リトル・フォレスト 冬・春のレビュー・感想・評価
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春は始まりの季節
冬の山里は美しい。静かだ。雪景色の中に佇むと、心が浄化される気がする。しかし!そんなふうに酔っていられない!雪かきという、命に関わる重労働を、やらなければならない! それさえなければ、あったかい家の中で、ごろごろしてるのは至福なんだけど。
収穫した野菜をいかに長期保存するか。冬を生きていくためには、夏秋から計画しておかなければならない。いもの保存にかなり気をつかうと、初めて知った。加えて、生産者から自分のところに来るまでに、どれだけの人の手間をかけて、食材が加工されていたかもわかった。都会で生きるって、やはり便利さをお金で買ってるんだなぁ。
そして、水ぬるむ春。あたたかいとうれしい。また、次の一年の生活のスタートだ。一年、自問自答しながら、必死に生きてきたいち子。小森を離れ、また帰ってきた彼女の顔は、キリッとしている。
淡々としていて、地味な作品だが、地に足が着いているというか、なんか、いいものを見せてもらった、と思った。観終わって、何とも言えず爽やかな気持ちになった。けっこう忘れられない作品になりそう。あと、四季があるってほんといいなーと思った。日本の四季、最高!
BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。
もんしろ蝶を見ると、きっと毎回思い出す。
たんたんとした前作『夏秋』を踏襲。
今作は地元の方々の出演が多いかな。
相変わらず、自然の豊かさ、恵みが美しく描き出され、地味豊かな料理にそそられる。
閉校した学校や村が主催した説明会・寄合も出てきて、さりげなく過疎化した村の様子も描き、日本の地方・原風景と言いたくなる世界を描いている。
けれど、神楽のシーンですべてが絵空事になる。
いち子のふっきれた姿とも見て取れるが。
いち子演じる橋本さんの所作が洗練されすぎているのだ。
とてもじゃないが、地域の人々の年に一回の発表会に見えない(しかも最近復活したばかりの設定)。
神楽が好きで練習を重ねたという設定であったにしろ。
地に足ついた土着のというより、天女の舞。
プロとしての舞であって、素人の舞ではない。
(「フォトギャラリー」の橋本さんも、雪女かマリア像かと見まがう美しさ)
(『夏冬』編の時の、鴨を裁く時の一生懸命さ・ぎこちなさとの対比)
(協力してくれた地元の方の前で踊るから、わざとぎこちなくは踊れないのだろうが)
同じく、三浦氏、松岡さんも彼らだけを観ると好演しているが、地元の人に混ざると、やはり都会から地域に訪問に来ている感が半端ない。
キッコの祖母・祖父が地域になじんで、現地雇用かと思ってしまうのとの対比。
若手3人は方言のイントネーションではないし。
(岩手出身の女優・北上さんの発音と比べたらかわいそうかもしれないけれど)
それでも、相変わらず自然は美しいし、料理はそそられるし。
気持ちは洗われていく。
映画としてはどうかと思うが、イージーリスニングならぬイージーウォッチングな映画。
★ ★ ★ ★ ★
それにしても、キッコの祖母は声だけ聴いていると、『トトロ』の北林谷栄さんに聞こえるなぁ。
田舎暮らしのHow to動画ではないところがいい。 そして単にスロ...
田舎暮らしのHow to動画ではないところがいい。
そして単にスローライフを目指して田舎暮らしに
憧れる甘ちゃんにこの映画を観てほしい。
田舎暮らしは豊かだが、こんなにも大変で、
単にのんびりできる暮らしではない。
ここで描写された以外でも、村での役割分担など
大変なことは山ほどある、に違いない。
とても参考になる。そしてほっこりできた。
驚き
生命への共鳴。桐島カレンが神の映画。食うと言う行為のエロティシズム。なにげに使ってる道具類が実は高そう‼️最後に日本に於ける家族とは何かと言うとんでもない巨大なテーマに導かれる🎵その果てに訪れる神道的世界観。終始一貫した美しい日本の風景。全てに宿る神。そして最後の最後に神が神を叱ると言う驚愕の絵面。神は爺婆の姿で現れる🎵紋白蝶を殺す母、青虫だけは許せぬ娘。そして神は神楽として降臨す。その様は周辺の自然でありそこに暮らす村人であり、そこで採れる食材である❗
田舎暮らしに憧れる。
小森(リトル・フォレスト)のような寒村に移住して、自給自足の生活をする。
そんな夢を見ています。
いち子(橋本愛)の小森の暮らし。
食べ物(自然の恵み)を大切にして、慈しみ食べる。
dishが全て素朴で美味しそうです。
お米(+もち米+豆類)
野菜。
山菜。
胡桃に栗。
ジャム(グミのジャム・・・出て来なかったけれど、山葡萄やコクワもあると思う)
全て自給出来て足りないのは卵と肉そして牛乳くらいか?
ニワトリを飼うと卵と鶏肉(動物性蛋白質が全て補える)
魚は小森に海はないので、川魚(岩魚)を釣ったり養殖場で貰ったりする。
岩魚(イワナのマリネは美味しい・・・アジのマリネは母が作ってくれた)
今は都会暮らしの私。
空気が汚い。
雨も汚い(雨降り後のベランダの淵には白い粉や黄色のシミがベッタリとつく)
洗濯物の外干しは3年前からやめた。
家族のアレルギーも酷い。
花粉症に加えて食べ物アレルギー(最近は果物アレルギーが酷くなった・・・林檎でさえ喉を詰まらせる)
子供の頃は田舎に住んでいた。
ニワトリを飼っていて卵を食べ、時には父親がニワトリを絞めてモツ鍋を美味しく食べた。
甘塩っぱいダシに鶏肉と腹の中の卵の黄身だけになってるのは、味が濃くて最高だった。
(父親が鶏の首を切っているのは怖かったが平気で食べていた残酷な幼い日の私)
野菜も作っていた。
ジャガイモ掘りは感動だった。
山に行くと野イチゴが食べられた。山葡萄は苦いがジュースやジャムにすると驚くほど濃厚だ。
母親も料理好きで、石炭ストーブにオーブンを乗っけて、クリスマスケーキを焼いてくれた。
もっと簡単なクッキー(ビスケット)は止まらなくなって食べ過ぎ、子供の頃は肥満児だったなぁ。
私も結構、田舎暮らしの思い出がある。
果樹園に母親が買い出しに行く。
千両梨と言う固くて消化の悪い梨を買ってきた。
林檎も大きな木箱に入っていた。
当時は長期保存に箱の中にもみ殻を入れていた。
欠点はもみ殻の匂いが林檎にこびりつくこと。
今は良い。
冷温倉庫で長期保存が可能だ。
子供だったから山菜には興味がなかったけれど、アイヌネギ(今は行者ニンニクと言う)は、
子供心に甘くて柔らかく美味しかった。
正月には5升くらいの餅を注文していた。
つきたてのお餅をソリに乗せて運んだものだ。そんなに食べた記憶はない。
私の記憶の中で、餅は特にご馳走ではなかった。
(却って大人になってから初めて、家の餅つき機でつきたての餅を、納豆や大根おろし、あんこ餅の美味しさを実感した・・・当時はつきたて餅は自宅で臼でついた人だけの楽しみだったようだ)
自給自足で生きていけるのなら、老後の生活の不安は解消する)
足腰が立つうちは働けば良い。
寝たきりになるその前に、
「楢山節考」
この思想は、かなり合理的であるが、
残酷でもある。
もっと良い方法はないのかな?
続編の冬と春。 この映画はやはり料理。カレー美味しそうだったなぁ。...
続編の冬と春。
この映画はやはり料理。カレー美味しそうだったなぁ。
タラの芽とか、わらびとかフキとかウドなどの山菜。やっぱり山菜は天ぷらだなぁ。
毎年山菜を送ってもらってるけど、やっぱり春を感じる。
厳しい冬を越えたからこそ美味しいし、桜がすごく綺麗だし、春が待ち遠しいからこそ春は気持ちが良い季節なんだろうな。
そんな故郷の良さや故郷のことを考える映画だった。
伝承
母からの手紙が届いた秋。そして外国人のおじさんが訪れた思い出。彼は母親の恋人だったのだろうかとも感じてくるいち子だったが、あまり気にかけてない様子だ。母が恋しいとか捜してみようとかも一切思わないいち子。子ども時代を思い出し、冬はもちを食べる。砂糖醤油たっぷりの納豆モチ。凍み大根は知らなかったよ。
冬から春へ。山菜採り。そういや、家にも山菜やキノコの本があったことを思い出した。たらんぼ(タラの芽)の天ぷらなんて、ちょっと個人的にも親の料理を思い出してしまう。あまり好きじゃなかったけど・・・
韓国リメイク版にもあったジャガイモパン。ネットでちょっと調べてみてもレシピは豊富にあるけど、この味が母の料理を越えられるかどうか。何だか美味しそうだけど、ジャガイモそのままでもいいような気がするずぼらな自分。
それぞれの季節のパートは全て小森の紹介から始まるこの2作品。1st dishから7th dishというレシピ動画にして描いているのですが、最後の「春」は主人公いち子が小森から去っていくという話。しかし、オマケのdesertに5年後の小森が描かれていて、どことなくハッピーエンドになっているような。
1人で農業を営み、自分用の食材も豊富。自分の居場所を見つける成長物語というより、食べさせる相手を見つけるためのストーリーが描かれてないだけで、存在しているのは確か。友人のキッコにしてもまた同じ。家庭菜園ブログが流行っていたこともあったけど、それを美しく描いただけのような映画かと思うとちょっと残念。
落ち着いてる時に見たい映画
「夏秋」が良かったので引き続きみました。
山の自給自足暮らしを疑似体験した気になりました。
厳しい自然とその恵み。そこで暮らすプライド。
田舎暮らしの良い面を楽しめる映画でした。
湯気も美味しさの一つ。
小森の冬の生活。商店のない村。
冬は雪で覆われる。雪の中から野菜が出てくる。保存の野菜たち。干した大根が寒さで凍って凍み大根をつくる。煮物にすると味が染みて美味しく食べられる。お餅も臼でついて納豆餅。何もかも手作りでつくる料理は美味しそう。おいしさは心を満たしてくれる。大変なことだけど生きている感がある。冬は作物を作ることが出来ない。夏にとった山菜を塩漬けにして保存する。手間と時間がかかる。知恵がないと暮らしていけない。
山の恵み季節のものを頂く丁寧な生き方。
自然なもので作られる料理が贅沢な気もする。
焼き芋が熱くて湯気がでてとっても美味しそうだった。
自然とともに生きる大変さを思い知る冬春編!
失踪した母からの手紙や
親友や後輩の言葉に、深く考えるいち子。
「私は、小森で暮らしていくのか?」
「私の居場所は?」
雪に閉ざされた厳しい冬。
都会では、モノに溢れて、
冬でも普通に食料が手に入るが、
農村では、違う。
春夏秋に収穫した野菜を蓄えて、
大事に大事に食していく。
これが本来の冬なのね、
と身が引き締まる思いがする。
春は、いろいろな植物が芽吹き、
一気に動き出す!
また、来年の冬に向けて、
野菜やお米を育て始める。
あぁ、これが生の営みなんだなぁと思う。
冬の厳しさがあってこその春の喜び、
こうやって、季節は巡るのね。
タイトルなし
最後までストーリーにこれと言った大きな起伏は無かったね(笑)
自分は夏秋のほうが良かったかな。
あまり具体的な悩みとか都会での挫折とか無くてよかった気もする。
シリーズ通して、謎解きも事件もハラハラドキドキもないし、オチらしきものもささやかなものだが、後から振り返るとヘタなハリウッド映画よりもよほど印象深かったりする不可思議。
日本が愛おしくなる
私自身ここ最近ずっと忙しくて四季を感じられずに生きていたことに気がつきました。現代は、スーパーに行けばいつでも食料が並んでいて、コンビニを利用すれば24時間好きな時に好きなものが食べられる時代です。便利なのは確かですが、食べる喜びや作る喜びから随分と遠ざかってしまっているのではないかと今作を鑑賞して思いました。里山の美しさと多種多様な食材を観ていたら、日本人なのに何故かとても懐かしく愛おしく感じました。お砂糖入りの納豆もちは、絶対に食べてみたいです。
食べて、癒されて、生きていく
食べて、マイペースで、憧れて。
都会から故郷の東北の山村に戻ったヒロインを描くスローライフ・ムービー後編。
前作は夏/秋で、今回はその続き、冬/春。
前作のラストで、突然家を出た母から手紙が届き、今回はちとドラマチックに展開するのかと思いきや、
まあ確かに、前作よりかはヒロインの背景や母親の事が描かれてた気もするような、しないような。
前半の“冬編”は基本的には変わらず。
とことん、この作風に癒される。
今回も美味しそうな地元飯がいっぱいいっぱい。
山菜の天ぷら、ばっけ味噌、獲れたてのじゃがいも…。
中でも、はっと汁。
前後編併せた食べ物で、一番食指をそそられた。
マジで美味しそう。あれなら白飯数杯イケる。
東北の郷土料理らしいが、こちら福島にはないなぁ…。
引き続き橋本愛のナチュラルな好演。
彼女が舞うクライマックスを飾る神楽も見事。
それにしても、橋本愛や松岡茉優ら可愛い子ちゃんが居る田舎なら、私はすぐにでも引っ越してしまうだろう。
…と、まあ、そんなアホ目線ではなく、
一年かけて撮影された舞台の東北の山村の風景。(劇中では“小森”とされてるが、岩手県の山村らしい)
前作での蒸し蒸しするような暑さ、涼しげな秋、
そして今回は、東北ならではの厳しい冬。大積雪と凍てつく寒さ。
軽はずみな憧れなど、一瞬で凍りついてしまう。
一転して、温かな陽光と花や木々や自然の香り立つ春。
実際の季節の移ろいが本当に素晴らしい。
後半の“春編”で、ちとドラマ的な展開が。
母が突然出て行った時の事、本音は愚痴がこぼれる自給自足の一人暮らし、幼馴染みのユウ太への仄かな想い、そして…。
全てが素晴らしい訳では決してなく、気苦労や悩み、葛藤も。
それらを抱え、自然に抱かれ、時に対しながら。
毎日、毎日、毎日、毎日…円や螺旋の如く。
いつかはまたこの地を出ていくかもしれない。
この地でやれたんだから、一度は逃げてきた都会でもきっとやれる。
食べて、癒されて、生きていく。
再び活力を育ててくれた“リトル・フォレスト”。
非常に良い作品。育てて。つくって食べて。 土筆の佃煮の次につくって...
非常に良い作品。育てて。つくって食べて。
土筆の佃煮の次につくっていたパスタがめちゃめちゃ旨そうだった。原作も知りたくなりました。
すごくよかったです。 丁寧な暮らしをしたくなる、そんな映画でした。...
すごくよかったです。
丁寧な暮らしをしたくなる、そんな映画でした。
映し出す自然の姿も本当に美しくて
いちこの、野菜などの食材と丁寧に向き合う姿がとても素敵。
はじめはひたすら暮らしの様子を記録したものなのかと思うと
ストーリーもあり、つづきが気になり一気に見てしまい
春夏秋冬とあっという間に終わりました
みなさんの演技が本当に自然すぎてドキュメンタリーを見ているかのようです。
勉強になる部分も多く、繰り返し観たくなる映画でした。
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