劇場公開日 2007年4月20日

「【”人生より重いパンチはない・・”剝落の香り漂いつつも、ボクシングに人生を掛けた男の生き様を見事に描いた作品。シリーズの掉尾を飾る作品でもある。】」ロッキー・ザ・ファイナル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”人生より重いパンチはない・・”剝落の香り漂いつつも、ボクシングに人生を掛けた男の生き様を見事に描いた作品。シリーズの掉尾を飾る作品でもある。】

2022年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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■妻・エイドリアンに先立たれ、息子ともうまくいかないロッキーは、レストランを経営しながら静かな日々を送っていた。
 やがて、孤独感を拭うためボクシングを再開したロッキーは、仲間たちの協力を得て、世界ヘビー級チャンピオン・ディクソンと戦うことに・・。

◆感想

 ・今作はボクシング映画の態を取りながら、シルベスター・スタローンという不世出の俳優の生き様を凝縮した作品であると思う。

 ・前作ではキチンと描かれなかったトレーニングシーンも過去作のシーンを織り交ぜながら描かれている。

 ・エイドリアンは既に物故者として紹介されるが、第一作でロッキーに喫煙を窘められた少女が、今作では中年の女性として登場し、ロッキーを応援する姿も、巧い構成であると思う。

 ・前作で苛苛しながら観たエイドリアンの兄ポーリーも、少しだけ人間として成長している。(十分過ぎるオジサンだが・・。)
 ー そういえば、このシリーズで第一作から連続出演したのはポーリーを演じたバート・ヤングと前作では悪辣な役を演じた、故アポロのトレーナーであったデュークだけであるなあ・・。ー

 ・前作で描かれた息子との確執の解消過程も今作では、巧く表現されていると思う。

<今作は、毀誉褒貶がありつつも、長きに亘り製作されたロッキーシリーズの掉尾を飾る作品であると思う。
 そして、この後に公開されたクリードシリーズでは、ロッキーシリーズの面白さが、ロッキーが故ミッキーからセコンド術を身に着けた形で見事に華開くのである。
 後半作品(特に第五作)は酷評を受けたようであるが、この最終作品については、私は支持したいのである。
 何故ならば、この作品にはロッキーシリーズで名を挙げ、世界的スターになったシルベスター・スタローンの生き様が反映されていると、思ったからである。>

NOBU