暗殺(1964)

劇場公開日:

解説

司馬遼太郎原作「幕末」の一篇“奇妙なり八郎”より「無頼無法の徒 さぶ」の山田信夫が脚色「乾いた花」の篠田正浩が監督した時代劇。撮影もコンビの小杉正雄。

1964年製作/104分/日本
原題:Assassination/The Assassin
配給:松竹
劇場公開日:1964年7月4日

ストーリー

文久三年、浪士取扱松平主税介は老中板倉周防守に手を回し、目明し嘉吉を斬った罪で追われていた出羽浪人清河八郎を許す一方、風心流の名人佐々木唯三郎に清河を斬る準備を命じた。だが先廻りをした清河は、佐々木の前で北辰一刀流大目録皆伝の腕をいかんなく発揮し、佐々木をうちのめした。松平が清河を知ったのは八年前、清河が熱烈な尊攘論者であった頃であった。だがその清河は、勤王の志士への対策として、守護職に名をかりた浪士隊を組織することを、松平に献案して大赦を受けたのだった。かつて清河と同志であった佐久間たちは、彼の変節に激怒した。松平の命をうけて清河をつけ狙う佐々木もこの話を興味深く聞いた。そして佐々木は清河が嘉吉を斬った夜、彼が妓楼からひいたお蓮にすがりついて錯乱の態であったことを知って、清河を斬ることができると思った。だが、お蓮も、捕吏の拷問にあい斬殺されていた。文武に秀れ天才と呼ばれた彼の言動には、奇怪な事が多かった。弟子の石坂周造も坂本竜馬も、清河の思い出について、薩摩藩士を煽動し寺田屋事件をひきおこしたのみで、倒幕に失敗した時の、一匹狼清河の姿は寂しいものであったと語るのみで、清河の本当の姿を知るものはいなかった。さて、清河立案の浪士組は結成され、清河は同志の批判の中、京へ向った。京へ入ると清河は、自分の野望を遂げんと、尊王攘夷の勅諚をもらい朝廷直轄の浪士隊を作ろうとした。計画通り勅諚をもらい清河幕府を樹立した清河に、幕府の面々はあわて、再び佐々木が使わされた。執念の鬼と化した佐々木は、一夜酔った清河の背後を襲い一匹狼清河の命を奪った。

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映画レビュー

3.5「大きな人間」

2023年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

 京で暴れる勤王の志士を取り締まるために浪士隊を、その発案の清河八郎は尊攘論者だった。それを知りつつ松平主税介は隊の組織を命ずる一方、佐々木唯三郎に清河を斬る準備を命じていた。京に向かう途中、清河は本心を浪士隊に明かし。
 新撰組の物語序盤に登場する清河八郎。寄せ集めの浪士を騙した詐欺師のイメージでした。実は剣も弁も文も立つ策士、時代が違えば何かしらを成す「大きな人間」であったかもしれないと思われました。清河に異議を唱えた近藤らの一派は、袂をわけ新撰組へと。近藤、土方は影のみの登場でした。

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sironabe

3.0トリックスター清河+丹波

2023年8月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

清河八郎の奇妙さと丹波哲郎の奇妙さが実に見事にマッチングしていて、こんな訳のわからなさだったんだろうなと釘付けになった。
後半のPOV視点、時代劇の暗殺シーンにはとてもフレッシュだった。
司馬遼太郎のドライさもよく出ていたな。

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あした

3.0新選組前日譚

2023年8月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

清河八郎…知らなかった。なんか策士なのに、情にもろいところもあり、逆にスッパリ切り捨てたり、複雑な人だなぁ。あまり共感も同情もできなかった。暗殺されてもしかたない気がする。でも、動乱の時代に、こういう人がいたおかげで、物事が動いたのかもしれない。か、めっちゃかき回したか? それほど名が知れ渡らなかったので、残念ながら歴史の節目に立ち会えず、前座で退場したってことかな。

丹波哲郎の風格よし。佐田啓二いるだけで風味よし。木村功かっこいい。穂積隆信つみきまだ積んでない。若き竹脇無我と蜷川幸雄かわいい。岩下志麻は演技ヘタだが、美しい。

BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。

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ぷにゃぷにゃ

3.0清河八郎

2023年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

興奮

幕末の江戸、勤王の志士を佐幕に取り込もうとして、幕閣は一人の侍の命を助ける。
北辰一刀流免許皆伝の腕前を持ったこの侍(丹波哲郎)、浪士組を募って京都に行くが・・・。
一人でできることは限られている。

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いやよセブン
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