劇場公開日 2017年5月13日

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マンチェスター・バイ・ザ・シーのレビュー・感想・評価

全231件中、21~40件目を表示

4.5後悔を内に秘めて、淡々と生活する。

2021年6月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

難しい

そうする事でしか、自我を保てない程の、悲しく辛過ぎる過去。裁いてすらもらえない『背負う』という現実。いっその事、、、と何度思った事だろうか。

自ら他人との関係性を最低限に断ちつつ、敢えて興味も持たず、必然的に自暴自棄に。

兄ジョーの死を切っ掛けに歯車は動き出す。歯車は望まずとも強制的に動いていくが、そこには兄への愛情と尊敬が垣間見える。

物語の展開は海辺の田舎らしくゆったりと。だが、その緩やかな時が、尚更に厳しく。現在に『適度な過去』を挟む事で厚みを表現。この秀逸な脚本が、登場人物達を見事に演出。

口数少なく、不器用で難しいリー役を、ケイシー・アフレックが見事に好演。徐々に甥のパトリックにも気遣い出来る程、時間がリーを優しく包んでいくが、悲しい。

元妻ランディの言葉に救われるも癒えない。ミシェル・ウィリアムズの悲しい演技に涙。余りに深いその傷を思わず吐露するリーに、ただただ観る者は心を締め付けられる。

『娯楽』ではない、圧倒的な『作品』。観る事で言葉に出来ない何かが生まれる。ケイシーの演技にどっぷり魅入って欲しい。

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アル

4.0乗り越えられない

2021年5月30日
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男兄弟っていいなあと、ラストはただそれを思った。

ふと沸き起こるフラストレーションを
暴力で昇華させようとしてしまう、そうするしか生きていけない。
乗り越えられないし、乗り越えたくもない、むしろ乗り越えるべきと思っていない自分の過去。

甥っ子との言葉の応酬は
字幕を読む暇もない。

心も 修復不可能なほど 再起不能なほど
傷つくのだ。

精神を病むという事が逃げに見えるほど真摯に自分を責める生き方は選んでそうしているわけでもなく、
その原因となった彼の元の性格、、友人がいっぱいいる男気のある男とセットになっているのだと思う。

自分の人生の言い訳は するつもりもなく 思いつきもしない。
ダメなものはダメで 嘘や言葉でカバーしたりしない男。

甘い言葉は撒き散らさず、
理性など 持っている分量だけでよいと思っている。

愛を行動で示そうとアクセサリーや花を買う男にしか価値を見出せないと思われている女たちだって、
こういう男に一発でKOされてしまうのだよ、と逆に男たちに教えてあげたい。

元妻(ブルーバレンタインの人だったね)が彼に向かって泣きながら謝罪するけれど、
法的罪にも問われず妻からも責められなかったら、その方がもっとつらい。

とは言え、彼女の言葉がずっと彼の脳裏でリフレインし続けているのもまた間違いない。
そしてそれは彼自身が受ける真っ当な責め だと思っている。

今はまだ16で、ヤル事しか考えてなさそうに見える男の子もきっと 父のように 叔父のように 海の男になっていくのだと思われる。

口先と脳みそが繋がっている男より
ハートと脳みそが繋がっている男がいい。

(と思いつつもほんとは両方にちゃんと繋がってないと、生活してる中で不具合が多くなって面倒であるというのも事実だったりする)

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asica

5.0癒えることのない傷を抱えながらも生きていく

2021年5月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

心を閉ざした男が兄の死によって、かつて住んでいた地を訪れる。そこで、兄の息子と生活を送ることになり、過去の悲劇と向き合うことになる…

所々、絶妙なタイミングで過去の映像が流れることで、陽気だった主人公リーに一体何が起きたのか?なぜ行き場のない怒りを抱え、何か悲しそうに見えるのか?興味を引き立てる構成になっていると感じた。
そして、主人公のリーを演じたケイシーアフレックの明と暗の演技の対比に脱帽した。ベンアフレックの弟ぐらいの印象しかなかったが、人生の落伍者を演じさせたら間違いないのかなと思った。

そして、マンチェスターの静かな波が印象的。初めはリーの心情と同じように、悲しく、冷たい印象を感じた。しかし、終盤では変わった。心に負った傷は全てが癒えるわけではないが、甥や元妻との交流を通して、一歩を踏み出そうと変わったリーをそっと送り出すような印象になった。

本作は明快なメッセージが表示されたり、結末があるわけではないが、登場人物が織りなしたドラマは心に深く染み渡っていった。見て良かった❗️

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いたかわ

2.0退屈

2021年2月9日
iPhoneアプリから投稿

美しく淡々とした正直退屈な一本。
悲劇が極端過ぎ。
酒場で暴力ふるい過ぎ。
抑えた演技と無反応無表情は違う。
ガキがモテ過ぎ。
家がどれも同じで今これが誰の家か分からなくなる(私だけか)。

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きねまっきい

3.0止まない雨もあるって物語

2021年1月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

とても辛い事があって、それは乗り越えられる類いのものではない主人公。

物語でいうところのハッピーエンドなんてなくて、終始溜め息が洩れる。

映画としての品質の高さはわかるのだけど、また観たいかというと正直しんどい。

脚本がもっと良ければ(いいのだろうけどセリフが少なめ)印象に残ったかな。

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キムラファンマルケ

5.0ハッピーエンドな映画じゃないけど後味よい

2020年9月20日
iPhoneアプリから投稿

ハッピーエンドではないけど、後味良いというかなんだか清々しささえもを感じられました。乗り越えられないトラウマがあってもよい、そんな映画です。
音楽や景色も素敵です。

暖炉には気を付けましょう。

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konthefunk

4.0Lucas Hedges

2020年7月14日
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最高!
なんか淡々と描かれており、お涙頂戴の映画でないとこに一票。

ルーカスとケイシーのやりとりのシーンが絶妙。上手いね、

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ken

4.5生きなきゃなんない

2020年7月11日
PCから投稿

ケイシーアフレックに感じるのは覇気のなさである。そんな役柄が多いし、兄と比べているところもある。不真面目で、だらしなく、向日性に欠けている。眠そうな目をして、消え入りそうなハスキーヴォイスでボソボソ話す。特徴的なのは間違いないが、概して親しまなかった。

しかしこの映画を見てケイシーアフレックの身上と、人々がその演技をほめる訳が理解できた。完全なはまり役だったと思う。

まず、いつものケーシーアフレックが出てくる。覇気がなく、動作も重く、投げやり。仕事で顧客と言い争う。バーで飲むと喧嘩を売る。会話が虚ろで、つねに心ここにあらず。いつものケイシーアフレック──に輪をかけて、生気がない。

映画は、過去と現在が交錯する。
かつてのリー(ケイシーアフレック)は、とても快活だった。
中途で、リーが背負うことになった悲劇が描写される。それは恐ろしい過失で、彼の無気力と無軌道が、いっぺんに納得できる。

そこから映画は、弾幕のように悲愴が降ってくる。
罪の意識を背負って生きるリー。
I cant beat it.
そのどうしようもなさが、彼と観るわたしたちの処理能力を超え、ただひたすらどうしようもない。

不幸が重なって、兄ジョーを心臓発作で失う。
リーはジョーの息子=甥のパトリックの後見人となる。
兄の埋葬までの行程が映画の主筋。
遺品のボートが、パトリックとリーを仲介する。

パトリックは16歳。たくさんの友人に囲まれ、彼女が二人。アイスホッケーをやり、バンドもやる。青春を謳歌し、生気に満ちている。
失うものは何もないリーにとって、パトリックは相反する立場として存在する。しかし、二人には、どこかに通い合うものがある。

パトリックはリーに人生のつらさや喪失や呵責を見る。
リーはパトリックに、この世に繋ぎとめる何かを見る。それが何かわからないが、生きているなら、生きなければならない。なんとしても、やっていかなければならない。その哀感がケイシーアフレックの表情と背中にあふれる。

一般にマンチェスターといえばイギリスだが、アメリカにはマンチェスターなる地名が幾つもあるそうだ。ただしこの海辺の街は単にマンチェスターではなく、Manchester-by-the-Sea、一つづりで地名、とのことである。

きれいな海辺の街だが、Manchester-by-the-Seaから連想される叙情へは一ミリも落とさない。街も海も、何も癒してくれないし、誰も見守ってやしない。ただそこに泰然とある。お涙頂戴の極北をいくシビアなドラマだった。

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津次郎

5.0良い

2020年7月6日
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警察署内、奪った拳銃の引き金を躊躇なく引く。
ここが良かった。

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Brian

4.0たまには、墓参りいこう。

2020年6月2日
iPhoneアプリから投稿

・「容疑者ホアキン・フェニックス」で業界干されたケイシー・アフレック...というふうに見ると感慨深い
・人との距離感が取れなくなっている感を描く上で、ケイシー・アフレックの根暗な感じがとても合っている
・生活の中で起きる悲劇は、だいたい大丈夫ではあるけども、大丈夫じゃない出来事は確実にある。
・それでも大丈夫なのではあるが、ただ漫然と過ごしているだけでは大丈夫にならない。
・じゃあなにをすべきか。
・そんなことしてる場合じゃないという、小さなことをひとつひとつやること
・会っていなかった身近な人たちに会うこと
・「親戚」という存在
・主人公は、死んだ兄に導かれるように、甥のどうでもいいことに付き合わされる
・そうこうするうちに、事故のときから止まっていた時計の針が、主人公の中で動き出す
・やがて、本当の話ができないでいた妻とも向き合う
・そのやりとりがリアル
・お互い言いたいことが溢れちゃってくっちゃくちゃになってまとまらなくなる感じがgood
・主人公と甥とで、守る側と守られる側が逆転していく
・主人公は実は甥にさえも守られていたのだと気付かされる
・失ったものはあるけれど、それはそれとして、自分はいま何を持っているのかにじわじわ気づいていく主人公。足るを知っていく。
(甥とボールを投げ合うシーンいいすね。。。)

・親戚とかつい疎遠になってしまう身近な人とは会っといたほうがいいなと思った映画
・たまには、墓参りいこう。

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DEPO LABO

5.0つらくとも、乗り越える

2020年5月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ある日の悲劇をきっかけに心を閉ざしてしまった男性(自閉症のような心理描写?)の再生を描く物語。
人は時にどうすればいいかわからなくなるような困難に突き当たることもある。
色んなことを悲観的に捉えてしまったりすることもある。
でも、時間をかけて、心を癒していけば、乗り越えられる。
そんな、メッセージが込められた作品だと感じました。

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さかもっち

3.5派手さが全くない映画です。ただ、身近に誰もが起こるかも知れない事件...

2020年5月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

派手さが全くない映画です。ただ、身近に誰もが起こるかも知れない事件。
自分が当事者だったら、どうなるか?考えさせられる。

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April

2.5評価となると

2020年5月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

壮絶な過去を持ちながら生きている事は理解出来る。辛すぎる、と言うセリフは非常に重たいものだった。

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おのもん

3.0男の苦しみ

2020年3月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

兄の死によって、元住んでいた地に帰ってきた流れが過去の回想を織り込みながら進みます。
途中、過去が明らかになるまではかなり興味深く見れました。
ただ後半が、よくわからないままと進んだ感があります。
その点は、マイナスです。

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たけお

4.5静かである

2019年12月17日
iPhoneアプリから投稿

泣ける

ケイシー・アフレックの繊細な演技が
ただただ素晴らしい。
それだけでもう充分。

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blank3s

4.0なんだ、これ?

2019年12月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ハッピー・エンドを期待していたおいらはその希望のなさに、「なんだ、これ?」と思ってしまった。でも、惹かれる映画でした☆

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hide1095

3.5綺麗

2019年10月23日
iPhoneアプリから投稿

映画の内容と場所の空気、音楽、映像の淡麗さが本当によくマッチしている。

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齋藤直紀

3.5レビュー

2019年10月18日
iPhoneアプリから投稿

一見退屈で、憂鬱な雰囲気に包まれた映画ですが、凄まじく気持ちが揺れ動かされました🦊
重すぎる罪を背負い、正反対な甥と関わりあいながら、それでも、なんとか答えを見つけて生きていくしかない…😭
ある種の生き様を見せつけられました😇
ケイシーアフレックの熱演です!!!

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みそしる

3.5どちからかというと、女性より男性の方がこの映画が好きそう

2019年9月12日
PCから投稿

憂鬱で何を求める訳でもなく、ただ淡々と日々をやり過ごす男性の過去が徐々に明らかになり、その出来事と直面せざるおえないタイミングが訪れて…というのが主なストーリー。

主演のケイシー・アフレックはこの映画でアカデミー主演男優賞を受賞していますが、自分的には演技にあまり特別な物が感じられなかった。ストーリーは考えさせられるものだけど、主人公の男性の様に感情を殺さざるおえない心境になってしまい、真実がわかってからはずっとこの気持ちのままで鑑賞を終えた。生きていく中で、原因は違ってもこういった気持ちを背負っていると思うので、共感性が高いテーマだと思う。

特にカタルシスはないので地味なんだけどずしーんと重くのしかかってくる。2度は観たくないというか、自分の持っている重たい物で十分だわ…と思ってしまった。

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恵

5.0心に残り続ける作品のひとつ

2019年6月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

幸せ

人生に絶望していた時期に観賞した映画です。

派手な演出や鮮やかな物語ではなく、一人の人間の人生の一部分を切り取ったような映画でした。
兄の死がきっかけで主人公に甥が寄り添うようになり絆が生まれ彼の心を癒してくれる様子がたまらなく大好きです。喧嘩も多いですが。
最後の場面、リーがこの街には残れない、辛すぎると言った場面も大好きなシーンのひとつです。

辛い気持ちを持ったまま生きていこうとする主人公に勇気を貰います。私が最も好きな映画です。

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xゔぃでおs