劇場公開日 2005年11月5日

「文化も価値観も異なっていた別世界のような過去」ALWAYS 三丁目の夕日 Don-chan(Daisuke.Y)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0文化も価値観も異なっていた別世界のような過去

2024年4月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

新しい物に更新されていく様子が描かれている。
そして、疑いもなく”新しいものは良いもの”と信じていた一般大衆の人たちをピックアップしている。

劣等感や孤独感といった負の側面と、ポジティブな希望や連帯感が作品全体に行き渡っている。

キャスティングで好みなのは、茶川竜之介(あの有名な芥川龍之介がモデル)を演じた吉岡秀隆さん...偉ぶらない学者や博士の役が似合う。
青森出身設定のロクちゃんを演じた堀北真希さんと、石崎ヒロミを演じた小雪さん...二人の女優が、視聴後じわじわと自分の中で美化されていく。

かつては古いと感じていたガラクタも、時間の経過とともに珍しくなり貴重になる。
当たり前だった風景も、いつかは愛おしくなる。

暖かい人間ドラマの中に、反骨精神が見え隠れする。
山崎貴監督の得意な"違和感というスパイス"で印象深くなる。
排泄関係に触れなかったのだけが残念...この時代の便所を見たかった。

Don-chan(Daisuke.Y)