ライダーズ・オブ・ジャスティスのレビュー・感想・評価
全25件中、1~20件目を表示
誰かわからんかった?
結局マフィアは、無関係?
わざわざ言いにくるなよ。
あとどーなるん?
パルプフィクション入ってます?
マシュマケルセン分からなかった。
髭と丸刈り
まあ、ラストはみんな元気でよかよか!
思い込み症候群
母国で賞を獲ったと言うデンマーク映画ということで鑑賞、プロットは不慮の電車事故で妻を失った軍人が帰郷、まあ、お約束のような難しい年頃の娘といがみ合う日々、ビッグデーター分析で隠れた因果関係を探る胡散臭い研究者登場で事故の裏の陰謀説が父・娘を翻弄する・・・。
アメリカの心理学者マズローの言ったハンマーの法則が頭をよぎる、「人は金槌を持つと何でも釘に見えてしまう・・」といった思い込みバイアスの話です。軍人は何でも力づくで解決しようとし、学者は自説をあてはめがちで陰謀説には目が無いときてますから真相不明のまま話はどんどん拗れてゆくところが面白いですね。
娘も、もし、あの晩自転車が盗まれていなかったら事故には合わなかったとか不幸の元を探っている、何にでも因果を求めたり神に縋ったり、人の習性を冷笑しているような視点で描かれます。
そんな哲学的な裏があるなんて思ってもみなかったから単なるリベンジアクション映画と思って観ていたので多少、困惑、加齢臭が臭ってきそうなバッチいおじさんばかりの地味な映画、観終わってからめんどくさい映画と分かりました・・。
ただの復讐劇かと思いきや!
復讐に燃えるかっこいいマッツが観れるかなーと鑑賞。軍人がギャングの事件に巻き込まれて死んだ奥さんの為にただ復讐するだけの話かと思いきや、全然違うー!
めっちゃ面白かった😍✨✨
電車事故で亡くなった奥さんに席を譲った確率論者のオットーがこれはただの事故じゃなくギャングが起こした事件だと思い始めた。
そこで仲間のレナートとエメンタールの力を借りてこれが事件だと確信を持つ。しかし警察には相手にされないので、被害者の夫である軍人のマークスを頼りにいき、奇妙な復讐劇が始まるー!
で、なんだかんだで、愉快仲間に1名ウクライナ人が加わり、ギャングぶっ潰したけど、結局無関係でただの偶然で本当に事件だったってわかる。でもでも娘の笑顔を取り戻し友人もできて笑顔のクリスマスを迎えることができたのは、偶然ではなくやっぱり必然だったのではーって話。
サスペンスアクションに見せかけたヒューマンドラマなんだな、これは。
キャラクターみんなほんと個性的なでよかった👍
特にエメンタール✨✨
いいキャラしてたー🤣
「偶然」をテーマにするにはちょっとアホ過ぎでは
てっきり数学者の頭脳で事故を事件と見抜いて云々なのかと思ったけど、散々殺した結果「犯人だと思ったけど違う人でした」というのはちょっとアホの先走りが酷すぎた。アホ三人衆の存在がいい味を出している側面もあるのだが、自分にはちょっと行き過ぎに感じてしまい逆にげんなりしてしまった。アクションとコメディとハートウォーミングの絶妙なバランスという演出の観点では良い作品だと思うが、うーん。
偶然の産物…
世の事象の起点はそうなのかも知れない。考えても解決にならない。列車事故はテロ行為ではなく、結局はまさかの事故だったということで、だったら完全なる逆恨みによる復讐劇だが、かなりの悪党で世のためにも良かったし、マッツ親子の絆が芽生えた?ことでも良かった。無口で乱暴、娘との関係を上手くできない不器用なマッツと、ズッコケ3人組による北欧版アクションコメディは所々デンマークジョーク?についていけない部分もあったが、マッツ親子の仲を取り直そうとするハートフルの部分もあり、まとまっていた。
陰謀論の行きつく先
電車事故で妻を失った軍人が、事故の陰謀を信じ、ギャングに闘いを挑む物語。
リベンジアクションを想像しての鑑賞でしたが、寧ろ人間ドラマに振った映画でした。
日常生活に馴染めない職業軍人。妻の突然の死を受け入れられずに苦しみます。しかし、その「苦しみ」を自覚することが出来ずに、最愛の娘と衝突していきます。
陰謀論にしがみ付かざるを得ない主人公を、ややブラックユーモアを交えながら、それでも切なく描いていきます。
「陰謀論は陰謀論でしかない」。そんな結末は、観たいものしか観れない人間の悲しい性を現した秀逸な展開ではありました。しかし、(例え悪党とはいえ)勘違いで惨殺された人がいる・・・という展開は余りにも無残で後味の悪いものになりました。
主人公達がそれをどのように背負っていくのかが物凄く重要だったと思うのですが、その描写が見事にスルーされていることも、後味の悪さに拍車をかけてしまったように思います。。
私的評価は3にしました。
ハードボイルド、プラスちょっとコメディ
妻を列車事故で亡くしたマークス。列車に居合わせたオットーから事故ではなく、ある犯罪組織が起こしたテロだと告げられ、復讐に燃える。オットーの仲間3人と共に犯罪組織の仲間を次々と殺していく。
復讐劇のハードボイルドと思って観ていると、なんか???オットーたち3人のやりとりが呆れちゃうやら、マークスと噛み合わないおかしさや、で笑える要素もあり。軍人として家を留守にしがちで,娘との関係性に四苦八苦するマークスもどこか可愛く、どっち方面に話が進むのかわからない。ハッカーのポッチャリさんが何故か機敏に銃を組み立てられるところも何故か面白い。
無事復讐を終えたと思ったら、まさかのどんでん返し人違いだったとは!
たとえ犯罪集団で悪人とはいえ、あそこまで殺された人たち、死ぬに死にきれないよ!案の定復讐されちゃう。
娘の彼氏は散々巻き込まれて本当に気の毒。なんとか危機を乗り越えてのラスト、クリスマスパーティー🎄を開き、大人しく可愛いセーターを着ているマークスもおかしい。。でも娘とも関係修復出来、オットーたちとも友達になれたようで、なによりなにより。
鑑賞動機:マッツさん9割、あらすじ1割
今回は髭面スキンヘッドの軍人で無差別フェロモン散布は無しのマッツさん。リベンジアクションにほのかに『いつだってやめられる』シリーズの風味付で、シリアスだけどコメディ要素もちらほら。心に傷を負った者たちの疑似家族のお話ともとれる。と思いきやいきなりの急展開にはビックリ。
ラストはそんなほのぼのになっていいのかとも思うが、禍福は糾える縄の如しでクリスマスストーリーだからいいのだ。たぶん。
単純なハリウッド・アクションにはない複雑な味
一癖も二癖もあるけれど、純粋な主役のマッツ・ミケルセン。
アクションとしても面白く、マッツを助けるオッサン・トリオの活躍も、
一捻り二捻りしてあり、とても面白い。
軍人のマッツ・ミケルセンは突然の地下鉄事故で、愛する妻を地下鉄事故で亡くして、
心はボロボロです。
娘を守る術も知らず、ジィーッと耐える耐える耐える。
そこに地下鉄事故は仕組まれた。
ギャングのボスを死刑にする証人を消すためだった・・・。
そう知らされた時、マッツは戦う狂気と化す。
考える前に秒殺するスキルは、アフガニスタン派遣兵士の生き残り法。
ミケルセン髭モジャ短髪でも相変わらず渋い。
対するイケテナイ三人の頭脳派の中年オジさん。
統計数学のプロが2人。
顔認証システムのプロ。
軟弱でボロボロの精神不安定なオジさんたちが、
結果的にはマッツの妻を殺した地下鉄事故に、仕組まれた
ギャングのボスを護る殺人事故の加害者(ライダーズオブ・ジャスティスというギャング組織)に
復讐を遂げる話。
直感でしか動かない兵士・ミケルセン。
母を亡くした娘マチルデの悲しみに寄り添うことも慰めることも何一つ出来ない不器用な父親。
対して数学者のオットーとレナートはインチキ・セラピーを施したり、
母の死の原因を突き止めても悲しみから逃れられないとマチルデを慰める。
機関銃の一斉発射の暴力と、
悲しみに寄り添ったり慰めたりのバランスが絶妙です。
そこはかとなくユーモアも漂います。
ラストには思いがけないメルヘンなプレゼント。
クリスマスらしい仕掛けがタップリ。
柄違いのスキーセーターに身を包んだオジサンたち。
顔面認証のプロのエターナルは、唯一輝いていた少年時代のマーチングバンド。
そのホルンをプレゼントされる。
BGMは殺戮に不似合いな美しい讃美歌のコーラス。
デンマーク映画の底知れぬ実力に、酔いしれました。
盛大に拍手します。
過去鑑賞
結果オーライでハッピークリスマス。
愛すべき変態の国、デンマークです。
KAC PDW 10inchを、サクサクと見事に組み上げるエメンタール。死刑の無いデンマークで「死刑」を連呼してましたが、ギャングを襲撃するも実際にはPDWの引き鉄を引くことが出来ず。まぁ、そんなもんだわね。イザとなったら。
マッツ・ミケルセンはハマり役。イタリア映画「怒れる教授」シリーズを彷彿させる3人の研究者達もピッタリのキャスティング。
「何の恨みが?」って聞かれてもですね、「ゴメン。勘違い、と言うか思い違い」なんて、今更寝言にしか聞こえんよね?
って事で、日頃の行いを悔いて逝けよと。
しかしですよ。コレだけ派手派手に銃撃戦を繰り広げてですよ。下手すりゃ、一小隊分を殺っちまったにも拘らずですよ。ギャング団を殲滅してくれたから、お咎め無しですか?正当防衛?
ソレも、どーかとは思うけど。心情的にはスッキリで、面白かった。ママのご冥福を祈りつつも。
楽しかった。かなり。
後悔と謝罪と…
もし席を譲っていなければ?
自分のした事で他人の運命を変えてしまった!
しかも亡くなってしまうなんて、後悔以外の何でもない。
写真の人物をちゃんと調べていたら?
間違った情報で、思い込みによって
何人もの人を殺してしまうなんて、
そりゃ命狙われても仕方ない💧
娘の言葉にも耳を貸さず、
いつも自分自分の親父でも、
やっぱり死んじゃうのは悲しいね。
戦争はダメぜったい!!!
最後はハッピーな妄想Xmasパーティ🎄🎁🎅🌟
いろいろあって、類友な仲間が出来て、
お父さんの人生これから楽しかったかもね…
ホント後悔以外の何でもない🥺
1回観たの忘れてて2度観てしまったけど
シリウスとマチルデの身長差がステキだったのと
ハチャメチャな親父と愉快な仲間たちを見れたので、
全然私は後悔してませんよー!
最終的に偶然や運命について考えてしまう
同じ日の同じ病院で産まれた男に会ったことがある。大学の同級生なのだが、ものすごい偶然だと驚いた。あれは確率にすると何分の1なんだろう。
本作で語られるのは、あまりにも確率の低い偶然は作為的なものがある(はず)という理論。サンドイッチと飲み物をたくさん残してゴミ箱に捨てた人間は不自然というところから、作為的なものがあるのではないか?と怪しみ、犯罪集団のリーダーの裁判で証言する人間が事故で死んだことから、犯罪集団の仕業だという結論に至る。そこからは復讐劇が引き起こす新たなる復讐劇と繋がっていく。
その復讐劇はどこまでいくのだろうと思っていたが、まさかの人違いという結論になるとは思わなかった。サンドイッチのくだりも、あまりにマズイから捨てたという理由。賢い人間が考えた通りに人は動かないという、当たり前のことを突きつけられた。
でも、襲撃してきた集団を返り討ちにしても正当防衛が成り立つし、その後も普通の生活が送れるのかもしれない。そこはちょっと釈然としないが、相手が犯罪集団だからOK!ってことなんだろうか。
でも、復讐劇ではなく、事故で犠牲になったの人の家族が再生する物語として、虐げられた天才たちが絆を確かめ合う物語として面白かった。イメージしたものとは全く違うが、これはこれでいいって映画はたまにある。これも確率的には高くない。運命を感じてしまう。
【”偶然の積み重ねで人生は成り立っている・・。”北欧の至宝演じる最強の軍人、オカシナ数学者達と亡き妻の復讐に乗り出すが・・。シニカル&コミカルな不思議なテイストのヒューマン&アクション映画。】
ー 全く知らなかったのだが、マッツ・ミケルセンは今作の監督・脚本を担当したアナス・トマス・イェインセン監督とは、5度目のタッグだそうである。
更に、マッツ・ミケルセンは今作ではイケてるおじさんの魅力を完全に封印し、感情を暴力でしか表現できない最強の軍人マークスを笑顔一つ見せず演じている。
彼が、しばしば、口にする言葉は "又、やってしまった・・。”である。ー
◆感想
・今作は只の復讐映画ではない。
一人の男が、オカシナ数学者達や、年頃の娘マチルデ、貧困の果て売り飛ばされた青年と関わる事で、人間として暴力以外の感情を示すことを取り戻して行く様を、オカシナ数学者達との関係性をユーモアを滲ませながら描いている。
今までに出会ったことのないタイプの魅力的な映画になっている。
・つまり、今作はアフガニスタンで、最前線で闘っていた故に、自らの感情を暴力でしか表現できない男が”様々な偶然”に翻弄されつつ、人間性を取り戻す様を描いている。
・その過程は、時にハードなアクションで、時にオカシナ数学者達(一名は、マークスの妻と娘が乗る列車に乗り合わせ、マークスの妻に席を譲った事で彼女の命を奪ってしまった事を後悔し、マークスに”事故ではなく、犯罪組織が絡んだ用意周到に計画された殺人事件だ!”と告げる。)との関りの中や、時に年頃の娘とボーイフレンドとの関りの中で描かれる。
- その描き方が、ユーモアを感じさせる部分があったり、人間味あるシーンを絡ませている点が、独特で面白いのである。-
<”偶然の積み重ねで人生は成り立っている”ことを、実に巧く見せている映画である。
・”あの時、青い自転車を注文せずに、お爺ちゃんの言う通りに、赤い自転車を買っていたら・・。”
・”あの時、お母さんが運転する、車のエンジンが普通にかかっていたら・・。”
・”そして、学校に行けずにお母さんと娘が買い物に行った帰り、列車事故に巻き込まれなければ・・。”
・会社を馘になった数学者が、”事故ではなく、殺人事件だ!”とマークスに言わなければ・・”
犯罪組織の猛攻撃を受けた際、まさかのオカシナ数学者達と、貧困の果て売り飛ばされた青年が犯罪者たちに連射した銃撃シーンに驚きつつも爽快感を感じ、傷ついたマークスが木に凭れながら娘に語った言葉が、妙にココロに染みた作品。
生きる意味を見失いつつあった人々が、ラストシーンでクリスマスを祝うシーンも良い。
マークスの服装にクスクス笑ってしまったよ。
皆、幸せそうだったね。>
■敢えて記す。(多くの人に下記の劇場に観に行って貰いたいので。)
・今作は、とても観たかった作品だったのですが、私の居住区では上映されず。(大都会の駅前の映画館のみだったかと記憶する。)
それが、地元の西三河の映画を愛する人々に長く愛される「安城コロナシネマワールド」で本日より上映された。
もう一本観た新作映画は閑散としていたが、今作は、市松模様で6割の入り(この地域では、凄く多いのです。)で、「安城コロナシネマワールド」には、感謝を申し上げる次第であります。多謝。
主演の人がカッコ良かった
予告をみて ちょっと前からあるジャンルの「舐められてちょっかい出されたヤベー奴が娘や妻の為に無双モノ」かと思ったら。ちょっと外してきたモノでした。最近 そのどうちょっと外すかが オリジナリティになってる映画が多いですねー。
すごくまとめると。「電車事故を起こしたマフィア」でなく「青色の自転車をパクッたヤツ」をなぜ探して殺さないのか? というのが本質なんじゃないかなと感じました。
この事件より以前から登場人物の大半は心にも身体にも支障をきたしていて。言葉選びが難しいのですが、この一件により皆がポジティブな方向に向く必要性を理解します。それは一人一人では難しくって。目の前に自分とどこか似たどうしよもないヤツがいないとダメだったんだろうなと思います。
「偶然」も「必然」も 結局 捉え方次第で。受け入れ難い理不尽に納得するのはあきらめとは違った選択なのかと悪役が一人も出て来ない映画を観て思いました。
マッツなら、なんでもOK❗️
娘の彼氏をいきなり殴る→マッツだからOK
友人を殴って車から道端に捨てる→マッツだからOK
力加減間違えて人を殺す→マッツだからOK
ギャング団を勘違いで大勢殺しても、捕まらずにクリスマスパーティをする→マッツだからOK
もう本当に軍人にしか見えないマッツの大暴れが圧巻。
サスペンス、アクション、ヒューマン、コメディとごっちゃ煮で、童話のような導入部とエンディング。トッピングの寓話も効いて、もうなんとも言えないお味!
普段なら「こことここは辻褄が合わない」なんて、納得できない箇所があるとついつい辛口批評になってしまう私ですが、この映画はもうそんなことはどうでもよくなるんです。マッツ様が演じてるから、そして脚本が面白いから。
帰りに映画業界の方と偶然感想を交わし、デンマークの映画事情をお聞きしました。デンマークは国営の映画学校があって、無料で入学できるのだそうです。しかも外国人も。良い映画が多いのが頷けました。
よくある復讐もの、ではなかったです。
予告編を見て、マッチョとオタクがチームを組む様な良くある復讐譚かと思っていましたが、いやいやひねりが効いていて飽きない展開でした。
笑っていいのか悩んでしまうジョーク、皮肉もたっぷりあり、これでいいのかと想うエンディングも含めて、デンマーク・北欧の味付けの映画なんでしょうか。ハリウッドでリメイクされそうです。
2022 上半期トップ10 ランクイン
いやぁ~笑た!!
痛快・リベンジ・アクション映画かと思いきや…
笑える笑える…21時過ぎの上映回で眠くなったら、どうしようと不安でしたが、正に杞憂でした。
でも、ただ笑えるだけでなく、器用に人生を生きられない人達の憂いが描かれていて、奥深い。
あれだけ乱射されたら、死んじゃっても仕方ないわな…えっ生きてたの、良かった(^^)/
もう一度、観ようかな♪
カウンター
「アナザーラウンド」ですっかり惚れてしまったマッツ・ミケルセンの主演作、しかも「アナザーラウンド」「カオス・ウォーキング」とは全く風貌の違うイカつい軍人という新たなミケルセンの魅力を堪能できると思い鑑賞。よくある復讐系の作品かなと思いましたが予想とは違うものに仕上がっており、見事にカウンターを受けてしまいました。
主人公マークスが妻が電車内での爆発事故に巻き込まれて亡くなり、その電車に乗っていた数学者のオットーが事故ではなく事件だということを伝え、ぞろぞろやってきた他の学者たちも巻き込んでマフィアへの復讐劇が始まる…みたいな触れ込みだったのですが…。
今作のメインテーマはアクションでも復讐劇でもない、大切なものを無くした人の精神面な不安定さを描く作品でした。これがまた中々見たことのないジャンルミックスだったので驚きでした。マークス、マチルダ、オットーがそれぞれ葛藤する場面が中盤からラストにかけて濃密に描かれます。マチルダは母を失った悲しみをずっと背負っており、母が亡くなるまでの「流れ」を一つずつメモに記して壁に貼っていたり、心理カウンセラーを強く頼っていたりと、最初から最後まで精神的不安な状態を映しています。オットーは娘を交通事故で亡くしており、その反動からか家族の関係にとても敏感で、マチルダの面倒をよく見てくれます。「流れ」そのものに言及している場面も多々見られ、優しさがとにかく滲み出ています。マークスはかなり強がっていましたが、終盤で一気に寂しさ悲しさを爆発させ、1番感情的なのもあり洗面所の鏡に頭突きして見事に割りますし、風呂周りのものを全部壊しまくりますし、管を壊そうとしたけど壊せなかったりと、茶目っ気のある暴れっぷりはクスッと笑えてしまうものにもなっていました。
他にもアナ○セ○クスなどの拷問を受けたボダシュカやマチルダの彼氏のシリウスなど、何故かみんな集まって擬似家族的な形に仕上がっていくのもちょっぴり面白い要素になっていました。
でもアクションもほんと少ないながら良かったです。マークスが一撃で殺したり、銃で乱れ打ちしたり、自宅に突撃された際は必死の抵抗をしたりして、ピンチになった時はオットーはじめ銃の訓練を手がけた学者の皆様方が一斉に発砲しマフィアを一掃するという雑だなという見方もできますが、これが中々に爽快なものでした。躊躇なく撃ち殺すのもまた良い。
最終的にはクリスマスパーティというマフィアをぶっ潰した後にそんなハッピーなことするんだ!?というある種新鮮な映像体験でした。さっきまでの銃撃戦を忘れたように楽しそうにプレゼント開封したり、ホルンを吹いたりとなんとも楽しそう。ホワホワした映像にほっこりしました。序盤の自転車のくだりの伏線回収もここで行うあたり憎めないなぁとニヤニヤしました。
もっと派手なものが見たいなとか途中思いましたが、これはこれで良かったです。
鑑賞日 1/26
鑑賞時間 20:35〜22:40
座席 L-1
悪いとわかっていても捨てられぬ「先入観」
※スマホで読みやすい改行にしてます
マッツ・ミケルセン
デンマークを代表する名優
2006年の「007カジノロワイヤル」
の悪役ル・シッフルで世界的に
有名になり進出
最近では小島秀夫監督のゲーム作品
「デス・ストランディング」にも出演
活躍の場を広げている
自分も映画を観るうちに好きになった
俳優さんで特に「哀」の表現が本当に
素晴らしくすぐ感情移入させて
しまいます
前回は「アナザーラウンド」で
うだつの上がらない歴史教師を
演じましたが今作は一転
屈強な軍人でした
デンマーク映画ってなんか
シナリオにひと捻り効いた作品が
特徴に感じますが
映画はお爺ちゃんが孫娘に
クリスマスプレゼントの自転車を
買いに行くところから始まります
怪しげな店にいくと赤い自転車しか
なく孫は青い自転車がいいと言うと
時間がかかると言われます
爺がクリスマスに間に
合わないかもしれんよと言うと
大丈夫と孫は青色を頼みますが
その青い自転車をその業者は
盗んできて手に入れていました
するとその自転車の持ち主マチルデは
学校に行く足がなくなり母にクルマで
送ってもらおうと思うとクルマが故障
するとそこへ母に軍人の夫から電話が
あり任務で帰るのが遅れると言われ
今日は憂さ晴らしに電車で遊びに行こう
みたいな話になります
丁度その頃
とある企業(役所?)で統計から
傾向を割り出す研究の発表を
していたがまるで成果が
あげられずクビになった
二人のおっさん
右手が不自由な真面目なオットー
変わり者で多弁で一言多いレナート
オットーは会社の荷物をまとめ
地下鉄に乗るとさっきの
マチルデ親子が乗り合わせてきます
オットーはとっさに席を譲ると
マチルデは母に譲ります
するとオットーはサンドイッチと
ジュースをちょっと飲んで捨てる男
ギャング風の挙動不審の男の存在に
気が付くとその直後列車は
衝突事故を起こし大惨事が
起こります
オットーは無事でしたが病院で
席を譲ったマチルデの親子を見ると
どうも母親は亡くなってしまった模様
オットーは自分が席を譲らなければ
こんな事にならなかったという
罪悪感にかられながら帰宅すると
事故の犠牲者にギャング
「ROJ(ライダーズオブジャスティス)」
のボスの裁判で不利な証言をする
ギャングがいたことを知ります
オットーはこの事故が仕組まれた
ものであるという疑念を持ち始め
サンドイッチとジュースを
すぐ捨てた男が怪しいなどと
警察にも相談しますが
相手にされません
妻の訃報を任務地で聞いた
軍人マークスはすぐさま帰宅し
変わり果てた妻の姿を目の当たりに
しますが表情は変わりません
マチルデは悲しみに暮れ部屋の壁に
「自転車を盗まれた」
「クルマが故障した」
などを付箋で書き連ね関連性を
並べて何が原因でこうなったのか
調べようと努力していましたが
整理が付きません
マークスとは普段会っていない事も
あり距離感があります
病院は2人にカウンセリングを
進めますが拒否しますが
マークスは門限を破らせた
マチルデの彼氏を殴ってしまったり
溝は余計深まってしまいます
マチルデには父は
感情がないから何とも思っていない
ように映っています
そんなマークスの所へ
ある日オットーとレナートが
訪ねてきます
この事故が陰謀によるものだと
いう事をサンドイッチと
ジュースをすぐ捨てた
電車の男らの監視カメラの
画像などを証拠に伝えに来ます
レナートは案内した納屋の広さに
驚くなど相変わらず怪しいですが
マークスは話を聞き
更に詳しく調べるよう依頼します
オットーらはもう一人の友人
パソコンオタク・ハッカーの
エメンタールの元を訪ねます
これも神経質の変わり者なのですが
監視カメラの画像から人物を
割り出してもらうと99%以上の
適合率で出てきたのは
「エジプト人のビジネスマン」
でした
オットーらはそんな関係ない
人じゃないと言うとエメンタール
は怒りますがしぶしぶ適合率を
95%に下げるともう一人適合
なんと「ROJのボスの弟」
「鉄道関係の電気技術者」が
適合してしまい間違いないと
確信に変わります
マークスやオットーらは早速
その弟の元を訪ねると
ものすごい勢いで会話を拒否され
再び開けると銃を向けてきました
するとマークスは怒りに任せて
とっさに取り押さえて
首を折って殺害してしまいます
オットーらはドン引きしますが
マークスにとっては妻の仇なのは
わかっていますし死んで当然の
奴だと納得するようにします
特にエメンタールはかつて
自分をいじめてきた存在を
その殺された男に
重ね合わせて激しくなじり
火がついてしまいました
ここでポイントなのは
結局オットーらは統計だ確率だ
と言っていながら目の前で起こった
事象に応じて感情を持ち
その感情に流されていってる
という事です
最も統計や確立とかけ離れた
行動をとっている様に
映画としてデータや傾向を
重視する社会に皮肉と言うか矛盾を
表しています
オットーらのそれまでは社会に
相手にされてこなかったせいで
何も起こらなかったそうした
行動がマークスを通じて
現実に起こってしまったわけです
そんなですが
一同は妻の仇や自分を変えるため
ROJをぶっ潰す決意をします
納屋に入り浸るおっさん集団を
マチルデはオットーらを
カウンセリングの人たちと
勘違いしていますが
レナートはむしろ
カウンセリングを受けてきた立場で
やることはめちゃくちゃですが
徐々に打ち解けていきます
マークスも殴った彼氏と
とりあえず仲直り
この彼氏もいいやつです
ところが弟をなんか殺された
ROJの連中も黙ってはいません
その場で「プレイ中」だった男娼
ボダシュカを縛り上げその場で
見たレナートの顔を聞き出し
マークスらを襲撃します
しかしマークスは相手から奪った
銃であっという間にギャングを
全滅させてしまいます
オットーらは改めて恐怖する
もののエメンタールは逆に
自分たちの理屈が正しいから
襲われたんだと思ってしまい
俺にも銃撃も教えろと言い出します
その後襲撃に時に助けておいた
ボダシュカからROJの
溜り場を聞き出し反対する
オットーを殴り飛ばして
ギャングに返り討ちに行きますが
的ならどれだけでも撃てた
エメンタールは結局人に
引き金を引くことは
できませんでした
できるはずがないのです
マチルデの壁に貼った付箋を
オットーが見つけた時
どんなに偶然でも統計でも
運命でも感情でも関係なく
変えられないものが
ある事をマチルデに告げますが
お前わかってんじゃんと
突っ込まずにはいられませんが
オットーも飲酒運転事故で
娘を亡くし腕を不自由にした
過去があったのです
その後一同はROJ壊滅の
計画を再び練っていきますが
ボダシュカは家事も出来る
使える奴で特にレナートと
仲良く(意味深)なるのですが
殺した弟について聞きだすと
「列車事故前の数日一緒にいた」
とアリバイを証明してしまいます
……え?
てことは?
あのサンドイッチ捨てたおっさんは?
…………最初のエジプトのおっさん?
まあ薄々予想してましたが
そうだったのです
めちゃくちゃ似てる他人でした
サンドイッチを捨てたのは
単純に「マズかったから」
でもコンピュータがはじき出した
答えを否定してしまったのは誰でしょう
オットーはその事実をマークスに
告げると荒れます
バスルームをめちゃくちゃにします
そこで初めてマークスは妻はなぜ死んだ
なぜ亡骸でしか会えなかったのか
と慟哭します
一番感情がないようで一番
堪えられなかったのはマークス
であったことをその様から
マチルデも知ります
するとそこへ彼氏経由で居場所を
調べたROJが襲撃に来ます
負傷しながら孤軍反撃する
マークスですがマチルデと彼氏を
人質に取られ絶体絶命
しかしそこでオットーら
おっさん軍団が訓練された銃で
ギャングたちを脇から斉射し
形勢逆転で難を逃れます
まあでも結局ROJもいい迷惑だった
んですけど…
映画のラストは
願った通りの青い自転車をクリスマスに
贈られた冒頭の女の子が楽しそうに
雪の中を走り回る姿で終わっていきます
その青い自転車が盗まれた
裏側でどんなことが
起こっていたかも知らずに…
でも関係ないのです
誰かの意思が誰かの運命を
決めたとしても関連性は
ないのです
色々掘り下げると深い映画だと
思いますがまずタイトルが深い
"Riders Of Justice"はギャングの名前な
わけでなんで?と思ってしまいますが
「正義に乗っかる者たち」
と意味をとらえると正義と言うきわめて
主観的な感覚に流されて行動してしまう
人々を指すとすると
まさにオットーらはそうなってしまった
のではないでしょうか
事実と異なるにもかかわらずです
AIは統計や傾向によって行動を
決めますが人間にそれだけで行動を決めるのは
不可能という事です
アクション?コメディ?
様々な要素が2時間にギチギチに詰まって
ますがテンポが良く見れてしまう作品
箱は少なそうですがやってたらおすすめです
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