモタモタ
した感じもありましたが
さすがの作りこんだ世界観
には圧倒されます
要は興行ってのは
タネも仕掛けもあってそれで
お金をもらってるんだけど
見る側の心を奪って
のめり込ませてしまう
ところがあるという事
ホストにいれあげてしまう客
マジックのネタバレした
Mr.マリックに本気で怒りだす客
テレビのやらせに怒る視聴者
いるんです
テレビやゲームをやり過ぎると
現実と空想の区別がつかない
とか言ってるジジババがまだ
いますがその昔
「おしん」の両親役をやっていた
泉ピン子や伊東四朗に
なんであんなかわいそうなことを
するんだと食って掛かる人が
いたそうなので
分別が付かない人は昔から
つかないのです
まあケイト・ブランシェット
演じる心理学者もいまいち
何がしたかったのか怪しいところ
だけど心理学を通じて
スタンの奥底にある
父親への負の感情とかが
出てきちゃうとことかは
押井守っぽかったね
ちょっと前に園子温監督の
プリズナーズオブゴーストランド
も予算がちゃんとつけばこういう
のをやりたかんだろうなぁ
と思ってしまうほどガッツリ予算
かけたセットは素晴らしかった
コロナ禍もあって本国では予算に
対してコケちゃったらしいけど
こういう映画作れるってのはやっぱ
強いですね
40年代フィルムノワールの雰囲気
最初は「エレファントマン」のような見世物小屋でのおどろおどろしい話かと思ったが、中盤以降は1940年代のフィルムノワールの雰囲気。
移動遊園地のセットがよくできていて、7つの大罪のところなど、もっとよく観たかったくらい。陰影をつけてオレンジがかった映像も怪しげ。音楽もミニマル風で良い。
しかし、物語としては、中盤以降、かなり無理な展開になっていく。さすがに、幽霊を実際に出すなんてね。小説として読むなら面白いだろうが、映像になると陳腐に見えてしまったのが、正直なところ。
役者陣は豪華だが、BクーパーもKブランシェットも、あまりハマった感じはしない。出番は少ないものの、Dストラザーン、Mスティーンバージェン(久々!)といった脇役が印象深い。
ラストは、なるほどと腑に落ちるが、見終わったところで、果たして作り手は何を描きたかったのだろうか、という疑問は残った。
全体として、技巧に走りすぎていて、あまり感情に響いてこない、といった感じ。
予告に騙された(アリーって人名じゃないのね)
後半の失速感よ。
フリークスの描き方はさすがデル・トロと思ったが、それだけ。
恋人を殺されたりするともっとおもしろくなったのになぁ(-_-;)
♪芸のためなら女房も泣かす〜
どことなく「ギター弾きの恋」に似ているかも。
タイトルの意味
タイトルの意味の説明されたときに
なんとなく結末は読めるけども
それでも大富豪騙すとことかは
ハラハラドキドキしてみれたよー😮💨😮💨😮💨
てかカツラ被せてとか無理ありすぎ😂
いくら老人で心身弱ってるとはいえ馬鹿にしすぎ😂
老夫婦のとこはびっくりしたー!
笑顔こわかったー😂😂😂😂
あとあんなに怪我して耳も打たれたあと
めちゃくちゃ衛生環境悪そうな列車の中で
感染症ならなかったのかなとか考えた😂
うさぎのジョージは癒し🐇
越えてはいけない一線
物事がうまく進むと、ついつい調子に乗ってやりすぎてしまい、手痛いしっぺ返しを食らったり、破滅へと転がり落ちていったりすることがあります。本作はまさにそれを描いています。
ストーリーは、たまたまカーニバルの見せ物小屋でギーク(獣人)と関わったことから、そこで働くことになったスタンが、一座のピートから読心術の技を学んだことで自信をつけ、同じく一座で働くモリーと連れ立って独立し、自らの力でショービジネス界の頂点に立つことを目指すが、膨れ上がる野心を抑えきれず、禁断の技術に手を出し、引き返せないところまで突き進んでいってしまうというもの。
冒頭、主人公のスタンが重そうなずた袋を引きずり、家に火を放ち、あてもなくカーニバルの見せ物小屋に流れつくまでは、何が描かれているのかよくわからず、少々退屈な立ち上がりでした。しかし、スタンがカーニバルのメンバーから次々に技術を吸収し、アイデアを具現化させ、自らの可能性を広げていくくだりはなかなかおもしろかったです。
中でも、読心術の技とトリックは興味深かったです。コールド・リーディング的な手法はこれまでにも聞いたたことがあり、種明かしされればなるほどとなりますが、実際には、鋭い観察眼や洞察力と巧みな話術のなせる高度な技であると思います。これを目の前で、しかも自分に対して行われたら、疑いより先に驚きが立ち、誰もが信じてしまうことでしょう。こんな感じで、前半は、スタンが自らの資質や才能に気づくとともに、彼の野心に火がついたことがよく描かれ、後半へのフラグが立ちまくっているように感じました。
そして後半、スタンが一応の成功を収めるも、さらなる高みを求めて越えてはいけない一線を越え、破滅に向かってのカウントダウンが始まります。嘘をつくとすぐに顔に出てしまうようなチキンは自分は、ハラハラしっぱなしでした。終盤、モリーを巻き込んだスタンの企みの結末と、リリス・リッター博士とのやりとりが描かれますが、そこで終わらず、後日談からオチまで描かれたのはよかったです。結局、スタンは金も名誉も腕時計も失い、人間としての居場所や尊厳も失います。伏線が丁寧すぎて予想できるものではありましたが、冒頭からの伏線を回収してのラストは、悪くない締めくくりでした。
主演はブラッドリー・クーパーで、物語を通して変容し続ける、さまざまな顔を見せるスタンを熱演しています。脇を固める、ケイト・ブランシェット、トニ・コレット、ルーニー・マーラら女優陣も、それぞれがぴたりとハマる好演を見せます。ウィレム・デフォーも、あいかわらず存在感抜群でした。
前半の怪しげな雰囲気は良かったんですが
「パンズラビリンス」や「シェイプオブウォーター」のようなファンタジーでは無かったのね。
前半は、なんとなくファンタジーなシーンが多かったのだが、後半は至ってシリアルな展開に。
そんな期待をしていたオイラにとっては少し残念な思い。
なーんか後半は、よくある普通の物語になってしまったという印象でした。
期待し過ぎたかな。
回帰
ギレルモデルトロ監督によるショービジネス界に迷い込んだ若者の隆盛と衰退をミステリアスに描いた本作。
終始、じっとりした質感だったり、濁ったグリーンのような雰囲気で進んでいて特に序盤は本当に悪夢のように感じた。
思ったりよりくっきり人や動物が亡くなるシーンが多くあり、ヘビーだったように思う。
本作の主人公であるスタンは自信過剰であまり好きになれないキャラクターだったが、物語が進むにつれ、感情移入してしまい、まんまと監督の創り出す悪夢に迷い込んでしまった。
物語が進み、ラストのスタンのどこか安堵したような絶望したかのようなあの掠れた笑い声を目に焼き付けるだけでもこの映画を鑑賞して良かったと思える強烈なシーンだった。
物語の始まりと終わりが回帰するような作品が個人的に好みなのもあり、予測できる展開ではあったが、とても面白く引き込まれた。
もう少しウィレムデフォーの狂気を見たかったとも感じた。
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