オードリー・ヘプバーン

劇場公開日:

オードリー・ヘプバーン

解説

世代を超えて愛され続けるハリウッド黄金期の伝説的スター、オードリー・ヘプバーンの知られざる素顔に迫ったドキュメンタリー。幼少期に父親による裏切りに遭い、ナチス占領下のオランダという過酷な環境で育ったオードリー。初主演作「ローマの休日」でアカデミー主演女優賞を受賞し、映画スターとして輝かしいキャリアを築きあげる一方、実生活では幾度も離婚をし、愛される喜びを得られずにいた。晩年にはユニセフ親善大使など慈善活動を通して多くの人々に癒しと救済をもたらし、生涯をかけて「愛すること」を信じ、与えることを貫いた。映画では貴重なアーカイブ映像をはじめ、俳優リチャード・ドレイファスやピーター・ボグダノビッチ監督ら映画関係の仲間たち、息子や孫、友人ら近親者のインタビュー映像を交えながら、名声の裏側に隠された本当の姿を浮かび上がらせていく。

2020年製作/100分/G/イギリス
原題:Audrey
配給:STAR CHANNEL MOVIES
劇場公開日:2022年5月6日

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(C)PictureLux / The Hollywood Archive / Alamy Stock Photo (C)2020 Salon Audrey Limited. ALL RIGHTS RESERVED.

映画レビュー

4.5知っているようで全く知らなかった「オードリー・ヘプバーン」という「不朽の女優」の人生における「素顔」が見える作品。

2022年5月6日
PCから投稿

「オードリー・ヘプバーンを知っているか?」と聞かれたら、殆どの人は「YES」と答えるでしょう。
私もその一人でしたが、本作を見て、「実は何も知らなかった」と思いました。
オードリー・ヘップバーンといえば、何といっても「ローマの休日」という映画でしょう。
ただ、これは1953年の映画で、今から70年も前の作品です。
2022年5月13日に「ローマの休日」が日本テレビ系列の「金曜ロードショー」にて放送されます。70年前の映画をプライムタイムで放送するのは英断と言えますが、やはり「不朽の名作」ということがあるのでしょう。
この「不朽」という言葉が「オードリー・ヘプバーン」という女優にはそのまま当てはまると思います。
まるでアニメーション映画のキャラクターのように、いつまでもアイキャッチな朽ちない存在で記憶に残り続けているのです。
そして、ハリウッドの黄金期に、これほど大成功した人もマレです。
「ローマの休日」は、24歳で初めてハリウッド映画の主演に抜擢され、それがアカデミー賞で主演女優賞受賞に輝くという、これ以上ないシンデレラ・ストーリー!
その受賞年の1954年に、舞台で共演した俳優メル・ファーラーと結婚(メル・ファーラーは4度目の結婚)。
その後もヒット作を連発し、中でも名曲「ムーンリバー」が生まれた「ティファニーで朝食を」(1961年)も有名です。
このような輝かしい事例は知っていても、「ハリウッドで大成功=実生活ではゴージャスで浮世離れ」というイメージがあり、私生活には興味がなく、これまで「オードリー・ヘプバーン」を知ろうとは思っていませんでした。
ただ彼女が1993年に亡くなり早30年といった月日が流れていて、ようやくオードリー・ヘプバーンの知られざる素顔に迫ったドキュメンタリーが登場しました。
そもそも両親がいわゆる「貴族」という、想像を超える話から始まります。
そして10歳の1939年には第二次世界大戦が始まるなど、かなり厳しい幼少期が語られます。
その後、シンデレラ・ストーリーを挟みますが、オードリー・ヘプバーンの私生活は想像に反して堅実で、「愛情を与え続ける人」という意外な素顔が描き出されていきます。
家族を優先するため映画業界をスパッと去ったり、「国際連合児童基金(ユニセフ)」の慈善活動に取り組み続けるなど、かなり意外ではあるものの一貫性もある素顔が映し出されているのです。
今なお世界中でアイコンとして愛される理由が本作を見て深く分かった気がします。

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細野真宏

4.5意外にも、オードリー・ヘプバーンの素は、本来自由だった

2022年5月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:試写会

ファッションアイコンであり、スクリーンの妖精と呼ばれ、美の概念を変えた革新的な存在でスターとしての名声を得たオードリー・ヘプバーン。
初の主演作で24歳にしてアカデミー賞主演女優賞を受賞し、その後の出演した映画でもトントン拍子で成功したイメージが強い。
しかし、本作では名声に隠された本当の姿が、貴重な映像とインタビューで明かされていく。
女優という面では、柔らかさの中に凛とした強いプロ意識があること。1人の女性として愛に真っ直ぐだったこと。普通の女性のようにコンプレックスを幾つか持っていたことなど、本作で初めて知ったことは、まだまだ多い。華奢と思える身体には、多くの努力と挫折があり、それらを吹き飛ばす信念がある。
見たことのないプライベートの写真でも、常に笑顔なのが印象的だったが、笑顔で何かを変えようとしているかのように優しい人間性が滲み出ていた。
親との関係や、2度の結婚と離婚の真相、ユニセフでの活動についても詳細に描かれている上に、最後は前向きに考える(勉強になる)ことができる作品なので、ファンでなくても見る価値は大きいはず。
彼女の愛を受け続けてきた息子をスクリーンで観られるというのも貴重。
ドキュメンタリーという枠を超えて、オードリーの心情をより感じられるよう、要所要所で彼女が目指していたバレリーナを「3人のオードリー」で演出されているなど監督の独創性も見られるのも良い。

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山田晶子

4.0バランスのとれたドキュメンタリーではあるが

2022年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

萌える

構成としてはおおむねバランスが良好なドキュメンタリーになっている。オードリー・ヘプバーンをあまり知らないという層なら、端役の初期作品から代表作までの豊富な映像の抜粋を目にして、しっかり本編を観たいという気になりそうだ。主要作品を一通り観ている平均的なファンにとっても、大戦時の苦労や下積み時代のエピソード、愛した男性や家族のこと、映画界から離れユニセフ親善大使として献身的に活動したことなど、ヘプバーンの知られざる人物像に迫るパートが興味深いのではなかろうか。

ただし、少しひっかかる点も2つほど。まず、オードリーの子や孫らがインタビューに答えていて、家族として過ごした思い出を語るのはもちろん問題ないのだが、たとえば映画史におけるオードリーの功績や偉大さなどを誇らしげに論じるのはどうなんだろう。彼らが母ないし祖母の七光りでなく映画業界でひとかどの人物になっているならともかく、身内としての謙虚さが足りないのでは……などと思うのは日本人的な感覚だろうか。

もう1点は、3世代の女性バレエダンサーを起用してオードリーの人生をダンスで表現させているのだが、うーん、個人的には冗長に感じられた。あの尺で、オードリー自身が映画の中で踊ったシーンをもっと観られたらなお良かったのに。

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高森 郁哉

3.5Tale of a Artist-cum-Humanitarian Legend

2022年4月6日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

A biographical look into the legendary actress who I wasn't familiar aside from her undeniable presence on female friends' wall decorations. We get a look into the woman's craft as an actress, and her tumultuous intercontinental personal life; but the more interesting aspect of this film is the details of her philanthropic career. A leading UNICEF representative acting as Mother Theresa of sorts.

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Dan Knighton
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