青くて痛くて脆いのレビュー・感想・評価
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人は誰だって、青くて痛くて脆いのかも知れない
人との繋がりを拒否している冷めた青年の心が、彼とは正反対に、誰彼構わず話しかけて理想の世界の構築を熱く説く同級生女子大生と出会ったことで、次第に溶解していく。だが、彼の思いは崩れ去る。理由は、心の変容か?そのことによって生じた溝か?本作は、途中まで描き尽くされて来た恋愛ドラマのふりをしながら、途中から、自分の世界にだけ閉じこもって生きることで受ける強烈なしっぺ返しを用意して、全く想定外の領域へと観客を連れていく。人はかくも"青くて痛くて脆い"ものなのか!?タイトルがものの見事に刺さるのは、それが大学生のみならず、大人だってぶっちゃけ、傷つくことを恐れて本音はできるだけ封印し、人に責任を転嫁し、幾つになっても自分の殻に閉じこもった繭のような脆さと青さを、人知れず引きずっているから、なのではないだろうか?だから青春映画とは安易には呼べない、人間の本質に迫ったコロナ禍のベストワークである。
吉沢亮が魅せるリアルな青春
本作は、キミスイの住野よる原作、キングダムの吉沢亮主演ということで、期待して鑑賞したが、意外な作品だった。心理描写が多く分かり易い作品ではなかった。本作で描かれているのは、キミスイのようなピュアーな青春物語ではなく、リアル、ダーク、赤裸々な青春サスペンスだった。
本作の主人公は、大学1年生の田端楓(吉沢亮)。彼は、人を傷つけることを異常に恐れ、人付き合いを遠ざけていた。ある日、彼は、授業で、形振り構わず理想論を信じ、周りから浮いていた同学年の秋好寿乃(杉咲花)と出会う。孤独な二人は、秋好の世界を救済するという壮大な目標を目指して秘密結社・モアイを結成し、二人だけで活動していくが、次第に、モアイは参加メンバーが増え、当初の目標とはかけ離れた組織に変貌していく。楓は、そんなモアイに失望し潰そうと画策していく・・・。
序盤は、大学に入学した男女のピュアーな青春物語だったが、中盤以降、作風が一変して、楓の復讐劇に変貌していく。リアルな青春物語になっていく。吉沢亮がキングダムなどで確立した役者としてのイメージをかなぐり捨てて、不器用で鬱屈した青年を演じ切っている。杉咲花は、旺盛な行動力で理想を追い求める寿乃を不思議な魅力で巧演している。
ラストシーンでの楓の台詞が本作のメッセージを凝縮している。強く頷くことができる。
青春時代は、理想を追い求める時であり、現実を知る時でもある。理想と現実の狭間で、気持ちが揺れ動く時である。色々な事に衝突し傷つく時である。それでもなお、傷つくことを恐れずに、挑んでいくことで次が見える時である。本作は、そんな青春時代のリアルなプロセスを、楓の心情を追うことで綴っていく。
青春時代の渦中にある人より、青春時代を俯瞰できる年齢になった人の方が心に響く作品だろう。二度と戻らない、あの時の、青さ、痛さ、脆さに、今の自分を重ねて、人生における青春時代の意味を再確認できる作品である。
吉沢亮さんは大層美しいお顔をしていらっしゃるのに、拗らせ方からだん...
吉沢亮さんは大層美しいお顔をしていらっしゃるのに、拗らせ方からだんだんと気持ち悪く見えてくる演技に圧巻。
個人的に、住野よるさんの私の描いたヒロイン像が苦手でならない。キラキラと太陽のように眩しくてみんなに分け隔てなく気遣いができて最高の子!といったような虚像が受け入れられない。ただ、そのような設定の女の子にピッタリと当てはまるような真っ直ぐ直向きでみんなから好かれるようなオーラを醸し出す杉咲花さんの演技はすごく良かった。
面白いかどうかと言われれば微妙。男女の痛くて脆いすれ違いだが、サークルの繁栄具合は現実味がない。しかしながら、男女の関係において恋人ができて、距離ができてしまう悲しさには共感ができた。多分常人は違うコミュニティに顔を向けるし、ヒロインに執着することはないけれども。
原作の良さが何一つ活かしきれてなく、残念。 けど1本の映画としては...
原作の良さが何一つ活かしきれてなく、残念。
けど1本の映画としてはいいと思った。
やっぱり原作から入るとだいたいどの作品も実写や映画化って見るに耐えなくなる。
ぜひこの映画を見た人には原作も読んで欲しい。
しくじり先生。
「不用意に近づかない。誰のことも否定しない。」そう生きれば誰も傷つけず、トラブルに巻き込まれない。ようは、自分が傷つかずにすむ、という算段(ポリシー)で生きていた吉沢さん演じる主人公・楓。杉咲さん演じるポジティブ人間・あきよしと出会い、ズルズルと意思なく関わりはじめ、結果どんな自分と出会ったか。
妬み。
自己愛。
これは人類普遍の課題ですね。
それはフツーの人の、仮面の下にある。
自分の心に巣食う闇。
コイツと向き合わねばね。戦争も差別もいじめも格差社会も、これと向き合わない限り、改善できないですね。クズになるかどうかの岐路。魂、試されます。
楓くんよ、やらかしたね。大しくじり先生、でもここからだ。誰もが乗り越えないといけない試練。ナルシスト卒業は、こんな経験からしかできません。最後のパラパラ漫画に、愛がありました。
ブルエンだけ良かった
ほんっっっっとに何も感じなかった。つまんなかった。結構感動ものかな〜って思ってたのに感動のひとつもないし心が痛くなったとかもないなあ。
吉沢亮ってこんな顔してたっけ&怖いのと、ブルエンがただひたすらよかったという感想しかない。見ないほうがいい。(失礼)
なりたかった自分になれてますか
原作未読、あらすじもあまり読まずに鑑賞したのでもっと恋愛に寄った話かと思いきや全然違いましたね。
同じ大学の楓と秋好が2人でサークルを立ち上げるところから始まる。
理想を掲げ、世界は変えられると本気で信じる秋好が眩しくもあり、憧れに似た想いからほのかな恋心を寄せていたであろう楓。
2人きりの楽しかった世界はサークルが大きくなり、秋好には彼氏ができ、今までと違うものになってしまった。
どんどん自分の居場所が無くなり、嫉妬や自分が必要とされていないような気持ち、それがやがて憎しみに変わって行く。
その後の楓がとった行動はタイトル通り、あまりにも青く痛く脆かったけど、やるせない気持ちやぶつける場所が無く、自分が居たはずの場所で今も輝いている彼女が許せなかった、ドロドロした心の底の澱のような思いはもしかしたら自分含め誰しもが持っているのかもしれないと思いました。
それをどう消化するかは人それぞれですが。。
なりたかった自分をイメージするシーンが何だか辛かった。
私もなりたい自分になれてないなぁ。
めちゃくちゃキレイな顔の吉沢亮くんですが、ちゃんと陰キャな雰囲気出てて流石だなぁと。杉咲花ちゃんもよかったです。
観てよかった!
思い当たる、若かりし頃の青さ、痛さ、脆さ
なんとなくSEALDsやグレタ・トゥーンベリを思い起こさせる、モアイ。世界を良くしたいという理想を掲げる意識高い系の若者、コミュ障な若者、人間関係に悩む若者、つるみたいだけの若者、それぞれに自分の若い頃の面影が重なる映画でした。
大人の私にはモアイも楓と秋好さんの友情もうまくいかない結末がなんとなく見えて驚かなかったけれど、青くて痛くて脆い年齢の最中にいる大学生や高校生だったら、どんな感じ方をしただろう?
こうやって大人になっていくんだなぁ。
青い!それがいい!
あれぐらいの年齢の時って、正直に相手に伝えられなかったり、大人に振り回されたり、理想を語ったり、逆にめちゃくちゃ現実的になったり、いろんな感情を味わいながら、大人に成長していくんだなぁと思います。
その事がとても表現されていて、美しい映画だと思いました。
映画を見ると、主人公の人生が体感できるという人もいます。同じ年齢の人がこの作品を見た時に、自分と重ね合わせて1歩足が踏み出せる、そんな映画になっているのではないかと思います。
面白かったです。
若い頃はみんなあんなもんだ
コミュ障状態で、楽しそうな人たちに嫉妬して、疎外感を感じる。
若い頃はみんなあんなもんだ。
なんならそこそこ大人になってもそんなもんだ。
映画では立場によって正義が入れ替わっていく。
原作だと、またイメージが違うんだろうな。
この年頃にある想いは複雑で。
大学生。
子供でもなく大人でもない。
それでいて自分がこれからどうなるのか、どうなっていくのかという想いに苛まれていくところをうまく見せた作品。
他人を傷つけたくない、悪く思われたくないとポリシーを強く持っている楓。
大学生活において様々な事が起こり、誤解からこの真逆行動をして取ってしまう。
その失敗に気づくも時すでに遅し。
ま、そんなもんよね。
この時の経験はこれから生きてくるんだよと、メッセージを感じられたらいいのかなと思う作品でした。
面白味には欠けるけど。
最後に一言。
こういう予告編の見せ方は作品の本質を曲げてしまう。
キャッチコピーは酷すぎる。
違うでしょ。
47点
杉咲花に救われた作品。
ストーリーはどこか掴みどころが難しくて、演技もそれなり。(あまり起伏がないので判断が難しいですが)
まあ大学内での淡い繊細な表現は伝わるし、主演二人の気持ちもわかる。
日本アカデミー賞新人賞から翌年すぐさま助演男優賞を獲得し勢いに乗っていましたが、役所や作品に恵まれなかったなあと思いました。
昨今は顔が綺麗でスタイルもいい若手俳優が多い中、こ綺麗にまとまらずに化ける様を楽しみにこれからも鑑賞していきたいです。
私は大学に行っていないので、サークル活動というものがよくわからな...
私は大学に行っていないので、サークル活動というものがよくわからない。たった2人で創ったサークル、しかもちょっと変わり者扱いされて見向きもされなかったサークルがたった3年であんなに巨大な、社会人も認めるようなサークルを創れるものなのか?とちょっと入り込めなかった。
結局はみんなの仲間に入りたかったけど、踏み出すことが出来ず、嫉妬からモアイを解散に追い込んでしまった楓が後悔する、なりたい自分を探す青春物語。青春物語と思えば楽しめる。
なりたい自分、○○歳になった今でもまだなっていないなあ🥴
杉咲花はやっぱりかわいい😍
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