ライダーズ・オブ・ジャスティスのレビュー・感想・評価
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予告に完全にヤラレタ…どう見ても最強軍人と理系トリオの凸凹チームに...
予告に完全にヤラレタ…どう見ても最強軍人と理系トリオの凸凹チームによる痛快リベンジアクションだと勘違いした。内容は良いはずなんだけど、思っていたのと違い過ぎて…
結果的に悪い奴らを一掃
アダムズ・アップルにスノーロワイヤルを足した感じ。
序盤、数学者がアルゴリズムがどうのこうのと言い始めたあたりで、”あれ?何の映画、見にきたんだっけ??”となりましたが、サスペンス、バイオレンス、コメディからのヒューマンドラマの要素も入り、決してジェットコースター的なストーリー展開では無いのだけど、忙しく感情が切り替わりました。ドキドキしたり、笑ったり、うぅぅぅと泣きそう(バスルームのシーン)になったり…2時間弱を楽しめますよ。
殺しは合法です
どんな映画なのか全く知らなかったが、ポスターがなんだか「キングスマン」っぽくて面白そうだったので見ることに。そんなに期待はしていなかったが、かなり面白かった!ストレートかと思いきや変化球。こりゃ面白い!マッツ・ミケルセン最高!
全体的な雰囲気としては「Mr.ノーバディ」みたい。
だけど、あの作品みたいにバリバリアクションじゃない。もちろん、アクション映画としてもめちゃくちゃ面白い。マッツ・ミケルセンが大暴れで銃撃戦には大興奮。だけど、本作は哀愁漂うヒューマンドラマなのだ。裏切られた。もちろん、いい意味で。
キャラクターが本当に良かった。
ひとりひとりに愛が込められていて、全員愛おしくてたまらなかった。順にそれぞれの過去がしっかりと描かれていて、その過去もかなり重くグッとくる。笑えるシーンから胸熱なシーンまで、なんだか1本の映画を見たとは思えない満足感。濃厚で緻密で人にオススメしたくなる作品でした。
キャラ同士の会話に笑えたり、少し泣かされたり、色んな形で母親を失った娘に関わっていくのもまたよく出来ている。今まで見たことが無いタイプの復讐劇。次、次、次、と話が進んでいって見やすい上に、1シーン1シーンにこだわりを感じる構成で無駄がない。あぁ、なんていいんだこの映画。今んところ今年の洋画ベストですね。
堪えて堪えて爆発してしまったシーン、一転して激しくなるアクションシーン、そして綺麗に回収するラストシーン。もう1回見返したいなと思えるくらい好きなシーンが沢山ありました。まさかこの映画で泣けるとは思わなかった。もっと見ていたい。実家のような温もりがラストシーンにはありました。
でも、マフィア?達の存在薄すぎ問題。
結局なんだったの?って感じ。何事も無かったようだけど、どこにいったのやらだよ。見ている側からしたら。ちょっと扱い酷すぎやしませんか笑笑
荒さがあったり無理があったりもするけども、個人的には大満足でした。見ようか迷っていたけども、見てよかった!!これからオススメの洋画は?って聞かれたら積極的にこの映画を勧めることにします!
デンマーク発の〝風とバタフライ〟
日本では…風が吹けば桶屋が儲かる
アメリカでは…バタフライエフェクト
そしてデンマークでは…青い自転車が盗まれればマフィアが全滅する
〝デンマークの警察ってそんなに無能なの?〟
という疑問さえ封殺すれば、まぁこれはこれでいいでしょう、という映画でした。
『いつだってやめられる』というイタリア映画がありましたが、しゃべくりまくる(頭の回転が速いとも言えますが)比喩で無く本当に音的にうるさい教授、欧米にはけっこういそうですね。
めでたしめでたし、じゃないだろ!
なに、この話?
すぐに逆上する軍人と社会不適合者とが、とんでもないことを引き起こしておきながら、ラストはハッピーエンドみたいになるって、どー考えてもおかしいだろ。
だってこんなん、とばっちりもいいとこ。
こいつらには良心というものはないのか?
しかもあれだけ人が殺されているのに、警察は一切出てこない異常な世界。
こんなん、とんでも映画ですやん。
これ、ただの人違い?
いや…、人違いって…、こんな騒ぎになって、実は人違いだった…で終わりましたか?
最後はギャング風の方々は皆殺しですが、これで何ともなく、平和なクリスマス?
なんか、自分が勘違いして見てたんじゃないかと不安になりますが、要は物事は様々な偶然が折り重なっていて、誰にもその偶然の謎は解き明かせないということを言いたかったんでしょうか…。
何かに分類すると、ブラックコメディ?シリアス?
これは、北欧の神秘かもしれませんね。
解明不能な北欧映画を観たい方は、ぜひ劇場へ!
悪いとわかっていても捨てられぬ「先入観」
※スマホで読みやすい改行にしてます
マッツ・ミケルセン
デンマークを代表する名優
2006年の「007カジノロワイヤル」
の悪役ル・シッフルで世界的に
有名になり進出
最近では小島秀夫監督のゲーム作品
「デス・ストランディング」にも出演
活躍の場を広げている
自分も映画を観るうちに好きになった
俳優さんで特に「哀」の表現が本当に
素晴らしくすぐ感情移入させて
しまいます
前回は「アナザーラウンド」で
うだつの上がらない歴史教師を
演じましたが今作は一転
屈強な軍人でした
デンマーク映画ってなんか
シナリオにひと捻り効いた作品が
特徴に感じますが
映画はお爺ちゃんが孫娘に
クリスマスプレゼントの自転車を
買いに行くところから始まります
怪しげな店にいくと赤い自転車しか
なく孫は青い自転車がいいと言うと
時間がかかると言われます
爺がクリスマスに間に
合わないかもしれんよと言うと
大丈夫と孫は青色を頼みますが
その青い自転車をその業者は
盗んできて手に入れていました
するとその自転車の持ち主マチルデは
学校に行く足がなくなり母にクルマで
送ってもらおうと思うとクルマが故障
するとそこへ母に軍人の夫から電話が
あり任務で帰るのが遅れると言われ
今日は憂さ晴らしに電車で遊びに行こう
みたいな話になります
丁度その頃
とある企業(役所?)で統計から
傾向を割り出す研究の発表を
していたがまるで成果が
あげられずクビになった
二人のおっさん
右手が不自由な真面目なオットー
変わり者で多弁で一言多いレナート
オットーは会社の荷物をまとめ
地下鉄に乗るとさっきの
マチルデ親子が乗り合わせてきます
オットーはとっさに席を譲ると
マチルデは母に譲ります
するとオットーはサンドイッチと
ジュースをちょっと飲んで捨てる男
ギャング風の挙動不審の男の存在に
気が付くとその直後列車は
衝突事故を起こし大惨事が
起こります
オットーは無事でしたが病院で
席を譲ったマチルデの親子を見ると
どうも母親は亡くなってしまった模様
オットーは自分が席を譲らなければ
こんな事にならなかったという
罪悪感にかられながら帰宅すると
事故の犠牲者にギャング
「ROJ(ライダーズオブジャスティス)」
のボスの裁判で不利な証言をする
ギャングがいたことを知ります
オットーはこの事故が仕組まれた
ものであるという疑念を持ち始め
サンドイッチとジュースを
すぐ捨てた男が怪しいなどと
警察にも相談しますが
相手にされません
妻の訃報を任務地で聞いた
軍人マークスはすぐさま帰宅し
変わり果てた妻の姿を目の当たりに
しますが表情は変わりません
マチルデは悲しみに暮れ部屋の壁に
「自転車を盗まれた」
「クルマが故障した」
などを付箋で書き連ね関連性を
並べて何が原因でこうなったのか
調べようと努力していましたが
整理が付きません
マークスとは普段会っていない事も
あり距離感があります
病院は2人にカウンセリングを
進めますが拒否しますが
マークスは門限を破らせた
マチルデの彼氏を殴ってしまったり
溝は余計深まってしまいます
マチルデには父は
感情がないから何とも思っていない
ように映っています
そんなマークスの所へ
ある日オットーとレナートが
訪ねてきます
この事故が陰謀によるものだと
いう事をサンドイッチと
ジュースをすぐ捨てた
電車の男らの監視カメラの
画像などを証拠に伝えに来ます
レナートは案内した納屋の広さに
驚くなど相変わらず怪しいですが
マークスは話を聞き
更に詳しく調べるよう依頼します
オットーらはもう一人の友人
パソコンオタク・ハッカーの
エメンタールの元を訪ねます
これも神経質の変わり者なのですが
監視カメラの画像から人物を
割り出してもらうと99%以上の
適合率で出てきたのは
「エジプト人のビジネスマン」
でした
オットーらはそんな関係ない
人じゃないと言うとエメンタール
は怒りますがしぶしぶ適合率を
95%に下げるともう一人適合
なんと「ROJのボスの弟」
「鉄道関係の電気技術者」が
適合してしまい間違いないと
確信に変わります
マークスやオットーらは早速
その弟の元を訪ねると
ものすごい勢いで会話を拒否され
再び開けると銃を向けてきました
するとマークスは怒りに任せて
とっさに取り押さえて
首を折って殺害してしまいます
オットーらはドン引きしますが
マークスにとっては妻の仇なのは
わかっていますし死んで当然の
奴だと納得するようにします
特にエメンタールはかつて
自分をいじめてきた存在を
その殺された男に
重ね合わせて激しくなじり
火がついてしまいました
ここでポイントなのは
結局オットーらは統計だ確率だ
と言っていながら目の前で起こった
事象に応じて感情を持ち
その感情に流されていってる
という事です
最も統計や確立とかけ離れた
行動をとっている様に
映画としてデータや傾向を
重視する社会に皮肉と言うか矛盾を
表しています
オットーらのそれまでは社会に
相手にされてこなかったせいで
何も起こらなかったそうした
行動がマークスを通じて
現実に起こってしまったわけです
そんなですが
一同は妻の仇や自分を変えるため
ROJをぶっ潰す決意をします
納屋に入り浸るおっさん集団を
マチルデはオットーらを
カウンセリングの人たちと
勘違いしていますが
レナートはむしろ
カウンセリングを受けてきた立場で
やることはめちゃくちゃですが
徐々に打ち解けていきます
マークスも殴った彼氏と
とりあえず仲直り
この彼氏もいいやつです
ところが弟をなんか殺された
ROJの連中も黙ってはいません
その場で「プレイ中」だった男娼
ボダシュカを縛り上げその場で
見たレナートの顔を聞き出し
マークスらを襲撃します
しかしマークスは相手から奪った
銃であっという間にギャングを
全滅させてしまいます
オットーらは改めて恐怖する
もののエメンタールは逆に
自分たちの理屈が正しいから
襲われたんだと思ってしまい
俺にも銃撃も教えろと言い出します
その後襲撃に時に助けておいた
ボダシュカからROJの
溜り場を聞き出し反対する
オットーを殴り飛ばして
ギャングに返り討ちに行きますが
的ならどれだけでも撃てた
エメンタールは結局人に
引き金を引くことは
できませんでした
できるはずがないのです
マチルデの壁に貼った付箋を
オットーが見つけた時
どんなに偶然でも統計でも
運命でも感情でも関係なく
変えられないものが
ある事をマチルデに告げますが
お前わかってんじゃんと
突っ込まずにはいられませんが
オットーも飲酒運転事故で
娘を亡くし腕を不自由にした
過去があったのです
その後一同はROJ壊滅の
計画を再び練っていきますが
ボダシュカは家事も出来る
使える奴で特にレナートと
仲良く(意味深)なるのですが
殺した弟について聞きだすと
「列車事故前の数日一緒にいた」
とアリバイを証明してしまいます
……え?
てことは?
あのサンドイッチ捨てたおっさんは?
…………最初のエジプトのおっさん?
まあ薄々予想してましたが
そうだったのです
めちゃくちゃ似てる他人でした
サンドイッチを捨てたのは
単純に「マズかったから」
でもコンピュータがはじき出した
答えを否定してしまったのは誰でしょう
オットーはその事実をマークスに
告げると荒れます
バスルームをめちゃくちゃにします
そこで初めてマークスは妻はなぜ死んだ
なぜ亡骸でしか会えなかったのか
と慟哭します
一番感情がないようで一番
堪えられなかったのはマークス
であったことをその様から
マチルデも知ります
するとそこへ彼氏経由で居場所を
調べたROJが襲撃に来ます
負傷しながら孤軍反撃する
マークスですがマチルデと彼氏を
人質に取られ絶体絶命
しかしそこでオットーら
おっさん軍団が訓練された銃で
ギャングたちを脇から斉射し
形勢逆転で難を逃れます
まあでも結局ROJもいい迷惑だった
んですけど…
映画のラストは
願った通りの青い自転車をクリスマスに
贈られた冒頭の女の子が楽しそうに
雪の中を走り回る姿で終わっていきます
その青い自転車が盗まれた
裏側でどんなことが
起こっていたかも知らずに…
でも関係ないのです
誰かの意思が誰かの運命を
決めたとしても関連性は
ないのです
色々掘り下げると深い映画だと
思いますがまずタイトルが深い
"Riders Of Justice"はギャングの名前な
わけでなんで?と思ってしまいますが
「正義に乗っかる者たち」
と意味をとらえると正義と言うきわめて
主観的な感覚に流されて行動してしまう
人々を指すとすると
まさにオットーらはそうなってしまった
のではないでしょうか
事実と異なるにもかかわらずです
AIは統計や傾向によって行動を
決めますが人間にそれだけで行動を決めるのは
不可能という事です
アクション?コメディ?
様々な要素が2時間にギチギチに詰まって
ますがテンポが良く見れてしまう作品
箱は少なそうですがやってたらおすすめです
途中までは面白かった
(少しネタバレします)
幸せに暮らしてきた様な人でも、今でこそ強靭なメンタルやフィジカルの持ち主でも、当然心に癒えない傷がある。
その傷の原因となる出来事に、人は自らの責任を感じてしまうが、詰まるトコロすべての事象は膨大な偶然の積み上げでしかない。
「奇蹟」と「偶然」。
「宗教」と「科学」。
復讐劇として進んできた話が思わぬ展開を見せる。
ここまでは確かに面白かった。
コメディ要素も気が利いてたし。
ただ、その後の物語の最終的な畳み方が今一つしっくり来なかった。
指環は疾うにウ〇コと共に…
列車の事故で妻を亡くした軍人と、その列車に乗り合わせていた学者が、真相を明かし復讐するべく行動する話。
警察はテロの可能性は低いと発表するも、譲った席に座ったことで死んでしまった女性に対し責任を感じる数学者が、列車には犯罪組織の人間が乗っていたことや、直前で不審人物の降車があったことを告げて展開していく。
良くあるガッツリ系リベンジアクションか、真相究明サスペンスかと思っていたら、それも間違いではないけれど、被害者の夫と娘や協力者の不安定なメンタルをみせる方がメイン?
素人カウンセラーのカウンセリングを長々みせてどうすんだ?とか序盤は思っていたんだけどね。
とはいえ暗くシリアスになりすぎず、コミカルなやり取りもあったり。
ちょっと回りくどさを感じたりもするし思っていたのとは違ったけれど、これはこれで面白かった。
一味違う復讐劇。
前作みたのが酔っ払い先生だからまずはマッツの軍人っぷりにびっくり。ギャングに妻を殺されて復讐するというベースがあるけれど毛色の違う展開がいろいろあって面白い。マッツ以外は人生から外れたズブの素人だらけ。予想外な展開がいろいろ降りかかって楽しめるし共感できる気持ちも多々あり人生教訓になるかも。
混沌とした世界に面白さ
北欧の映画は特捜部Qシリーズやギルティなど面白い作品が多く、この映画も期待して観た。妻が列車事故に見せかけた殺人事件?の巻き添えで亡くなり、その復讐に職業軍人である夫が動く。彼は戦場で敵を殺傷することがミッションであり、正常な感覚が失われている。彼を支援するオタクの3人も普通の人ではなく違法な手段で情報収集しているのだが、そこに悪びれた様子はない。復讐された(実は勘違いによるものなのだが)ギャングたちも基本的には反社会的な存在であり同情すべきではないが、いくらか同情の余地がある。特にどこの世界も同じだが、下っ端にはあまり責任がない。善玉対悪玉というはっきりした区別ができない世界が描かれていると思った。最後はオタクグループが自動小銃をぶっ放してギャング団を倒し、観る側はほぼオタクの方に肩入れしているからそれですっきりするのだが、エンディングで主人公たちがくつろいでいるシーンがあり、警察からおとがめもなかったとすれば、そもそも現実離れした話だったのだという当たり前の現実に戻るのである。
他の方のレビューも読むのは必須かも。数学的内容もあり理解難易度は高いです。
今年20本目(合計293本目/今月20本目)。
ということで、「シルクロード」から40分遅れでこちら。2本目です。
この映画は公式にも書かれていますが、北欧の国が舞台です。よって英語は大半登場せず(デンマーク語らしいです)。
ストーリー自体は、他の方も書かれているとおり「不慮の事故にあった人達とその事故を事件だと考えて解決していく人達」を描いた内容です。一方で、ある出来事が事故か故意かという点は、数学とある程度フィットします。分野的には確率統計です。そのため、この映画には数学者まで登場します(よくある「数学者」の「よくある描写」っぽく、妙に細かい計算を素早くやってくるなども、だいたいテンプレ通り)。
「ある出来事が起きたとき、その出来事の原因が何であるのか」ということを扱う分野を「事後確率論」といいます。実はこれらのことが裏で働いているのですが、表立って出てこないし、これらの計算の根拠となるような話は出てこないので(確率計算をするには、その目的となるデータを集めないと無理)、そういう「事後確率論」が背景に隠れているというのはそれだけで、表立って要求はされないものの、この「事後確率論」は、「何かが起こったときの結論はこれの確率が何%だけど、信じる?信じない?」という宗教的・哲学的な色合いがある分野で(だから、定義・定理バリバリの数学と、確率統計論の数学は、やや趣が違うところがあります)、むしろ普通に見ていると後者のほう、つまり「因果(関係)という考えをどこまで信じるか」といった哲学的な話にシフトしてしまっています。
北欧の国制作の映画だと、ほぼほぼ毎回、北欧のキリスト教の話に流れますが、本映画でもそうです。教会に行くシーンもあれば、教えを説くようなシーンもあります(ただし、本映画では出るだけで、理解できなくても理解に妨げはない)。
採点は下記のように考慮しています。
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(減点0.1)「数学者はチェスが好き」というのは誰が言い始めたのか、実際そうなのか…というのは別にして、復讐をたくらむその間にもチェスの話も出ます。最初はiPad(か何かのその程度の大きさのタブレット)でPC対戦(?)しているだけですが、お話が進むと娘さんと実際に対戦するシーンも出ます(ここで「ポーン」や「クイーン」といった語が出てくるが、チェスがわからないと詰まってしまう…)。ここはもうちょっと字幕に工夫が欲しかったところです(日本のチェス人口って統計あるんでしたっけ?)
(減点0.2) アメリカ映画でもない本映画は、いわゆる「固有名詞」が何なのか把握することが難しいです。地名か人名か、それだけでも苦労します。登場人物の娘さんの「マチルデ」が、「マチルダ」などの名称からの推測で「女性の名称」ということは推測がつきますが、「シリウス」も実は人名だったりします(役名一覧参照)。
※ デンマーク等のバルト三国は、ある程度の差はあっても文化は似ていますが、「シリウスさん」という方が実際にいるのかどうか調べてみましたが、どうにも謎でした。
さらにここに地名まで出てくるので(当然、首都なんていうものではなく、きいたこともない地名)、一体どこからどこに移動しているんだろう…というのもわかりづらく(デンマークの地理を完全に抑えているなら別)、パンフ購入必須なのかなぁ…というところです。
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ギャングの皆様、ご愁傷様
ちょっとちょっと、マッツ様。ぶっ飛びすぎで面白いんですけど。妻の敵を討つリベンジ・アクションの型通りの展開かと思いきや、ブラックな笑いの矢が次々と放たれる。ニヤリじゃなくて、吹き出してしまうシーンもあってなかなか楽しい。
終盤近くで、順調に進んでいるストーリーに
急ブレーキがかかる。前につんのめって頭ぶつけちゃったよ、オットーさん。どうしてくれるの。
ちょっと強引な仕掛けがあって、ギャング達との最終決戦に向けて、物語は再発進するんだけど、お約束の絶対絶命が正真正銘のthe endな状況。どうやって反撃するの?
不可能は可能にするためにある。口があんぐりするフィニッシュで、これは気持ちがいい。
今回のマッツ様は、無口な上に、口よりも拳が先に出てしまう完全な旧世代の軍人様。この無骨男が、戦闘になるとすごい。ギャングの1人を素手で瞬殺だし、銃を手に取ればマシンのごとく正確無比に悪人どもに銃弾をぶち込む。
オットー役のニコライ・リー・カース、どこかで見た顔だと思ったら、特捜部Qのカール・マークだった。やっぱり上手いねこの人。
何もなかった事にしてクリスマスしていいの? ギャングの皆様、ご愁傷様です。
助けが要る(と認めること)
水と油の凸凹即席チームが挑む復讐アクションかと思ったら、遺恨と深い喪失の受容についてのセラピーのような映画だった!人間は何事にも --- 特に自分ではどうしようもできないほど大きな哀しみに出遭ったとき ---「こいつのせいだ(から仕方なかった)」と思えるような原因/心の拠り所を求める生き物だ。
結果的に自らわざわざ傷口をエグるように、撒いた種の後処理(いってギャングなのでやっちゃって問題ありませんが?!)に奮闘させられることに…?我らがマッツ・ミケルセンは予期せず深い本作で、自身がどんなジャンルでも輝ける唯一無二の存在であることを証明してみせた。流石の魅力でこの作品を軍人らしい疑うこと知らない/ブレない行動原理でリードし、時を業を背負う。という点で一種のPTSDモノの要素も?人間は傷を治すことはできず広がらないように押さえることしかできないのかもしれないけど、そのとき傍に(愉快な?)仲間がいてくれたら少しはマシになるのかも。
まさかのアクションスリラー…?また種類が違うけど、同日見た『さがす』(あるいは『スティルウォーター』)とも通ずる手法だなと思った。つまり一見キャッチーな内容で広く観客に興味を持たせながら、蓋を開けたらそれは実は単なる"釣り餌"でその裏に本当に言いたい/描きたいこと、訴えかけたいメッセージが隠れているという点において。表現というのは一般的にそういうものだろうけど、この2作品は普段よりもその振れ幅を感じた巧みなエンタメの皮の被り方。表現の力を感じるいい裏切られ方。そういうのってやっぱりいかに説教臭くなることなく"結局他人事"を"私事"として身近な題材と受け取ってもらえるかが映像表現の責務と可能性だから。
勝手に関連作『Mr.ノーバディ』
全109件中、81~100件目を表示