グリーンブックのレビュー・感想・評価
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誰かにおすすめしたい
派手さに欠けるが、観た人がいい気持ちになれる映画。
ハッピーエンド主義者だが、この作品のラストが凄く好きだ。いい気分なのは確かだが、上手く言い表せないので是非見て欲しい。
KFCが食べたくなった
上品な黒人、野蛮な白人のチグハグコンビのロードムービー。
ドクターのピアノが上手くて、ピアニストを俳優に起用したのかと思ったけど調べたら特訓の成果だそうでびっくりした。何回も出てくる演奏シーンにとっても満足な気分にさせてくれるレベルだった。
ドクターが堰を切ったように叫んだ「黒人でもなくて家族がいなくて男でもない私は誰なんだよ」のところに心揺さぶられた。自分をアイデンティファイするものを迫害されることの苦しさを、私は知らないし、もういまの時代ではめったに味わうこともないだろう。でもこの映画を見たことで、あの感情の発露を目の当たりにしたことで、少しは理解できただろうか。
名前、言語、言葉遣い、盗み癖、聞く音楽、食べ物、運転の仕方、服装、手紙で綴る文章等、アイデンティティを象徴する要素として多数盛り込まれていた。でも最後らへんの「自分がどれほどすごいやつなのか誰なのかいってやれよ」「言わないで、聴かせてよ」とジャズの即興演奏へもちこむシーンすごい良かった。彼を彼たらしめるの一番の要素はピアノの演奏なんだと、楽しくイキイキする様子が語っていた。
難しかったところ 考察しなきゃ
・なぜ差別の激しい南部へのツアーをすることにしたのか
・なぜトリオの3人車一台でいかないのか
・トリオはなぜロシア語で話すのか
・ツアー最終日、9回裏まで来ていたところをなぜ今までのように我慢しなかったのか
心地よいターコイズ・グリーンの残像
アメリカ南部の牧歌的な田舎を走り抜けるターコイズ・グリーンのキャデラック。まるで旅行記の写真集でも見ているような美しい映像がこのロードムービーの全編になにげに散りばめられていて、それだけで心が和みます。この色は、どうやら意識的に、その他のシーンでもバックグラウンドに効果的に使われているようで、その残像がこの作品の印象と織なって心地よく心に残りました。
内容の方も、うん、すんなり入ってきて心地いい。主人公二人のかけあいもおもしろい(特にケンタッキーフライドチキンのとこ)。観る前にあらすじ読んで「またアカデミー狙いの黒人差別は許さない系のかた苦しいやつか」と少し肩ひじ張ってしまいましたが、まったく杞憂に終わりました(実際、作品賞は受賞してしまってるようですが)。特に差別に対する強いメッセージ性はなく、とにかく人種やジェンダーを超えて友情って素晴らしい、人間万歳っていう作品だと私は受け止めました。こんな作品、もっともっと出てきたらいいですねぇ。
ヴィゴ・モーテンセンか!??
ロード・オブ・ザ・リングの頃の面影はなく、すっかり運転手のおっちゃんがハマり役。アラゴルンを思わせるものはその眼差しと声のみ。かな??
ケンタッキーフライドチキンの下りは笑った!しかも安っ!!
最後の演奏会をキャンセルして正解。
人種差別のシーンは気分が悪くなるだけでなく、胸が締め付けられました。
とても悲しくなりました。
酒場で演奏する時は、スタインウェイじゃなくてもいいのね…✨✨
あんなに楽しそうに演奏されたら、何も言えねぇ…!ですね。
会場が一体となり、暖かい、
いいシーンでした(T_T)
とりあえず、お金は財布にしまいましょう。
ケンタッキーでフライドチキン!
ヴィゴ・モーテンセンのお腹が出てしまった。ロード・オブ・ザ・リングのアラゴルンが格好良すぎたので、そのギャップに最初は戸惑ったけれど、あれから20年も経っているしお腹くらい出るよね...と無理やり自分を納得させていたところ、役作りだったようだ。
トニーという粗野な役が(体型も含め)はまっていて、上品なシャーリーとの対比が良かった。
シャーリーがフライドチキンを初めて食べるシーンがお気に入り。トニーが飲み物をポイ捨てしてバックで取りに戻らされるところも。
すごく感動するとか、興奮するとか、そういうことはないんだけれど、終始穏やかな気持ちで観ることが出来て、最後は二人の友情に心が温まる。
人種の問題は日本にいる限りあまり身近なものではないけれど、私も見た目ではなく、その人自身を知って、関係を築いていきたいなと思った。
名作と言われる所以に納得
1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。(解説より)
アメリカにおける人種差別という悪しき文化の歴史を垣間見た。
本作が実話ということを知らなかった。
トニーとドクターは作中で衝突しながら友情を築いていくが、なんでも生涯素晴らしい友人関係で結ばれていたそう。
間違いなく語り継がれる名作でしょう。
ピアノを弾くこと以外は、何も許されない残酷。
ドクター・シャーリーは黒人でありながらピアノの才を認められ豪華な家に住みお金にも困っていない。一見、人生の成功者にさへ見える。一方のトニーはと言えば不安定な暮らしであり家賃の支払いにホットドッグの早食い競争で得た金を充てるほどである。
でも映画を見ていて気付くのは、グリーンブックに出ている宿、レストランにしか出入りできず、服の試着も許されず、掘っ立て小屋のようなトイレで用を足すことを強要されるドクター・シャーリーに比べれば、トニーはドロレスをはじめとして周りから愛され、どこにでも行けて、シャーリーが持っていないものすべてを持っているという点である。
現在でも根強く残る人種差別がむき出しで横行する1960年代の残酷さに驚く。でも、だからこそシャーリーとトニーが少しづつお互いを理解していく描写に心が温まる。
皆さんが書かれているように数々の名シーンが出てくるが、クラシックを極めたのに黒人であるために白人が弾くクラシックとは違うジャンルを弾かされることを嘆くシャーリーにトニーが「誰でも弾けるクラシックより、あんたが引くピアノはあんたにしか弾けない。」というような趣旨のことを言うと、シャーリーが我が意を得たりと感じながらもトニーに「僕の弾くショパンは、僕だけのモノ」と返すシーンが秀逸である。
黒人ピアニストとその運転手の白人が差別の根強く残る南部での公演のた...
黒人ピアニストとその運転手の白人が差別の根強く残る南部での公演のため、南へ南へと車を走らせるロードムービー。
ロードムービーということもあり、派手なシーンがあるわけではないのだが、観ていて飽きない。
黒人ピアニスト、白人運転手、この主役二人が、とても魅力的に造形されている。
運転手のセリフ回しも面白いし、黒人ピアニストの風貌も独特の味を出している。
そのふたりのやりとりに惹きつけられ、観終えるまであっという間だった。
なにかほのぼのと心温まるものを感じた。
グリーンブックと言うアカデミー作品賞を含む3部門に輝く映画である。...
グリーンブックと言うアカデミー作品賞を含む3部門に輝く映画である。
DVDは持っているが、最近、TVでも放映したし、AmazonPrimeでもタダで見れるから、何回も見ている。
お気に入りの作品である。見てないのなら是非ともな作品である。
この映画の肝だけど、みんなは気付いているのか?(かなり失礼と言えば失礼な話だが)と思って書いてみる。
ドクター・ドン・シャーリー(黒人のクラシック系天才ピアニスト)は後部座席でいくら疲れていても、決して、だらけた姿さえ見せない人である。
でもトニー・リップ(イタリア系男性 運転手兼用心棒)と雨の中、口論した後、後部座席でうたた寝してしまう。本来 冷静沈着なドンが、誰にも明かさない 心の深部の思いの丈を 叫んだ後なら、興奮して、普通なら逆に眠れないはずである。
でもドンは、今までの心の 巨大な付き物が 取れたのである。
最後の公演時 トニーに「君が演奏しろと言うなら僕はする」に繋がっているのである。2人は全幅の信頼を寄せる瞬間なのである。
ホテルの廊下で トニーが「僕は辞めない。今から断って来る」と言った時は、ビジネスとして 人としての信用に過ぎない。
監督が、この何気ないうたた寝のシーンを入れた意味は大きい。
普通の監督なら(人とは、と言う事を強く考えていない人)絶対に思いつかないどころか、意味が分からないシーンだと思う。日本の監督では全く無理である。黒澤明・宮崎駿レベルである。
この映画から見たら「ドライブマイカー」如きペラッペラである。
このシーンで僕は この監督に 全幅の信頼を置いた。
黒人差別の社会における唯一無二の存在は幸福なのか?
黒人差別について当時相当根深かったことがわかる。
教科書で黒人差別については習うが、そこで習うことよりもこの映画を見る方がよっぽど心に刻まれる。
この映画の主人公は黒人であるが黒人っぽくはない。
つまり、見た目は黒人なのだが、中身は白人の中でも格式の高い教養を身につけており、天才ピアニストである。
その境遇から、黒人でも白人でも無く何者でもない。
そう感じて、いつも孤独な状態。
舞台でピアノを演奏する時だけ歓迎される。
ただし、その会場でさえも裏では酷い扱いを受ける。
終盤に、黒人だけのバーで、無償でピアノを演奏する。
周りはノリノリで主人公も楽しそう。
唯一無二の存在は周りからは熱い眼差しを向けられる。
一方で、孤独との戦いでもある。
逆に、人と一緒で特に取り柄もなくても、周りに人がいて賑やかなことで幸せを感じる。
さまざまな側面で、社会や人の幸福について考えられる映画だった。
ピアニストと運転手
とても心温まる作品です
……1960年代のアメリカ
いま以上に人種差別が
強くて驚きました
いまでこそ白人と黒人が食事を
一緒にできますが当時はきっちりと
分けられていた
人間としての扱いが・・
厳しいですね。心が痛みます
正反対の二人でしたが
徐々に心を開いて行く様子や
・・変えられない現実を
お互いを助け合って
思いやる姿が
……心地いい
カテゴリではなくその人を見るべき
鑑賞後の気持ち
満足感
鑑賞後の心の変化
固定概念などのフィルターを通さずその人を理解することが大切
鑑賞後の行動の変化
絶対に差別はしない
好きなシーン
ドクターがフライドチキンを初めて食べるシーン
ドクターを歓迎するシーン
嫌いなシーン
差別シーン
私へ:明るい映画、暗すぎる映画を見る元気がないときにゆるりと見るといいよ
しみじみとすかっとすっきりする、でも考えさせるところもある良映画
テンポが良い、音楽が良い、シリアスになりすぎない、でもちゃんと考えさせる箇所はたくさんある、あとはアメリカの風景が綺麗!見ていて飽きない映画でした
見ていて思ったのはマイルドヤンキーはやはり最強だなと。嫌なことはその場で発散して引きずらない、自己肯定がしっかりしてるのでメンタルが安定している。生物として強い。
トニーはそれに加えて軽口がたたける機転の良さと腹を括れる度胸が備わっていてまさに男の中の男と言う雰囲気でした。1世代前の価値観かもしれないけれど、やっぱりこのタイプの男性に惹かれる。
ドクがトニーの家族に受け入れられるシーン本当によかったなあ。沁みる
いやほんとに読了感が良い映画でした。ありがとうございます
イタリア系アメリカ人というスパイス
作品全体を通して、差別を添えていた。対立構図として「白人VS黒人(あるいはその他)」と捉えがちな私だが、主人公トニーリップは白人でありながら、出自がイタリア系というどっちつかずな立ち位置で、差別構造の複雑さを理解させてくる設定で面白かった。
それに「音楽の素晴らしさ」というもう一つのメインが添えられることで作品全体が纏まっていて、「差別はいけない」みたいな陳腐なメッセージではなかった点でも興味深かった。
黒人と白人
天才ピアニストである裕福な黒人にナイトクラブの用心棒であるイタリア系白人が雇われるという構図が今まで観てきた映画の中の白人と黒人の関係性とは正反対で新鮮さを感じた。
二人が共に過ごすコンサートツアーの中で、お互いに足りないところを補い合い、信頼や友情を高めていき、最後には連帯するというストーリーは、実話だけに二人のその後が気になった。
主演のトニーの食欲旺盛な豪快な食いっぷりに自分自身も食欲をそそられ、黒人しかいない場末のバーでの助演のシャーリーが古びたピアノで奏でた演奏に心が踊った。
こんなカッコいい友達なら誰だって欲しい
実話を元にした物語。
タイトルになったグリーンブックとは、人種隔離政策時代のアメリカで発行されていた、
『黒人ドライバーのためのグリーン・ブック』
というガイドブック。
【ストーリー】
ニューヨークのクラブで働く用心棒のトニーは仕事上の揉め事で、クラブそのものが閉鎖される。
マフィアのツテで、オペラハウスの2階に住む、黒人ピアニストのドクの演奏ツアーに紹介され、ドライバーとして同行する事に。
世知に長けたトニーだが、どうにも行動の規範がゆるく、生まじめなドクにチクチク当てこすられる。
かみ合わない二人だが、ディープサウス(アメリカ深南部)で出くわすさまざまな社会問題に対面するうち、お互いに敬意を抱くようになり、だんだんと心の距離が近づいてゆく。
腕っぷしと口の達者さで生きるイタリア系の用心棒トニー・ヴァレロンガと、気品漂うアフリカ系クラシックピアニストのドン・シャーリー。
典型的な裏社会で生きるイタリア男と、黒人天才ピアニストの凸凹コンビが、お互いのギャップを埋めて友情を育むロード物。
ロード物とは、目的地まで移動しながら物語が展開してゆくジャンルです。
実話ベースだけあってエピソードはどれも生々しくピリ辛でときに重苦い。
あらゆる事におおらかでいい加減なトニーと完璧主義的な潔癖さをみせるドクとのやりとりが、ユーモラスでいちいち面白い。
愛する妻に日記のような手紙をしたためるトニーに、美しい表現と気持ちを表す文章を教えるドクと、ケンタッキーフライドチキンも知らないドクに、手づかみで食べる骨つきチキンの旨さを教えるトニー。
そしてドリンクをポイ捨てして、バックで道を戻らさせられて、ゴミ拾いするトニー。このシーン最高。
旅が進むにつれて黒人差別を目の当たりにしたり、受けたりしつつ、少しずつ変わってゆく二人の関係。
二人とも行動にぶっとい筋が一本通っているのが魅力的でカッコいい。
そしてラストの温かいクリスマスパーティー。
笑って泣けて、ほっこりできるヒューマンドラマの傑作です。
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