ミッドサマーのレビュー・感想・評価
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衝撃の連続だけど最後には…
心が不安定な主人公。依存してしまうように愛している恋人とその友人たちとの旅行先で目にしたものは…。ハッとするほど美しい映像の数々、そして残酷さ、恐怖…と、思いきや、実はそれは主人公の心を解き放ち解放されるものだった。こころの不安と失恋の痛みが描かれていました。観ているうちにちょうど主人公とかさなるな、というところがあり、最後は共感し、心が解放されたスッキリとした気持ちになりました。
アリ・アスターの狂美祭
高い評価を得た『ヘレディタリー/継承』だが、一般観客の評価は賛否両論。かく言う自分もそう。そのオリジナリティーや戦慄さは認めつつ、なかなかに難しく理解し難い点もあった。
が、アリ・アスター監督はその長編デビュー作で一気にホラー界の最注目株になった事に異論は無い。
そんな彼の長編第2作目である本作も、すでに賛否両論巻き起こしつつ、再び観る者を衝撃のホラーの深遠へ誘う…。
突然の悲劇に見舞われた女子大生のダニー。
妹が引き起こした無理心中で、両親もろとも家族を亡くしてしまう。
たった独り残され、心に深い傷とトラウマを抱え、立ち直れないまま…。
心がボロボロで一見か弱そうだが、ちとイライラウザく、面倒臭そうなダニー。私の事は心配しないでと言いつつ、私の事をもっとよく見て、私の事をもっと構ってと言わんばかり。
そんな彼女の支えになるべきの恋人クリスチャンだが、今ダニーと微妙な関係。別れを切り出そうにも、彼女の今の状況から切り出せず。数日後の彼女の誕生日すら忘れている始末。
クリスチャンは友人のペレから、ペレが育ったスウェーデンの人里離れた森の奥のコミュニティへ誘われている。このコミュニティを大学の論文にしようとしているジョシュ、そこで女遊びしか考えていないマークら友人と共に。
優柔不断なクリスチャンはダニーにこの事を話していない。ダニーにスウェーデン行きがバレ、ダニーも気を紛らわそうと参加する。
微妙で何処かちぐはぐな関係のまま。
そして訪れた村“ホルガ”は…。
ちょうど90年に一度の夏至祭“ミッドサマー”。
白夜で24時間白日の大地。
その地は、花々に彩られた美しき“楽園”。
大自然の中で気ままに、白い衣に身を纏い、その土地に根付く風習に身を委ねながら、暮らす人々も来る者拒まず。
さながら“理想郷(フロンティア)”。
都会で暮らす若者はやはりどうしても魅了される。
殊に、傷心を抱えた者は。
学生なので、煩悩の某一人を除いて、この村に遥か昔から伝わる風習や伝統は興味深い。
…が、それも夏至祭当日まで。
すでに暗示されていたかもしれない。
そもそもこのホルガに漂う、フロンティアと表裏一体のカルト的風習の不穏さ。
村あちこちにある壁画やシーツのペイティング。よくよく目を凝らすと、芸術的でありつつ…。
ダニーらが車で村近くに立ち入った際、カメラが上下逆さまに。
まるで、我々の常識は通用せず、覆される、と言わんばかりに…。
厳かな雰囲気で始まった夏至祭。
高い岩壁に登った男女2人の老人。
突然…!
そこから飛び降りた…!
驚愕するダニーたち。
が、村人たちは平然。
これは村に伝わる聖なる儀式。
生を自ら終え、その生を次産まれてくる生へ。
ここから、狂気の祝宴の数々が続く。
性交が認められた一人の村の少女。クリスチャンを誘う。手作りのケーキに入れた“モノ”は…!
夏至祭のメインイベントとでも言うべき村の少女たちによるダンス・コンテスト。倒れるまで踊り、踊り抜いた一人が新たな“女王(メイ・クィーン)”になる。強制的に参加させられたダニー。
クリスチャンは村の老女たちに見守られる中、少女と強制的に性交の儀式。
そして、新たな女王の誕生と共に締め括られる夏至祭。身の毛もよだつ最後の儀式を笑みと共に見つめる新たな女王とは…。
もう一度。我々の常識は通用しない。
遠い昔、北欧や欧州で実際にあった風習をヒントに創り上げた衝撃の“アリ・アスター祭”。
ホラーと言うと暗いシーンが当たり前だが、その固定概念を覆す白夜の明るさが斬新な悪夢を見せる。
明るい故、残酷描写はショッキング過ぎ。崖から飛び降りた顔面ぐちゃぐちゃの人体損壊、斧で頭をかち割れ、赤と黒と鉛色のようなドス黒い血…。(うへ、自分で書いてて気持ち悪くなってきた…)
しかし、映像は幻想的なまでに美しい。皮肉のように。
村の建物や衣装もあたかも“存在”するのように。
何もかも緻密に構築されたアリ・アスターの世界と才気!
『ヘレディタリー/継承』同様、本作も自分の中で賛否両論。引き込まれつつ、難しくも。
多くのレビューではよく分からないとの声が多いが、でもそれで当然。くどいようだが、我々の常識は通用しないのだから。
キャストではやはり主演のフローレンス・ピュー。
精神不安定な序盤から、この村の異様さに恐怖。さらにまたまた内面変化。
お見事!
実は彼女の演技や作品をしかと見るのは本作が初めて。これだけでも充分だったが、女の子レスラーに扮した『ファイティング・ファミリー』やオスカーノミネートの『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』を含めれば、そりゃあ一躍ブレイク&脚光を浴びるわ。
今年は『ブラック・ウィドウ』もあるし、これから楽しみな逸材の中でも特に大注目!
ある村の狂気の祝宴が話題だが、本作はダニーのドラマである。
物語始まった時、彼女の心は崩壊しかけていた。
独りぼっち。恋人に癒しも感じない。
そんな時訪れたこの異様な地。
最初は恐ろしかった。
今すぐにでも帰りたかった。
が、この地に居場所を感じ、この地の人々から手を差し伸べられる。
そして、この地のある座に就く。
それは彼女にとって、救いだったのか…?
新たなる悲劇と狂気の始まりなのか…?
アリ・アスターは次、我々にどんな戦慄の招待状を送ってくるのだろう…?
夏至の夜に
予告編で気になっていたところ、期間限定配信されていたので鑑賞。
導入から世界観に引き込まれました。綺麗な映像と不穏な音楽にわくわく感が掻き立てられますな〜と、この後の展開を楽しみにしていたのだが…… おや?おやおや?
ヘンリー・ダーガーっぽい絵がちゃちい。(予告でチラッと写るくらいだと雰囲気あったんだけど)飛び降りシーンが怖くない。(個人的に飛び降りシーンには弱くて、胸のあたりがひゅんってなるのだが、これはリアリティに欠けるのか全く平気)死体がちゃちい。(グロいと聞いていたのだが)ほんで、たいして何も起こらないまま、主人公にやりで終了…なんじゃこりゃ。
ホラーとしても、サスペンスやスリラーとしても弱く、どちらかと言えば愛憎劇か?
もっとぞくぞくしたかったです。
一番怖かったのは、コミュニティからの志願者の人が、最期の瞬間にファンタジーが解けてしまったところ。でも、熊さんが可愛い過ぎて、和んでしまったよ。
とんでも村のとんでも祭りに爆笑
もっと怖いと思っていたけどまったく怖さを感じず、自分エログロ耐性が割とあった様。村に入ってから村人の反応がいちいち面白すぎてほぼ爆笑しながらの鑑賞に…後でやってるアレコレが気になりすぎて真面目にみるのは無理!
主人公のメンヘラぷりや恋人やその友人の性格も中々酷くて良いし、白夜とドラッグのおりなす明るすぎる世界観は新しくて見応えありました。
いやでもあんなに白昼堂々と全てを見せ合うコミュニティ私には無理だなぁ(笑)
全編に渡って意味あり気な絵が大量に出てくるので鑑賞後に考察を検索して読んだらバイキングだルーんだで中2心がくすぐられてより楽しくなっちゃいました。
そのうちディレクターズカット版で見直そうかと思います。
(゚o゚;;ジワジワ恐怖を感じました。
コロナ明け、初映画館!見逃していたミッドサマー見に行きました。
スウェーデン秘境の村の夏至祭を文化人類学専攻の学生たちがレポートしにいくお話。
日本秘境の村まつりも鬼祭という物が多く見受けます。このスウェーデンの祭りも色々と隠された秘密があるお祭り。このお祭りの毒牙に学生たちがかかっていってしまいます。
祭りといえば文化人類学的に研究の宝庫。セックス、乱行、近親相姦、ドラッグ、生贄殺人となんでもありでこの映画もふんだんにその要素を含んでいます。
村人の笑顔がとても不気味で、映像も明るい中に狂気を感じさせてじわじわ恐怖に引き込まれてい来ます。ラストはもうグッチョグチョ。あらららら。という感じでした。
前半少しダルな感じ、ちょっと残念。
《ネタバレあり》意外な伏線かも!?
映画を見る前から、ヒグチユウコ氏の描いたミッドサマーのポスターが気になっていた。(ダニーが泣いてる顔のポスターも“何があったんだろう”と気にはなったが。)
私には、イラストの花に囲まれたダニーが生気を失っている=死んだ人の顔としか見えなかったのだ。目の下のクマや、視点の合ってない虚ろな目、半開きの唇…ただの“花に囲まれた可愛いヒロイン”には見えなかった。また、それだけではなく、何となく逆さに吊られている重力感も感じてしまっていた。ポスターのイラストがわざと逆さに配置されたのではなく、実際に逆さ状態を模写されたのではないかと、感じたのだ。
ダニーが最後にどうなったかは描かれていない。クリスチャンが目の前で焼け死んで、頭がおかしくなって(反転して)、とても可愛い笑顔で自分の置かれた環境をすっかり受け入れたかに見えた。あの後にペレと結婚したかもしれないとも考えた。
しかし、どうしても気になったのが、歴代の女王の写真の多さだった。今ごろ彼女達はどうしているのだろうと思った。また、彼女が女王と決まった時、他の女性が全く悔しそうではなく、むしろ“私じゃなくて良かった”とはしゃぐ気持ちを押さえたような、憐れむような目をしていた気がした。
だから、最終的にヒグチユウコ氏の描いたポスターの絵によって、私はダニーが女王に選ばれ、自然神に捧げられたのだという考えに至りました。
皆さんはどう思いますか?
主人公のフローレンス・ビューの存在感が救い
カルト宗教のコミューン村の新しい命を迎え入れるための儀式用の生贄と種馬のおびき寄せにまんまと引っかかった男子大学生グループの話。
というところでしょうか?
たまたま女子も来てしまい、たまたま美人だったため女王蜂的な女王に選ばれてしまい、その後は逆ハーレムみたいに好きな男を選んで子作りして用済みになったらまた生贄に、というパターンでしょうかね。
こういう話は不愉快なだけですが、映像の美しさでチャラにして、好奇心を煽って最後まで見せる技法ですね。
前半がもっとコンパクトだったら
平日の昼間、しかもコロナ禍の影響もあり、130席の劇場に観客は私一人。劇場でのホラー映画のふれこみのある作品(ディレクターズカット版)は久しぶりだったので、なんか嫌だな〜と思いながら鑑賞しました。前半部のダルさにうとうとしていると過剰なBGMで起こされることを繰り返していましたが、その分、中盤からの美しい映像やトリップ時のゆがみ、伏線回収は楽しめました(交わるシーンは不謹慎ながら笑ってしまいましたが)。今作は言わば若者たちが餌食になる生贄風習もの。凄惨なシーンの数々は大きな見どころになるのでしょうが、かの国の処刑動画を観てしまった後ではどうしても作り物として意識してしまうため、怖さは半減。鏡に写った顔の正体がわからずじまいだったり、主人公の最後の笑みの意味もよくわからないので、答え合わせのように、これから他の方のレビューを読みにいきます。
恐怖とは違う何か
やっと観賞できた、上映期間中に観られてよかったです
見終わったあとに恐怖というよりは神経のすり減るような不安を感じた、久しぶりの映画館で2時間越えを抜きにしても
カルトのコミューンに赴いた若者が次々と殺される、なんて設定わりと良くあるけれど、例えば恐ろしい儀式の生け贄にされるとか、言い付けを守らずに殺されることはこの映画のメインの怖さではないような気がする、残酷シーンも控えめであまり怖くない
主人公は単なるホラー映画の犠牲者として殺されるのではなく、コミューンに取り込まれて女王にまでなってしまう、一人の人間の常識が覆される話だ、そしてその常識は私たちの社会のルールやモラルでもある
ホルガの風習はいかにもカルトチックで異様で受け入れがたい、こんな新興宗教がニュースで流れたら間違いなく殺人集団だと非難できるだろう、
しかしいったん社会というマジョリティを剥ぎ取ってコミューン内に踏み入っていまえば少数派で異常なのは私たちの常識で、神聖な掟を守らなかったり、先祖の霊を冒涜すれば断罪されるのはこちらの方だ
ホルガに着いてから学生たちは怪しげな薬草で幻覚を見続ける、ダニーが徐々にホルガに侵食されていくのをいつの間にか蔓延る植物の幻覚で表現しているのがアルチンボルドの肖像のようで美しく不気味だ
ホルガの民の生活は無言でダニーに問いかけ続ける「私たちが異常にみえるかもしれないけれど、あなただって薬で不安を紛らわし、他人に依存したり、食い物にしている、少なくとも私たちは幸福だ」と、
ダニーが最後にホルガを受け入れてしまうのはカルトの洗脳だけど、彼女のこれまでの生活が幸福なものではなかったからに他ならない、ダニーにとってあのラストは間違いなく解放と癒しのハッピーエンドだ
ダニーの中での現代社会の敗北が私たちの当たり前だと思っている常識は、実は依る辺ない脆弱なものかもしれないと思わせて、恐怖よりも不安な気持ちになるのかもしれない
穏やかな物腰や笑顔が時には頭蓋を粉砕する木槌よりも暴力になり得るとは
カルト教団の村物語
ようやく映画館も解禁❣️でも、新しい作品は未だお預けの中、3月に見逃していた、『ミッドサマー』を映画館で久しぶりに鑑賞。因みに、観客は私を含めて3人でした…(笑)
見終わった後味が悪いという評判通り、こんな異常な世界観はかなりヤバいし、イヤミスの境地のような感覚の作品でした。
それでも⭐️⭐️⭐️⭐️にしたのは、これまで鑑賞したホラーやスプラッター映画とは、格段に違う異常な怖さを作り上げたアリー・アスター監督への敬意を表しました。また、これまでのホラー映画ではなかった、胸をキューと締めつけるような効果音も、恐怖を一層煽ります。
舞台は、夏のスウェーデンの天国のような田舎村ホルガ。短い夏を謳歌するような自然に囲まれた美しい村とそこに住む親切な村人達。しかし、その美しさとは対照的な、昔から伝わるカルト教団のような、異常な慣習が次第に露わになります。そして、1人、また1人外部から来た人を呑み込んでいきます。
老人が崖から飛び降りるシーン、外部の男と娘との公開性交シーン、そして、クライマックスの火あぶりシーンのグロさとエロさには、目を背けたくなるほど…。一方で、その怖さと正反対な美しい自然に囲まれた村の描写とのアンバランスさが、観る人の心までも不安定にさせる作品でした。
ストーリーも、主人公・ダニーの心の葛藤から次第に新たな境地へと変貌する様は、人間の怖さをも描いていると思います。こんなに、イヤーな気分にさせられる作品を、2時間半も見せつけられましたが、その分、記憶には残る作品になりました。
世界の果てまでイッテ、ギャー!
まあ、何とも不条理で不可解で不愉快な映画でした。出だしからして、本編とは関係ないシーンばかりで、主人公にまるで感情移入できず、結構イラっときます。都会から変な風習がある田舎に行ったらヒドイ目にあうと言う、よくあるお話しを村の変な儀式や歌や踊りを交えて、延々と2時間半も観せられるのは、なかなか辛いです。主人公の彼氏の運命に至っては、悲惨を通り越して爆笑ものでした。
最初っから気味悪い
村入ってからは割と行けたけどアメリカでの妹両親死ぬ流れ?てか女の人の歌声と森の嫌悪感
マッシュルーム・ティーの幻覚とか女王に選ばれたときの花や草が呼吸してる感じが好き
彼氏とりまクズずっと後半中指必死で抑えてた
72歳の老人男女の最後の食事の前のスピーチ?「すー!はー!」が謎にツボって永遠に爆笑でしたおんなじ会場だった方本当にごめんなさい
おじいちゃん1回で死ねなくて辛かったね、、
一緒に観たしょうちゃんは彼氏と村の赤毛の子の行為のシーンのカオスさにツボってましたわたしが代わりに謝りますクスクスしてごめんなさい
死体の感じが酷すぎて誰が誰かわかんなかったけどみんな死んじゃったんだねご愁傷様、、
鶏小屋でなくなってたカップルの彼氏 肺が動いてたの衝撃でした
戻っても地獄ここに居ても地獄
アリ・アスター監督の次回作がまた観たくなる。
「ヘレディタリー 継承」を観てこの監督の続編を観たい!と思って鑑賞。
取っ掛かりの、ダニーの妹が両親を道連れに自殺したあたりまではおぉぉっ!と思いながら期待を膨らませて観れたし、ホルガ村で崖から飛び降りた人の顔が潰れていたり、失敗して脚が折れたおじいちゃんの顔をハンマーで潰していた場面までは前作の雰囲気を感じ取れたけど、その後は全く違う監督作品のよう。
エログロと言われているけど、そこまで衝撃的なシーンは無く、ヨーロッパの片隅にはひょっとしたらこんな儀式を続けているコミュニティがあってもおかしくないかなという気がして終了。
私に怖いか、怖くないかと聞かれるたら、怖くない!と断言してしまう勢い。。。
ただ観ているうちに、このクリスチャンの仲間達がダメな感じの集まりなのに、何でペレがこんなにダニーに優しく接しているのかという疑問が膨らんでいったが、その理由が最後にわかってスッキリした。
一度目はどうしてもダニー目線で観てしまったけど、もしもう一回見るのならペレ目線で観て観たらいろんな伏線が回収できて、別の面白さが見えてくるかも知れない。
音や音楽の効果的な使い方は「ヘレディタリー 継承」に通ずるものがあり、上手いなと思ったし、一辺倒なホラー映画を撮る監督でもないことが良く分かったので、アリ・アスター監督の次回作がますます楽しみになった。
「明るい」狂気
賛否分かれてるが、割と好きな方だった。
予告にあったフェスティバルスリラーというジャンルが一番的確な表現かと。
自分以外の家族が死に(妹の親殺し)、傷ついたダニーが北欧の民族学合宿についた行った先で起こる狂気。
大学生たちがカルト教団に巻き込まれていくパニックムービー的要素が強い。
映像がきれいなのでより村の住民たちの異常な行動が際立つ。なので常に不穏な空気が漂い続けてるのがよい。
それぞれのキャラがいい感じに立ってて、主人公の最後の選択と表情は好き。
ペレのキャラが個人的にはいい。
ただ、冗長なのは否定できない部分。その割に後半割と雑に殺してたような。
ドラッグを多用し過ぎていたのもイマイチ。折角の人間の狂気が薄れてしまったような。
最終的なテーマが見えにくいのが賛否両論別れる原因かなと思う。
超グロいが何故か引き込まれる
ディレクターズカット版見ました。正直好きなタイプの映画ではありませんが、ホラーだけど人を驚かす・怖がらせることが主目的の所謂B級ホラーではなく、ストーリーはしっかりしているので最後まで少なくとも退屈せずに鑑賞できました。
ヒロインがすぐ泣いたりワメいたりメンヘラ気味で面倒くさい女。美人とはいえ彼氏はよくこんな女と付き合ってるな~、よくキレないな~と感心した。男友達同士の集まりにも当たり前のように女1人ズカズカ入っていくKY。自分だったら友達としてもこういう構ってちゃんは無理だわー。にしてもヒロインの両親と妹に何があったのか、何故あんな死に方だったのか、この時から既に何らかの影響を受けていた、術中にハマってのだろうか。
スウェーデン・ホルガ出身の友人ペレに誘われるがままに(恐らく目的に気付かれぬよう少しずつ時間をかけて言葉巧みに誘導していったのだろう)その地を訪れることになったアメリカ人の一組のカップルと彼氏の友達二人。
人里離れた自然豊かな土地で周囲と隔離されて暮らすカルト集団のようなコミュニティ。怪しげな飲食物や儀式、意味ありげな建物。人間の寿命は決められていてその年齢がきたら自ら命を捧げなければならない。近親相姦を避けるため"外部"から人を招いて子作りさせ、用が済んだら口封じ。全て神様?ご先祖?への生け贄という名目でとにかく人を簡単に殺しすぎる。いくら文化だの古くからの風習だのと言ったところで殺人は殺人であり、こんなことが肯定されるわけがない。普通なら最初の殺人(自殺?)を見た段階ですぐ逃げるだろうし、何が入ってるのか得体の知れない飲み物・食べ物は極力摂取しないようにすると思うのだが、何故か皆素直に飲んじゃったり食べちゃったりする不思議。
死に方や死体がかなりリアルに描かれており心臓が弱い方や気持ち悪い物が苦手な方は絶対に見ない方がいいです。まぁそれ以前に人にはあまり薦められない、薦めるのを躊躇う映画です。殺されることが分かっていて自分の友達を誘う、、最初から生け贄を連れ帰る為に優しい友人を装って近付いてきただけなのか?友達の皮を被った悪魔・・人間不信になる。多分ペレは最初からダニーが好きで狙っていて、彼氏のクリスチャンも殺されたので恐らく自分のものにするんじゃないかな…怖っ😱
若い女と子作りしてた(わざと見せられたよね…)彼氏を死に追いやって満足したのか、ヒロインは最後に笑みを浮かべてたけど、大丈夫か? 死ぬまでそこで暮らす?寿命と言われたらあの崖から飛び降りるつもり・・?
エログロの描写がかなり強烈なので、これだけで「ダメだ」「合わない」と拒絶・否定される方も多いと思います(自分も鑑賞途中そう思っていました)。ただ、ストーリー自体はミステリーとして観るとかなりよくできているので、映画ファンとして一度は観ておくべき作品ではないかと思います。
6/27追記
この映画を見た時はもちろん完全に"フィクション"だと思ったが、コロナ対策に失敗し多数の死者を出したスウェーデン政府を半数以上の国民は支持しているという報道と町でインタビューを受けるスウェーデン人女性が「まぁ亡くなった方々は気の毒だと思うけど、仕方ない」と公園で寝そべり日焼けを楽しみながら答える映像を見て驚愕すると共に「スウェーデンならこの映画ひょっとして現実にあり得るかも・・」と思うようになった。人はいつか皆死ぬものなのだという独特の死生観。映画の中のスウェーデン人にとっても実際のスウェーデン人にとっても人間の死はあまり大事でもなく、さほど悲しくもないことなのか・・と思わされた。
中立国のスウェーデン人はアメリカ人を嫌っているという話を最近アメリカ人から聞いて一層現実味が、、😱
こんな儀式なしだ、と思っているコチラが間違っているのかも
アメリカ人女子大生のダニー(フローレンス・ピュー)、自身も不安神経症の傾向があるが、ある日、突然、妹が両親を道連れに無理心中してしまった。
以前以上に恋人のクリスチャン(ジャック・レイナー)に依存することになったダニー。
クリスチャンは、他の3人の大学生仲間とともに、仲間のひとりの故郷スウェーデンの僻地の村を訪れる予定だったが、ダニーも同行させなければならなくなった。
彼らが訪れた村は、夏至のこの頃、特異な儀式を行うというが、村を訪れた彼らの前で、白ずくめの村人が注視する中、ふたりの老人が投身自殺をしてしまう。
が、それは、儀式の始まりだった・・・
といったところからはじまる物語で、古代宗教集団のなかに放り込まれた都会人・・・というのは、70年代に『ウィッカーマン』という映画があった(後に、ニコラス・ケイジ主演で再映画化)。
これら古代宗教は、太陽と大地を崇拝するところは全世界的に一致するようで、今回もそのとおり。
諸星大二郎の漫画やスティーヴン・キングの小説にも描かれたことがあり、その手のジャンルが好きな者としてはお馴染みである。
なので、題材だけを見て、わぁだの、きゃぁだのは言わないが、かなり直接的な描写があり、さすがに、うへぇぇとはなってしまいました。
が、個人的には、この物語の展開、嫌いじゃないです。
『リング』以降、謎解きホラーとでもいうような、ヒントによって主人公が助かるのは、サスペンス映画の変型であってホラーじゃないと思っていたし、ものすごいスピードで走ってくるゾンビを身を守るのも、鬼ごっこ、アクション映画の変型。
既存の、常識と思っているところを、嫌ぁな感覚で、ねじねじとねじ込んでくるあたりが、ホラーの醍醐味。
終盤、メイフラワーの女王に選ばれ、全身花まみれ、小林幸子も裸足で逃げ出す格好をさせられた主人公に、生皮を被せられた恋人の図などは、ほとんどギャグのようだが、これはこれでアリだなぁなどと納得させられてしまう。
この古代宗教、法治国家的にはナシだが、文化人類学的はアリだな。
もしかしたら、ナシといっているコチラが間違っているのかもしれない。
やっぱヘン。
全員話通じなすぎて怖い。
でも前作みたいに、夜のトイレが怖いとかはないです。
共鳴セラピーとお爺ちゃんのいじわるとクマは笑ったなあ
結局、自分の失恋体験からこれができる監督が一番こわいっす。
「病みつき」
今年27本目。
病みつきの映画です。
今作はポン・ジュノ監督が昨年観た映画のベスト10に選んでいた、中々話題の作品。
目を覆いたくなるような描写もあるんですが、一旦受け入れると病みつきになってしまう。
後は人生訓ですね。映画2時間半観たら何か得る物はあるんですが、一個の人生訓を得ました。貞操を守るです。
行定勲監督はマリ・クレールと言う冊子で、こう言う映画は毛嫌いせず早い内に観てトラウマになるといい。これで懲りたら観なければいいのだから、と書いていました。
だけどまたアリ・アスターの映画を観てしまうのだろう。
彼女はあのあとどうなるか
ミッドサマーの評判の良さは、単に民俗学的な知識が(いや知識ですらない。単に聞いたことあるかどうか)ない人たちの間でワーワー盛り上がってるだけのようだ。
5ちゃんの感想みてると頭クラクラしてくる。
共同体の外部からきた人が歓待される、民俗学でいう「まれびと信仰」「まれびと殺し」についての映画だという基本が分かってない。そりゃあ意味わからなくて先が見えなくて面白いだろう。
ふつうに大学卒業してれば、民俗学や文化人類学を学ばずとも聞いたことがあるはず。映画開始の15分程度でだいたい結末まで想像ついてしまう。
5ちゃんの感想、疑問に「なんでよそ者が女王になるんだ?」などと書かれている。なるほどこういう人たちが見て面白がってるのね。
民俗学的にはむしろ逆。
女王という地位は妬みを生む。共同体の中での争いや対立をなくすためには外部の人間こそふさわしい。女王はまれびとたるダニーでなければならない。あのダンス選手権の結果は最初から仕組まれたものです。
でも「外部から来た人に統治できるはずないだろ」って?
そもそも統治させません。祀るだけです。映画のラストの状態。あのままだということです。(現代の民主国家においても世界各地の王族は象徴として祀られるものであって統治権力を持ちませんね)。
祭りの期間が終わるか、子どもを産ませるか、とにかく共同体にとって利用価値がなくなるまでは利用します。少なくともダニーがあの集落を治めることは絶対にないです。
女王選びのような共同体で生じる軋轢(ストレス要因)を外部から来た人間にかぶせて集中させることで、調和を保つ。現代から見れば大量虐殺ですが、あのようにして集団のなかでのストレスを緩和しているわけです。まれびと殺しといいます。
民俗学の知識がなくとも女王がどのように選ばれて棄てられるかを推測させる描写があります(当方ディレクターズカット版のみ鑑賞)。
若者が泊まる宿舎に歴代の女王の写真が飾られてます。あれ何枚ありましたか。パッと見で10以上はあったとおもいます。
写真が発明されたのはせいぜい150年前かそこらです。
あの村では72年で死ぬことが決まってるとして、女王はかなり早いサイクルで交代させられてることになります。
仮に夏の時期の18〜36歳の間の18年間だとしても、18年×10人でも180年。
あの村の90年に1度の祭りがいったいどこまでをさすのか判然としません。女王選びは少なくとも違います。写真や肖像画が多すぎる。
そして72年という生命サイクルで10進法が用いられるのも謎です。
そもそもいつ、どういう基準で女王を降ろされるのか、ダニーの直前の女王は誰だったのか、映画の中で描かれていません。
90年に一度の祀りであるとか、村の側から提供される情報は基本的に疑ってかかるべき。
ほかにも5ちゃんには「あんなに沢山行方不明者がでたら世間や警察が騒ぐからありえない」とありますが、日本だけでも2000年以降の数字を見ると年間10万〜8万人です。世界規模ならどうでしょうか。バックパッカーや奇妙な旅好きを餌にしているんでしょう。たしかに身元のはっきりした旅行者なら騒ぎにはなりますが、少なくともダニーは家族全員死んでいました。だからこそ彼女は「適任」だったのかも。
ちなみに村の女と彼氏がセックスさせられるのも「客人婚」といって民俗学では珍しくないならわしです。
血が濃くなることを避けるために旅人の子を産み、村の子として育てます。父親はいりません。
これは映画の方にはありませんが、昔の祭りで夜になると顔を隠してセックスしてわざと普段のパートナーとは違う人と交わったり、となり村の女をさらって嫁にするなど色々な方法でそれがなされていました。
古代の村落や原始宗教の価値観をいまの目でみると残酷なものであるという点はそのとおりだなとおもいますが、わざわざこの映画で確認する必要は自分にはないので星0.5です。
た、楽しかった
レイトショーからの車での帰り道、フランキー・ヴァリ「the sun ain’t gonna shine」をApple Musicで登録、聴きながら映画を反芻しつつ帰った。考えていたのは「なにこの映画w」でした。
「ヘレディタリー 継承」が怖すぎて、あれもすごい楽しかったけどやはり怖さ後遺症は残り、ミッドサマー観ながら怖いシーンになりそうな展開のときは若干目を細めながら警戒を怠らなかったのだけれども、薄く目を開いたスクリーンから見えているのは例えば驚愕のお母さん見守り付きSEX!後ろから種付けを手伝うおばあさん!酪農家ってあんな感じかな!
見たときはよくわからなかったけど後から解説みたら書いてあったワシのポーズ?の拷問。とか、いろいろ後から思い出して、反芻しては楽しんでます。青と白と黄色と緑と、色とりどりが怖くなる、価値が倒錯する感覚が味わえるナイス映画!アリ・アスターさん、次も期待してます!
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