雨の日は会えない、晴れた日は君を想うのレビュー・感想・評価
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印象に残る作品
見た直後の感想は「良い映画だと思うんだけどいまいち良くわからない、でもわかりたい、どちらかというと好みのタイプの作品」と、すっきり感のないもやもやした感じが漂っていました。そのためゆっくり振り返り徐々に紐解かなければならない。
印象的な逆再生シーンやメリーゴーランド、破壊、車のサンバイザー、冷蔵庫のメモなど端々に散りばめられたポイントとなるシーンがたくさんあります。これらのサインを見逃さず、じっくり考えるとこの映画の深みが明らかになってきます。とにかく考えれば考えるほど象徴的なシーンが多く、本当に深いストーリーになっていることに驚かされました。
コミュニケーションロスから破壊と再生への道筋と、主人公の思考(答えが出るまで)の長さをもって、それぞれのエピソードを描きつつ、その過程での周囲の関わりをも合わせ巧妙に綴られてゆきます。これらは作品全体の始めと終わりにも当てはまり、清々しいエンディングへと導いてくれます。
「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」は最後になって意味がわかり、その言葉の深さに唸るので、これを題名に持ってきたのは凄いなと。ただ、原題はDemolition(破壊)なので、題名からは作品のイメージがうまく伝わらないのが残念。
ジェイク・ギレンホールは今回もちょっと影を持つ役柄で、それは自然にハマり安定の演技。少年役の子も良い演技していました。義父役のクリス・クーパーは「遠い空の向こうに」でもギレンホールと親子役を演じていたので、懐かしい組み合わせと思いながら見ていました。
タイトル
タイトルとジェイクに惹かれて観ました。正直な感想は、悪くはない。付箋の下りはとても良かったと思うし、愛していなかったと言う感情との向き合い方は面白かった。しかし、入り込むにはあと一歩足りなかった気がします。
結末がなんだか残念
ジェイク・ギレンホールとナオミ・ワッツは魅力的だったけれど、落ちの付け方があまりにも残念な印象。無理やり折り合いをつけたように感じた。
とりあえず、邦題は酷すぎると個人的には思う。
全体的に、それほど酷くはないし、むしろかなり面白さを感じたけれど、内容を放置して終わりたいのかキッチリけりをつけて終わりたいのか、よく分からない。何度も言うけれど、終わり方が非常に不満。あたかもスッキリ終わったようで、見ているこっちは全くスッキリしない。決してスッキリさせてほしいわけではないけれど、結末一つですべてが安易に見えてしまって、途中深読みして見ていたことが徒労だったかなと思うところもある。
ギレンホール、ナオミ・ワッツに興味がある人、もしくは、映画好きで超暇もしくは珍しく見たいものが無いという人、そういった人だけが見て楽しめばいい作品。
映画館を出てから気がついた
あまりにも奇跡がさりげなくて、映画館を出て10分後に「おおおおお!!!」と思いました。物理的にはものすごく破壊する/されるけど、心は決して壊れなかったんだ。
突然の死との向かい合い方
自分の一部になってる人の突然の死に直面した時どうするのが普通なのか。
すぐにそれについて感情が追い付き、悲しみ、落ち込む。周りから見て分かりやすい行動をする人も居る。
すぐには理解出来ず、感情が追い付かず行動に変化が無く、周りから理解されない人も居る。
ジェイク・ギレンホールの演技には、入り込んでしまった。
でもカレンが好きになれなかった。
ただ、あの手紙は妻に宛てたものでその返事があの付箋だと思うととても良い。
難しかった
私の読解力が無いせいか、正直ちょっと主人公の心を理解するのが難しかったです。
でも人間「悲しい」という気持ちだけじゃ無いはずなので、色んな感情が彼の中にあるから難しかったのかな、とは思ってます。
それを演出できてるということは凄かったと思います。
でも、他の方のコメントみて「そういう事か!」と気づく事も多かったので、全てを語らせなくていいから、できればもう少し分かりやすくしてくれたら作品にもっと入り込めたのに…
なんか良い。とてつもなく。
何でしょう。
説教くさくないのも良い
べつに立派じゃないのも良い。
でも、なんか胸を打つ。
すごく好き。
なんだろう。
この形容しがたい気持ちにさせるのって、
個人的には、傑作の証なのだが。
衣装も素敵。
音楽も素敵。
何度も観るでしょう。今後。
破壊と再生
劇中でも似たような表現をされていたが、今作のテーマを乱暴にひとことで表すと「破壊と再生」であると思う。より正確をきすならば「破壊と気づきと再生」になるだろうか。
妻の死を悲しめない自分に疑問を感じたことをきっかけに、今までの「ライフスタイル」を文字通り含め「壊して」いく主人公。そのなかで、義理の父や、ある
件がきっかけで知り合ったシングルマザーとその息子らとの関わりを通じて、自身と向き合い、愛していないと思っていた死んだ妻への愛に気づき、そして改めて自身の人生を歩み出すという話。
よくある話の骨格ではある。ただ、各俳優陣の演技と要所要所のイベント、見せ方の上手さに集中がとぎれることなく最後までみられた。大変心に響く作品であったのだが、一点。
妻への愛。それはもともとあったものを忘れていた・おろそかにしていた→それに気づいた・思い出した、という流れで理解したのだが、疑問として、それってほんとうにもともとあったものだったのだろうか。主人公がいろいろやっていくなかで、デカルトの「我思う」じゃないけれど、壊しても壊しても、壊れないで最後に残っていたものが妻への想いでした、というよりは彼が劇中いろいろやっていくなかで「本来はこうあるべき」という常識というか妄想に従って作り上げてしまったものなんじゃないだろうか。そうだとするとそれは妻への愛とかそんなものではないわけで……。うーん(´・ω・`)
妻の死に泣けない男
妻の死に泣けない男。昨年の邦画「永い言い訳」もそうだったが、私はこの手の近親者の死に対して、人が壊れかけながらも気付き、そして受け入れていく物語が好きなのかもしれない。(一昨年の「君が生きた証」も良かったな。)
故人に対しどれだけ関心があったか、どれだけ故人のことを知っているのか。このことは近親者だからこそ、誰に責められるわけでもなく、むしろ深く悲しんでるだろうと一方的に同情され、そのことにまた苛まれる。
狂気じみてて、でも本質として優しい演義はジェイク・ギレンホールの真骨頂だと思う。素敵。それとこの監督(ジャン=マルク・バレ)は、私好きかも。
デモリッションのオープニング
ウォゥウォゥ....!!クラッシュしてから出るタイトルの流れが好き。
J・M・ヴァレは「ダラス・バイヤーズクラブ」に"お遍路の女"と実話を描いていて撮り方は「わたしに会うまでの1600キロ」"お遍路の女"に近い印象の本作。
セリフでの説明は極力せずにイメージ映像的に過去を断片的に入れてくる演出。
N・ワッツの変態的な行動が気味悪く。
苦情の手紙からJ・ギレンホールに興味を持って相手して尾行までする根拠が解らない。
子役が全然、魅力が無くて存在感も薄いってか意外に話の中心にはならない感じ。
成り行きで交際して流れで結婚してしまう感じは理解出来るけれど奥さんが死ぬ前から?死んだ後から?J・ギレンホールの精神的に崩壊する変化の理由がイマイチ納得出来ず話の展開も何処に進んでいるのか中途半端な、オチも含めて。
自己
明らかに何も感じていないことはなく、彼の心は壊れている訳で、受け止められていないだけにみえる。
破壊によって自己を取り戻したというより、破壊によって知らなかった事実に直面したことがきっかけで…。
何ともやりきれない話だけど、暗く沈んだ感じはなく軽妙な作品だった。
喪失感の先にあるもの
「ナイトクローラー」での凄みのある演技で観客を魅了したジェイク・ギレンホールの主演最新作は、昨年公開された西川美和監督の「永い言い訳」を彷彿させる。
まず主人公の設定が、妻を交通事故で突然亡くしたにも拘らず、悲しみが無くて涙も一滴も出ないこと。
そして、ある事で知り合った親子との交流を通して主人公に変化が訪れること。
更に、妻が残していたもので心の硬い殻が割れて、埋もれていた感情や気持ちが表に出ていくところ。
ただ、衣笠幸夫と本作の主人公デイヴィス・ミッチェルは、本当の気持ちに辿り着くまでのアプローチが違う。
会社の上司で義父でもあるフィル・イーストマンの「心の修理も車の修理も同じことだ。隅々まで点検して、組み立て直すんだ」という言葉を契機に、恰も“答え”を見付けようとしているみたいに、自分の身の回りにあるものを次々と分解、または破壊していく。
本作の原題“Demolition”は主人公のこの行為からきている。
それでは邦題の「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」は何を意味するのか?
本作は、デイヴィスがこの少し抽象的な言葉に辿り着くまでの心の旅を描いている。
ジェイク・ギレンホールは複雑な人物を演じることが多いように思うが、それは、どのような役柄でも現実離れさせず、我々に共感を呼び起こさせる確かな演技力があるからなのだと思う。
そして、この男の心の旅を見守り、手を差し伸べるシングルマザーのカレン・モレノをナオミ・ワッツが、同様に喪失感から再起しようとする義父のフィルをクリス・クーパーが演じていて、作品に彩りやアクセントを付けている。
主人公が破壊の果てに見出したものは何だったのか?
冬の長いトンネルを抜けて、春の光に包まれたようなラストが心に残ります。
タイトルについての解釈
妻の死を乗り越えて行く・・という展開は「永い言い訳」と少し似ているのですが、この映画では主人公は自分の内面に向き合い過ぎて、全てを壊し、再生して行こうとしているのかな、と思いました。
タイトルのメモは妻が記したものです。
このメモの解釈(誰にあてたのか、主人公はそれを読んでどう思ったのか)について、友人と解釈が著しく違っていました。
もう一度観て観たい映画です。
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