ウエスト・サイド・ストーリーのレビュー・感想・評価
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映像の力
ミュージカルを観たあと暗い気持ちになって帰ったのを覚えているので、今回見に行くかかなり迷った作品。
結果、やっぱり悲しかった…
誰も救われない。
悲しい結末を招くだけなのに、今の時代もなくならない人種差別や対立。
今の時代にこそこの映画を見なくてはならないような気がする。
舞台ももちろん凄かったけど、映像だと色々なアングルから見せることによって、奥行きが出てよりダイナミックで、ダンスシーンなんかは本当に圧巻でした。
個人的には今作のMVPはアニータとチノ。
アニータはいなくても物語としては成立しそうだけど、居なくてはならないと思わせるほどの存在感。ダンスもキレキレでとにかくカッコいい!
チノ、健気で優しくて仲間思いでいいやつじゃないか…
マリア…チノでいいじゃないか…
と、感情は抜きにして、チノ役のジョシュさんチノの心情を印象深く演じていたと思います。
(チノ、好きな人にはスルーされ、終いにゃ捕まるなんていいとこ無さすぎて哀れだろ……と思っていたら、実生活では、マリア役の子と交際してるそう!お幸せに!)
お金かけてますね。歌もいいです。でもね・・
50年代の衣装、車、風景とお金いっぱいかけてますね。
主役のレイチェル・ゼグラーの歌もいいです。
でもね・・
ダンスパーティー会場で、主役の男女がお互いを一目見ただけで恋に落ちるのですが、あり得なくないですか?軽すぎませんか?
その後、大切な家族を殺された〇〇の行動が??になります。
他にもいろいろ違和感ある描写があります。
そもそも、スピルバーグ監督は60年も前の作品を何故今頃リメイクしたんでしょ?
現在の分断されているアメリカ社会に何か投影しようとしたのかと思いきや、特段そのようなものは無かったですし。
あまりに器用すぎるかもスピルバーグ先生
スピルバーグ先生が練りに練ってためにためてのの初ミュージカル映画である。ミュージカルが苦手だという人もいるが私は好物だ。ぶっ飛んでいてこれぞ非日常だと実感できるし有無を言わさすいきなり巻き込むところが好きだ。今作のちょっと残念だったところは既存のミュージカル映画とあまりにも違っていたこと、ちょっと作りすぎていてカット割りもかなり細かくてもはやMTVなのだ。もちろんそこも好物なのだがミュージカルとしてはあのレミゼのごとくマリアの歌唱をもうちょっとじっくり見せてくれても良かったと思う。裏返しなのだがプロローグシーンで2台の車が突っ込んでくるとことか洗濯物がロープを滑る滑車の音とそれに合わせて演者を割って見せる手法などやってくれて楽しい。そしてスピルバーグを好きなのは終始一貫して人種差別問題に真っ向かから挑み続けているところである。大学生の頃ETを観てやられたのだけれどその後にカラーパープルを撮った。今作のテーマも人種の違いを個々は受け入れられてもそれがグループ化されると争いが止められないという理である。しょうがないね人間だもの。
元々は 1961年のミュージカル映画。 スピルバーグバージョンを観...
元々は 1961年のミュージカル映画。
スピルバーグバージョンを観ると、ロバート・ワイズが1961年にこんな素晴らしい映画を制作していたのだと、バースタインの天才ぶりと合わせて、改めて感心。
ロバート ・ワイズ版を観ないで、初めて観る人には、どんな印象を残すのだろう?
私の初見は、リバイバルで、高校生だったっけ・・柔らかい感受性の時代に強烈な印象を残しました。それから何度観たことか・・・。ですから、どうしても比較してしまう。ジョージ・チャキリス、ナタリーウッド、リタ ・モレノ、リチャード・ベイマー・・。トニー役が、ミスキャストのような・・リフ役の方があってたんじゃ??本質は優しい人には見えない・・。
スピルバーグも独自性、個性を出すために敢えて難しい課題に挑んだのでしょうね。カメラワーク、映像演出はさすがスピルバーグです。
エンドロールでの、For DAD・・・、幸せな、スピルバーグのお父さん。
トニーのホクロがセクシー☆
昔のは見ていません。見てみたくなりました。
マリアの歌声が口パクかと思うくらいに高くてキレイな歌声でした。とってもかわいいで女優さんですね。
ミュージカル映画は久しぶりでしたが、好きです。今月公開される『シラノ』も楽しみです。
結末は明るくないのに、見終わった後はどんよりとした気持ちにはならなかったです。
これもスピルバーグ監督だからなのでしょうか。
あんた、嘘つきだね
恥ずかしながらウエスト・サイド・ストーリー(物語)という存在をこの作品で初めて知りました。ミュージカルはものすご〜く苦手だし、恋愛映画は好きだけど禁断の恋みたいなストーリーの映画は好きじゃない。見ようか迷っていたけど、予告が面白そうだったので見ることに。結果、ものすご〜く良かったです!!
序盤はかなりつまらない。
前日の寝不足もあって眠気との戦い。スタートの引き込み方が弱い。会話に面白味を見出させず、原作の舞台は60年前ということもあって展開も古臭く、かなり不安が募る。大丈夫かな?と思っていたけど....
マンボ!から勢いが増してようやく本編が始まった感。一気に眠気も覚め、テンションも上がりなかなかいい感じに。そこからは最後まで上り坂で、面白さがどんどん増していく構成。流石、スティーブン・スピルバーグ。カメラワークやキレが最高に気持ちよかった。
どれも耳に残り、何度も聴きたくなるような音楽。
予告で散々流れていた「トゥナイト」も、実際映画館でフルで聴いてみると思ってた何倍もオシャレで美しく、アメリカを褒めたり貶したりする街中でのダンスシーンだったり、銃をめぐるアクションダンスシーンだったりもテンションぶち上げ。ミュージカルあんなに嫌いだったのに、この作品は最高にいい。滑らかかつキレッキレで、全くしつこくない。特に密室尋問ダンスシーンはめっちゃ笑えたし、すっげぇ楽しかった。
主人公とヒロイン、お兄ちゃん、お兄ちゃんの彼女、おばあちゃん、アメリカ軍リーダーとどのキャラクターもたまらなく良くて、役者全員イキイキとしていて、こりゃアカデミー賞でいっぱいノミネートされる訳だなと。体当たりな演技を繰り広げ、会話もかなり胸に響くものがあり、お見事だった。踊りながら、歌いながら演技出来るの凄いや。ダンスもアクションのよう。
このまま純愛ミュージカルが繰り広げられるかと思っていたら、騙された。ネタバレになるのであまり深いことは言えませんが、「純愛ミュージカル映画だなんて見たくねぇよ」って人にこそ見て欲しい映画だなと思いました。ラストに至るまでツッコミどころが所々であったり、なんでそうなるんだと言いたくなる場面もあるのだけど、余韻がすごくて心臓がバックバク。言葉では伝えられない魅力がこの映画にはありました。
ミュージカル苦手克服!とまではいきませんが、間違いなく今まで見てきたミュージカル映画の中で1番好きでした。重くてキツイけど、軽くて突拍子のないミュージカルが好きじゃない私にはとても良かったです。映画館でぜひ。
悲しくて辛い話だった。
とてもやり切れない辛い話だった。
どのシーンも迫力があって、美しくて、かっこよくて、スリルがあって、最高でした。
どうしたらリフを止められたのか、トニーはどうしたらああならなかったのか…考えても考えてもわからない。
自分が周りの大人だった場合、どうしたらいいんだろうと考えてしまった。
子供の頃に60年代のをテレビ放送で観たけど、ダンスが滑稽にみえてしまって退屈だった。トゥナイトゥナイ♪の歌の所だけ好きだった。何も知らないって幸せなのか不幸なのか。
大人になってから観たら全く違った。一瞬も目を離せないスリル満点の映画だった。そしてもう一度観たい。スクリーンで!
リフはマキューシオなのかな?
この人なんでもできるな
オリジナルの方は見たことないし、ミュージカル映画はあまり好みじゃないけど、スピルバーグとならどんなジャンルでも見に行かないと思いいきました。
おそらくオリジナルを尊重してストーリーが古臭く感じて眠気がきましたが、映像表現が所々凄すぎて見入ってしまいました。特にダンスシーンは圧巻です。
色褪せない名作
昔の作品は見ておらず、こちらの作品が初見でした。ろくに話の内容もわかっていなかったので、シンプルに話に没入できました。
パワフルでキレッキレのダンスと熱量のある歌声で、ちっとも古さを感じることもなく、これが名作と言われてたきた理由を垣間見ることができた気がした。
これがスティーブンスピルバーグ監督の凄さなのかと改めて偉大だなと思いました。
とりあえず、昔の作品を観ようと思います。
そして、やっぱりミュージカル好きだぁ!!
初めて拝見
前半は、寝てしまったけど、
途中から知ってる曲が出てきて
あ、これは、
ウエストサイドの楽曲だったのか!!
と驚き‼️
ラストに向けておもしろくなるほど
有名な映画のはずだゎ。
ラストが、意外すぎて
そんなぁ!!!
そうなんだ。。。。
カラーギャングとかの走りかな??
人種問題もあるし、車も風景も
再開発前のNEW YORK
時代を感じます。
3000円のパンフレット...高すぎ。
スピルバーグ初のミュージカルと言うことで観てみた。昔の「ウエスト・サイド物語」は観たことがなく、有名なシーンとかギャング団が争うくらいしかしらなかったので、色々と新鮮ではあった。
「Mambo」は僕の知っている「ウーマンボ!」ってやつではなかったし、「TONIGHT」はディズニー作品の曲だと思ってたし。
1番驚いたのは、約24時間のお話なんですね。
ただ、長い。いや、長さは気にならないが、間延び感が気になった。歌部分もそんなに多くない気もした。約24時間の話ならもっとテンポ良くも出きるし、曲も追加できるのでは...これで2時間30分は長かった。
1961年版「ウエスト・サイド物語」の良さを活かしつつ「現在の私たちが見たい作品」に昇華させることに成功していた的な評価が多いが、この作品が初めての「ウエスト・サイド・ストーリー」の人にとってはそんなに響かなかった。
この作品はアカデミー賞の作品賞にもノミネートされているけど、それ程かなと疑問に思った。
あと、パンフが高い!通常版と豪華版で分けてほしかったな。残念。
MUSIC BY LEONARD BERNSTEIN
このクレジットにシビれた!いやぁしかし、めちゃくちゃよかったぞ‼️どうしてもロバート・ワイズ版が頭にあるから、なんでスピルバーグがこれ撮んねん?という穿った想いがあった。はじまりは、うーんいまひとつだなー、ってな感じだったけどマリアとトニーの出会いのシーンから変わった。なんかツーっと涙がでるのよ🥲。あの2人の表情、とくに目が心に刺さった。そこからは無我夢中😆。映画や劇団四季でもさんざん観てきたミュージカルだけど完全に新鮮な体験となった😁👌。ダンスシーンのキレと充実度がすごい。圧巻は「アメリカ」。これぞミュージカル映画の醍醐味‼️音楽・ダンス・撮影・演技の何もかもがピタッと一致して素晴らしすぎーる❗️おもえばスピルバーグがいちばん撮りかったのはここなんじゃないか?と勝手に断定😁。それくらいすごい。俳優さんたちのダンスはもちろん演技も相当なもの。スクリーンの隅にいる俳優さんすべてにスピルバーグの演出が行き届いているのもさすが。撮影はお馴染みのカミンスキー。ジョン・ウィリアムズと同じく彼抜きではスピルバーグ映画は成り立たない存在。今回も独創的な良い仕事をしている。そして音楽。レニーのお馴染みのナンバーが全編に流れるこの幸福感😊😆😄。あのメロディーとノリの良いリズムだけでなくオペラ的な要素もあるからコンサート形式の演奏を聴いてみたくなる。レニーは生前、ミュージカルの作曲者で有名になったことを多少残念がっていた。でも改めてこのナンバーを聴くと名曲中の名曲であることに疑う余地はない。このミュージカルを現代に蘇えらせたスピルバーグには感謝する(上から目線)。そしてドゥダメル指揮ニューヨーク・フィルのビックバンド的な軽妙なサウンドは適している。この映像にはフルオーケストラは合わない。あと、終盤の筋を忘れていたからか余計にシェイクスピアのメッセージが直に伝わってきて感動した。えー、ミュージカル?と思っている人たちにもぜひとも劇場で観てもらいたい名作だ😄
リメイクとしてはこれ以上ないくらいの出来
物語の大筋はオリジナル版をほぼ踏襲しており、数々の楽曲もそのまま再現されていて、スピルバーグの原作愛がひしひしと伝わってきた。
ただ、この名作を今リメイクした意図というものは余り見えてこなかった。オリジナル版と一緒であればわざわざ作り直す必要はないわけで、現代に合わせた解釈や改変がもっと大胆にあっても良かったような気がする。もっとも、それをやってしまうと確実に賛否が巻き起こってしまうだろうが…。それくらい名作のリメイクというのは難しい。
しかし、スピルバーグはどうしてもこの企画を成功させたかったのだろう。聞けば、インディージョーンズの続編を中断してまで本作の製作に勤しんだらしい。
では、原作をほぼ変えないまま作られた今回の製作意図がどこにあったか、と想像すると、自分はこういうことじゃないかとおぼろげに考える。おそらくスピルバーグはこの名作の存在を新しい世代の観客に伝えたかったのではないだろうか。
たとえ名作と言えどこれだけ古い作品になってしまうと、今の観客が鑑賞する機会というのはそうそうないと思う。であるならば、リメイクすることで新しい観客に知ってもらおう、と考えるのはありそうな話である。
気が付けばスピルバーグも75歳。もはやハリウッドの重鎮と言える存在にまで登り詰めている。そんな彼がこれから先の映画界のことを考えて、過去の名作を現代に甦らせて今の世代に伝えていく、と考えるのは何ら不思議なことではない。本作にはそんなスピルバーグの”映画愛”が込められているような気がした。
オリジナル版は移民や貧困といった社会問題を取り入れたストーリーで、それまでの華やか一辺倒だったミュージカル映画に新風を吹き込んだと言われている。今回のリメイク版もそこはかなり重視されており、今のアメリカ社会に通じる風刺性が感じられた。60年以上も前の作品が、現代でも違和感なく受け取れてしまう所に、これらの問題の根深さが窺い知れる。
尚、オリジナル版ではプエルトリコ系のシャーク団は白人俳優が黒塗りをして演じていたが、本作ではリアリティを追求するために南米系の俳優に演じさせている。このあたりはオリジナル版にはない本作ならではの”こだわり”だろう。オリジナル版から大きくアップデートされた点だと思う。
もう一つ、本作にはアップデートされたことがある。それはジェット団の中にトランス・ジェンダーのメンバーがいることだ。このキャラクターはメインのドラマにそれほど大きく関わってくることはないが、昨今のハリウッドの潮流である”多様性”を体現するキャラクターになっている。こうした所に目配せしたのも今回のリメイク版の新味だ。
映画自体の出来は、絢爛豪華な映像、ダイナミックな演出、心に響く歌唱の数々など、全てにおいてエンタテインメントとしての完成度が高く、大変満足できた。
特に、前半のダンスパーティーのシーン、中盤の『アメリカ』の群舞シーンは圧巻である。映像の作り込みと迫力はおそらくオリジナル版を超えているだろう。
但し、唯一、ジェット団とシャーク団の決闘シーンの後に挿入される装飾店のミュージカルシーンは、それまでのシリアスなトーンが壊された感じがして興を削がれた。オリジナル版ではどうだったか?随分以前に観たので覚えていないが、ここはカットしてそのまま終盤に繋げてもらった方が、観ているこちらとしては気持ちよく乗って行けたかもしれない。
また、恋愛ドラマとして見た場合、説得力という点でやはり苦しい面はある。元々が古いミュージカル映画であるし、それをそのままリメイクしているのだから仕方がないかもしれないが、トニーとマリアの恋愛感情が上滑り気味で、どこか稚拙さを感じてしまうのだ。愛に犠牲は付き物と言うが、身近な人が次々と犠牲になってもまだ彼らは愛を貫くのか…と。
キャスト陣は実力派揃いで申し分なかった。特に、アニータ役のアリアナ・デボーズは力強い歌声とダンスが大変魅力的だった。ブロードウェイではすでに主演経験もあり、実力は折り紙付きである。
また、本作にはオリジナル版でアニータを演じたリタ・モレノが出演している。しかも、トニーの保護者という重要な役どころで、往年のファンにとっては感慨深いものがあるに違いない。
アニータ、圧巻の存在感!!!!
とにかくアニータから目が離せなかった。
スクリーン越しにビンビン伝わる彼女のオーラ、圧倒的なダンスの上手さ、存在感。
彼女の為の映画だと思うくらい、抜群に素晴らしかった!!
これまで彼女の事を知らなかったが、こんなに素敵な女優さんに出会う事ができて、本当に幸せだと思えた作品です。
スピルバーグの最高傑作と言っても良いのではないか・・・?
長い事、ウエストサイド物語(旧作を最近はこう呼ぶらしい)が最高のミュージカルで、それを凌ぐ作品に出会った事が無かったので、だんだんミュージカルが嫌いになりかけていたのだが、スピルバーグのこの作品に出会って初めて自分の中の最高傑作ミュージカルが更新された。アニメミュージカルは数多くの傑作がある。だが個人的感想は、実写版のミュージカルではウエストサイド物語とサウンド・オブ・ミュージックが最高だと思って来た。勿論、良い作品は他にもたくさんある。シェルブールの雨傘やメリー・ポピンズ、フェイムにヘアーなどなど・・でもようやく今日出会えた。何故か。それは今までのミュージカルはブロードウェイの映画化が多かったせいだと気が付いた。それは最初の30分、なかなかダンスにこちらの気持ちが入れなくて、後ろの背景が邪魔でダンスが見えないと思ったのだ・・実はそれは当たり前で今までのミュージカルは舞台の背景のようにシンプルにして踊りを際立たせていたのだ。ところがスピルバーグは違った。あらゆる映像言語を駆使して、集大成と言ってもいいような映像技術で、スピルバーグのC-3POと言われるカミンスキーのカメラはまさに世界で初めて映画の中でミュージカルと言う夢の世界を展開させて見せたのだ。これは言うなれば実写版レディ・プレイヤー1。それゆえにキャストに要求される歌と踊りには従来以上の能力が要求されることとなる。これを見事に実現させた、今作品の全スタッフ、役者にそしてスピルバーグに心からの賛辞を。全く以て素晴らしい。
今なお伝えるべきものが、このリメイク映画にある。
2時間37分と長い映画でしたが、あまり長さを感じさせませんでした。オリジナルの映画を見ていたので、前半の導入部はだいたい同じようでしたが、決闘への流れの辺りから、ストーリーの骨子は踏まえながらも、演出が全然違う展開が出てきました。
NYの有色人種プエルトリカンがスペイン語で話すのを、何度も白人が英語で話せというシーンが出てきます。スペイン語が少し分かるのとラティーノの英語に馴染んでいるので、この言葉のやり取りはとても面白く見ました。この言葉の違いは重要です。
踊りの振付や曲目は古い映画とほぼ同じ内容だったので、リメイクする意味は何?と見ていました。後半からは特に現代に合わせた場面設定や踊りなど全く違うところもあり、複雑化する人種問題を見据えて、今なお解決できていない社会問題として人々に訴えているのではと思いました。エンドロールで「父へ」とあったのは、悲しいけどまだ現実はこうなのだということを。
アメリカのサイトを読んでみると、ブロードウェーの舞台も踏まえ、賛否両論ありますが、おおむねは評価しているのが多いです。
マリアはプエルトリカンなのでスペイン語がネイティブ。英語はスペイン語訛りになります。そのマリア役はレイチェル・ゼグラーが約3万人の中から射止めたとのこと。アメリカ人ですが母親はコロンビア出身。家庭の中でスペイン語も話せたのでしょうね。彼女のスペイン語とスペイン語訛りの英語はとても良かった。
バレンティーナ役のリタ・モレノは、オリジナル映画にもマリアのお兄さんの恋人役アニータで出演しており、製作総指揮の一人としてクレジットされています。彼女は本当のプエルトリカンです。
更に調べてみると、マリアのお兄さんベルナルド役はデビッド・アルバレスでカナダ人ですが両親はキューバ出身。道理で本物のラティーノでした。
プエルトリカンがダンスホールで踊るとき「マンボ」と言ってみんなで踊ります。人種のぶつかり合いと、プエルトリコの絆を大事にするその「血」が、ダイナミックな踊りとなり、ニューヨークにおけるアイデンティティの象徴である「サルサ」へとつながっていくのだと、一人勝手に信じています。
主人公のトニーとマリア、ベルナルドなど、オリジナル映画の俳優たちの方が個人的には好きで、全体的にも当時の現場をリアルに伝えているようでしっくりきました。
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