ラストレターのレビュー・感想・評価
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ロマンチストと言えば聞こえはいいが
初恋の相手は、いつまでも自分との想いを大切にしてくれている。
という男側の願望を押し付けているだけ。
現実にはそんな事有るわけないと、身を持って経験しているだけに、かなり引いてしまった。
ただ、あまり悪く言いたくないのは、やはり私は広瀬すずが好きなのだろう。
岩井俊二ワールドが堪能できました
岩井俊二さんの個人的イメージ
写真で言えば、クリアな画像ではなく、被写体に霧がかかったような、靄がたちこめているような、そんななかから鑑賞者自身が被写体の何たるかをイメージするというか、紐解くような、鑑賞者の感性で観る必要がある作家と認識していましたが本作もそれが展開されていて感慨深いものがありました。
あの未咲という小説の中身、気になります。私にとって最大の謎です。
あの小説を読んでいる、鮎美さんと阿藤さんには未咲さんが何故自殺したのかわかっているような気がするので・・・
この映画は何度か見返すうちに自分なりの解釈が変わっていくような作品じゃないかと今は思っていて、まだ個人的には本作品は未完の状況なので★はこれだけにしました。
素敵な作品
話の展開もよかったが、絵作り、役者の演技も素晴らしかった。
特に"音"が素晴らしくセミの鳴き声や時計の針音など自然な音色が没入感を高め
気づけば90分たってた。岩井俊二監督の映画をアートという人がいるが
その意味が分かった気がする。素敵な作品でした。
最後のメッセージは若者へ発信しているように感じたけど
内容的には40過ぎくらいの人に刺さるんじゃないかなぁと
おすすめです
いい映画でした。
小林武史の音楽、セミの音、宮城の田舎の感じ、岩井監督の世界にどっぷりはまって心地よかった。
いま、仙台に住んでるんで、白石の川、岩出山の高校とか、すごく楽しめた。
木内みどりはなくなったと聞いていたから、出てきた時はびっくりした。
豊川悦司の迫力はこの映画にいいアクセントになっている。
50を過ぎると、夢と自分の可能性を信じて、また人を純粋に恋したあの頃が懐かしい。
また、岩井俊二の映画が早くみたい。
なんか不自然
全体的な話の流れは悪くはなかったんだけど、なんか不自然な演出なんだよね…。
自分の親が亡くなっているのに、ほとんど取り乱すことなく、川で遊んだり、激昂する亭主がスマホを水没させるのは良いとして、風呂場を見ないように会話してたり…。
あと、あの大型犬って要ったかなぁ?
そして、最後のあれがラストレター?
事実として最後の手紙だったとしても、タイトルになるようなことだろうか?
なんか消化不良…って感じ。
ファンタジー感に違和感あり。
映像は綺麗だったが、心に響かなかったし、背景がわかりにくくや手紙のやり取りが中途半端に感じた。
姉があんな死に方をしているのに、姉になりすまして初恋の人に会えてはしゃいでいる松たか子の妹役に人間性を疑う。そんな様子を感じながら綺麗なファンタジー映像に違和感を覚えた。役者さんの演技は良かったし、鈴ちゃんもとっても可愛い。役者さんはいいのにとても残念に思った。
Love Letterと比べると。。。
Love Letterは映像の美しさと共に、ストーリーの展開と最後のオチまで、脚本も素晴らしかったと思います。アジア各国で大きな人気を博したのがよくわかります。この映画はストーリー展開がちょっと無理がある感じです。乙坂が未咲を名乗る二人から手紙を受け取っていたはずなのですが、そこから生じる混乱・矛盾・ユーモアについては、映画は触れていません。この展開ってこの映画の鍵になるのかと思っていました。あと未咲の人生がどうして暗転したのか、それが残された人にどう影響を与えたのかが、??でした。
出演俳優のそれぞれに見せ場があるのですが、全体としてのストーリーがちょっと。
Love Letterとスワロウテイルを同時に作った時の岩井俊二は、本当に天才でした。
映画ってこういうもの
設定、脚本に残念なところあり。
亡くなったお姉さんの同窓会に行く。
そこで、お姉さんに間違われる。スピーチする。
そして、文通。途中、相手が読んでないのに。
別れた理由もわからず、未咲が結婚した理由もわからず。
20年間写真が無い。
そんなことないでしょう?!と思ってしまいました。
でも、いい映画だなあと思えました。
俳優陣もとてもいい演技でした。
よかったけれど。切ないが多いよ〜
レイトショーで鑑賞しましたが、始まってすぐから全く眠くなる事なく、ストーリーに入り込むことが出来ました。いろんな手紙のやり取りがあって、途中から少し複雑になり、今では適当に自分で解釈しています。終盤少し涙が。すごく良い映画と思いますが、最終的に私の好む終わり方ではなく、切なさが大きく残ってしまい、後味がなんとも言えない感じ。全体的にとても美しいビジュアルと演技。役者さんの演技も良かったです。
これが40年以上前の昭和の時代なら満点なんだけど
なぜ松たか子がなりすまして出席したの双子ならともかく連絡が来た時点で亡くなりましたと返信すれば良いのに広瀬と森 松たか子の若い頃森には似てなかったと?
困難だと思うがsunnyの広瀬と篠原の様に似たような方を起用して広瀬と森も過去と現在は似たような別人を起用 成人後の広瀬の姿も少し入れたら満点だったが!
松たか子恐るべし
森七菜をはじめて知った。メロメロになった。
広瀬すずとワンピースを着て犬を連れている姿など妖精のよう。もうイチコロだった。
松たか子は文通が広瀬すずともはじまってから本当に脇役になったのだけれど、姉じゃないのに言い出せなかったり、無様に姑の尾行をしたりと、だめな役に忠実なのが素晴らしかった。存在感が大きいのに出しゃばらずに脇役がしっかりできるとはとても感服した。
と、最近の映画は俳優の魅力でもっているようなところがあり、今回の話もちょっと苦しい。
一言で言えば優等生がDV旦那と一緒になった悲劇。よくある設定で、これで悲しめと言われても……。
「もうちょっと早く来てくれれば……」
の広瀬すずの一言に尽きる。そうなっていれば映画にならないところに無理を感じる。
豊悦の話も面白かったけどラブストーリーで講釈されるようなことではないのでは?欲張りすぎたね。
DV旦那に苦しみ病苦の生涯を送った姉に対して松たか子はあまりにも普通の主婦になってしまって、並べるにはあまりにもドラマ性がない。姉の死に対する無感情さも不自然だ。それが長年の姉に対するコンプレックスの裏返しですらない。姉の死を通じで再会した福山と握手ができた、サインをして欲しいとははしゃぎすぎだ。
見誤るくらい似ているのならキャストを考えたらどうかとも思った。それこそ、広瀬姉妹をそのまま使えば?あの二人なら同窓会で間違えられても不思議はない。すずは鮎美役はよかったけれど、「できる姉」を演じるには少し控えめすぎる。アリスなら……と主張したら、一緒に観てくれた姪に「アリスに高校生は無理!」と一蹴された。まあ、おかげで森七菜を知ることができたからいいんだけど。
タイトルのラスト・レターは未咲が鮎美に残した手紙。神木隆之介と作った高校の答辞。以前も書いたが、ラブストーリーは高校時代のことしか描けないのだろうか。確かに初恋は特別ではあるが。人間として自立したあと、人は恋愛できないのだろうか。それはこの社会の貧しさなのか。映画界の貧しさなのか。
福山雅治の使っていたフィルムカメラが気になる。
Love Letter をリアタイで観た人にも!
岩井俊二好きの方はぜひ。
本当に、あとからあとからジワジワと
心に染み込んでくる作品です。
若いときに、観た時も同じ感想を
岩井監督作品に感じました。
アンサーストーリーとしても
本当によくできてると。
かつての2人が出てきて
「これでいいの!?」と思ったけど
すっかり演技派俳優になってて、
やっぱりあとから「あー、俳優としての幅が広がってるってすごいな」と
リアルな部分でも思えました。
本当にね、岩井俊二のlove letterの世界観が
好きな方はぜひ。
ロマンティシズムの奥底に横たわる「うしろめたさ」
岩井監督作品って、そういえば『Love Letter』と『スワロウテイル』ぐらいしか観ていません。
珠玉のラブストーリー・・・というのが謳い文句ですが。
40代半ばの主婦・裕里(松たか子)。
姉の未咲の葬儀のあと、彼女の娘・鮎美(広瀬すず)から、未咲に宛てた同窓会の案内と、美咲が残した鮎美宛ての最後の手紙があることを知らされる。
鮎美宛ての手紙は彼女に委ねることとしたが、生徒会長だった姉の死を告げるために裕里は同窓会に赴く。
しかし、25年ぶりの同窓生たちは裕里のことを美咲と勘違いし、あまつさえも開会のスピーチまでせがまれてしまう。
本当のことを言い出せず、美咲になり替わってスピーチしたものの、いたたまれなくなり、すぐに会場を後にする美咲。
その背後では、もうすぐ取り壊される母校の写真に重なって、卒業式で美咲が読んだ卒業生代表の挨拶の声が流されていた。
帰途のバスを待つなか、裕里を追いかけてきたのは、乙坂鏡史郎(福山雅治)だった。
彼とスマホで連絡先を交換した裕里だったが、交換後に何度か連絡をしたのち、その内容を不審がった裕里の夫(庵野秀明)の癇癪のためスマホは毀されたため、乙坂から渡された名刺をもとに、簡単な手紙を送ることにした。
しかし・・・
作家の肩書を持つ乙坂は、高校時代に美咲宛てにラブレターを送っていた相手だったが、その手紙を仲介していた裕里は、その手紙を美咲には渡さなかった経緯があった・・・
というところから始まる物語で、書簡小説の映画化のような雰囲気。
書簡小説というのは、手紙だけで物語が進んで行く小説で、この映画の作りとは異なるけれど、雰囲気は似ている。
手紙・・・というツールは、書き手そのものがあらわれているように思えるが、その実、ほんものとは異なる。
たしかに、心情を吐露するがゆえに真実に近いように感じるが、何かしらを隠している。
この「何かしら」が重要で、映画で描かれる場合、特にロマンスものの場合、その奥底にはある種の「うしろめたさ」が隠されている。
この映画ではそれが如実で、わかりやすいのは裕里である。
高校生時代の初恋の相手・乙坂。
高校時代にも姉・美咲に彼からのラブレターは渡さず、秘かに姉になりかわって返信をしている。
年を経ても、どこか浮足立ってしまい、正体はわからないだろうと、姉になりかわってしまう。
浮足立ってはいるが、うしろめたい気持ちをある(そのうしろめたさが夫に伝わって、スマホが毀されるということになるわけだが)。
乙坂についても同様にうしろめたさがある。
ここからはネタバレ。
彼は同窓会にあらわれたのが裕里だと気が付いている。
気が付いているにも関わらず、初恋の人・美咲のことが気になり、手紙でのやり取りを続けてしまう。
途中から、そのやり取りの中に、別人の手紙が混じっても続けてしまう。
別人からの手紙が娘の鮎美だと気づいているかどうか不明だが(なにせ筆跡がまるで異なるので別人だと思っているに違いない)、気づいているからこそ、美咲のことが気にかかり続けてしまう。
彼は、一時期、美咲と付き合ったことはあるが、彼女が別の男性に走ったこと、走らせたことに踏ん切りがついていない。
それを隠して、「同級生」の乙坂として振る舞ってい、それに関してうしろめたさがある。
うしろめたいことは、さらに、美咲の娘・鮎美にもあり、彼女は母親と乙坂の関係を知っている。
知っていながら、知らぬふりをし、乙坂が現れることを期待している。
現れないまでも、彼が本当のところ、どんな人間なのかを知りたがっている・・・
ロマンティシズムとは、果たせなかった夢、手に入れることが出来なかった憧れだと思うが、そういう自分を納得する自己肯定ともいえる。
ただ、自己肯定だけで終わってしまうと、ただの「自己満足」にしか過ぎないのだが、同時にその夢や憧れやそれに関わった人々を受け容れることで、一段、昇華できるのだと思う。
そして、そのロマンティシズムには、往々にして、うしろめたさがつきまとう。
肯定できない自分・・・
うしろめたく肯定できない自分、自己に受け容れた他者、肯定した自己・・・というのがロマンティシズムなのだろう。
この映画は、そんな映画だと感じました。
追記
裕里、鮎美、乙坂をポジとすれば、美咲の夫・阿藤は陰画(ネガ)。
ならば、美咲はどうなのか。
自己を肯定できないまま死んだ彼女は、裕里、鮎美、乙坂に受け容れられ、理解されたことで、ポジに変わったかもしれません。
この映画の主役は、画面に一切現れない、高校卒業後の美咲かもしれません。
さらに追記
この映画では、ロマンティシズムの奥底にある「うしろめたさ」を強く感じたわけですが、それ以外にも印象的なところがありました。
それは、死者に対する想い。
「私たちが想い続けている間は、美咲は生きているんでしょうね」という意味の台詞です。
これは常々感じていることだったので、「そうだよ」と納得しました。
この「想い続ける」ことのメタファーとして用いられているのが、「美咲が読む卒業生代表の言葉」と、乙坂が書いた小説。
後者については映画の中でわかりやすく描かれているので、それ以上に言及することはないのですが、前者については補足しておきたい。
ご覧になればわかりますが、タイトルが示すものは、「美咲が読む卒業生代表の言葉」の原稿だったわけですが、これは乙坂との共同作業でした。
これが後の乙坂の小説『美咲』に繋がるのですが、前半で、効果的に使われています。
同窓会のシーン、裕里がスピーチの後、いたたまれなくなって席を立った時に、学年主任の老教師が、自宅で見つけたという「卒業生代表の言葉」のテープ、その音声が流れます。
出席者は神妙に聞いているわけですが、その前に裕里を美咲と勘違いしていることから、皆は実は「忘れている」わけです。
憶えていると言いながらの、忘れている・・・
この残酷性。
忘れない、思い続けていることのメタファーとして、最後の最後に出てくる原稿。
この対比、この語り口はあまりにも巧み。
そして、優しい。
もうひとつ補足しておきたいのは、キャスティングのシンクロニシティ。
相似形といってもいいでしょう。
鮎美と若き日の未咲を演じる広瀬すず、若き日の裕里と裕里の娘・颯香を演じる森七菜は二役なので、当然似ているわけですが、それ以外に、乙坂役の福山雅治と裕里の夫役の庵野秀明も似ている。
似ていないよ、と言われるかもしれませんが、ぼさぼさの髪、黒ぶちメガネ、無精ひげと雰囲気が似ている。
かつ、乙坂は小説家、裕里の夫は漫画家と職業も似通っている。
ぼさぼさの髪、無精ひげというパーツを通して、美咲の夫・阿藤役の豊川悦司も同一線上に並びます。
この相似形は念の入ったことに、裕里の実母役の水越けいこと義母役の木内みどりにも及び、さらには裕里の家で飼われることになる犬にまで及びます。
同じ犬種の大型犬が2頭。
この相似形が美咲と裕理に及ばないところが難点なのですが、これを最後に、乙坂が撮る鮎美と颯香の写真を牛腸茂雄ばりの構図に仕立てあげることで、相似形を生み出しています。
こう考えると、個人的には若き日の乙坂役を八代目市川染五郎に演じて欲しかったところ。
そう、松たか子の甥です。
徹底した相似形のマジックとしてのキャスティング。
そんな妄想も膨らんだわけですが、追記もこれまで、といたします。
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