勝手にふるえてろのレビュー・感想・評価
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松岡茉優の演技に痺れる
ここのところ毎日のように「勝手にふるえてろ」が傑作との噂が四方八方東西南北上下左右から両耳に飛び込んでくるので、機をみて見に行ってきました。
数年前に綿矢りさ氏の原作小説を読んでいたこともあり、また、桐島以来の"まゆゆ"(松岡茉優氏のことを小生はこう呼んでいます。もっとも松岡氏はアイドルの中ではAKB48よりむしろモーニング娘。を好んでいるわけですが)支持者ということもあって、楽しみにしていましたが、松岡氏初主演にしてその表現力がいかんなく発揮された怪作であり、間違いなく傑作だと思います。
小説のストーリーに忠実であり、小説内での印象的なシーンをストレートに描写する場面はことごとく素晴らしく、また、炸裂し独走していく妄想シーンを飽きさせないよう幾つかの描き方で描ききるところにも唸らせられ、大いに笑わせられました。
エンディングも、とっっっっっっっっても印象的でした。
むろん、《二》を演じた渡辺大地氏の、観る者の感情を必要以上に揺さぶる豊かな表情変化(へんげ)も、特筆すべき美点です。
脚本もさることながら、演出が非常に素晴らしく、監督の非凡な才能が銀幕狭しと満ち満ちておりました。
ここに、再度観に行くことを誓います。
錦糸町楽天地シネマで鑑賞した直後に著す。
一と二 か
記号化されてる訳でもないだろうけど、頭の中で整理するには便利か。
反芻される記憶は本当にあった事なのか次第に不安になる。ましてや他人の脳内世界。関わりたくない気がする。
歌で心情を吐露するアイデアは秀逸。テンションをキープしたまま現実世界に繋げてる。
一人でいるのが楽だけど一人は寂しい
面白かったなぁ。
中学時代の片想いの相手を10年間思い続ける良香(松岡茉優)が、会社の同僚に思いがけず告白され、人生が狂い出すという物語
長い間、孤独でいることに慣れてしまうと、周りにある全てを否定して一人で生きていくことの方が、人とわずらわしいコミュニケーションをとるよりも楽だと思ってしまう。
彼氏だって、妄想の彼氏が優しくしてくれればそれで満足してしまう。
でもそれは時代の変化についていけずに絶滅してしまった生物たちと一緒で、そのままでは周りの人たちから忘れられていってしまう
孤独でもいーんだーと思いつつも、それはそれで寂しくなって生きていけなくなってしまう
だから、人は成長する過程で、ぶつかり合っても人とコミュニケーションを取って生きていく術を学んでいく
この映画は、その少女から大人へ成長していく段階の女の子をとてもリアルに描いている
少女時代の美しい思い出を捨てる切なさも、初めて彼氏ができる時の動揺と恥ずかしさも、うまく周りに接することができない不器用さも、全部ここに詰まっている
私も、その頃の自分を思い出しつつ、いちいちドキドキしながら観ていた
もしも少女から大人になる段階で、うまく素直になれず、周りを傷つけながら、自分も傷ついた経験があるなら、ぜひ、この映画を観て欲しい。
かなり、こっぱずかしいあの頃の自分がそこにいるはずだから。
主役の女優は50代の私でも…
名前を記憶しておかなければ。と思わせる演技力だった。作品は本が命だと思うが、このキャスティングだから成立するという場合もあるなぁ。上映館が限られてるので、埋もれがちだが、名作とはえてしてそういうもの。
後半から急に嫌いな映画になった。
新年に相応しくスカッとした映画を見たいと期待していました。
予告編の印象通り、とても楽しくひねた笑いも小気味よく、当たりだなと思っていました。
ところがところが…。
後半から気分がどんどん悪くなる。
登場人物が嫌な人たちに思えてなりませんでした。
主人公の松岡茉優ちゃんが、ただのエゴイストに思えて、その印象がなかなか拭えない。
あああぁ、なんて勿体無い映画を見てしまったのだろうって感想です。
良かったっ!!
還暦越えじじいには驚きの秀逸小品、愉しかったです。原作が人間や社会を拗ねのない観点で緻密な観察をしてる。デフォが健全な感覚だと思う。並のセンスだとイチやイチ似(自分に似ている他人)を捜して、恋愛や結婚をして見事失敗するストーリー(現実?)になるけど、主人公ヨシカはエゴを妄想に閉じ込め、行動も発言もヘンテコ試行錯誤を重ねて、未来的な目標、結婚願望を果たしていく幸せな人に見えた。綿矢さん未だ30前後でしょ?いずれ人間賛歌の大作を書くのかもね。大九明子監督とスタッフはかつての鈴木清順組のように見えました。脚本や演出はヨシカを見事に愉しげに表現してるし。緻密で気遣いの繊細なアート、カメラは柔軟でフットワークが良いし。挿入歌(アンモナイトの歌?)は、本当は笑っちゃいけないかもね、でも前の席のおっさんもゲラゲラ笑ってた。
松岡茉優さんは、私の時代だと美貌は和泉雅子か松原智恵子か(昔のアイドル女優は演技なんてなかった、可憐だけど)、演技は大竹しのぶみたいだった。すごい長セリフが流暢だった。瞳が徐々にキラキラしたり、うつろになったり、涙目がまっかだったり。舞台女優さんみたいな見事な演技でした。美人って生きるに有利だね、しかめ面まで綺麗だった。それでこの秀逸女優さんはダンスもうまいのでしょう? かなわん。 本当に愉しい2時間でした。アリガトゴザイマシタ。
直視するのが痛い人に向けた映画
これは凄い。ネイキッド という単語が脳裏に浮かんだ。時には軽やかに、時には剥きだしに。松岡茉優という底知れぬ存在に震えを感じる。
非モテの地獄廻りというだけでなく映画的スイングも体験させる大傑作!ただし観る人を選ぶタイプの映画。
ひと昔前の実験的映画のような作りであるのだが、今日的な新しさに満ちており古さは全くない。その辺の手腕もスゴイと感じましたな。
是非、海外での配給を!
原作は未読ですが、綿矢りさがここまで、キレまくった女の子を描いていたとは驚きでした。また、脳内に充満した妄想をここまで、遠慮会釈なく描破しきった大九監督の手腕も鮮やかでした。松岡茉優の迫真の演技にも拍手、です。できれば、海外にも配給してこの極めてユニークな作品を知らしめてもらいたいものです。(尤も、そうなったら、膨大な量の字幕が必要になるのでしょうが・・・)☆を半分減らしたのは、最後のセリフの意味が、私の頭の中で消化しきれなかったからです。「勝手にふるえてろ」って、一体、どういうことなのでしょう。うーん、判りません。
そうは云っても、見終わった後、ことばでは云い尽くせない爽快感が残る作品です。2017年の日本映画を象徴する一本であることは、間違いないでしょう。
怖がらずに接する。
他人との距離感は、難しい。
仲良くなりたくても、反応が怖くて、実際には話しかけることもできない。
それでも人生を後悔しないためには、怖がらずに自ら他人と接する必要が、時にはあるということかな。
松岡茉優と愉快な仲間たち♪
この映画は、松岡茉優あっての映画。ぎゅっと直球!のポスター&ちらし写真を見てから、これは観逃せないとそわそわしていた。監督は、松岡とはこれで3作目という大九明子。女性監督だから、という括りはしたくないが、主演と同性だからこそ、の強みは確かあると思う。演じ手と創り手、この2人ならではの化学反応が随所に光り、爆発し…最後はスカッと爽快な気分で席を立つことができた。
長男6歳は、「ストレイヤーズ・クロニクル」あたりから松岡茉優さんがお気に入り。そのくせ、「今日の映画に出ていたね」と教えても、ピンとこないと首をかしげることがある。作品ごとに、雰囲気がここまで異なる若手俳優さんはなかなかいない。今回、彼はかなり翻弄されており、隣で興味深くちら見させてもらった。
幸福と不幸、情熱と滑稽さは紙一重…という法則と、それに裏打ちされた若気の至り。映画や小説で語り尽くされたような題材を、松岡茉優演じるヨシカとその仲間たち?!が、ミュージカルシーンも織り交ぜながら、身体いっぱいで体現し、ぐいぐいと惹きつけられた。変わり者扱いされても自分に満足、日々は幸福…だったはずのヨシカの生活は、同僚「ニ」の出現で突然揺らぎ始める。キラキラしていたはずの隣人たちとの関係が、実は…というくだりは、現実を思えば当然と思いつつも、ため息をつかずにいられなかった。(駅員さん、バスの隣の席のおばさん、釣り好きのおじさん…と、こちらも魅力的・個性的な顔ぶれが揃っている。)だからこそ、ヨシカがおばさんに話しかけ、帽子を褒めるところは本当に心温まった。帽子、前から被ってたっけ? 気づかなかっただけ?見ようとしてなかっただけ?と反芻しながら、顏がやわやわとほころんだ。(ヨシカ、かわいい!)
迷走の末にたどり着く「ニ」との結末も言わずもがな。にんまり。幸せ。映画を観終えたあと、「一とニどっちが好き?」と愚問を投げ掛け、「もちろんニ!」「ニみたいな男の子になってね!」と私と友人に即答されて「ええー」と戸惑う6歳児。まだまだ青いな…と思う年の瀬に。じんわりと体温が上がる映画なので、公開時期通り冬向けながら、敢えて灼熱の真夏にも観てみたい。あわよくば、「ニ」演じる渡辺大知さん主演の「色即ぜねれいしょん」と二本立てで!
物凄い見応えあります!刺激が強い!
笑いもあります。
松岡の演技が本当に素晴らしいです。
ストーリーも強烈でした。
ラスト1時間くらいは黒ーい感情に心が支配されてしまう強い影響力があります。パワフルな映画です。
鑑賞後の自分の感情を見て★を計上することにしていまして、私は★少なめとしたのですが、こういう訴えかけてくる映画が好きな人には確実にオススメできます。私には刺激が強過ぎまして、少し苦手でした。
松岡茉優最高かよ!
拗らせ系映画の最高峰だ。
松岡茉優は高い期待を更に上回り、石橋杏奈も無難に良い。来留美と仲直りして欲しいなぁ。
北村匠海演じるイチ、なんか分かるなぁ。虐められ方は様々でヨシカと共鳴できる訳もなく。殆ど話さず端見じゃあ名前を覚えられる訳もなく。(あそこで逃げ出さず1歩踏み出せば進展もあったかも?)
そして、渡辺大知が演じるニのダサ良いウザ良いイタ良いの三拍子揃った役柄が絶妙だった。(渡辺大知って何者だ!?)
みんなイマイチ(どころか全く?)冴えないのにみんな魅力的なんですよこれが。
それにしても、若手女優が放送禁止用語をこんなに叫びまくる閉鎖的かつロックな映画を見られるとは思わなかった。
勝手にふるえる!
少々めんどくさい女性と、お馬鹿な男性に、とても微笑ましく、愛着が湧きました。
人は日々孤独と闘っているのだとわかっていながらの主人公の心の葛藤に、なるほど!となりました。
ワンルームでヘッドホンを爆音で聴いている場面は何度見ても良いです。
笑ったり泣いたりする映画に出逢えたのは久しぶりです。
小説と、綿矢りささんも気になります!
イタイイタイイタイイタイ
イタイ。でもその本質を本人も他人もわかってる風味で生きているのが、人間社会なんでしょうね。
そんな世界を、更に拗らせちゃった人達(そう、主人公だけではない)が拗らせプリンセスの爆発によって、混乱と認識を果たす物語。…と、書いてみると今一つなんだけれど、素晴らしかったなぁ♪まぁ何しろ主演が素晴らしいが、回りのイタイ人達もとても魅力的でいとおしい。
そして、自分に落とし込むとオソロシイ。中々の重さをもった変化球で、暫くしたらまた味わいたくなりそうです(笑)
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