マネーモンスターのレビュー・感想・評価
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日本語吹き替え版で見たかった
劇中、アホなコメディアン気取りの番組キャスター(ジョージ・クルーニー)が、使命に気づき、良心に従って行動するようになる心理描写の巧みさ、これには監督であるジョディ・フォスターのキャリアがそのまま投影されているように思える。
それでなくとも、例えば株で大損した男の妻役の女優さんなんか、どう見ても女優ジョディのコピーだ。ディレクター役に運良くジュリア・ロバーツをキャスティング出来なければ、監督の彼女自身がこの役を演じていたのではないだろうか。
とにかく、ジョディは骨の髄まで映画人なのだ。
久々に、アメコミ原作ヒーローではなく、キャラクターも出ない、続編でもなく、○○受賞作でもない、それでいて娯楽に徹した映画を見た気がする。間違いなく彼女にしか撮れない映画だろう。
今後、クリント・イーストウッド級の「演じて、撮り、ヒットさせる」監督になるか、ウディ・アレンのような、クセのあるブランドになるかの可能性を感じるが、彼女には前者を期待したい。
レズビアンを公言した彼女の作品に特徴的なのが、割と無造作にはさみ込まれるSEXシーン。これがことごとく乾いた表現で、まるで家族や隣人のそれをのぞき見しているかのごとく、「いやらしさを伴わない」。何しろ自ら演じたメル・ギブソンとの濡れ場ですら、エッチな淫靡さが感じられないのだ。
やっぱり、監督の好みとかこだわりって、画面に投影されるものなのね。
まあ、好みが分かれる映画だと思うので、無理におすすめはしませんが、私はあと2回は観たいと思っています。その理由は、字幕の情報量の足りなさに日頃から不満を感じていて、特にこの映画ではそれが顕著だったこと。
例えば、サで始まるカタカナ6文字の謎のキーワードがジュリアとクルーニーの間に何度も交わされますが、映画のスピードに着いて行けず、謎のまま理解できなかったり、ジョージのアホぶりの演技が、メディア担当女史の肩書きを間違えて言ったのか、ただそう聞こえただけなのかは、字幕を追っかけるだけでは判断できなかったりと、あらためて、「日本語吹き替え版」のありがたさに気づかされました。
それ以外にも、テレビ画面に映される各局のキャスターたちの中に、意外なカメオスターが紛れていたり、確認したいことがたくさんありました。ブルーレイが発売された時には、願わくば吹き替え版と、スタッフ・コメンタリーが収録されることを強く望む次第です。
結構感動する
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投資番組MCのジョージがオススメした株で大損した青年が番組を襲う。
生放送中に爆弾と受信機つきの上着をジョージに着せ、放送を続けさせた。
青年が押し続けているリモコンのスイッチを離すと爆発する。
その株が暴落した理由は不明で、売買システムのバグとされていた。
青年はその真相を暴くよう、番組側に要求して来る。
警察はジョージごと上着の受信機を撃って、青年も射殺しようとしていた。
それを知ったジョージは青年を盾にして撃たれないようにする。
そうすることで青年を撃たせないためだった。
このようにジョージはこの青年に同情というか愛情を持ち始めていた。
やがてその会社の社長が見つかり、そこへジョージと青年で向かう。
警察やマスコミや野次馬が周囲にごった返し、それも生放送される。
途中、青年がジョージに、爆弾は嘘だと告白する。
が、ジョージは聞かなかったことにし、爆弾であるよう演技を続ける。
そして社長を生放送で追及する。
社長はしらばっくれたが、ジョージの上着を社長に着せて、
爆破すると脅すと正直に告白。大量売却して海外へ投資していたのだった。
全てが分かり青年は自ら狙撃されるようにし、死んだ。
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ジョディ・フォスター監督。劇場で見ておもしろかった。
やっぱりこういう友情というか共同戦線な感じは好きやわあ。
もし実際にこんな事件が起こったらどうなるんだろうなと思った。
それでもメディアショーは続く
生放送中、番組がジャックされる。
実際にはありそうで滅多にないシチュエーションだが、映画では格好の題材。
韓国映画で『テロ,ライブ』。メディアによって犯人が祭り上げられる『狼たちの午後』や『マッド・シティ』。邦画でも『グッドモーニングショー』なんてあったが、これは…。
本作も特別優れた傑作ではないにせよ、サスペンスと社会派のハリウッド・エンタメ。
スター映画でもある。監督はジョディ・フォスター、ジョージ・クルーニー&ジュリア・ロバーツ共演。
人気TV番組“マネーモンスター”。MCのリーは軽妙なトークとユニークな趣向で視聴者に株の動きを伝えていた。
しかしある日、予測していたアイビス社の株が大暴落。その原因を番組内でアイビスの広報担当に直撃しようとしていた。
ディレクターのパティはスタジオ内に不審な男がいる事に気付く。その男は銃を持ちリーを人質に取って番組をジャック。
男カイルはアイビス社の株価暴落によって財産を失った。リーの誤った情報と不正があったと凶行に及んで訴えに出たのだ…。
これまでにも何度も言っている通り、株などお金の動きに疎い私。だから『マネー・ショート』なんてちんぷんかんぷんだった。
とは言え、お金の動きなんて精通している人からすればある程度予測出来るのだろうが、絶対的じゃない。株が上がったとか暴落したとか、未知数。それでいちゃもん付けられても…。
しかしそこに、疑わしい不正があったとしたら…?
いつも得をするのは金の亡者たちだけ。貧乏人は搾取される。
カイルのやった事は犯罪だが、気持ちが分からん人も少なくないのでは…?
リーも当初は、何で俺がこんな目に…としか思っていなかっただろう。結構俺様な性格。
しかしカイルが、自分が発した情報によって被害を受けた事にさすがにショックを受ける。
俺が間違っていたのか…?
いやそもそも、俺が間違わされていたのか…?
人質になって身に危険が及ぶ中、真偽を突き止めようとするが、アイビス社のCEOは行方をくらましたまま。
何か、ある…。
いつ爆発し、さらなる凶行に及ぶか分からないカイル。TVを通じて恋人から説得して貰おうとするが、恋人はカイルを痛烈に批判。赤っ恥をかかされ、カイルの精神状態はさらに不安定…。
カイルをなだめるリー。自分の身の安全もさることながら、カイルの事も助けたいというのも嘘ではないようだ。
と言うのも、パティらTV局側と警察は…。
パティは何よりリーの安全優先。リーとパティは男女の関係と言うより、長年のバディ。
警察は必要とあらばカイルの射殺も辞さない。スタジオ内に狙撃手を配置。
リー、カイル、パティらTV局、警察の思惑が交錯と混乱する中、行方をくらましていたアイビスのCEOの足取りが…。
スタジオ内も外も警察の包囲網。
アメリカ中の注目の的。
極刑どころか、一歩間違えれば死ぬかもしれない。
でも、ここでこのまま手をこまねいているか…?
自分で事の真相を追及しに行くか…?
大胆な行動。リー自ら人質となって盾になり、TV局の外へ。カイルを連れ立ってCEOの元へ向かう。
混乱とアクシデントの中、遂にCEOと対峙した二人は…。
ジョディ・フォスターの監督4作目。前3作のヒューマンドラマから、突然の路線変更のサスペンス。スリリングなエンタメ性と社会派要素の手腕は上々。
序盤のジョージ・クルーニーは本人を見ているよう。犯人に同情し、共に真相を突き止めようとするヒロイックなご都合主義はご愛敬。
ジャック・オコンネルも狂気と哀切を表していた。
ジュリア・ロバーツも好サポートするが、ちと合ってなかったような…。ジョディ・フォスターの方が合ってたかも…?
CEOを問い詰めるクライマックスは痛快。
が、犠牲が…。自業自得なのかもしれないが、哀しさ滲む…。
ラストシーンは“バディ”の信頼感とスターオーラで、ただ後味悪く終わらない。豪華スタートリオによるTHEハリウッド・エンタメ!
TVにSNSにメディアの情報に躍らされる今の世。
それが絶対とは言えないのにも関わらず、鵜呑みにしてしまう。幸になるか、不幸になるか。
それでもショーは続く。
ジョディ・フォスターもっと監督しても良いと思うのに
生放送中に人質になったキャスターと、彼をフォローするディレクターが苦闘する物語。
ジョディ・フォスターが監督、ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが共演する豪華サスペンス。
映画全般はややコメディテイストで軽く楽しめる作品です。
それでも内容たっぷり。マネーゲームに耽るアメリカ社会を風刺し、人質事件の緊迫感もあり、サスペンス色も織り交ぜる秀逸な展開。
人質になったキャスターをディレクターがサポートする設定は、人質物としては新鮮で興味を引くのも良いですね。
主人公と犯人の関係性の変化を上手に見せながら、ラストに繋げる展開も見事だったと思います。
難点を言えば、ややサスペンス部分が雑で軽いように感じられその点少し減点しましたが、それでも私的評価4.5を付けられる秀作だったと思います。
投資は計画的に。
<<あらすじ>>
人気財テク番組「マネーモンスター」が“買い時”として紹介した
投資会社の株が暴落し、多額の損失が発生した。
そんな中、番組に従って大損をしたというカイル(ジャック・オコンネル)が
銃を手に生放送中のスタジオに乱入。
番組パーソナリティーのリー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)に
爆弾を仕込んだベストを着せて人質とする。
カイルは、番組の罪と損失の真相を生中継で明らかにすることを要求する。
■ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツの共演♥
この2人がメインなのですが、やっぱりに【オーシャンズ11】を彷彿させますw
違う映画だよって脳に理解させるので数分かかりました(;^ω^)
■生放送中に起きる立てこもり事件。
財テク番組とか面白そうだけど、翻弄されて自己破産する人絶対増えるよね。
株取引なんて自己責任だろうと思いつつも、番組の責任の重さも感じる。
こういう番組は無い方が良いな。
ちなみに投資云々が分からなくても全然楽しめる内容です。
■金融業界の闇
実際の金融市場であり得る話ですね。
全財産失った人がこういう犯罪を起こすのも、おかしくない話。
■リー(ジョージ・クルーニー)とカイル(犯人)の間に不思議な信頼関係。
暴落の真相が明らかになるにつれて、格差社会、情報社会の実態が浮かび上がり
“真実を報道する”というテレビ人としての本質が出てくるあたりから
リーと犯人に友情のような不思議な信頼関係が芽生えだすとこも魅力的でした。
■最後は悲しいな・・
最後のシーンも非情な現実的でちょっと切ない・・。
安賃金で働いて、もうすぐ赤ん坊まで生まれる中、全財産失った犯人。
犯人に対して同情というか、最後はやるせない気持ちになる。
お金に振り回されてる人間は見ていて哀しい。
■何気に音楽最高🎵
エンドロールで流れるラップ曲も(本編でも冒頭に流れます)最高!!
Dan the Automator の『What Makes the World Go 'Round (MONEY!)』です。
字幕版の日本語でも歌に合わせてちゃんと韻を踏んでるので、
是非聞いてみてください。
「生中継でのジャック」というハラハラ感や、
番組を作りながら事件を解決するというライブ感がとても面白い作品でした。
世の中の裏側を描いたような作品です。
株に絡めた作品ということで期待してましたが、
空売り等の株特有の用語や手法がほとんど出てこなくて、少し物足りない感じです。
ストーリー展開としては、予想外の動きで楽しめました。
ラストは、「その終わり方で良かったの?」という、少し切ない感じになります。
事件が起きる、でも、すぐに忘れられて、元通り・・・
ある意味、世の中のリアルを描いているように感じます。
投資は自己責任で
株で損をした人だったや、悔しさやあれやこれやはわかるよね…カイルの気持ち。
アナリスト、キャスターにさえ怒りをぶつけたくなることもあるでしょう。
それは誰のせいでもない、自分のせいだとしても。
素人投資家が大損して逆ギレ。
誰の目にもそう見える。
本当に裏で何かやってない?と疑いたくなる気持ちもわかるけど、あそこまで人のせいに出来るのもすごいな。
しかも、損失補填しますって。
してくれるの?
普通しないでしょ?
ウォール街で働く人達は、他人の損失なんか気にしてはいない。
自己責任だからね。
リアルタイムの人質&爆弾事件。
素人投資家の逆ギレに、ようやくキャスターが心を動かされたところだったのに…というか、自分も騙されていたことに腹を立て、犯人と一致団結したところ、というべきか。
終わって5秒くらいで人々の関心は薄れるというところに物悲しさも。
さて、彼は来週からどんな番組にしていくのか。
ジュリアロバーツの、やたら上から目線が鼻についたな〜。
カイル役の彼、不幸せな役多いなぁ。
テレビ局ジャックの出来事でした
普通でした。 序盤は 「この後、 どう展開していくのだろう」 と興味を引きつけられましたが、 その後に盛り上がらず、 予定調和のまま終わりました。
[マネーモンスター (Money Monster)] というタイトルにも不満をいだきました。 実際にはマネーモンスター が登場するわけではなく、 テレビ局ジャックの出来事でした。
マネーゲームの被害者?
劇場型で物語が進んでいくので
緊迫がある。
生放送の番組であるからか
ハプニングがあっても冷静に
的確に取捨選択している
のがプロっぽい。
登場人物もそれぞれ役回り
があるのでそれぞれ活躍
するのが良くできている。
テレビで株を買うように呼びかけ
るのって株価操作にあたらないの?
犯人が死んで事件が解決したら
市民は何事もなかったように
日常に戻るシーンがアメリカ
っぽいなと思った。
向こうでは日常茶飯事なのか
当たり前になっているのかな。
お金に支配されるものは行動も支配される
財テク番組の生放送中のスタジオに犯人がキャスターを狙った犯人が現れ、その空間の中でほとんど話が展開される。
個人的に金融を扱う作品に興味があったこととジュリアロバーツも好きなので観ました。
投資はどこから情報を取るかということとどれだけ知識や経験を積み上げられるかが大事だと感じているが、犯人は番組の情報により投資先を決め、そこに全資金を投じた結果、あのような行動に出るに至った。
株で損をした真相は別にあるのだが、、、
それは作品を観て確認いただきたい。
番組キャスターとディレクターとの関係性(スタッフとの関係も)もこの作品では描かれており、やはりものづくりは信頼関係が強固なほど良いものが作れるのだなと感じました。
これいつか見てたので2度目の鑑賞。内容もけっこう覚えてたけど、スト...
これいつか見てたので2度目の鑑賞。内容もけっこう覚えてたけど、ストーリーが面白いので2度目でも充分楽しめた。監督はジョディフォスター。女優としても監督としても素晴らしいクリエイターだと思う。余談だけど主演のジュリアロバーツもテレビドラマをプロデュースしてる。それがすごい面白くて、社会派で問題提起型ってところがこの映画と共通していて思い出しました。アメリカの俳優さんって2足のわらじ成功してる人けっこういるんですねー
プロフェッショナル
鬱屈した庶民の感情は、どこに向かうのか。
日本の滅亡はコロナのせいで早まったって見方もあるみたい。
本作はサスペンス的なエンタメを高レベルで維持しながら
けっこう痛烈な社会批判というかメッセージを提示してると思う。
富める者はさらに富み、貧しい者は搾取しつづけるっていう。
ラスト近く、ボードゲームしに戻る人を映したシーンが個人的にぐっときた。
簡単に批判できちゃう「社会システム」って、ほんとは僕ら一人ひとりが加担してんじゃないのかって。
監督としてのジョディ・フォスターにも期待しちゃうな。
ほぼワンシチュエーションの作品
アイビス社の株で6万ドル損したと主張する、犯人のカイル(オコンネル)。調整室からはパティ(ロバーツ)が指示して、アドリブを交えながら犯人をなだめようとするリー(クルーニー)。カイルが持つスイッチを離してしまえばベストが爆発するという仕組みだ。どちらにせよ死は免れないという状況下で、何とか打開策を見出そうとするのだが、カイルは補填を目的とするのではなく、なぜ一夜で8億ドルの損失があったのかとアイビスのCEOウォルト(ドミニク・ウェスト)の説明を求めるという主張だった。
株式市場でアルゴリズムが使われるというのもよくわからなかったが、一晩で一銘柄が8億ドルも変動するのはあり得ないとして、バグではなく人為的売買があったということが判明する。警察側の動きは、カイルを狙いつつ、リーのベストの起爆装置をも狙うというややこしい作戦。それに気づいたリーはカイルに盾になってもらい、ウォルトの記者会見が行われる公会堂まで歩いて進むのだ。
ウォルトの自社株不正取引によって大量に株が売られ、南アの鉱山の株式を操作したという犯罪。パティ側の迅速な操作によって暴かれるのだが、最後にカイルは射殺されてしまう。テレビ中継を診ていた者も落胆の声。不正を暴いた英雄の死はかなり暗くさせるが、株式相場なんてのはカジノと同じ!というメッセージが伝わってくる。
それにしても爆弾が偽物であることを早くからリーに伝えたのに、付き合わされたカメラマンレニー(レニー・ヴェニート)は何も知らされずに可哀そうに思えた。ラストには面白かったとカメラマン魂を語ったことが救い・・・
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