映画 窓ぎわのトットちゃんのレビュー・感想・評価
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「わたしはトットちゃんなのに」
始まって10分以内だと思うが、「どうしてみんな私を困った子っていうの?わたしはトットちゃんなのに」というセリフが出てきて、心から猛烈に素晴らしいと思った。予告編にも使われていた有名な「君は本当はいい子なんだよ」というセリフは実は好きじゃなくて、それも子供頃に原作を読んだ時からひっかかっていた。あの校長先生の言葉で黒柳徹子は救われたというのだから、そのことにケチをつける気はさらさらない。ただ、「いい子」という言葉は、他人がの評価軸によって規定される言葉に思えて、幼児だったころから苦手だという個人的な事情がある。しかし、それに比べて「わたしはトットちゃんなのに」に込められた、子供のやるせなさ、悲しみ、表現の限界、それでいて自分というのもがしっかりある感じ、そんなものが全部このひとことに詰まっている。子供映画として完璧なセリフに感動して、原作を読み返してみたが、特にこのセリフは出てこない。マジか、これ映画のオリジナルなのか。予告編では気持ち悪く見えたほっぺの赤いキャラデザも、作品で見れば違和感もなく意図が伝わってきたし、丹念に書き込まれた作画のクオリティも凄まじく、忍び寄る戦争の描写も容赦ない。実にいいものを観させていただきました。
今年の最重要作
これはすごい。内容レイヤーでも映像や芝居のレイヤーでも圧倒的なものがある。とにかくモブの一人ひとりにいたるまできちんと芝居させていて、誰一人「背景」になってしまっていない。非常に労力がかかっていることは間違いない。子どもたち1人ひとりの動きにも個性があって、描き分けられているのがすごい。
戦前から戦時へと移り変わる様が日常描写の中に挟まれていき、いつの間にか日本は戦火となる。子どもの視点で描かれる市井の変化を捉えている。
「へいたいのうた」を最後まで歌わせないで騒ぎだしてしまうトットちゃんのシーンが序盤にある。とても示唆的だ。戦争プロパガンダが小学校教育に入り込んでいるが、トットちゃんはそれを遮ってしまう。そういうものには与したくないという制作の意思が強くでている。終盤、出征していく兵士たちと真逆に駆け抜けていくトットちゃん。言葉よりも動きで伝える姿勢が徹底されている。小林先生のキャラクターも非常に奥深い。あの狂気の時代に教育を守るためには、ある種の狂気を宿さなければいけなかったのか。
冒頭と最後に、夢の光景のように出てくるちんどん屋だけがそうした戦争の狂気から隔絶された、特権的なものとして登場する。人を楽しませるちんどん屋だけは戦争に侵されずに住んでいる。これも強烈なメッセージだ。
2023年の最重要作だと思う。後年に残すべき一本だ。
トモエ學園という優しい世界
祖母を誘う映画にちょうどいいかなと思って、観てきた。シネコンでは終映してしまったので出町座で。
見られてよかった。
トットちゃんの純粋で素直な姿とトットちゃんを取り巻く人たちの優しさに心が洗われたし、やすあきちゃんと小林先生に泣かされた。
エンディングの“あのね”もベストマッチすぎて最後までうるうるしてた。
あの方の少女時代
子供時代に、父か祖父がこの本を買ってくれて、とても興味深く読んだ。感銘を受けた本。表紙の少女はいわさきちひろの画だった。
今回アニメ化されて、好きな画風じゃないけれども(かと言って萌え画じゃ合わないしやはりこの画風が良いのかな)見るしかないと思った。
雨の中踊る少年少女に魂の躍動を見た気がした。オレンジ色の雨の中、天使のような子供たち。
そしてどうやって、木から下りられたのかな!?
美しい世界だけれど
原作はかなり以前に読んだことがあったので、大まかなストーリーは分かっていたつもりだったけども、黒柳徹子さんの心根と同じ、とても美しくてヒューマニズムに溢れる世界。心が洗われるような。
ただ、絵のタッチと言うか、キャラクターがなんとも絵本チックと言うのか、自分には世界に没入するのに邪魔になった。そこが残念。
口紅のCM(長編)
戦時手前、天真爛漫なトットちゃんと身体不自由な男の子、家族、学校などの話。
感動作。
良い点
・校長先生
・歌わずとも曲を奏でる
悪い点
・前校、他の教室は無人なのか。両校、高学年はいないのか。
・いきなり帰らせる
・男の子のあれがない
・飛躍シーンの曲が盛大すぎてやや浮いている。
・プールの飛躍シーンがやたら長い。泰明が主人公と化している。
その他点
・骨折しそう
・嫌々服を貸したと思われる
・シュプレヒコール繋がり
・腕相撲をすすめたのが間違い
・死因
・トットとは
・屋根裏のトットちゃん?などとややこしい。
見なければもったいない
人から勧められて見ました。というか、勧められなかったら絶対見なかったと思います。でも、見てよかった。教条的なものでなく、純粋に作品として見てよく、泣けました。いろいろな先入観なくまず見ることが大事だと思います。
手袋つけてピアノを弾かない←たしかに
「トモエ學園良い學校!入ってみたら良い學校!」
2024年映画館鑑賞5作品目
2月4日(日)イオンシネマ石巻
1800円→dポイント−300円
原作未読
いや小学生の頃に図書室で読んだかもしれないがはっきりとは覚えていない
原作者黒柳徹子さんが自らプロデューサーを務めているわけだから揉め事があるわけがない
原作ものは原作者を担ぎ上げないといけないよ
原作厨もご満悦
でも聖地巡礼もほどほどにな
アニメオタクの自由と自由が丘住民の自由の解釈はかなり違うからな
これ以上オタクのイメージを失墜させないようにしてくれ
基本的に一般人から快く思われていないと自覚してくれたらトラブルは防げるはずだ
斉藤由貴のやつは観たことあるけど清野や満島の方は観ていない
監督と脚本は『映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生』の八鍬新之介
脚本は他に脚本家の1人としてTVアニメ『ドラえもん』『パズドラ』で数話担当した鈴木洋介
キャラクターデザインは『大きい1年生と小さな2年生』『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』の金子志津枝
黒柳徹子がトモエ學園に転校するところから始まり弟が生まれ青森に疎開するまでの話
時系列があっちに行ったりこっちに行ったりしないので楽
トモエ學園は今でいえば自由度が高いミッション系
発達障害とか障害者の受け皿でもあるのかな、
実際のところリトミックというやつらしいが日本では今も主流ではないようだが
それもそのはずで実際大人になるとああいう仕事ができるのはごく一部でほとんどの人はよく調教された名犬のように働くことを求められる
廃車の電車車両が校舎になっている
鉄オタじゃなくてもウキウキしてくる
夜店で買ってもらったヒヨコがあっさり死んでしまうわけだが何故か自分は泣けてきた
職業柄生き物の死骸は見慣れているわけだが
トットちゃんのパパはいつも髪がボサボサだがバイオリンを弾くときは髪型がバッチリと決まってる
家で家族には気を抜くがバイオリンには真摯に向き合う姿勢なんだろう
とにかく絵のタッチが素晴らしい
自分好み
いかにも典型的なアニメオタクが好みそうな例えば痛車に描かれているような絵柄は申し訳ないが生理的に無理
金子さんのキャラクターデザインがトットちゃんの世界に見事にハマった
彼女以外のスタッフが中心になって携わったのだろうが動物&電車のシーンとトットちゃん&泰明ちゃん水中シーンと流氷の川が流れる悪夢シーンのいずれも良かった
泰明ちゃんの死に顔も良い
泰明ちゃんといえば木登りのシーンも雨の日のシーンも腕相撲のシーンも良い
感動的
ファンタスティック!
子供が全裸になるシーンはヒヤヒヤしたが性器を省略したのは正解
アラレちゃんやガッちゃんを思い出した
乳首はなぜか省略しなかったけど
フェイスブックもどうせやるならそうすれば良かったのに丸ごと児童ポルノに認定してしまうなんてバカだよな
エリートのくせに上品下品や善悪の区別がつかないなんて怖すぎる
全てにおいて見事な表現力
ブラボー
2023年公開アニメ映画ベスト3には間違いなく入る
配役
トットちゃんに大野りりあな
トモエ學園の小林校長に役所広司
トットちゃんのパパに小栗旬
トットちゃんのママに杏
トモエ學園の大石先生に滝沢カレン
小児麻痺の泰明ちゃんに松野晃士
自由が丘の駅員に石川浩司
例によって声当て専門ではない著名人中心だが声オタではないので全く気にならなかった
客寄せパンダというがパンダを悪口に使ったら黒柳徹子さんがブチギレるからやめろオタクども
それにしても滝沢カレンはずいぶんと謝罪慣れしてるなと感じた
あと気になったのがトットちゃんのことを父親が「トット助」と呼ぶことかな
そういえば母は徹子を「トットちゃん」と呼んでいたっけ
親が自分の子を渾名で呼ぶって「ちびまる子ちゃん」みたいだな
キャラクターの造形で入り込めなかった
原作大ヒット直撃世代だが、この手の著者の人気にのっかったようなベストセラーはへそ曲がりのため未読。当然、イヤというほど流れていた劇場予告からはまったく興味が持てず、鑑賞予定はなかったが公開後の各方面の評判がやたらと良いのでそれではと観てみた。
アニメは結構、キャラクターの造形で好き嫌いがはっきりしてしまうほうなのだが、本作の、特に女の子のキャラはなんでそんな厚化粧しているの? という描き方で作品に入り込めない要因の1つだった。
時代考証はよくできていて、ディティールも、いつのまにかいなくなっている愛犬(軍用犬として徴用された)や駅の改札が女性にかわる(男性は予備役だったのが徴兵)などコトバにしない戦争の激化を表現する細かい作劇はうまいとは思うが、全体としてはやはり富裕層のお嬢様のワガママ物語りにしか見えなかった。
同時代を描いている「この世界の片隅に」と比較されることもあるようだが、自分としては別物でした。
良作というかたの気持ちはよくわかる。わたしの趣味ではなかっただけ。
余韻がすごい
映画館を出てから自分の車に乗り込むまでに、嗚咽がでそうなほど泣きたい感情に襲われた。
次の日はトモエ学園と小林校長先生について調べた。
この映画が金曜ロードショーで流れたら、きっと教育に革命がおきるぞ。
とにかく、早く映画館まで行ってみてきてほしい。
トットちゃんの強さと優しさに号泣
原作を読んだことがなかったので、映画で初めてストーリーを知りました。
黒柳さんの愉快な幼少期のお話かと思いきや、周囲から押し付けられる“普通”・身体障害を持つ友人との出会いと別れ・戦争によって壊される日常…考えさせられる内容でした。
また、教育において、一般的に間違っていると行動だったとしても、すぐに否定するのではなく“見守る”という選択肢も持つべきなのだと学びました。
大人になって置いてきてしまった大切なものをトットちゃんのお陰で思い出せました。
見に行って本当に良かったです。年齢を問わず、沢山の人に見てほしいです。
かわいいアニメってだけじゃない。
黒柳さんは裕福な家庭で産まれたセレブな方だったんですね。同級生の死の理由がわかりませんでした。個人的には自殺なのだろうと感じました。黒柳さんは彼と仲良しで彼のために良かれと思えば無理をしてでも行動をおこし手を差し伸べ、いつも寄り添って過ごしていました。彼は体が不自由でしたが黒柳さんのおかげで1人なら諦めていた事を2人なら実現させ彼に様々な困難を乗り越えさせ喜びを与えていました。ここからは私の想像ですが、楽しい事を知り生きる事に対して色々な欲がうまれた彼は何か乗り越えられない壁を感じて結果的に死を選んでしまったのでは?
その死に追いやってしまったことに黒柳さんは少し責任を感じているのではと思いました。(私の勝手な解釈にすぎません。)この話の中でとても衝撃的な出来事で意味が深いような気がしてしまいました。
あいみょんの主題歌最高
子供がいる身としては、教育について考えさせられました。
子供は大人が思っているよりも強い。
親があまり干渉せずに任せてみることも大事なのだと。
大人目線の子供はこうあるべきだという押し付けが子供の個性を潰してしまうのだなと。
小林先生は日本のダンブルドアといったところでしょうか。
声優役所広司は、正直あんまりだったと思います。
あいみょんの主題歌が最高過ぎて、トットちゃんの主題歌→金カムの主題歌→カラオケ行この紅を最近毎日聞いています。
戦争文学としても良作
映画の冒頭と終わりが、黒柳徹子さんご自身のナレーションで、
前半は、
トットちゃんとトモエ学園での生活のはじまり、
落ち着きのない自由な少女トットちゃんが、他者とのつながりを知っていく。
そして終盤は戦争の影。
ずっと子ども目線で描かれているので、社会情勢や背景についての言及は無し。
お弁当が日の丸弁当一択と決められ、児童のお弁当が一斉に変わっていくさまは怖い。
そして、改札の駅員さんがある日、女性に代わっていた…(つまり徴兵された)
画面の変化は、見ている方は理解できてしまう。
トットちゃんのお家は洋風で見るからに裕福そうなお家。
昔のトースターってこんな感じだったのね。という驚きもあって、描写を見るのが楽しい。
最後には住宅疎開云々で、素敵なお家も取り壊されてしまう描写は悲しい。
トモエ学園は空襲で焼け落ちてしまった…
トットちゃん家族は、青森へと疎開。
(のちの黒柳さんのインタビューで、行き先を決めず列車に乗り、仙台、福島は空襲に遭いそうという理由で更に北へ。列車の中で知り合った青森の方の家に転がり込んだという… お母さん凄い!)
黒柳徹子さんの実体験を描いた本作。
戦争を体験した世代の貴重な物語。
…しかし、トットちゃん、
舗装されていない交通量の少ない時代だったからいいものの、現代だったらすぐ交通事故に遭っていそう…
実話としては素晴らしいが、映画はもう一息
原作未読。
実話としては素晴らしいことだと思います。
今で言ったら多動症などの名前が付くのでは?と思うトットちゃん。多くの人には困った子として扱われてしまうが、それを魅力的な個性として受け入れる校長先生やトモエ学園は素晴らしい。
ただ、映画としての完成度が高いかと言われると、少し疑問。やすあきちゃんが亡くなるところは、本人は気づいていたようですが、そうであればもう少し予兆があったりするのでは? なんとなく「泣ける」演出にされた感じで、実際泣いてしまったけれど、嫌な気持ちでした。
戦争の影が忍び寄る不気味さはよく表現されていたものの、トモエ学園の教育方針で育っていくトットちゃんの成長過程は、戦争の話でぶつ切りになり、最後は反戦映画のよう。何を一番伝えたいのか分からなくなってしまいました。
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