ウォンカとチョコレート工場のはじまり

劇場公開日:

解説

ロアルド・ダールによる名作児童小説「チョコレート工場の秘密」に登場した工場長ウィリー・ウォンカの始まりの物語を描くファンタジーアドベンチャー。

純粋な心ときらめくイマジネーションを持ち、人びとを幸せにする「魔法のチョコレート」を作り出すチョコ職人のウィリー・ウォンカは、亡き母と約束した世界一のチョコレート店を開くという夢をかなえるため、一流のチョコ職人が集まるチョコレートの町へやってくる。ウォンカのチョコレートはまたたく間に評判となるが、町を牛耳る「チョコレート組合」からは、その才能を妬まれ目をつけられてしまう。さらに、とある因縁からウォンカを付け狙うウンパルンパというオレンジ色の小さな紳士も現れ、事態はますます面倒なことに。それでもウォンカは、町にチョコレート店を開くため奮闘する。

若き日のウィリー・ウォンカを「DUNE デューン 砂の惑星」「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメが演じた。「ラブ・アクチュアリー」の名優ヒュー・グラントがウンパルンパを演じ、サリー・ホーキンスやオリビア・コールマン、ローワン・アトキンソンら演技派俳優が共演。監督は「パディントン」シリーズのポール・キング、製作は「ハリー・ポッター」シリーズのデビッド・ハイマン。

2023年製作/116分/G/アメリカ
原題:Wonka
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2023年12月8日

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第81回 ゴールデングローブ賞(2024年)

ノミネート

最優秀主演男優賞(ミュージカル/コメディ) ティモシー・シャラメ
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映画レビュー

4.5大切に受け継がれた71年版「チョコレート工場」の精神

2023年12月26日
PCから投稿

「はじまり」を描く企画には当たり外れがある。でもこの映画は実に良くできていた。「パディントン」のポール・キング監督は、原作の真髄を掴み、胸弾むリズムとちょっと枠組みをはみ出すくらいの破天荒さで彩るのが巧い。そして何と言っても要となるのはティモシー・シャラメだ。彼の存在感は寸分の狂いなく世界観に合っていて、最高にコミカルでキュート。歌声も優雅で美しい。そんな彼が押し込められる宿屋やその住人たちの描写には、監督が愛するジュネの「デリカテッセン」の影響があるとか。さらにダンスシーンにはアステアのテイストが見て取れる。嬉々としてルンパ役を演じたヒュー・グラントをはじめ芸達者の競演も楽しいが、重要なのは全てのエッセンスが1971年の映画「チョコレート工場の秘密」へ通じている点だろう。あの名曲のメロディ、セリフ、色褪せることの無い精神。両作を並べて鑑賞すれば最大限の妙味が堪能できること請け合いである。

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牛津厚信

4.0夢見ることからすべては始まる。お母さんと仲間たちが教えてくれること。

2023年12月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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高橋直樹

5.0超有能な「パディントン」シリーズのクリエイターらが手掛けたファンタジー・ミュージカル映画の傑作。

2023年12月9日
PCから投稿

ティム・バートン監督×ジョニー・デップ主演で大ヒットした「チャーリーとチョコレート工場」。
本作は「主人公ウィリー・ウォンカの始まりの物語」を描いた作品ですが、最大の特徴は何といっても「ミュージカル映画としてのクオリティーの高さ」です。
特に楽曲は、すべてと言っても言い過ぎではないほど名曲ぞろいの素敵な楽曲で構成されています。
そして、作品の雰囲気や展開は、子供から大人まで楽しめるコミカルで心地よい上質な完成度です。
それもそのはず本作は、イギリスが舞台の名作「パディントン」シリーズのポール・キング監督らを筆頭に、超有能な「パディントン」のクリエイターらが手掛けているからです。
主演のティモシー・シャラメの歌声は意外にも非常に魅力的で、あらためてスター性を感じます。
また、イギリス出身のヒュー・グラント、サリー・ホーキンス、オリビア・コールマン、ローワン・アトキンソンなどの実力派キャストが脇を固め、演技の面でも楽しめるようになっています。
ファンタジー・ミュージカル映画の傑作の誕生です!

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細野真宏

3.5甘過ぎるチョコレート

2024年4月21日
Androidアプリから投稿

本作で唄って踊れることまで示してみせたティモシー・シャラメ。ナイーブなクィアから影のあるカニバリストまで、そのゲイ達者?ぶりは折り紙つきだ。筋肉なら俺の方が勝っていると思っているあなた、それは少々甘すぎる。直近の『DUNE』ではとうとうアクション俳優の仲間入まではたしているティミー、ハリウッド式科学的トレーニングをこなしさえすれば、あっという間に細マッチョぐらいには変身できるだろう。

ロアルド・ダール原作のお子様向けファンタジーは、大人が読んでも楽しめるダークな物語が人気なのだとか。確かにティム・バートン&ジョニデによる映画化作品は、ダークファンタジーと呼ぶに相応しい内容だった。しかし、ダールのファンだと語るイギリス期待の新鋭ポール・キング監督による本作からは、あまり“暗さ”を感じないのである。その“明るい”演出とティミーのイノセントな魅力が相乗効果を生み、本作を限りなく薄っぺらくしてしまっているのである。

普段からディズニーランドでEnjoyしまくっているような能天気ファミリーにはおすすめできるのだが、暗い映画館の中で誰とも口をきかず2時間黙ったまま座っていることにたえられる根暗キッズたちには、いまいち物足りない1本になってしまったことだろう。給食が食べられないため、週末に入る度に子供が痩せ細ってしまう、ワンオペ貧困家庭が急増中の日本ではなおのこと。それを、子供の頃苦労などほとんどしたことがないであろうティミーが演じているから尚更なのである。

チョコレートの中毒性については最近広く知られるようになってはいるが、本作に登場する大人たちが皆ウォンカの作る魔法のチョコレートに嵌まっていく様子はまさに“ホラー”として描くべきだったのである。カトリックの教えと相反する貪欲の象徴としてチョコレートを描いた『ショコラ』のように。脳のエネルギー源が糖分であるため、甘いものを食べると一瞬幸福感に満たされるものの、その罪悪感はやがて“糖尿病”という副作用を人間の身体にもたらすのである。

そんなチョコレートの毒性を表現するにあたっては、ティミーには(ホアキン・ロドリゲスあたりが得意とする)究極の悪やピエロを一度演じてもらう必要があるだろう。かつての2枚目俳優ヒュー・グラントが最近他の作品で演じている悪役は、本作のウンパルンパ役同様実に味わい深いのである。演じることを期待されている善人ばかりでは、(甘いだけのチョコレート同様)いずれは観客に飽きられること必至なのだから。

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かなり悪いオヤジ

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