真実のレビュー・感想・評価
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真実か見栄か、優しい嘘か
という話。家族だけでなく色々な人間関係は真実が全てではないということ。
別に良かったけど、冗長なんだよな〜。2時間弱とは思えない長さ、というかテンポの悪さ!邦画にありがちなテンポの悪さが出ていて、ぽつぽつ話す日本語の台詞ならあのテンポがぴったりハマると思うが、流れるようなリズムで話すフランス語の台詞であのテンポは変。
それにしても俳優陣の豪華なこと。俳優陣の豪華さを活かすためにちょこちょこシーンを足した結果、全体的に冗長になってしまったのかもしれない。そう思いたい。
しかし私の大好きなリュディヴィーヌ・サニエがあんなにチョイ役だなんて泣きそう。てか泣いた。でも相変わらず可愛らしくて素敵やった。
海外向けの是枝監督ワールド
カトリーヌ・ドヌーブとジュリエット・ビノシュが演じていても、世界観は、是枝監督らしい作品。
出来れば、日本版も作って欲しいなあと思いながら、三田佳子さんと宮沢りえさんとかってどうかなとか想像してみたりして。
たとえ海外で製作しようと自分のスタンスを貫き通した是枝監督に敬意を表する!
やっぱり家族だよね。ず〜っと描き続けてきた。子どもも出てくるし、たとえフランスが舞台でも是枝作品だと思った。ドヌーブとビノシュの関係性は、ベルイマンの『秋のソナタ』のバーグマンとウルマンを思い起こさせた。有名人の母と娘という… でも、ドヌーブの方がかわいい感じ。記憶ってやつは、ニュース映像のように客観的なものでなく、主観的なものなんだよね。自分に都合の良い方に覚えている。そんなことを思った。あまり期待していなかったけど、意外におもしろく観た。
カトリーヌドヌーブの演技は圧巻。ドヌーブの特徴を上手く是枝監督が活かした見事な映画
今さらながら昨年公開された日仏合作映画真実を観た。もちろん字幕で。フランス映画は個人的なイメージで疲れるイメージがある。このイメージを上手く活かした是枝監督のプロデュース力が見事。内容はイメージ通り疲れる内容だが、カトリーヌドヌーブの女優としての演技、オーラに圧倒された。晩年の女優の演技力の苦しみをドヌーブは見事に活かした。また、フランスの名優カトリーヌドヌーブを上手く活かした是枝監督、そしてカトリーヌドヌーブの圧巻の演技力に敬意を表して。スクリーンでは見ていないのでスクリーンなら内容含めて3.5点だが、CS・BSで見るとやはり1点プラスしたい。
記憶はあてにならない
フランスの大女優(カトリーヌ・ドヌーヴ)が自伝を出版、アメリカからやって来た娘(ジュリエット・ビノシュ)一家だが、娘は自伝が事実と異なると息巻いてしまう。
新作映画の撮影と絡めて、親子について考える。
是枝裕和監督は子役の使い方が絶妙だが、やはりカトリーヌ・ドヌーヴの存在感はけた違いで、今も美しい。
美しい庭
劇中劇の多重構造は、詰まるところ女優達を撮る監督自身の物語のように思えてくるが、そのコミカルさをカトリーヌの演技は見事に体現している。しまいには、何もしていないのに笑えてくる。
ストーリーを支えるジュリエット。記憶はあてにはならない。今の関係を今の自分にとってどう再評価するか。家族のあり方は転じえる。
ストーリーとは関係ないが、冒頭とエンドに映るフランスの庭の美しさに感銘。
しっかりと“日本映画”に仕上がっている
■昨夜はカトリーヌ・ドヌーブの「真実」を観た。日本人是枝裕和監督がヨーロッパの稀代の大女優を使っての母娘もの。
しっかりと“日本映画”に仕上がっていることに驚いた所以。
壮大な「欧州歴史ドラマ」や「沈鬱なEU 社会問題」が起こるというのではなく、こぢんまりと、家庭内のすれ違いが、わずかな身内だけで語られている。
つまりは「参観日の思い出」「ボール紙のドールハウスの修理」「おばあちゃんのお仕事場見学」「娘の意地」「喧嘩」
・・山田洋次の「家族はつらいよ」的な。
■このコンパクトな“ウサギ小屋”映画が、どれだけヨーロッパで評価してもらえるのかは不明だけれど、是枝ワールドが日本人の僕には実にしっくり来たので大変面白かった。
(実際、矢口作品や三谷作品よりもずっと可笑しくて僕は各所で声を出して笑いましたもん)。
■ドヌーブの出演作は、近年では「ルージュの手紙」で、どこまで行っても近寄り難く、結局は圧倒的に個人主義のフランス人の生きざまをドヌーブvs. カトリーヌ・フロ母娘関係にも見せつけられたものだが、
本作は、ドヌーブに抱かれて涙ぐむ娘とそれを見守る脇役たちのこぢんまりとした大団円で物語が幕をおろすのだ。
日本人にキャスティングを置き換えて想像すれば、八千草薫、山田五十鈴、高峯秀子辺りの大女優を主役に据えれば、「女優一家の悲喜こもごも」は我々鑑賞者にも違和感なく、この母娘もののストーリーは邦画としても成功しただろうと思う。
“7年に1度しか帰宅しない母親”というモチーフの劇中劇が挿入されることで、母親不在の女優の家の穴の大きさが浮かび上がってくる。
娘リュミエールが母ファビエンヌに訊くのだ
「さっきの演技、何か思い出したの?お母さんのこととか?」
母娘4代のストーリーが動き出した瞬間だ。
ドヌーブのお守り?の小さな三角と、娘リュミエールのお守りのチープなドールハウスと、孫シャルロットのお守りの絵本と、そんな少女時代の小道具がいい味わいだ。
このそれぞれは、(たぶんあの三角も)女たちが子供時代に親からもらった宝物なのだ。
「サラ」に触れないファビエンヌの自叙伝だが、彼女の「母親」についても映画は触れない。自叙伝の真空の部分だ。
で、ファビエンヌはリュミエールの問いには黙っていて答えない。
そして主客逆転が起こる
生涯女優としてしか生きられなかった母親に、脚本家の娘はシナリオを献呈して母親を演じさせてやる。
婿は義母を称える歌を作る。
夫は優しくファビエンヌをたしなめる。
孫は女優を目指し、執事は戻ってくる。
丸く収まり大団円なのだ。
いずれ亡くす母親との、佳き数日。“間に合った感”で満ちるエンディング。
このDVDは何度も繰り返して観たい。一生心に残る名作だ。
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【気づいたこと】
①ウイットとエスプリを利かせた台詞。どれも意地悪くない。
こんなにも胸を打つ台詞を胸懐に蓄えて、役者の口を借りて自在に繰り出す是枝裕和という人は、脚本家としてもやはり天才だと思う。
②カトリーヌ・ドヌーブは、目がキョロキョロ動いて=首は回さない。首で振り向かないで彼女は立派な体ごと相手に向きなおる。
これはどうしたことか。むち打ち症でもやったか、首が太いのか。
あるいはシワを嫌い、大女優として首すじに老化の色を出さないために自制して首を回さないようにしたのか?
宿題ができた、旧作を観て確かめてみたい。
真実とは何か
意思を込めて書くとそれが真実でであり、事実を脚色することなのか?真実とは不要な事実を省略することなのか?はたまた都合の悪いことは記憶の外に葬り去ることか?
いろいろと考えさせられる作品でした。
予算不足が祟った話。
「大女優が、自分の人生の、あることないこと書き散らした自伝」の中身に振り回される、周囲の人たちを、淡々と、まさに淡々と描いた作品です。
大女優という役柄を演じる大女優。
それはそれで良いのですけど、映画の中ではとっても小さな家に住んでいて、むむむ、ホントに大女優の役なのかよ、と、それが最初の疑問点。
これはいったいなんの伏線なのだろうかと思って身構えていたのですが、どうやら単なる映画の予算の問題らしく、アメリカ(一般人の平均的な家でも巨大)からやってきた孫のセリフで「お城みたい」と驚く(つまり観客に念を押す)シーンがあるものの、それでもどこからどう見ても絶対に城どころか中流の下クラスの小さな家が主な舞台で、ほとんどのシーンがこの家の中で撮影されており、つまらないことおびただしい作品でした。
無理なセリフを無理やり言わされている子役がかわいそうで。
カトリーヌ・ドヌーブにギャラを払ったので残った予算が極小だったせいかと邪推してしまうほどでしたが、もう少し、いやもっともっと、脚本が面白く練られてないと、ぜんぜん乗れなかったです。
2重3重に重なる。何度でも見返せる
母と娘の秘めた思いが 重なっているのは、涙が出る。 言えない真実を外に出して晴れ晴れとしたいい読後感あり。家族は似た者同士が一緒になるというが、そこに撮影など2重3重の暗喩と
類似。 本当の思いは自分でもなかなか言葉にできないもの。それが難しい。ずっと長く長く秘めた真実の思いを持つ親子。長い長いとき。もう新しいことはない。というセリフが、悲しい。がその逆を行く心情に深い深い監督の人間愛を感じる。
読み解く力が必要で、依正不二がうまく使われていた。現実感のある人にしかわからない現実の先の創造に温かみを受けた。真実は感じさせる。プライベートの現実とオーバーラップさせる技術を持っている監督ではなかろうか? 心情を読み解けると楽しめて、感情移入できる作品。おすすめ。見る側の人間味が試される作品。
お茶目なドヌーブ
私、邦画よりもハリウッド作品よりもフランス映画が好きなのですが、そう言えばこんなお茶目なカトリーヌ・ドヌーブを今まで観たことがないかもしれません。それと、コメディとまでいかないギリギリのラインにドヌーブを寄せていたところ、是枝監督のセンスを感じてしまいました。
女優というのは、真実が分からなくなるほど、脚本やクリエイティブなものに支配されている。これは映画作家も全く同じ。だから、ドヌーブがブリジット・バルドーを皮肉っているシーンは、是枝監督のクリエイターとしての本気度を感じました。それに、ドヌーブに言わせているのも、シニカルで好き。
是枝監督の初期作品は、どこかドキュメンタリータッチの雰囲気がありましたが、今作もドヌーブの密着ドキュメンタリーフィルムのように見えて、面白かったです。次は、イザベル・ユペール&是枝監督を観てみたいです。
敢えて吹き替え版で鑑賞。
芝居でしか繋がれない親子。その絶対の自信を持っていたものにモヤがかかった頃、自分の存在価値を再確認する。芝居がなくなったらどうやって生きていくのか。でも確かに親子の愛があった。出演した作品がきっかけで、それに気づく。ごねてる様子は子供そのもの。可愛くさえ思えた。最後もやはり芝居で心から親を喜ばせた。思えば日常は芝居でできているのかも。これを言ったら相手が喜ぶ、傷付く、など考えながら態度や言葉で表す。うーん、深い。しかし本来親子の年齢の2人が逆の立場で演技するってどんだけ高レベルだよ。でも確かに親子に見えました。宮本信子の声はぴったり。そしてうまい!宮崎あおいはちょっと子供っぽすぎるか。
文化の違いは伝わりにくい?
是枝監督の映画と言う「期待」がなければなかなかな映画。 でもそうと知っていると何か足りない。
素晴らしキャストと、 是枝監督トレードマークの子供役者からビックリすほどの演技力を引き出すパフォーマンス。 その上にいくつもの言語を自然と扱っている様子。
でもやっぱり、 いつも期待している感動や感情が足りない。 普段とっても深い意味のある映画が、 何だか割と通常なドラマになっている。 是枝マジックが欲しかった。
それほど大仰なことは起こらないが
期せずしてプチイーサン・ホーク祭りになっております。ドヌーブとビノシュのガチンコ親子対決にあたふたする娘夫役が妙に似合います。ガチンコは言い過ぎのマイルドさでしたが。
ジャックさんは専属料理人かと思っていたら、同じベットで寝てるから現恋人(夫?)なのですね。さすが恋多き女ドヌーブさんです。知らずに適当なことを書いております。「女優」という人たちの業の深さを垣間見ることができました。ただ、言われなきゃ絶対に是枝作品だとわからないのではと思います。
大女優のオーラが
まず先に言いたいのは、
是枝裕和はドキュメンタリーの監督であるということ。
これを忘れてはいけない。
彼が描く作品は、このスピリットが失われていないので、
叙情的なシーンなど、「は?なにこれ?」となるケースが多い。
しかしこれはドキュメンタリーですと前置きすると納得するケースが多い。
今回の作品もカトリーヌ・ドヌーブのドキュメンタリー作品ですと思って鑑賞すると、
往年の大女優は今でも健在で、イーサン・ホークが小さく見えることが何よりそれを表している。
そして前半眠たい展開も、後半になるにつれて、
なるほどこう来たかというセリフの往来。
前半から魔法使いが亀にのくだりは面白かったけれど、
後半、娘との距離の取り方や、執事とのやりとり、
カトリーヌ独特の表現のしかたに、
あぁ、やっぱりこれはファビエンヌではなく、カトリーヌのドキュメンタリーだと気が付く。
シャルロットもとってもよかった。
シワシワのおばあちゃんなのに、真っ赤なマニキュアを忘れない。
胸よりお腹が出っ張っている体型なのに、シルクのパジャマとか着ちゃう、
犬の散歩なのにあんなに着飾っていく。
あぁ、ホントに彼女の日常を観ているよう。
特にエンドロールが私のお気に入り。
なんてことないシーンなのに、すごく惹かれる。
これが是枝監督のやり方なんだなと思った。
あらゆる役者をリスペクトしているからこそできる表現。
しかし編集がきっと別な人なのだろうと思う。
あちこち本当に雑で、
日本人独特の余韻は清々しいほどカットされている。
そういえば、これは母と娘の確執の話だったはずなのに、
終わってみれば、そういえばそんな話だったねと思う始末w
カトリーヌ・ドヌーブ様を愛でる映画♪
それぞれの家族にとって真実とは何か。
脚本、役者、映画、すべて虚構の嘘だけれど、その中に想いを忍ばせて。
反発しつつも少しずつ近づき、かけていたものを補い始める母娘、じれったくてコミカルで愛らしくて、とてもかわいかったです。
母娘も夫婦もあんなにずけずけ言いあえるのは。。。お国柄?日本人にはびっくりするけどいい愛がまた軽妙で、悪びれないところが腹立たしくもチャーミングでいとおしい。なんだかカトリーヌ・ドヌーブ様を愛でる映画でした。
カートリーヌ・ドヌーブ
カートリーヌ・ドヌーブありきの映画。
大女優が大女優本人の役を演じているようにしか観えない。
その位リアリティがあった。
ビノシュとのやり取りも自分の娘ともそうだったのでは…などと想像してしまう。
イーサン・ホークとの絡みも勝手の美貌は何処へやら恰幅がよくなって老いも隠せない姿であるにも関わらず何か危うい事が起こってしまっても無理の無いような魅力を感じさせる。
ストーリーはいつの世も私の身近にもある母の愛を求めるが故に攻撃的になってしまう娘と女優を演じるためなら全てを犠牲にしても良いと言い切る母の物語。
そこにダメダメな男共が絡み意外と真実をつく言葉を放ったりして…
特にイーサン・ホーク良かったです。
あと今回是枝監督に見出されだマノン・ルノワール。
美しく清楚でそれでいて確かな演技力があり、かって主人公のライバルと目されていた女優の再来と言われる役どころをしっかりと演じていた。
是枝監督の新人を見出す目にはいつも感心させられます。
子役の女の子二人も良かった。
母と娘の関係に何かしら思いがある方にはぜひ観て頂きたいです。
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