Winter boy

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Winter boy

解説

「愛のあしあと」「今宵、212号室で」などで知られるフランスのクリストフ・オノレ監督が自身の少年時代を題材に、思春期の恋愛や父の死による喪失と再生を描いた半自伝的映画。

冬のある夜。寄宿舎で暮らす17歳の少年リュカは父が事故死したとの連絡を受け、アルプス山麓の実家に帰る。愛する父の死に直面し、大きな悲しみと喪失感にさいなまれるリュカ。葬儀の後、兄に連れられて初めてパリを訪れたリュカは、兄の同居人である年上のアーティスト、リリオと出会う。優しいリリオに心惹かれるリュカだったが、リリオにはある秘密があった。

俳優イレーヌ・ジャコブを母に持つ新星ポール・キルシェが主人公リュカを演じ、2022年・第70回サン・セバスチャン国際映画祭で主演男優賞を受賞。「イングリッシュ・ペイシェント」のジュリエット・ビノシュがリュカの母、「アマンダと僕」のバンサン・ラコストが兄を演じた。「フラワーズ・オブ・シャンハイ」「プラスティック・シティ」の半野喜弘が音楽を担当。

2022年製作/122分/R15+/フランス
原題:Le lyceen
配給:セテラ・インターナショナル
劇場公開日:2023年12月8日

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(C)2022 L.F.P・Les Films Pelleas・France 2 Cinema・Auvergne-Rhone-Alpes Cinema

映画レビュー

4.0思春期の黄昏「17歳の危機」を描いた文学的映像詩

2024年4月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

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パングロス

2.0ある少年の心の成長と家族愛の物語

2024年3月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

大好きだった父親を交通事故で亡くしてからの
ある少年の過去から現在までを、本人の語り口で紡いでいる作品です。

父親が本当に大好きだったんだろうなと思う顕著な場面として
父親が亡くなったことを知ったその日に、ひとりになったときに悲しみがドッと押し寄せてきて、
感情が崩壊してしまうくらい泣き暴れるシーンがあります。

ここからこの少年がおかしくなってきていて、
兄とパリに行って数日間いっしょに過ごす中、兄の同居人であるリリオに出会い、恋に落ちちゃうんですね。
ここでまた常軌を逸した行動に出てしまい、結果、実家に戻ることになるのですが、
実家でも・・・という風に、もうとりとめがないくらいに落ちていく少年。
で、最後に彼を救うのはリリオなわけですが、
なんというか、かなり冗長に感じてしまいました。

良いつくりの映画ではあるなと思うものの、
BL的要素が強すぎて、私は退屈に感じてしまったのです。
もっと、母親や兄との心の通わせ方や少年の気持ちの変遷みたいなところを
繊細に描いてほしかったなと思います。

音楽は半野喜弘が担当していて素晴らしかったです。

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ひでちゃぴん

3.0少年の背伸びした恋愛を描く極めて真面目な映画

2024年2月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

ヨーロッパ映画らしい、大きな事件が起こることなく、きれいな少年の少し背伸びした恋愛とセックス事情を描いたドラマ。キャストそれぞれの演技の隙がなく。熱心に作り込んだ感じは良かった。シナリオが少し端折った部分が目立ち、主人公の心の移り変わりや成長の起点がわかりにくかった。想像で補えばよかったのかな。少しニキビ面、黒人の兄貴に告白する様子などがリアリティーあってよかったです。

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濁河さかな

3.5最後まで見続けることは辛かったが。

2024年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

リセ(高校)の寄宿舎に入っている17歳の主人公のリュカ、演じている俳優(ポール・キルシュ)とも、映画の終盤まで、ほとんど共感を感じることはできなかった。しかし、兄カンタンを演じたラコストの安定した演技、それ以上に母イザベルのジュリエット・ビノシュ、監督であるクリストフ・オノレが演じた父クロードが光った。ポール・キルシュは、私にはせいぜい14歳くらいにしか見えなかった。肉体はともかく、心が幼かったことは、残念。

この映画は、コロナ禍の現在と、監督が父を喪った80年代を結んだ物語であることは劇中で示されており、そこにこの映画のrealityがあった。リュカは出席できなかった父の葬儀の後、兄カンタンに誘われるままパリの兄のアパート兼仕事場に転がりこむ。その時、スマホで母イザベルがリュカに言う。ルーブル美術館の近くにあるジュ・ド・ポーム美術館に行って、印象派、特に、モネの「睡蓮」を見たら。(でも、ジュ・ド・ポームにあった印象派の絵は、全て86年オルセー美術館に移されている。しかも、モネの「睡蓮」の壁画は、昔も今も、ジュ・ド・ポームの向かいのオランジェリー美術館にある。)もちろんのこと、兄は、リュカを正確にオランジェリーに案内する。そうだ、この映画では、監督が80年代に経験したことを、現代に移し替えて描いているのだ。

最初のポイントは、冒頭に出てくる交通事故。これはドライバーであった父には全く責任はない。しかし、車のなかで、歯科技工士をしているクロードがリュカに言ったことは、もっとリセで勉学に打ち込んだらと言う、親から一番聞きたくない言葉だった。父は、若い頃、勉強に専念できなかったことを明らかに後悔していた。(当時、40歳代であったと思われる監督の父にとって、60年代の終わりから70年代初頭は、ステューデント・パワーの時代だった。真面目な人であればあるほど、政治・社会のことの方が、学校での勉学よりも、大事に思えたに違い。しかし、そのまま時間を過ごしてしまえば、日本以上の学歴、試験中心社会のフランスでは、良い職に就けなかったことは容易に想像がつく。)映画の中での父の死の時、誰よりも可愛がられていたリュカを、兄のカンタンが車で迎えに来たことから考えても、単なる事故ではなかったと思わざるをえない。

パリからアルプスの麓に戻ってからのリュカの迷走ぶりは見ているのも辛かったが、恵まれた療養所に入所することができ、心身の健康を取り戻してゆく。特に、パリのアパートにいた時に、同居人のリリオ(エルバン・ケポア・ファレの好演)に連れられて、早朝のジョギングに出たが、その時は、リリオについてゆくのがやっとだった。それが、療養所で体を鍛えるようになってから、訪ねてきてくれたリリオと走ってみると、逆転していた。

父クロードは、一番心配していたリュカのことを、身を以て導いてくれたのだ。それが判って、受け入れることができた母イザベルにも笑顔が戻り(下手なバスケットはご愛嬌)、何よりもリュカが初めて年齢相応に輝いて見えた。それが脚本も書いた監督クリストフ・オノレによる演出の賜物ならば、賞賛せざるをえない。

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詠み人知らず
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