ミッドサマーのレビュー・感想・評価
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SFで言うところのファーストコンタクトもの
ヨーロッパ人が世界征服の際に原住民に殺されたファーストコンタクトに対する恐怖(この際原住民をその何千、何万倍も虐殺・収奪した歴史は無視する)を題材とする物語は、ジャンルとしてはSFが良く取り上げるテーマですが、異文化をヨーロッパの非キリスト教と定めた上で直球でホラーとしてやり切ったことはスゴいですね。
こーいうのはルーマニアあたりの架空の吸血鬼信仰をでっち上げて作劇するモノだという先入観がありましたけども、実在の信仰を取り上げたことで非常に高い緊張感を作品に与えていますので、全く効果的だと感じます。
当該宗教に対する差別的感情を喚起しそうな気もしますが、ひょっとすると残念ながら当該宗教は既に駆逐されており、要らぬ心配なのかもしれません。
さて、中盤頃から原住民の特異な死生観が露わとなり、現代人から見ると命がいかにも粗末に扱われているように感じ、また悪気なく禁忌を侵してしまった事により仲間にも被害が出るに及んで、「これは生麦事件と同じだな。つまりこれはファーストコンタクトをテーマにしたホラーなんだな」と感じてしまい、前段の感想を持つに至りました。
これが正統な評価なのかも自分では判断できません(まぁ生麦事件は直接的なネタ元ではないでしょう)が、一度そう感じてしまってからは原住民であるところの日本人としては、「こちらの倫理を理解できない不気味なモノとみなし、未開の蛮族とその信仰としてのカルトとして描画しやがって、ムカつくな」と感じるところもあり、しかしながらその描画、演出は真に美を追求しており決して粗末には扱っていないと感じるところもあり、感情が(久々にレビューを投稿する程度には)ぐちゃぐちゃに乱されました。感情を一つの所に納めきれないので、表層的に「ファーストコンタクトものを直球のホラーとして描くなんて凄いなぁ」程度の第一段として置くのが精一杯です。
(感情が落ち着いた頃にレビューを書き直してみたいかな)
ポスター綺麗だからと観たら、、、、、
私もビビリなのですが、ビビリ友達とポスター綺麗だしと、そこまで怖くないでしょ!と安易な気持ちで観に行ったら2人で見事沈没しました。もっと調べたらよかった、、、、、、
嫌な怖さです、、、ほんとに、、、、
でもちゃんと伏線が張ってあって、終わった後に取り敢えず心を落ち着かせるためにカフェに入って話していると、「あー!!なるほど!?」みたいになりました。でもやっぱり怖い。
ペレの両親が「炎に焼かれて死んだ」っていうのは、、、、ゾッとしました。
怖いのが得意じゃない人が観るものでは無いと思います。怖いのもグロイのも大丈夫な人なら楽しめるかと…
現代の日本に生まれてよかったなって思いました。
Skåååålll!!!!
1.はじめに
映画「ミッドサマー」はやたらと「9」という数字に拘っていたので、この感想文も9つの章に分けて書き連ねてみることにした。
完全に見切り発車である。やりづらい。
ちなみに鑑賞したのは一週間前なので、この感想は鮮度を失っている。熟成肉である。
2.いきなりの総評
快感の強い映画だった。
インパクトの付け方、モチーフの数々、ストーリー展開、全てたまらなく好きだ。
しかしどうしても苦しくない。
気持ちよくて気持ちよくて、圧倒的に痛みと恐怖が足りていなかった。
いっそのこと終始トランス状態に陥ってしまいたいのに、盛り上がってきたところで現実のテンションに引き戻されてしまうのがなかなかに辛い。
3.まだ続く総評
そもそもストーリー自体はかなり単純でありきたりだ。
ヤバい田舎のヤバい儀式に巻き込まれる系。
それをものすごい熱量で作り込み、やたらと仰々しく勿体ぶって描き、ドヤドヤのドヤ顔で観せてくるものだから、こちらは若干萎えてしまうのである。
しかし、表現力の強さは凄まじいものがあった。
後を引いてたまらないのだ。
この映画の中の色々な物事について、悶々と考えを巡らせてしまう。
そうさせるパワーがあるというのは、実は結構すごいことだと思う。
4.祝祭の開催頻度について
「90年に一度」は絶対に嘘だと思っている。
村人たちの受け入れ方、所作とパフォーマンスの揃い方、慣れ方、女王の写真の数。
それらを見れば、この祝祭が一生に一度あるかないかの催し事ではないことは明らかである。
毎年やるほどの体力は無さそうなので、「9年に一度」が正解ではなかろうか。ほら、だって、9だし。
もし万が一、本当に90年に一度開催しているのであれば、村人たちの練習量は相当のものだろう。
運動会だって卒業式だって練習するじゃない?ああいう感じで何回も何回もやってきたんだろう。
練習風景を想像するとシュールで可笑しい。
5.ダニーとクリスチャンについて
家族全員を失ったトラウマガール、ダニー。
主人公にしては魅力の薄さが気になるが、後半の彼女はなかなか輝いていた。
拒否、共鳴、同化、決別、昇華。
彼女に新しく家族ができて良かった。
あの家族たちはなかなか絶えないだろう。安心して良いんだ。
きっと、あのようにして増えた仲間が何人もいるんだろう。
恋のおまじないを描いたタペストリーの通り、村の少女に堕とされゆくクリスチャン。
「スウェーデンでヤリまくる」という宣言が実現する皮肉さよ。
少女の陰毛を喰らったことしか言及していなかったが、飲んだジュースには少女の血液が混ざり赤みを帯びていた。
あの血液。絵を見たときには経血かと思っていたが、「自分で性器を傷つけて採ったもの」だと認識し直した。そうか、破瓜か。
6.人肉について
明確に人肉を食べている描写は無かったが、喰ってないわけないだろうと思う。
死んだ人間の肉を食べてこそ、村の中で生命が廻っていることになるのではないか。
名前を受け継ぐ〜とか生温いこと言ってる場合じゃない。人肉を喰え人肉を。
崖から落ちた二人の死体を綺麗そのまま焼いていたシーンが信じられなくて、唖然としてしまった。
いや、綺麗そのまま、なわけない。
きっと身体の肉をくり抜いて、中に詰め物か何かして、火葬に出したのだろう。
あのミートパイの中身は二人の肉だったと、私は信じている。
7.ゴア表現について
人体破壊の描写、造形、映し方、インパクト、どれも申し分ない。
完全にパワフルでショッキングだった。
願わくば、その過程を見せて欲しい。
破壊が完成されている肉体をただ見せられても、痛みが伝わってこない。
コニーの絶叫の際、何をされたのか。観たいのだ。
身体を開かれ吊られてもなお息をしていたサイモンの苦しみ。感じたいのだ。
生意気なマークの皮が剥がされる瞬間の歪んだ顔。そのものを見たいのだ。
8.しつこく三度目の総評
最初にも述べたが、恐ろしくない映画だった。
村での出来事よりも、ダニーをめぐる友人たちの気まずい空気の方がよっぽど怖い。
明らかに敬遠したいマーク達と、それに気付けないダニーの構図。ゾワゾワするでしょう。
とはいえ、ここまでの量の感想を連ねるほど、力のある映画だった。
まんまと手の内に嵌っている、ということなのだろう。
正直微妙だったな…と思いつつ、きっと私はこの映画が好きなのだ。
そりゃそうだ。
ホラーなんて、どんなにつまらなくても嫌いにはなれないのだ。
ただし、公式サイトでめちゃくちゃに解説しまくるその姿勢は好きになれない。
「あれ、もしかして…」の状態になるのが一度良いのだ。私はそう思っている。
言われないと気付けなかった点もあったから悔しいんだけどね。
9.おわりに
この一見ボリューミーな感想文は、全然大したことを言っていない。
とりとめなく巡る私の想いを、仰々しく勿体ぶって綴ってみただけなのである。
いかにも「ミッドサマー的」かなと思って、小賢しいことをしてしまった。
いつもの文体とは違う形を取ってきたので、私自身やりづらかったし、読みづらいものになってしまったと思う。
しかし思い返してみれば私の文章はいつ何時も読みづらいものだったので、まあ良しとする。良しとしてくれ。
そもそもこの文章を読んでくれている人はどれくらいいるのだろう。どう考えても長すぎるだろう。ここまで辿り着いた人はいるのか。
実は私の文章を一番読んでいるのは私だと思う。
映画の感想を記録するために始めたものだけど、文章を作ることに楽しみを見出しているのもたしかなのである。
たまにはこういう試みもありかもしれない。
しかし、こうやって長々とずるずると語り続けてしまうのは悪い癖だなとつくづく思う。
「映画の感想」の範疇を明らかに超えている。いや、実は締め方がわからなくなっているだけだ。たぶんあと50行くらいは文章を生成できる。
やめておこう。この辺で。
とりあえず「Skåååålll!!!!」
不思議で、面白い。
映画なので、自分の知らない世界を疑似体験できるのも、楽しみ方のひとつなので、アリの映画。
不思議な体験として、記憶に残る。
この、共同体的人間関係の世界は、
ある種のムラ社会であろう。
現在の都会の個人がバラバラの希薄な人間関係の世界と、
映画の中の濃密な関係性の世界は、
どっちも、隣の芝生になってしまう。
だから、田舎出身で、都会で活躍するしてて、
疲れたら田舎帰るなんて出来る人が最強だよな!
日本なら、すぐ思い出されるのは、オウム真理教だけど、
アレも、ある種の濃い共同体内の犯罪。
それを、実社会に影響させたから、犯罪となったわけで、
内部だけで、ポアとかしてても、
外の人が知らなければ、犯罪として立件できない。
家族としては、困ったものだけど。
老後の問題も、実は結構深刻。
18×4=72で人生終了とか、ひとつの考え方。
日本とかは、干支の12年が単位で、
12×5=60で還暦のひとまわり。
そこから12年で72だね。
現実の日本は、あと12年の84が
女性の平均寿命だから、すごい幸せだと思う。
幸せな悩み。年金が少ないなんてのも、
無い国だってあるのに、幸せな悩みのひとつ。
よく、厚生年金で、生活できないから、ヒドイ国だ、
なんて報道あるけど、
もともと、国民年金の、ヒトはどうなんだって!
たくさん払ったって言ったって、半分は会社が払ってるんだし。
あと、定年制なんてのも実は老人差別だよ。
働きたい人は、いくらでも働けばいいじゃん。
日本がサラリーマン社会になったのなんか、
戦後から、だからまだ最近の話なんだぜ。
取り留めないので、おしまいです。
白い衣装は、世界共通?
ヘヴィ、、メタル🖕
空腹の観賞後
喰えるか!
こんな映画観てすぐ、、、
感じるコトは少ないし、感情移入もありゃしないけど、
揺さぶられたよ。
悔しいけど。
無性に胸がザワついて、ヘビメタで洗い流してる。
ディストーションでザクザクザクザクザクザクザクザク
ヤバいもの観たな笑
美しかった
人によるかもしれないが、私はすごく好きだった。
日が沈まない美しく楽園のような場所、真っ白な生地に刺繍が施された衣類を纏う人々は俗世から離れ(ある意味)ストレスとは無縁な生活を送っている。スウェーデンの設定だがあまりスウェーデン感は見受けられなかったような。
しかし完璧を装いつつも所々に見え始める辻褄あわせと何が起こるかわからないハラハラ感が背筋をゾクゾクさせた。
1人ずつ人がいなくなり、なんとなく何が起きているのかは想像できるのに最後まで明確にされないところもたまらない。
燃え盛る火の中でペレの隣に座っていた人が恐怖に負け断末魔をあげるシーンは、楽園から現実に引き戻される様子がとても分かりやすく、美しかった。
グロテスクなシーンや驚かせてくるシーンこそ少なかったが、胸糞要素盛りだくさんなのに鑑賞中は嫌でも夢中になってしまい終わってから疲れがどっとくる、後味が悪いわけでもなくスッキリとまとまっていて清々しささえ感じた。
この監督の映画は見たことがないし感想もあまり書かないから文章にしてみると見落としているところが沢山ある気がする、もう1度、次はジンジャーエールを買わずに見てみようと思う。
監督のインタビューを見て30倍怖くなった。
最後のダニーの笑顔について。
鑑賞時の印象としては、ホルガの考え(死は救い)を受け入れることにより恋人を殺した罪悪感から解放された笑顔かと思った。
また、家族の死についても考え方が変わった部分があるのかと。
(あと少しだけ、ホルガ民のあまりの泣き芸に笑ってしまったのかとも思った…
私は笑ってしまった。こいつら顔は嘆いているけど涙出てないなというのもあって。
クリスチャンとマヤの行為を見た後のシーンもそうだけど、ホルガの人たちの「共感」は
人ではないものが人の行いをただ真似ているようで不気味さがある)
私は、何言っててもいざ死ぬとなったら怖いよなと思ったし、本編でも志願して生贄になったホルガの男性2人が、炎に包まれる直前には怖がり逃れようとする素振りを見せていた。
なので、『ダニーはホルガの考えを信じた事で救われた。ただし自分の番がくるまで……』という後味の悪い終わり方かと思った。鑑賞直後は。
しかし鑑賞後にアリ・アスター監督のインタビューを読み、最後のシーンは観客にカタルシスを感じさせるための物と知った。
私はカタルシスを感じることはできなかった。
「不誠実」という罪と「死」という罰が釣り合っているとは思えなかったから。
(マヤとの行為もドラッグを飲まされた上でだったし)
しかしダニーの憎しみは、クリスチャンとマヤの行為を見た事によるものだろうか。
私はそれよりも、ホルガに来るまでの生活の中で積み重なったものが大きいと思う。
家族を一度に亡くしたダニーの悲しみは、多くの人は一生味わうことがないほど深い悲しみだと思う。
それ以降のダニーの生活はずっと「非日常」で、ダニーの非日常に踏み込もうとせず「日常」を続けているクリスチャンから、他人事というのが透けて見えて、ダニーを傷付け続けていたのではないだろうか。
ではクリスチャンはどうすればよかったのかというと、正直、1年も引きずらずに(事件が起こる前に)別れておけばよかったとしか言いようがない。
別れを先延ばしにしたのはダニーへの気遣いじゃなくて”別れる”という大仕事が煩わしかっただけ。
ダニーが家族を亡くし、同情から寄り添おうとしても、心が伴わないので傷付けるだけで、結果死刑にされるという…。
(しかしそんな不誠実な恋人でも、ダニーにとって、家族を亡くした直前には居ないよりはマシだったと思うんだよな。誰でも良いから縋る先が必要だったと思う。なので、結局ダニーはより良い依存先(ホルガ)を見つけたからクリスチャンが要らなくなっただけで、なんとも自己中心的にも思える…)
私はダニーに共感しきれない、この映画だと死罪になるべき側の人間なんだと思う。
そう思うと恐ろしくて、映画本編の不気味さなどは全て吹き飛んでしまった。
胸糞悪い。。
綺麗な映像を挟むことで
より気分を悪くさせるそんな映画。
飛び降りた死体や最後祭壇で燃やされる死体の描写も
チープで偽物であるのが
明らかで感情を入れるのが無理だった。。
その癖、裸体や死体損壊など
胸糞悪い印象しかない
ワーストワンの作品。
季節は巡る 生命は廻る
花は生命の象徴としてよくたとえられます。
そして季節ごとにいろいろな花が咲きます。
また、ヒトの一生も度々季節にたとえられます。
芽吹きの春 成長して開花する夏
結実する秋 種を残し衰退する冬
花はいずれ枯れてしまいます。
でも季節が巡ってくればまた咲きます。
ヒトもいずれ一生を終えてしまいますが
種子や宿根が絶えない限り生命は継承していきます。
そういう意味では、花もヒトも等しく自然の一部なのです。
よそ者からみたらまゆつばモノの
古来からの土着風習ならびに宗教的祭事。
そして哲学的、というより儒教的な教えを含んだ
どこか、いびつな倫理観のなかで
常につきまとう不安と恐怖と
祝祭の喜びに満ちた何とも言えない高揚感とが
ないまぜになっていくラストに、感情が置いてきぼり!
9日間という祝祭の過程で
ヒトの生命をひとつひとつ捧げながら
ヒトの感情もひとつひとつ切り離していく。
それらすべてを火にくべて自然に返しフィナーレとする。
ヒトの節理をも自然のサイクルとして組み込まれていくかのように…
けして祝祭というオブラートに包んで
崇高ぶっているだけの映画には思えない…
『へレディタリー 継承』の方がミニマムかつソリッドな
語り口だと思いますが、観終わった印象は同じで
呆然… 転じて、じわじわとインパクトが強まっていく感じ…
考えれば考えるほど深淵にハマっていく感じ…
そんな、噛めば噛むほど味がするスルメ映画だと思いました!
大爆笑。
それまでもツッコミどころ満載で、笑いを堪えてはいたんだけど、女王を決める踊りの戦いあたりからツボに入ってしまい、イスが揺れるくらい笑ってしまった。
これを世の中がどう受け止めてるの?
なんで満席なの?
この新型コロナ騒ぎで、みんな外出を自粛してるっていうご時世に!!
本人たちは大真面目というシュールさが可笑しすぎて、怖さも吹っ飛んだ。
不思議な味わいの映画。
こういうのを面白がって生きていける感性は必要だと思った。
人滲み出る人間の怖さ
自分としては面白かった映画です。2時間半弱の長めの映画でしたが、あまり長いとは感じませんでした。
ゾンビ系やパニック系の怖さより、派手ではないけど背後から滲み出る人間の怖さの方が好き(面白いと思ってる)な自分としはとても良かった🤔まぁでも派手ではありましたね、自殺のシーンとかは。笑
またみた後に他の人のレビューをみて北欧神話のことが背景としてわかっているとすんなり入ってくる部分もあったのかなと思いました。
これも人の考察ですが、村に入るときにカメラが反転したり、通常夜で描くものを逆に日中、白夜で描いたりという"逆に"なっていることが、例えば我々にとっては死は恐怖の対象だがあの村では死とはサイクルの一つで喜ばしいことであると考えられていて我々の世界とあの村の価値観は"逆である"ということを意味しているというのには妙に納得してしまいました。
伏線満載な良質のホラー映画だった!
前作の「ヘレディタリー/継承」が面白かったので、前以てチェックしてたアリ・アスター監督の作品。
期待に胸を膨らませて映画館に足を運んだけど、大満足の内容!
考察も兼ねて何回か足を運びたいくらい、気になる点が多すぎる(笑)
まず、90年に1度のホルガの民の祝祭が、やらせというか嘘のように思えて仕方ないんですよね。
まず、普通に考えて簡素な施設しかない場所で、普段の生活はもちろん、北欧の冬を越せるとは思えない。
冬は確実に凍死しちゃうでしょ…。
あの場所は定期的に行われる「儀式(意味深)」の会場。
ホルガの民は普段は一般人に溶け込んで暮らして、夏至の時には会場に集まってきて、生贄になる外部の人も一緒に連れて来くるのではと思った。
彼らは英語も話せるし、高い水準の教育を受けれる層の人間の可能性もある。
ホルガ村には学校みたいなものは見当たらなかった。
子供が少なからずいるのにも関わらず、教育施設がないのはおかしい。
女王の写真もそう。
結構な枚数があったから、90年周期に行われるなら辻褄が合わない。
取って付けたようなルーン文字とか北欧神話の要素を見ても、ホルガの民がそこそこ新興のカルト宗教なんじゃないかな?
スカウト役の友人は、しっかり根回しをしていたと思う。
主人公に対してもやけに積極的だったし、彼氏に対する不安を煽る発言も気になった。
彼氏に関しても前以て村に情報が共有されていて、目を付けられてたんじゃないかってくらい、スムーズに事が運んでた。
監督が「これはホラーではない」って言ってるみたいだけど、個人的には悪意たっぷりのホラー映画だと思う。
少なくとも巷で言われているような「セラピー映画」ではない。
アッテストゥパン
主人公にとってのハッピーエンドを見て祝うまでの感情が湧かないし、そもそも周りの人が罪とされて処罰?されてる内容がそこまで大したことじゃないからシンプルにかわいそうに思えてきて、いや何を見せられてるんだ?????でした。本当にどこかの国にああいう風習がかつて存在した、とかでもない限りあの発想が生まれる監督の意図がわからなすぎる、となってしまった。
ただ、居場所を失った主人公に居場所がみつかった、という観点から見ると感情移入の余地はあったのかと、終わってから気づきました。
内臓を取られた人間と熊のくだりがめちゃくちゃリアリティ欠けていたことを除けば、映像のセンスはすごく好き。高速の道のりで上下逆さになる映像と、死んだ妹と目の前で死んだ年寄りの重なるフラッシュバックが強烈に印象的。
確かに昼間に見るよりレイトショーで見る方が怖くない気がします。
あと、性の儀式のシーンで、最初はモザイクかかってなかったのに、次映る時からモザイクかかってたのがまじの謎です。
この映画を茶化す傾向とは
今、SNSでミッドサマーをTRICKパロディに仕立てて面白可笑しくしているのをよく見かけるがこの流行がとても肌に合わず気分が悪い。
私はこの映画を楽しみにして、満員御礼で鑑賞し、とてもスッキリした気持ちで映画館を出た派である。
何故かというと私は主人公のダニーの感情に寄り添いながら観ていたからである。天涯孤独となり恋人や友人からも冷たくされている若い女の子が異文化に触れ、迎えられ必要とされた物語はハッピーエンドとしか言えない。
ホルガをキチガイの新興宗教だ!と騒ぐ人達はダニーの恋人とその友人側の視点で鑑賞しているのではないかと思う。教典を盗撮し、聖なる木におしっこするのは異文化を理解しようとする気持ちは持ち合わせておらず、馬鹿にしたり笑いに変えたりするのではないかと思う。
だが、それが悪いかというわけではなく、人それぞれの信仰や考え方は多様であるので、冒頭のパロディだのが悪いとは思わない、あくまで「私は好きじゃない」というだけなので私と同じ感想の人がいたら収束するまでのんびり待とう。
この映画を鑑賞するにあたり、スッキリした人はホルガの住人になり、ヤバイ!キモイ!と嫌悪感のある人は…映画で良かったね。本来なら生贄にされていたかもしれないんだよ。という事かもしれない。
現代文化から逸脱した思想の儀式にりかいが追いつかずに混乱するが、こういった土着の伝承文化は世界中、日本にもある。真摯に受け止めてしまったのでしばらくは頭がこの映画でいっぱいになった。
一つだけ言わせて。
これ儀式で熊に生きたまま食われるとか絶対あるっしょ!と、思ったら無かった。
欺瞞ゆえにまだ救いがある
内容の話じゃなく、観る側の心持ちにおいて。
生贄を得るために自分たちに都合のいい嘘をついて都合のいい癒しに浸る人間臭さが伺えるから、きわめて真っ当な怒りと不快感を持つことができる。クリスチャンが序盤で「カルチャーなんだ。歩み寄る努力をしなくちゃ」と言うようなことを言うがモラルがあればあるほどこれを抱えてると苦しい。価値観の差ってことは理解できるけど感情が受け入れてくれない、こんなコミュニティは燃やせって気持ちになるから。でもよくよく考えるとこいつらは外の人間にも中の人間にも平気で嘘をついていて、あたかも生と死は平等、等しく愛おしいというような態度でいるけれど最後焼死が間近に迫って喚き散らす住民によって「やっぱそんなん欺瞞じゃねーか」って滑稽なネタばらしを食らう。そうするとコミュニティの捉え方がまるきり変わる。唯一祝祭を文字や画の形にすることが許されている障がいを持った男(の子?)。障がい者だから余計な価値観を持たない、ありのままを捉える無垢な存在なんだって決めつけ、ある種責任の押しつけがものすごく胸糞悪い。そしてその理屈だと同じく無垢な存在と言える赤ちゃん。でもみんな知ってる通り赤ちゃんに愛とか利他なんて感情はない。我儘の限り。究極の利己。無垢とはむしろ共同体を守るそういう社会的な感覚から最も遠いもの。だからあのコミュニティが言ってることは都合の良い嘘で、赤ちゃんはずっと泣いてたし、ありのままを描いた画はきちんと気味が悪かった(なんなら警告では?)。
でもそういう納得のいく不愉快さがあるからあの特殊空間に引っ張られずに済むという感じ。向き不向き好き嫌いを抜きにすれば作品の出来は間違いなく良かったし、それも「これはよく出来たフィクションでエンタメだ」という感情の逃げ場になった。
観終わってすぐは「こいつらを理解してやらなきゃいけないのか……? 無理だろ、無理だごめん。私は私のためにこの村を焼いて消滅させなきゃ」とげんなりしたけれど、冷静になれば上記の通り不愉快で当たり前だ!と大義名分を得られるのでわりと平気。
あらゆる本人たちが良いと思ってればそれで良いもの(御守りとか幽霊とか)は内側で守っている間は正当な力を持つけど、外に出した時点で変質する、秩序を失う。外の人間を嘘ついて取り込んだ時点であのコミュニティの文化はただの欺瞞に成り下がった。
ホラーではない
監督がインタビューで言ってた通り、ホラー映画ではないという印象。
失恋をテーマにしたブラックコメディ??
メンヘラ彼女とズルズル付き合ってたら酷い目に遭った彼氏…。
90年に一度の奇祭らしいが、村人みんな慣れ過ぎてて年一で似たような儀式はやってるんだろなーと。
グロはあるが、エロめなシーンではエロさとか不気味さよりも滑稽さが際立って思わず劇場で吹き出して笑いを堪えるのに必死でした。
ネットやTwitterでは話題になってたというか、もはやTwitter民のオモチャにされてる感ありますが、まあオモチャにされるのもわかるような…。
2時間半という長尺ですが、不穏な曲と主人公らがキョドキョドするだけの間に無駄に尺が割かれていて冗長な印象。話を追うだけなら1時間あれば足りそう。
刺さる人には刺さるのかもしれないが、個人的にはシュールでチープなサブカルニッチムービーという感じでした。
ニコ動コメ付きなら満点
村八分のカルト団体のお話です。
白い装束に老若男女の営みを描く様はまるでオ〇ム真理教のサティアンを連想させました。
盛り上がりもなくただ淡々と生贄を調達していくさまを2時間半見させられるのみ。
途中で帰りたくなった映画は初めて。
恋人と見てなければ出てましたね笑
村人がクリーチャーになって村から脱出するサバイバル的展開なら盛り上がったかも。
100%クソ映画
予告編見て気になってたので、事前に見る人選ぶかもという情報は得た上で、ホラーのようなサスペンスのような映画なのかなと思って鑑賞。見終わって、堪らずに他の人のレビューをチェックして自分だけじゃなかった良かったと安心しました。
ストーリーも一応流れはあるけれど、やたら長くて早く終わってくれって上映中ずっと願ってました。家族一気に亡くしてボロボロメンタル状態な時に、関係がうまくいってない彼氏が友達と旅行に行くの隠してたの発覚して、しれっと一緒に行けるメンタルってどんな状態か分からないけど。
自分のような凡人には制作陣の「どうです?不気味でサイコでなんやかんやでこんな描写に結末なんて素敵でしょ?」感を前面に押し出されたような感じで非常にイラッとしました。
上映中ずっと不快だったのは音楽のボリュームが半端ない大きさだったこと。冒頭の電話の音からBGMと思ったら実は村人が演奏してましたな音まで全部耳が辛かった。編集の時に音楽やらの担当者がボリュームの調整間違えたのかな。会話の音量は普通なのでわざわざ大きくしてるのは分かるのですが、音楽のボリューム本当にうるさかった。
なんやかんやで仲間達が死んでいってそろそろ終わってくれるはず!と期待してみてたら、彼氏が薬入りジュース飲んで陰毛食べさせられた生娘村娘with村の女性達と花に囲まれて性行為をするシーンがあって、唐突なモザイクと喘ぎ声を増幅させた歌声で???何を見させられてるんだろう状態。オシャレ感?不気味感?もうモザイクしか目に残らない。話的にもカット出来ないし更に歌声入っちゃってるからカット出来ず苦肉の策でモザイク?
予告編で見たドアの向こうを見ちゃうシーンの向こう側って彼氏の浮気現場かっ!彼氏が裸で走り回るモザイクがスクリーンから浮きすぎててモザイクから目が離せなかった。あれは日本だけ配慮してモザイクなのか?
精神的に不安定そうな主人公は耐えきれず、とんでもない勢いで打ちひしがれて泣いてるのに合わせて増幅させた歌声で一緒に歌う村の女子たち。ここは笑ったら不謹慎なところですか?
最後は村に一緒に来た友人(既に死体)も彼氏(熊の中で虫の息)も一緒にお焚き上げ、それを見て笑う主人公。ほらこんな結末不気味でしょ!という制作陣の渾身のラストシーン。ずっと前から置いてきぼりだったから、スタッフロールに花が生えてたけど、湧き上がってくる時間(上映時間長すぎる)とお金を無駄にしてしまった後悔にさいなまれてそれどころじゃなない。もう何を伝えたかったのか分からなさすぎて、終わってから後ろ向きで花を摘みたくなった。
映画ってちゃんとジャンル分けができることって大切なんだと思いました。ホラーでもないし、グロでもないし、何を求めて見るかって大事。映画館にわざわざ見に行くと耳が壊れそうになるおまけ付きだし。この映画好きって言う人は、「大衆には理解できないだろう物を理解できちゃう自分すごくない?」とか「私は!監督の伝えたかったこと分かるわぁ」みたいな自分大好きな感情が見える気すらします。これは余計なお世話ですけど。
制作陣の自己満足映画としか言えない。自分の読解力が足りないせいで分からないのかと思ってネットで調べてたら、公式によるネタバレ解説があって絶句。映画の中で伝わってない、観客が理解出来てないだろうことを映画外で解説してるって…それって映画の中で伝えきれてないって分かってやってますよね。ずっと置いてきぼりだった自分が、思惑通りにわざわざ調べて公式の方々によるありがたーい解説も見て、それで理解した上での感想です。
100%クソ映画!!
フラワー・インフェルノ
女子好みの要素をみっちり詰め込んで語られるファンシーグロムービー。
馬鹿で下品で勝手過ぎる男どもの末路
デブで取り柄がなくてメンヘラだけど「あなた」が
お姫様!
画面を埋め尽くす花、プーさん、股間を隠して右往左往する元カレ!
これが最初の<偏執狂>アリアスター作品なら充分満足できる。
次作、さらに完成度の高さを見せて欲しい。
RPGツクールで作った様な薄い村!!
設定が作り込んでありそうで期待しましたが、勿体ぶった作風で微妙でした。ロケーション、村人共にRPGツクールで作ったような感じで、大勢に共感?して泣いてもらえても、まるで虫か何かの集合体を相手にしているみたいで、薄っぺらく感じました。ショッキングなシーンも期待したようなものはなく、ほのめかしばかりで、どう殺されたかは想像して下さいばかりで肩透かしでした。エッチな儀式シーンは、天皇が若い巫女二人と一晩中3Pして稲に精子をかけるというカルト儀式、27億円かけた先日の「大嘗祭」が頭をよぎりました。マークがヤリ目キャラだったので、そこはマークじゃないと話が締まらないと思いました。(松坂桃李だと「うおおおお!!」と使命感に燃えて、滞りなく儀式は済んだのだろうなとも思いました。)長い割に村とアメリカどちらの暮らしが真の人間らしいのかというテーマでもなく、村と村人が薄く祭りや儀式の高揚感に入り込む事もできないので残念でした。ホルガ村より、出だしの電話のベルと主人公の泣き声が怖かったです。気に入った人はディレクターズカット(170分)も観て考察してね、という感じですが、半年遅れの劇場公開で制限版を観せられたのかよと、そこまで付き合う気にはなりませんでした。古いですが、「楢山節考」(1983)の方が生命の循環を上手く表していました。
全172件中、121~140件目を表示