ALWAYS 三丁目の夕日

劇場公開日:

解説

昭和33年の下町を舞台に、そこに暮らす人々の日々の悲喜を描いた群像ドラマ。監督は「Returner」の山崎貴。西岸良平によるコミック『三丁目の夕日』を基に、山崎監督と古沢良太が共同で脚色。撮影を「恋は五・七・五!」の柴崎幸三が担当している。主な出演者は、「四日間の奇蹟」の吉岡秀隆、「ZOO」の須賀健太、「いま、会いにゆきます」の小清水一揮、「姑獲鳥の夏」の堤真一、「オペレッタ狸御殿」の薬師丸ひろ子、「Jam Films S/ブラウス」の小雪、「深紅」の堀北真希。第30回報知映画賞作品賞、助演男優賞(堤真一)、助演女優賞(薬師丸ひろ子)受賞、第18回日刊スポーツ映画大賞助演男優賞(堤真一)、助演女優賞(薬師丸ひろ子)、石原裕次郎賞受賞作品。

2005年製作/132分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2005年11月5日

ストーリー

昭和33年、建設中の東京タワーを望む下町・夕日町三丁目。ある春の日、短気だけれど家族想いの父親・則文と、優しい母親・トモエ、そしてやんちゃな小学生・一平が暮らす小さな自動車修理工場“鈴木オート”に、星野六子と言う娘が集団就職で上京して来た。ところが、立派な会社を想像していた彼女は失望した様子。そんな六子に一平は、「もうすぐうちにテレビがやって来る」と元気づけてやるのであった。一方、鈴木オートの向かいで駄菓子屋を営む三流小説家・茶川竜之介も、身寄りのない少年・淳之介を預かることになっていた。秘かな想いを寄せる一杯飲み屋の女将・ヒロミに頼まれ、酔った勢いで引き受けてしまったのだ。だが、淳之介が竜之介の執筆する『少年冒険団』の大ファンだと知ると、縁もゆかりもない淳之介を露骨に迷惑がっていた彼も満更ではないのであった。夏、鈴木家に待望のテレビが届く。運良く、その日は力道山の試合中継の日。近所の人々を集めてのお披露目――となる筈が、コンセントの不具合で画面が消え、運悪くそれを故障と勘違いした東大卒の竜之介が修理に挑むも、却って悪化させてしまう。また、『少年冒険団』のネタに困った竜之介が、淳之介がノートに書き溜めていたお話を盗用した。それを知った淳之介は、しかし怒るどころか、自分の考えた物語が雑誌に掲載されたと目に涙を浮かべて喜んだ。秋、淳之介の母親が住んでいる場所が分かる。淳之介は、一目会いたさに一平と共に都電に乗り高円寺まで出向くが、願いは叶わなかった。その頃、晩御飯の時間になっても戻らないふたりを心配して、鈴木家と竜之介は大騒ぎ。果たして、ふたりは無事帰宅するが、竜之介は思わず淳之介の頬を打ってしまう。その姿は、まるで本物の父親のようであった。冬、淳之介に初めてのクリスマス・プレゼントが贈られた。欲しかった万年筆。それは、竜之介が則文に借金して買った物だった。そして、竜之介はヒロミにもささやかなプレゼントと共にプロポーズする。しかし翌朝、父親の入院費用で多額の借金を抱えていたヒロミは、竜之介の前から姿を消し、元の踊り子に戻って行く。更に、淳之介の本当の父親が大手会社の社長だと判明。淳之介の将来を慮った竜之介は、嫌がる淳之介を無理矢理送り出すが、淳之介は竜之介のもとに戻って来てしまう。そんな淳之介を、竜之介は「お前と俺は、縁もゆかりもないんだからな!」と言いながら抱きしめた。同じ頃、六子は嫌がっていた正月の帰省を決意していた。里心がつくからと、わざと冷たい態度を取っていた実家の母。それが本当の気持ちでないことをトモエから聞かされた彼女は、急いで列車に飛び乗る。そして、六子を見送った鈴木一家は、帰り道、夕日の中に聳え立つ、完成したばかりの東京タワーを眺めるのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
VFX
山崎貴
脚色
山崎貴
古沢良太
原作
西岸良平
原案協力
倉品雅一郎
薗田浩徳
エグゼクティブプロデューサー
阿部秀司
奥田誠治
製作
高田真治
阿部秀司
亀井修
島谷能成
平井文宏
島本雄二
西垣慎一郎
中村仁
島村達雄
高野力
プロデューサー
安藤親広
高橋望
守屋圭一郎
協力プロデューサー
神蔵克
山際新平
Co.プロデューサー
久保雅一
堀部徹
撮影
柴崎幸三
ステディカム
千葉真一
美術
上條安里
装飾
龍田哲児
音楽
佐藤直紀
音楽コーディネート
堀込祐輔
平川智司
主題歌
D-51
録音
鶴巻仁
サウンドデザイン
藤村義孝
大河原将
音響効果
柴崎憲治
照明
水野研一
編集
宮島竜治
衣装
水島愛子
アソシエイト・プロデューサー
小出真佐樹
門屋大輔
沢辺伸政
ラインプロデューサー
竹内勝一
製作担当
金子堅太郎
助監督
川村直紀
スクリプター
山縣有希子
スチール
野上哲夫
VFXディレクター
渋谷紀世子
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受賞歴

第29回 日本アカデミー賞(2006年)

受賞

作品賞  
監督賞 山崎貴
脚本賞 山崎貴 古沢良太
主演男優賞 吉岡秀隆
助演男優賞 堤真一
助演女優賞 薬師丸ひろ子
音楽賞 佐藤直紀

ノミネート

主演女優賞 小雪
新人俳優賞 堀北真希
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映画レビュー

4.0文化も価値観も異なっていた別世界のような過去

2024年4月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

新しい物に更新されていく様子が描かれている。
そして、疑いもなく”新しいものは良いもの”と信じていた一般大衆の人たちをピックアップしている。

ポジティブな希望や連帯感、劣等感や孤独感といった負の側面が、作品全体に行き渡っている。

キャスティングで好みなのは、芥川龍之介じゃなくて茶川竜之介を演じた吉岡秀隆さん。
彼は偉ぶらない学者や博士の役が似合う。
青森出身設定のロクちゃんを演じた堀北真希さんと、石崎ヒロミを演じた小雪さん。
二人の女優が、視聴後じわじわと自分の中で美化されていくのを感じる。

かつては古いと感じていたガラクタも、時間の経過とともに珍しくり貴重になる。
当たり前だった風景も、いつかは愛おしくなる。

山崎 貴監督は、排泄関係には触れない。
暖かい人間ドラマの中に、反骨精神が見え隠れし、根底に皮肉めいた何かがある。
違和感もまた、味のスパイス。
慣れれば病みつきになる要素かもしれない。
記憶に焼き付くほどのインパクトがある作品であった。

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共感した! 6件)
Don-chan(Daisuke.Y)

1.0昭和が良かったと思うのは満ち足りない老人の妄想

何処でも喫煙は当たり前、ゴミは捨て放題、核実験はし放題、光化学スモッグで太陽は見えない、川はドブ川、現在の北京のよう、会社は長時間労働でブラックばかり、エアコン無しで環境意識ゼロ、新幹線、高速道路が無い、とにかく日本中が汚く不便だった、人間関係が近いとデメリットとして個人を尊重しない厚かましさも、豊かに思えるのは、心が貧しい?

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全国連加盟国不可侵条約締結、武装中立主義、多様性男女平等自由主義、5名作4良作3いい作品なので他は2以下です。

5.0確かに存在した日本の戦後の風景

2024年2月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 2件)
shinobu999

5.0ロシア文学も読んだことのない人の長文&駄文レビュー

2024年1月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

幸せ

明けましておめでとうございます。本年もどうよろしくお願いいたします。

拝啓。縁もゆかりもない赤の他人のレビュワーの皆さま。
ここしばらくレビューを書いていなかったのは、アマプラのFODでTVドラマ版の『Dr.コトー診療所』の全シーズンを観ていたわけで。
やはり吉岡秀隆に胸キュン♪となっており。その流れで『北の国から』も全シーズン観てしまい。
そういうわけで、映画を観る時間がなく。なので、新年一発目は吉岡秀隆でスタートしたく思い。
そして本作を選んだわけであり。
純クンちょううう可愛いぃあぉおぅえおぇえぇい!⁽⁽ଘ♡₍ᐢ⑅•ᴗ•⑅ᐢ₎♡ଓ⁾⁾
ごめんなさい、別にショタを病んでいるわけではありません。
女装の上にショタとか、どんだけ病気こじらせてるねん!って話ですよね。
ちゃうねんて!ショタやなくて、純くん限定で萌えてるねんて!
えっ?ちゃうねんて!女装はしてても、恋愛対象はノーマル然として女性やねんて!
それが証拠にコトー先生では蒼井優に萌え~♪ってなっててんて!
北の国からでは、若かりし日の原田美枝子に萌え~♪ってなっててんて!
あんなふうにキレイになれたらなぁ…って思っただけやねんて!
節操なくてごめんなさい。←誰に!何を!
蛍ちゃんには、萌え~♪ってなってへんって!そんなん犯罪者ルートですやん!ルー♪ルルルルル♪…

相も変わらす脱線多くてごめんなさい。
ちゃんと真面目にレビューに戻りますね。
吉岡さん萌え~♪とか言いつつ、この作品、過去にDVDで一度観たっきりだったのですね。
TV放映も観た記憶がないし。
むしろ、えげつない漫画の方の『四丁目の夕日』をはっきりと覚えているくらいです。
こちらは原作コミックも読んでいないんですよね。
なので、モチベーションが薄れないうちにと思い、年の瀬にレンタルショップにGo!しました。
(同時に借りてきたのは、なんでか『冷たい熱帯魚』と『キャタピラー』なんですよね・笑。また機会を見つけてレビュー書いてみたいです。)
それはそうと、前回のコトー先生のレビューでは、またもや醜態を曝け出していました。
「タケヒロ君のエピソード」の件です。医師を志した心境の云々はTVドラマで、これでもか!ってくらいに丁寧に描かれていましたよね。私如きが口を挿むようなことじゃなかったです。←これだからニワカは!

今度こそ、ちゃんとレビューに戻りますね。(このスタイル、今年こそは改めなきゃ)
この映画の舞台の世代は、私の生まれよりも、ちょいと昔なんですね。
なので、自動車やら街並みやら、懐かしさがもうひとつピンとこないんですよ。
想像してギリ懐かしめる世代。
劇中に出て来るテレビや冷蔵庫って、私的小学生時代の憧憬アイテムに置き換えればBCLラジオだったり、ミニコンポだったりに相当するです。
世代がちょっと違えど、胸にきゅ~っとくる物があるって、やっぱり日本人のDNAが、体に受け継がれてるんでしょうね。
山崎監督も、まさに私と同年代なのに、その良き昔の風景を再現していらっしゃるって、すごいことだと思ったの。
私ですら、そんな世界観に感動したのだから、当時を知る人たちにとっては、感涙ものだったと思うの。
ありきたりな表現ですが、エアコンもパソコンも無かった時代の方が豊かだったと思うの。
オープニングのプロペラ飛行機のシーンなんて、かの名作『フォレストガンプ』を彷彿させる素晴らしい出来栄えでした。ちなみに、そのガンプ。オープニングシーンを撮るために使った手間って、一本分の映画を撮れるほどって言われているらしいですね。
そんな素晴らしいVFXのみならず、大道具から小道具に至るまで、しっかりと作り込まれているので、下手したら貧乏臭い人情話になるところが、それらを効果的に使うことによって、一級のエンターテイメントに昇華してると思ったの。
本作がとても楽しめたのって『ゴジラ-1.0』が米国で大ヒットしている理由そのまんまって思ったんですよね。
幾層にも重なった人間ドラマが、とにかく素敵です。泣かせます。全米をです。ベタとか鉄板とか言わないの!王道って言うの!
俳優のみなさんが、本当に生き生きと演じていらっしゃると思ったの。
なので、それぞれのキャラクターにしっかりと命が吹き込まれてるって思ったの。
茶川と淳之介はもちろんのこと、鈴木オート一家しかり、ヒロミしかり、アクマ先生しかり。
誰を主役に据えても物語が成立するんじゃないかと思うほどに。
その集合体が、効果的な音楽と相まって全員で泣かせにくるんだから、涙腺的にたまったものじゃないわけ。まさに涙腺クラッシャー。
そして、ゴジラの時同様に、意地悪にも山崎監督の悪癖と言われている“説明過多”な演出や台詞回しに気を付けて観てみたです。
私のボケたオツムには、これらいでちょうどよいのかもしれませんけれど、そーゆーのは一切感じなかったんですよね。山崎監督いいじゃないですか。過去に観たのって『アルキメデスの大戦』くらいなのですが。
テーマ?として描かれていたっぽい“絆”。
縁もゆかりもない赤の他人同士だからこその絆があると思って。余計な話なんですが、私、本当に人非人のひねくれ者なので“絆”って言葉が大の苦手なんですが…
私なりに解釈すれば「お互いがお互いを思い遣る気持ち」これに尽きるのかなー…って思うの。そこでは血の繋がりの有る無しを問わずに。むしろ無い方が、繋がりがより強くなると思うの。
肉親間では、あって当たり前って甘えがあるけれど。赤の他人同士だと、それを支える大きな理由や強い動機が発生しなきゃいけないから。
本作では茶川と淳之介を結びつける気持ちが、共に小説を愛する物同士の純粋な愛情だと思ったの。
淳之介は純心に茶川に心酔し、茶川もそんな淳之介に応えるべく精一杯の大人(父親)の見栄で応えようとしていたし。
迷子騒動でのビンタ事件が本当に泣けたんですよね。ヒロミも、きっとそこで茶川への想いが芽生えたのは想像に難くないし。そんなヒロミとの、それぞれのお互いへの愛情も含めて、さらに六子ちゃんと鈴木オート一家の、ドラマが幾層にも重なり、絡まり合ってくるの。まさに掛け算の妙。焼きたての甘くて温か~いミルフィーユみたいな。
エア指輪のシーンも本当に泣けるんですよね。
私ねアレ見て、はつ!と頭の電球が光ったんですよね!「そうか!この手があったか!」って。
映画ご覧になっていた女子さん的には、もうあれで十分って思われたですよね。むしろテレビショッピングでさえ気楽に買えるダイヤンモンドよりも、こっちの方が胸キュ~ン♡するはずですよね。
機会があれば、空の指輪の箱のエア指輪をプレゼントしてみよう。←誰に!
三流の万年筆のラストエピソードで涙腺大崩壊のサナギマンだったんですよ。文世、珍しくイヤなヤツ。

山崎監督の悪癖が“説明過多と言われるのなら、私の場合は、明らかに“おふざけ過多”なんですよね。
ここ、今年はどーにかしたいと思うです。大して面白いこと書いているわけでもないのに。
てか、そもそも、レビューってウケ狙いで書くようなものじゃないのに。
なのに新年一発目からこれでは、先が思い遣られますわ。

おいらぁ、学もユーモアのセンスもねぇ。まともな感想も書けねぇ。したっけ、観た感想は語り合いたいっぺ!映画ってそういうもんだっぺ!←何弁よ!

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