愛にイナズマ

劇場公開日:

解説

松岡茉優と窪田正孝が主演を務め、「舟を編む」「茜色に焼かれる」の石井裕也監督がオリジナル脚本で描いたコメディドラマ。

26歳の折村花子は幼少時からの夢だった映画監督デビューを目前に控え、気合いに満ちていた。そんなある日、彼女は魅力的だが空気を読めない男性・舘正夫と運命的な出会いを果たす。ようやく人生が輝き始めたかに思えた矢先、花子は卑劣なプロデューサーにだまされ、全てを失ってしまう。失意の底に突き落とされた花子を励ます正夫に、彼女は泣き寝入りせずに闘うことを宣言。花子は10年以上音信不通だった“どうしようもない家族”のもとを訪れ、父や2人の兄たちの力を借りて、大切な夢を取り戻すべく反撃を開始する。

花子の父・治を佐藤浩市、長兄・誠一を池松壮亮、次兄・雄二を若葉竜也が演じる。

2023年製作/140分/G/日本
配給:東京テアトル
劇場公開日:2023年10月27日

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(C)2023「愛にイナズマ」製作委員会

映画レビュー

5.0アフターコロナの家族と愛の映画が令和5年の秋に出る奇跡

2023年10月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

悲しい

楽しい

2021年5月公開の「茜色に焼かれる」のレビューで、「コロナ禍が日本で本格化してから1年半、しかもいまだその渦中。石井裕也監督がこの間にオリジナル脚本で今を生きる人々の物語を撮影して完成させ、公開までこぎつけるこのスピード感たるや」と書いた。そして今作「愛にイナズマ」でも、石井監督の時代感覚と機動力に畏敬の念すら覚えてしまう。今年5月に新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症に変更され、日本が“コロナ後の時代”に入ってからまだ半年ほど。だが石井監督はこの変化を予見し、2021年末には脚本第1稿をプロデューサー陣に送っていたという。

たとえばアベノマスクにしても、不織布マスクに比べて感染予防効果の低い布マスクを全国民に配布するという愚策を得意げにアピールする当時の安倍首相への脱力感や、不良品の回収と作り直し、余剰在庫の保管にまで途方もない税金が投じられたことへの憤りも、すでに遠い昔のことのように感じてしまいそうだが、本作ではギャグのアイテムとしてしっかり機能している。窪田正孝が演じる正夫が殴られて布マスクに血がにじんで日の丸みたいになったり、後半のある場面で襲撃に備えて顔を隠そうと着用した布マスクが微妙に小さかったりと、アベノマスクでなければ生まれないおかしさ、滑稽さに笑いながら、世紀の愚策を優れた風刺で人々の記憶にとどめておくという戦い方もあるのだなあと感心。

コロナ関連だけでなく、映画業界のパワハラ・セクハラを序盤で描いている点も、実際に邦画界で著名監督や俳優が相次いで告発されたのが2022年春だったから、時事問題をタイムリーに脚本へ組み込む機敏さに感服するしかない。業界や会社の伝統や慣習を盾にする年長者が、若手の独創性や改革をつぶして心を折る傾向と、そうした連中のほうが出世しがちという理不尽は、映画界に限らずどの業界でもよくある現実だし、共感する人も多そうだ。

松岡茉優が演じる監督志望の折村花子のカメラで撮影される映像が、シネマスコープサイズの本編部分と区別するため、スタンダードサイズで挿入されている。このやや窮屈な画角の中に、父役の佐藤浩市、長兄役の池松壮亮、次兄役の若葉竜也が揃って赤い服を着て座り、困惑気味の表情でカメラをのぞき込むショットに爆笑してしまった。この画を撮りたいがために劇中の映像素材に4対3の画角を選択したのではと邪推したくなるほど、あの家族のショットは最高だった。

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高森 郁哉

2.0なんだか残念な作品

2024年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

映画監督としてデビューを目指していて、自分の家族のことを書いた内容でデビューがしようとしたが監督から降ろされてしまった花子
そこで、実際の家族のことをとって見返してやろうと思った
何年も連絡を取っていなかった家族と再会をして、そこで父と母のことがちゃんとわかったという内容だった
出演している人が豪華だったのに内容がよくわからなくて頭に入ってこない作品でした

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やっすー

4.0松岡茉優さんが凄い、最初で決めつけず最後まで見てほしい

2024年4月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

知的

序盤「もしかしたらつまらないかもしれない…」と思ってしまった自分を殴りたくなるほど徐々に面白くなっていき、最後まで見てよかったな〜と思いました。
仄暗い場面、というか人間の固定観念やある種一定の物事に縛られ囚われて生きている周囲の人物達の中で葛藤する主人公の描写から始まりますが、間に挟んでくるコメディがバランス良くて面白い。
たぶんこれ序盤で見るの諦めちゃう人がいると思うんですが、絶対に最後まで見てほしい作品ですね。

何と言ってもキャスティングが素晴らしい。
この俳優さん方で良かったと心から思います。
特に松岡茉優さん。どんな作品でも惹き付ける魅力がありますね。

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あおねる

3.5アベノマスク・・・忘れてたけど、ちっちゃっ‼️

2024年4月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

コロナ禍が始まって丸4年。もう記憶も薄れつつあるけれど、
今もマスクを外せないでいますものね。
2020年4月からガーゼのちっちゃいマスクが1世代に2枚配布され、
【260億円】かかったそうです。

「愛にイナズマ」はWikipediaにも載ってる新進の映画監督の
折村花子(松岡茉優)が、初めて商業映画の監督作品を任されるが、
花子の面倒な性格から、監督を降ろされて、
反撃のため実際の家族を使って、「消えた女」という題名の
6歳の時に自分捨てて出て行った母親の【真実】を撮影始める
コメディ映画。

石井裕也監督は「生きちゃった」(2020年公開)と言うコアな映画を
撮っている。
石井監督がポカっと空いたスケジュールの3ヶ月で取り上げた映画。
脚本は3日で書き上げた。
香港映画の「原点回帰。至極の愛」のテーマで撮る取り決めで
提示された資金は1500万円。
なんか似てますね。
主演は仲野太賀と若葉竜也。凄くエモーショナルな傑作なのです。

この映画も割とそんな感じで発作的かつ即興的に取られてると思います。
脚本はかなり行き当たりばったり、出演者の演技に頼っています。
まぁ石井裕也が声をかければこの豪華な俳優が時間を割いて駆けつけるん
ですね。
役者一人一人の出番が輝いている。
三浦貴大(花子の助監督だがパワハラ・セクハラの挙句に監督を横取り)
【三浦貴大】の最近の変貌は見た目を含めてスゴい。
人から嫌われる《やな奴》に役者の喜びをみつけたか?
口八丁で海千山千のプロデューサーの【MEGUMI】
「本人でなければ解約出来ない、と規則を頑なに繰り返す」
携帯ショップの女が【趣里】
「俺の妹を侮辱した」と雇い主の社長に初めて(多分?)
食ってかかる池松壮亮(折り村家の長男)を
「こいつバカだから」を繰り返し、裏手に連れ込んで引っ叩く
冷酷な社長に【高良健吾】
佐藤浩市を娘の仇を討つってくれた恩人と言う食堂のオヤジを
【益岡徹】

主役の松岡茉優、父親役の佐藤浩市、兄2人の池松壮亮と若葉竜也。
そしてアベノマスクを貰って使ってる変な男を窪田正孝。

主役は当然なのだが、先に挙げた脇役陣の張り切り様と、
そのスポットライトの当たり方・・・
こりゃあタダでも出たくなりますわな(もちろんタダではない‼️)

石井裕也監督が全精力を傾けたとは思えないが、
端々に社会への反発や皮肉や風刺の効いた技アリの一本。

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琥珀糖
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