劇場公開日 2023年8月25日

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春に散るのレビュー・感想・評価

全191件中、61~80件目を表示

3.5恋愛要素必要?

2023年9月3日
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鑑賞方法:映画館

興奮

ストーリーは予告編でほぼ予想できる内容で、特筆すべきところはない。
(ボクシング物の王道ともいえる)
この映画の見所はやはり試合シーン。
特に横浜流星と窪田正孝のラストバトルといって良い。
2人とも体作りがすごいし、試合も本当に殴ってね?と思うくらい真に迫っていた。
窪田のキャラや佇まいは良かったし、流星の体は本物の格闘家みたいだった。
(プロテスト合格したらしい)
タイトル戦のマッチングはいくらなんでも無理あるんじゃね?と思ったが、
『クリード3』も無理あったし、映画なら多少はね。

地味キャラのハシカンは新鮮ではあったが、
流星と恋愛関係になる流れがよくわからなかった。

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イサヤ

2.0俳優映画

2023年9月3日
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キャストが豪華な映画って感じでした。
話が飛び飛びで、もう少し一人一人の心情を丁寧に描いてほしいな〜と思って観てました。

唯一の見どころは横浜流星の絞りぐらいかな、と思います。

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tomohawk521

2.5緊張感を感じず。

2023年9月3日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

横浜流星が出演した「ビレッジ」がよかったので鑑賞しました。
淡々とした感じで私的には感情移入しづらかった。内容的には世界タイトルマッチ戦の相手選手の深堀が甘いと感じました。
全体的には波状もなくいい内容ですが、映画ではなくNHKテレビの不定期で放送する特別ドラマといった趣きでリビングで家族そろって視聴後、誰かが「いいものを見せて貰った」と言いそうな感じの内容と個人的には思いました。

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ユメノトチュウ

4.0予想以上におもしろかった!

2023年9月3日
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楽しい

興奮

とにもかくにも横浜流星さんの演技が凄まじかった。
ボクサー役としての肉体改造やトレーニングの成果が確実に出ていた。
黒木翔吾という人物が本当にこの世に存在していて、スクリーンの中にそのまま現れたような錯覚を覚えたほど。
不条理な世の中を恨み、自分の至らなさに憤り、それでもボクシングに将来を託して、がむしゃらに突っ走る。
今年度の日本アカデミー賞にノミネートされるであろう迫真の演技だった。
ボクシングの敗者側にもほのかな光を当てている描写が新鮮だった。
題材的に大ヒットしづらいだろうけれど、観てよかったと思うし、できるだけ多くの観客の目に止まるといいな。

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とみしゅう

3.0不公平な判定負けをした同じ境遇を持つボクサーと元ボクサー。 荒々し...

2023年9月3日
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不公平な判定負けをした同じ境遇を持つボクサーと元ボクサー。
荒々しい横浜流星の役柄は、また幅が広がっていくなと感心。佐藤浩市も良かった。横浜隆盛は格闘技経験があることは有名だが、ライバル役の窪田正孝もけっこうすごくてびっくり。
ストーリーはよくありがちで、展開の唐突さに違和感があるものの、キャストの演技が良かったです。

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よっしー

4.0横浜流星と窪田正孝の圧巻のボクシングシーン

2023年9月3日
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なんといっても横浜流星である。
不思議な役者で、印象的な顔とたくさんの作品に出ているからか、最初は他作品のイメージに引っ張られて合わなそう、という印象を持つ。しかし、ものの10分ほどみると、彼が役になりきって彼じゃないとだめだ、となる。

この作品も、やんちゃなようで誠実さと芯の強さを持つ主人公を見事に演じている。
なによりボクサーの体つきと動きが(素人目からみたら)ほとんど違和感がなかった。
相当な努力をしたんだと思う。

窪田正孝も同様、『ある男』同様のボクサー役として、ひとくせあるライバル役を良いバランスで演じている。

そのふたりによるボクシングシーンは圧巻であった。本物の試合を観ているようで、これほどまで熱くなれる二人が羨ましく感じる。
体と心の限界まですり減らして、「楽しい」という感覚。ボクシングをしたくなる。
このシーンだけでも見る価値があった。

ただ、それ以外はというと、悪くはないが、至って普通、という感じである。タイトル的にもさきは読めているし、病気じたいはありふれた展開ではあるので、なぞっている感じにもなる。
瀬々敬久監督の作品はちょいちょいみるのだが、なんとも惜しい感覚である。

2023年劇場鑑賞86本目

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ひでぼー

4.5ボクシングシーンが最高

2023年9月2日
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ボクシング映画好きにとって、横浜流星が主役となれば当然観たい映画だ。見事に期待に応えてくれた。
サンドバッグを打つシーンもミット打ちも縄跳びシーンまで、めちゃカッコよかった。世界戦の相手役となる窪田正孝は予想外にすごくて試合も本物のような迫力があった。
そして、脇を固めるベテラン陣がお見事。佐藤浩一,片岡鶴太郎,哀川翔の3人トリオはそれぞれのキャラが立っていて,物語の良いスパイスになっていた。佐藤浩一のミット捌き,この年齢でこれをやるのは大したものだ。久しぶりの山口智子も相変わらずの存在感で素敵だった。
佐藤浩一と横浜流星の2人が同じような判定負けの経験を経て出会うというストーリー,そこはあまり語られていない。原作を読みたくなった。

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ニョロ

4.0ボクシング映画は大変だ

Nさん
2023年9月2日
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あんなノーガード打ち合いの世界戦とかあったらやばいなーと思いつつ、横浜流星も窪田正孝もかっこよかったーいい体だ。
久しぶりに佐藤浩一のしぶいカッコよさにも触れたなぁ。
人生の輝く瞬間。スラムダンクの俺はいまなんだよって感じ。

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N

4.5スポーツ観戦とは誰かの人生に寄りかかること

2023年9月2日
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最終試合が始まるまでは、どこかで見たような映画だと思って観ていた。今を生きる若きボクサーと過去に一世を風靡した老ボクサーが出会い、王者になるべくしのぎを削る。今時こんな若者がいるのか?平成中期の造形がそのまま描かれてない?と思いながら観ていたが、まあ、面白いものは面白い。飽きることなく観続けられた。
しかし最終戦が始まって以降は、うっすら感動しながら観ていた。それは「スポーツ選手から勇気をもらった」というありきたりな言葉に象徴されている。誰もが誰かの人生に寄りかかって生きていたいのだ。

老ボクサー(佐藤浩市)は、くすぶりながらも生きながらえてきた。あとはもうゆっくりと燃え尽きることを望んでアメリカから日本へ帰ってきたのだろう。若きボクサー(横浜流星)も同じようにくすぶっていた。しかし、燃やし尽くすことを望んでいた。
若きボクサーも老ボクサーに寄りかかった。自分の人生を悔いなく生きるために。老ボクサーは若きボクサーに寄りかかった。自分の人生を託す意味を含めて。そして最終戦が始まり、選手を応援する観客もまた若きボクサーに寄りかかっていた。選手の人生を自分の人生と勘違いすることで熱狂し、熱い思いを勝手に受け取るのだ。

最終戦が始まるまではどこかで見たような映画、もっと言えばありきたりで普通な映画だったのは、映画を観ている私たちが上手に若きボクサーに寄りかかるための導線だった。あれがあったからこそ、映画の観客も熱狂することができる。
と、私は人生を熱とか炎とかで表現することが好きだが、映画では桜だった。ボクサー二人が出会ってからの一年。夏から冬にかけて地味な期間を過ごし、春にぱっと咲いて散る。そのはかなさ、美しさよ。とてもいい映画だった。

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サブレ

4.5本物感

2023年9月2日
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沢木耕太郎原作、ということで物語はキレイすぎるくらいキレイにまとまってる。瀬々敬久監督だし、演出は手堅い。
しかしそれだけならまぁ秀作というところだったろう。
それをひとつ抜けた作品にしているのは、間違いなく横浜流星と窪田正孝の徹底した役作りだろう。ボクサーにしか出来ない、ボクサーにしか見えない、そういう動きを体得していた。それがドラマを本物に見せる。だからエモーションがぐっと盛り上がる。拳を握りしめて応援してしまった。
佐藤浩市のトレーナーらしさや、もう一人のボクサーを演じた坂東龍汰も良い。
ここのところのボクシング映画に必ず登場して指導もしている松浦慎一郎の果たした役割も大きかったのだろうと想像される。
観て良かったです。

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ぱんちょ

4.0本気で殴り合うど迫力。

2023年9月1日
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見応えのある秀作でした!ケンカ空手で有名だったフルコンタクトの極真空手で鍛え、空手の世界大会で優勝経歴を持つ横浜流星さん。僕も学生の頃に極真道場に通ってたけど、打たせ稽古に失神しそうになりました(笑)あの超過酷な練習を耐え抜いてきたのだから、すごい俳優さんですよ。

2020年の「君の瞳が問いかけている」でボクサー役が見れたけど、この作品ではさらにストイックな役作り。彼の真骨頂でした。

ストーリーはボクシングを軸に、さまざまな人生や想いが交差する王道もの。年老いた元ボクサーが若者を育て、共に夢を追いかける。いろいろな事件や挫折や流れは既視感に溢れているけど、演者たちが丁寧に仕上げている。

元ボクサーたちの悲哀感がたまらない。人生の最終章を賭けて臨む様を、佐藤浩市さん片岡鶴太郎さん哀川翔さんがブレずに伝える。そしてヒロインの橋本環奈さんは存在感を消したお芝居が見事。

命をかけた世界戦に挑む横浜流星さんのギラギラした佇まいは、役作りの覚悟を感じました。長い間ジムに通い、実際にプロテスト合格したらしい。相手役の窪田正孝さんもすごい。ソフトイメージな彼だけど、ヒールに徹した不気味さが怖かった。テクニックと身体造りも見事でした。

クライマックスはふたりの役者自らが本気で打ち合っているだけに、ガチの世界戦を観ているようでしたよ。「百円の恋」「あしたのジョー」「あゝ、荒野」「BLUE/ブルー」「ケイコ 目を澄ませて」邦画のボクシング名作はたくさんあるけど、リアリティでは一番だったかな。リングサイドのど迫力な臨場感を楽しむなら、映画館じゃないとね。

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Cディレクターシネオの最新映画レビュー

4.0横浜vs窪田、演技以上の死闘

2023年9月1日
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泣ける

単純

興奮

翔吾(横浜流星)は裏表のない性格で今にも爆発しそうな勢いで冷えきった広岡(佐藤浩市)の心の蝋燭に着火させてみせた。
それからの展開はコンスタントに進み、ボクシングを知らない私でも全く飽きる事なく鑑賞。

脇役も今作の為に集められた精鋭揃いで、橋本環奈ちゃんもキラキラオーラを封印し幸は薄いが愛情のある女性を演じてて良かった。
特に対戦相手の中西(窪田正孝)の軽い性格に隠れた繊細さ、試合になるとぶつかり合う闘争心が凄まじく手を汗握るバトルで、クライマックスは私も会場内に居るような臨場感を醸し出していてリアリティーがありました。

気になったのは哀川翔さんの不安定な演技と捉えるべき客層、令和となった今に若い人に注視してもらうには難しい題材だったのが残念に思えた。

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月子

4.0タイトルなし

2023年9月1日
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すごく見たかったわけではなく、舞台挨拶で、ボクシングシーンがいいとのことで見る。
佐藤さんがよくて、彼の映画のような気がした。うまい。
流星くんは、クールな役はうまいけど、こういう役はいまいちだ。
環奈ちゃんにはびっくり。すごくよかった。山口智子はさすが。さらには坂井真紀。
男の美学かな。目を犠牲にするのは理解できない。
佐藤さんの父性のシーンってたくさんあるのかどうかわからないけど、この映画には感じた。流星くんが甘えたい人だからなのだろう。

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えみり

4.5また見ればいい

2023年9月1日
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泣ける

楽しい

興奮

瀬々敬久監督の作品の中で、1番好き。
血の繋がりのない2人が、ボクシングを通して、お互い持つことの出来なかった父・息子の関係のように、他には無い強い絆を深めていく。佐藤浩市、横浜流星がキャリアで最も熱の篭った演技を魅せ、観客に震える涙を与えてくれる。なんとまあ、美しい映画なんでしょうか。

最初のカットの美しさに驚愕した。
広岡のこれまでを、ただビールを丁寧に飲む後ろ姿で物語らせる。この時点でわかる、只者じゃない映画だと。佐藤浩市から放たれるオーラ、瀬々監督特有の淡い色合い、不思議と引き込まれる優しいカメラワーク、全てが相まって完璧なショットとなる。冒頭にして、1番のお気に入りシーンだ。藤井道人監督「余命10年」も素晴らしかったが、この映画の桜はもっといい。それも散る姿が悲しくなく、来年の桜にバトンを渡すような、力強い勇姿がある。そう、そんな桜が本作の全てなのだ。

毎度の如く、横浜流星はすごい役者だ。
彼以上に、熱があり、魂の籠った演技をする役者はそういない。彼もまた、姿で表現する。目には闘志が宿り、抱え込んだ辛い思いも見える。もう、後がない。一瞬にしてそう思わせてくれる。映画の中のキャラクターの域を超え、佐藤浩市とどこか似た部分のある俳優だからこそ、普通のヒューマンドラマでは感じえない深い気持ちになれるのだろう。出会うのことのなかったはずの2人が、ボクシングを通して「生きる」ことを知る。佐藤浩市×横浜流星×瀬々敬久でないとなし得なかった、最高のテーマだ。

忘れちゃいけないのが、ボクシング映画としての本作。本作にも出演した窪田正孝×三池崇史監督の「初恋」、日本ボクシング映画の巨匠・武正晴監督の「アンダードッグ」が近年のベストだと個人的に思っているが、この映画はまた別の方向からボクシングを魅せてくれた。こんな震え上がる試合だとは思っていなかった。勝っても負けてもおかしくない主人公とその相手が、笑いながら、苦しみ悶絶しながら、ボクシングを全身で楽しむ。こんなシンプルなことなのに、たった1試合の中にこれまでが詰まっているように見え、その場に居合わせたリング外の人々と同じように大きな涙がこぼれた。試合後の2人も、たまらなくカッコイイ。

最近の日本映画、素直にすごい。
哀川翔、坂井真紀をもっと取り巻けば、より肉厚なドラマに仕上がったと思うが、まさかここまで胸の奥底まで熱くなるボクシング映画だとは思ってもみなかったので、大大大満足でした。あ、でも1つ言うなら、橋本環奈はちょっと違ったかな笑

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サプライズ

4.5井上尚弥みたいな超過モンスターじゃ、物語にならんしw

2023年8月31日
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いやいやいや。

ボクシングものに外れ無しの法則通りにムネアツで切ないです。瀬々監督作品らしく2時間半の長尺で、じっくり撮ってます。役者さん、全員の演じ切ってる感が、ひしひしと伝わってきます。朝日新聞社が絡んでますが、最近目立ち過ぎだったリベラル感は抑えてます。なんと言っても、両ボクサーの肉体美ですよ。ガッツリ、ボクサーに見えます。物語は、どっぷり昭和です。ばっちり「あしたのジョー」です。と、なんか最近のハシカンさんが良い感じなんですわ。この「昭和の地味美女感」が、哀愁を誘う。

ご都合主義で良いんです。情緒に傾き過ぎで良いんです。合理性も、そこそこにしときゃ良いんです。だってボクシングものなんだからw

最近では、アンダードッグが一番好きでしたが、それに迫ります。というか、瀬々監督作品としては、ラーゲリよりも、こっちんが好き。

良かった。とっても。

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bloodtrail

5.0今を咲く桜

2023年8月31日
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今この瞬間を悔いなく生きる。

年齢も生い立ちもまるで違う2人だったが、ボクシングへの想いが、2人の離れていた心の距離を縮める。やがてその想いは重なり強い光となる。リングの上で2人の今は悔いのないものに。

春に散る…。
そして、悔いのない今を生きた翔吾は、新たな光に向かって進んでいく。

私も今に悔いなく生きたい。

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ぶるるるる。

2.0ジャパニーズドリーム?

2023年8月31日
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鑑賞方法:映画館

単純

ここのところ全く好印象のレビューをしていないので、
今度こそは!と意気込んでいたのだが全くの期待外れ。
ロッキーのような圧倒的な迫力は期待できないとしても、
あれだけの戦闘シーンがありながら高揚感のかけらも出なかった。
むしろ会場のチープさや観客のわざとらしさに白々とするばかり。
設定もありきたりでジャパニーズドリームには無理があった。

では、日本らしい琴線に触れるような細やかさがあったかというと、
私には微塵も感じられなかった。
佐藤浩一や山口智子など主要なキャラの設定がブレブレで、
え⁉︎と思う不可解なシーンの連続に何度も吐息が漏れた。
窪田正孝も最初はいい感じだったのに尻すぼみ、ガッカリだよ。

もう本当にそろそろポジティブな気分で映画館を後にしたい。

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みみず

4.0ボクシングでつながる2人に特化したつくり

2023年8月31日
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物語的には予告編で全て。
オーソドックスなボクシングもので、あまり目新しさはなかった。
それでも唸ったのは3点。

ボクシングに関しての2人に特化したエピソード構成。
恋愛や家族のことは補助的で、いつのまにか一緒に暮らしてたりなどろくな説明もない。
これが疾走感を生み出しているのと、2人の関係性だけが浮き彫りになっていくところがよかった。
(恋愛などを重視する人には雑とも捉えられかねないが)

次に、生き生きした老人たち。
特に、かつてボクサーでもあった片岡鶴太郎の動き。

そして、ラストの世界戦の試合シーンの、リアリティある撮影。
『ロッキー』みたいなファンタジー風味ではなく、本当に世界ランカーが試合やっているみたいに見える演技、カメラワーク、照明、レンズがすごかったのだ。
もう少し、師匠(広岡=佐藤浩市)直伝の技を見せてくれたほうがいいと思ったが、やりすぎると漫画っぽくなるから、これでいいのかな?

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コージィ日本犬

4.0役者と製作陣の熱量に圧倒される

2023年8月31日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

元プロボクサーと、夢を諦めかけていたボクサーの青年の師弟関係を描いた作品。
役者の熱量が高く、製作陣の熱意を感じる。黒木と中西の試合シーンは、本物のタイトルマッチを見ているような迫力。圧巻です。

『二人は「一瞬」だけを生きると決めた』…このキャッチフレーズが言い得て妙。
自分が輝ける一瞬に命を燃やして、後先考えずに走り抜くことって、誰にでもできることじゃない。
そういう劇的な生き様に人の心は動かされて、夢を見せてもらえるんだな、と感じる作品でした。

映画という尺に収めるために、若干唐突なシーン展開もあるが、その違和感を上回るほどの熱でこちらを魅了してくれる作品です。
まだ観ていない方は是非!

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ちるど

3.5ふたりの出会いからタイトル戦までの1年間にてんこ盛りにしながら、ダレずに引きつけるのは瀬々監督の力業でしょう。ギッシリ濃密な力作です。

2023年8月31日
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鑑賞方法:映画館

興奮

 ボクシング映画にハズレはない。そしてシンプル。リングでは倒すか倒されるか。殴り合いにのめり込む人々の生き様(時には死に様)や人間模様がドラマとなるのです。
 何者でもなかった主人公が、血と汗と涙の末に夢をかなえる。胸が熱くならないわけがありません。
 一方でボクシング映画は難しい。スポ根の王道を行く物語はこれまで何度も作られており、どこかで見たようなとなるからです。それだけに、試合の場面がウソくさいと全てが台無し。
 このところ俳優が体作りに精を出し撮影技術も蓄積されて、「BLUE/ブルー」「ケイコ 目を澄ませて」など力作が目立つこのジャンル。本作は沢木耕太郎の同名小説を、瀬々敬久監督で映画化しました。見応え十分、プロの力を感じさせる一作です。

●ストーリー
 40年ぶりに故郷の地を踏んだ、元ボクサーの広岡仁一(佐藤浩市)。引退を決めたアメリカでホテル事業を興し成功を収めていましたが、心臓に病を抱え、不完全燃焼だった人生にケリをつけようと突然帰国したのです。
 かつて所属したジムを訪れ、かつて広岡に恋心を抱き、今は亡き父から会長の座を継いだ令子(山口智子)に挨拶した広岡は、今はすっかり落ちぶれたという二人の仲間、佐瀬健三(片岡鶴太郎)、藤原次郎(哀川翔)に会いに行きます。
 ある夜、酒場で絡んできたチンピラを軽々と殴り倒した広岡。それを近くで見ていた黒木翔吾(横浜流星)は、そのパンチに見惚れて、思わず広岡に手を出してしまうのです。翔吾は、不公平な判定負けに怒り、一度はボクシングをやめた元ボクサーでした。しかし広岡は翔吾を必殺のクロスカウンターでKOしてしまいます。この一発で翔吾はボクシングへの情熱に目覚めるのでした。
 季節が巡り、一軒家を購入した広岡は、佐瀬や藤原に広岡の姪の佳菜子(橋本環奈)も加わり、不思議な共同生活が始めていました。そこへ翔吾が訪れ、再起を期してボクシングを教えてほしいと頼み込みます。
 やがて翔吾をチャンピオンにするという広岡の情熱は、翔吾はもちろん一度は夢を諦めた周りの人々を巻き込んでいきます。果たして、それぞれが命をかけて始めた新たな人生の行方は?

●感想
 元ボクサーの広岡と路地裏でクロスカウンターを打ち合う翔吾。この。瞬間”が、運命を決定づける出会いのシーンが鮮烈です。
 大筋は正統派。ともに不当な判定負けを喫した過去を持ち、黒木は再燃した勝負への熱意を広岡にぶつけ、老境に差し掛かった広岡は諦めた夢を黒木に託す。世界を目指す2人に、父子のごとき絆が生まれるのです。

 世代間の継承という主題は、老いたロッキーが青年を指導する「クリード チャンプを継ぐ男」を連想させます。味わいはもう少し複雑。翔吾にとっては人間的成長を遂げる通過儀礼の一年間でもある。対して仁一は黒輝明の「生きる」ではないが、残された人生でどんな仕事をするべきかとの問いに向き合うのです。
 原作では、老いた男の生き方、あり方をテーマにしたところに新しさがありました。映画は、一度はボクシングを諦めた青年の再起に同じぐらい重きを置いたのです。
 定番の展開となり、盛り上がりは保証されましたが、同時に既視感も出てしまいました。また主人公が2人になったため、感情が迷子になってしまいました。その点は難しいところです。
 惜しむらくは、ドラマ部分が駆け足なこと。上・下巻ある長い小説を、2時間13分の映画に収めたせいかもしれません。翔吾の恋人になる佳菜子(橋本環奈)、仁一に複雑な感情を抱くジムの会長、かっての仲間との人間模様にまで踏み込んだせいで、話が散漫になったきらいがあります。エピソードを絞るか、2部作にしても良かった気がするのです。  とにかくこれだけのドラマを、黒木と広岡の出会いからタイトル戦までの1年間にてんこ盛りにしながら、ダレずに引きつけるのは瀬々監督の力業でしょう。ギッシリ濃密な力作です。

●素晴らしい横浜流星の役作り
 ともあれ横浜がいい。最近の日本のボクシング映画では、「あゝ、荒野」の菅田将暉、「アンダードック」の森山未束も良かったですが、それ以上でしょう。肉体は本物のボクサーのようで、筋肉を付け鍛錬を積んだのが分かります。パンチにもキレがあり、走るシーンまで美しいのです。
 試合場面では音といい動きといい、本物らしく見せる工夫が十分。クライマックスの20分にわたる死闘は、まさに手に汗握ります。激しくストイックなトレーニング風景など、定番要素は十二分に盛り込まれ申し分ありません。
 原作では脇役だった中西を敵役に格上げし、翔吾陣営を挑発する世界王者にしたのもいいアイデアでした。演じた窪田正孝の小憎らしい演技と持ち前の身体能力も手伝って、ピリピリとする打ち合いとなりました。最後のスローモーションの多用と判定による決着を除けば、ボクシングシーンに不満はありません。

●広瀬は監督の分身
 老いや死をどう迎えるかの美学を描いた原作を踏まえた本作は、どこか黒澤監督の『生きる』につながるところを感じました。特に唐突に描かれるラストシーンはまさにそれです。
 瀬々は仁一に自分と同じ大分出身の設定を付与し、同い年の佐藤に主役を託しました。広岡がボクシンから離れていた空白期間は、瀬々が映画作家として日本社会の軋みを描き続けた時期と重なります。そして今、分断や格差を埋める架け橋となり、チャンスを与える存在となって本作に取り組んだのです。
 広岡に瀨々監督を重ねて鑑賞すれば、きっと瀨々監督の映画の情熱を感じることになるでしょうし、瀬々個人の“うた”が確かに聞こえてくることでしょう。

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流山の小地蔵