ライダーズ・オブ・ジャスティスのレビュー・感想・評価
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指環は疾うにウ〇コと共に…
列車の事故で妻を亡くした軍人と、その列車に乗り合わせていた学者が、真相を明かし復讐するべく行動する話。
警察はテロの可能性は低いと発表するも、譲った席に座ったことで死んでしまった女性に対し責任を感じる数学者が、列車には犯罪組織の人間が乗っていたことや、直前で不審人物の降車があったことを告げて展開していく。
良くあるガッツリ系リベンジアクションか、真相究明サスペンスかと思っていたら、それも間違いではないけれど、被害者の夫と娘や協力者の不安定なメンタルをみせる方がメイン?
素人カウンセラーのカウンセリングを長々みせてどうすんだ?とか序盤は思っていたんだけどね。
とはいえ暗くシリアスになりすぎず、コミカルなやり取りもあったり。
ちょっと回りくどさを感じたりもするし思っていたのとは違ったけれど、これはこれで面白かった。
混沌とした世界に面白さ
北欧の映画は特捜部Qシリーズやギルティなど面白い作品が多く、この映画も期待して観た。妻が列車事故に見せかけた殺人事件?の巻き添えで亡くなり、その復讐に職業軍人である夫が動く。彼は戦場で敵を殺傷することがミッションであり、正常な感覚が失われている。彼を支援するオタクの3人も普通の人ではなく違法な手段で情報収集しているのだが、そこに悪びれた様子はない。復讐された(実は勘違いによるものなのだが)ギャングたちも基本的には反社会的な存在であり同情すべきではないが、いくらか同情の余地がある。特にどこの世界も同じだが、下っ端にはあまり責任がない。善玉対悪玉というはっきりした区別ができない世界が描かれていると思った。最後はオタクグループが自動小銃をぶっ放してギャング団を倒し、観る側はほぼオタクの方に肩入れしているからそれですっきりするのだが、エンディングで主人公たちがくつろいでいるシーンがあり、警察からおとがめもなかったとすれば、そもそも現実離れした話だったのだという当たり前の現実に戻るのである。
お父さん頑張った
妻の事故死が事故ではなかったかも?!ということで乗り合わせたデータ分析学者?の人達と事故を偽装したと思われる犯人や一味を倒しにいく、復讐アクションではありますが、、
後半に人違いだった??と判明し、じゃあこの襲撃はなんだったのか!!!と悩みますが、結局最初に襲った人の仲間が返り討ちに来て、なんとかお父さんプラス学者達ズで機関銃ぶっ放して撃退しますが。この、返り討ちに来た理由が、マフィアっぽいかなりヤバい人達を相手にしてるっていうのに亡くなった妻(お母さん)の娘の彼氏が気楽に学者と娘のツーショット動画をネットに上げちゃうって。。完璧彼氏の自業自得でこっち側のミスで身元がバレてるからあんまり感情移入出来ませんでした。
途中からセラピストの人達じゃないかも??って娘も怪しく思ってたのに、まぁ仲良くしてもいいけどそんなに簡単にアップするかな〜こんな、お母さんが亡くなったあとの非常事態なのに。。
まぁ、お父さんは昨日まで軍隊にいた軍人なので、闘いや銃の扱いは見どころありました。
テーマとしては、人生は偶然の連続だってことなのかな?たまたま買った自転車が青でなく赤なら盗まれなかったのか?盗まれて電車を使っても、別の場所行きに乗れば事故に遭わなかったかも。または他の車両に乗るか、席を譲ります、と言われても丁寧にお断りしたら少なくとも一命はとりとめていたかも。。
まぁ、人生はたまたま選んだことの繰り返しは確かだし、その中でタイミングが良い時も悪い時もある。
それが言いたかったのかな〜??学者の仲間の人達がクセがありすぎる性格でそれ必要かな?っていうシーンがたまにあって気が散りましたが。。(車から降りて原っぱへ逃げて謝る時にそんな行動とる?大の大人が???とか。。精神を病んでる人と説明したかったのか?でも意味不明。。とか。)
まぁ、お父さんが妻の無念と娘のために、判断の是非はともかく、それなりに父さん頑張りました、娘もよく耐えて頑張りました、って話で良かったのかな?
あ、前述しましたが銃の扱いを知らなかった学者達がお父さんのピンチに頑張って覚えたての銃を怖い相手達に撃ちまくって皆を助けた場面だけは良かったです!
いろいろと変わった映画
バイオレンス復讐アクションかと思いきや、前半は結構コメディタッチ。そのうち、痛みを抱えながら癒されない日々をどう乗り越えるのか、という話になり最後は開いた口が塞がらないまさかのクライマックスへ怒涛の展開で飽きさせない。
中盤.マークスに殴られそうになったレナートが逃げ出して、お尻を出して謝るシーン。一見ユーモラスなシーンだが、彼が心の奥底に抱える傷の深さが垣間見えて、悲しくて笑えなかった。
でもよくよく考えてみたら、全部ヤツらの見当違いな分析とお節介によって引き起こされてるじゃん!結局みんな酷い目に遭わされてるし、最後、娘とか関係なく撃ちまくってないか??
感動して泣きそうにさせられるけど、ちょっと待てや!って気にもなる。そこもまた面白い。
復讐アクションと見せかけて、喪失の痛みを癒す話
タイトルと紹介文を見る限り、ライダーズ云々という悪人グループの悪事に巻き込まれて妻を失ったマッツがひと暴れしてそいつらを倒す話だと思うじゃないですか。当初はそういう方向性と見せかけて、もう全然違う方向に転がっていく。このタイトルはミスリード狙いだろう。
列車事故で妻を失った軍人マークスを、同じ列車に乗り合わせた数学者オットーが訪ねてくる。車内でほとんど食べないままのサンドウィッチを捨てて事故直前に下車した不審者の件を起点に、凄腕ハッカーのレナートやウルフの情報を駆使して「ライダーズ・オブ・ジャスティス」というバイカーギャングの犯行と確信し、彼らへの復讐を企てる。
短髪ヒゲモジャでもかっこいいマッツ演じるマークスは、大義名分のある側ではあるものの、行動がかなりエキセントリックだ。こちらを脅しただけのギャングの首を折ってあっさり殺したり、仲間のオットーでさえ気に触ることを言ったからと顔面パンチを食らわして道端に捨てて行ったりする。帰りが遅くなった娘の男友達にも有無を言わさずパンチ。
ところがマークスのもとに集まった一癖ある中年男たちは、マークスから離れていったりはしない。あれこれあるうちに、彼らの一癖の理由も見えてくる。オットーは交通事故で娘を亡くした。レナートは親からの虐待があったのだろうか、カウンセリング受診経験が豊富で、マークスに殴られそうになった時はズボンを脱ぎ四つん這いになって震えていた。ウルフは過去にいじめに遭ったと思しき鬱憤を死体蹴りで晴らしていた。トラウマを抱えたもの同士、互いの状況を他人事と思えなかったのかもしれない。
そしてそんな彼らにマチルデの彼氏、ギャングに囚われていたボダシュカも加わり、マチルデのカウンセリング(もどき)をしたり自暴自棄になったマークスを慰めたりして、互いを癒しながら擬似家族のような関係になってゆく。
マークスとその仲間達の心の傷の描写はあくまでシリアスに、ギャングとの抗争は殺伐とした雰囲気で描かれる一方(マッツのアクションがかっこいい)、彼らの会話やキャラクター描写にはほのぼのした雰囲気があふれている。このギャップが凄すぎて中盤あたりまでは作品の方向性を測りかねたが、結局狙ったギャングが列車事故とは無関係だったことで、ああこれはトラウマを克服する過程の物語なんだなと思った。
マチルデが事故の原因を求めて壁一面に貼った付箋について、オットーが語るシーンが印象的だ。ひとつの出来事にはそこに至るまでのいろいろな偶然が網の目のように繋がっていて、誰のせいなのか特定するのは難しい場合もある。
復讐の対象を無理に探し出すより、傷を見つめてしっかりと悲しみ、吐き出す作業をすることが、心が救われる近道なのかもしれない。
クライマックスの銃撃戦でマークス達がどんどん撃たれ、ウルフなどは「弾を避けた!」と言いつつ額から血がピュッピュと吹き出ていたので死人続出の残念な結末か?と思わせてからの、全員集合でハッピークリスマスエンド。おいおい生きてたのか、それにマッツたくさん人殺したけど捕まってないのかよ、と思いながらも彼らの笑顔に心があたたかくなった。
イェンセン監督の次の言葉に、本作のエッセンスが詰まっている。
「愛する人を失った時、人生のすべてが無意味なものに思えます。しかし、すべての意味を完全に理解しなければならない理由があるのでしょうか?死は理解できないものと受け入れ、愛する人たちに感謝しながら生きることが、人生において最も意味があると思いませんか?それだけで十分ではないでしょうか」
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